2000年10月のレビュー

 


2000年10月31日(火)   30センチのジレンマ

   ルビー文庫   真船るのあ:作  みなみ遥:絵

真船先生の新作は、30センチの身長差をもつ、幼馴染み同士のお話です。背の低い方が主人公で、お料理上手で世話焼き好きな高校生。幼馴染みで同級生なお相手は、その彼よりも30センチも背が高いくせに、なんだか甘えたがりでそばを離れたがりません。高校に進学してすぐに、クラブの勧誘があり、幼馴染みの彼は何を思ったか「コイツが入ったクラブに俺も入る」と宣言し、その日から主人公は、各クラブの勧誘に巻き込まれるハメになりますが…。

表の顔と裏の顔を持つ(笑)攻キャラと、けっこう素直に騙されている受が可愛い(笑)真船先生の作品というと、あまりショタ系な感じはなかったのですが、今回イラストがみなみ遥さんだというのも相まって、なんだかちょっと受がショタっぽくて(笑)(実際はそうじゃないけどね)イラストのイメージと言うのは大きいんだなあと思いました。さて、これは続編でるのかな?出てもいちゃいちゃラブラブ〜なお話になりそうですね(笑)

私的評価 ☆☆☆☆
(真船先生らしさと、新しい部分とが重なった感じ。読みやすい作品だと思います。)


2000年10月31日(火)   君におくる言葉

  ティーンズルビー文庫   結城惺:作  橘皆無:絵

ティーンズルビーにて発売された「君が想うより」の続きです。あすかノベルズのアンソロジーに掲載された、このシリーズの最初の作品になる「君は知らない」と、シリーズ内の別キャラのお話の書き下ろし、メインカップルの話の書き下ろしの合計3編が収録されています。

ほのぼのほわーん、とした感じの作品ですね。主人公くんが心の中に抱えている闇は、大きいものだけど、でもそれをカバーしてあまりある幼馴染みの愛♪が(笑)健気で好きです。穏やかに読みたい人にはぜひお薦めしたいですね。「君は知らない」を収録したため、ティーンズルビー文庫2冊で、今のところ出ている作品を網羅できるので、興味のある方はどうぞ。

私的評価 ☆☆☆☆
(正統派な(笑)学園ものっぽいです。穏やかとか、和みというイメージのつよい作品。…というか、こういうのが私の和みツボなのかしら…(^^;)


2000年10月31日(火)   ヒミツのキスをもう一度

   ルビー文庫   黒崎あつし:作  阿川好子:絵

えーと、これは初文庫になるのかな?学校の先生が主人公です。彼は酒癖がわるく、すぐ記憶をなくしてしまいます(爆)それだけでなく、やたらと誘惑しまくるらしく…、今回泥酔したあげくに寝てしまった相手は、実は自分の勤める学校の生徒で、でもどうやら気付かれていないみたいで…。

なんだかひじょーに受クサイ(笑)先生でした。ホントに先生なんか!というツッコミもしたくなりますね(笑)が、根本では、攻を甘えさせてやってる、という感じもあるので、まあそう年齢低い感じでもないのかなあ〜。とりあえず、Hの回数は結構多いです(爆)

私的評価 ☆☆★
(まあ、内容がない、訳ではないので、回数が多くてもかまわなければ(爆)けっこう読める作品でした。)


2000年10月30日(月)   NEWSな俺たち

   ダリアノベルズ   神奈木智:作  桜城やや:絵

全編書き下ろし(…のはず。間違ってたら教えてね(^^;)の学園モノです。主人公は、やたらと転校をくり返す、ちょっとタラシ系の少年。転校先で出会ったのは、やたら美人な風紀委員長で、どうやら妙な噂の主らしくて…。

「噂」の無責任さを噛み締めつつ(笑)読みました。事件自体と、その解決方法等については、ちょっと御都合主義的な感じもしないでもないんですが(^^;でも、テンポがよくて面白かった。ぜひ、彼らのその後も読んでみたいものです。

私的評価 ☆☆☆☆
(はっ(^^;これひょっとして実は学園という皮をかぶった『勧善懲悪』モノなのかしら?)


2000年10月27日(金)   カクテルは甘く危険な香り

   キャラ文庫    篁釉以子:作  雁川せゆ:絵

酒造会社の小売店に勤める、小動物的な魅力(笑)をもつ青年と、オリジナルカクテルで、金賞を獲得したことのあるカリスマ的バーテンダーとのお話です。目を輝かせて慕ってくる青年に、いつしかバーテンダーはほだされて…。

けっこう「執着心」をしっかり書かれる方で、時にはテーマが重くなったりもしますが、これはけっこうあっさりとその辺りを書かれているので、そう重くもなくさらりと読めました。2人の距離がだんだんと縮まってくるのが、読んでいてもなんだかどきどきで(^^)自分の何を犠牲にしても…と思う青年の健気さと、その健気さに助けられるバーテンダーとがいい感じ(^^)楽しんで読みました。

私的評価 ☆☆☆★
(雁川先生の「瞳をキラキラさせた」イラストがナイス(笑)小動物的で、ぴったりでした。思わずウサギ耳を探しちゃったよ(笑))


2000年10月27日(金)   伝言ゲーム

    キャラ文庫    剛しいら:作   依田沙江美:絵

キャラセレクションに掲載された表題作と、その続編の書き下ろしです。体操部をケガでリタイアし、CD屋さんでバイトを始めた少年と、そのバイト先のチーフで、実はダンスチームのメンバーの青年とのお話です。キーワードは「携帯メール」 今は猫も杓子も…という感じのものですが、これがもとでトラブルに巻き込まれる彼らは…。

続編では、表題作のトラブルを踏襲した上でのトラブルが発生して(^^;大変なことになってましたねえ(笑)全体的にやっぱり「…こんな今どきの高校生はいないよーな…(^^;」と思ってしまうところはありますが(イラストの依田さんも、絵柄が古いしね(^^;)でも、健気さには思わずほだされてしまいます。ラストシーン近くで初めて、主人公が「体操部」であったことの利点が出てきて「ひょっとして、このために体操部だったの?(^^;」と思ったりしました(笑)めちゃめちゃ細かい前フリかも(笑)

私的評価 ☆☆★
(事件のわりには、なんだか雰囲気がのほほんとしてます。和みたい人はどうぞ)


2000年10月27日(金)   やってらんねェぜ! 5

    キャラ文庫    秋月こお:作   こいでみえこ:絵

全編書き下ろしのシリーズ最新作です。…といっても、コミックスの方ですでに進んでいた話で、それに肉付けがほどこされた、という感じ。隆と裕也の初々しいカップルが、ようやく2人でいる事を決意しあい、ラブラブ度200%って感じになります(笑)

裏では叶の刺傷事件なども起こったりしてますが、この2人はなんだかマイペース。まさに蜜月という感じになってますね(笑)…高校生なのになんだか言い回しが古臭い部分もあって、ちょっと笑っちゃったんですが(笑) ようやく、おさまるべきところにおさまった、という感じで安心して読めました。

私的評価 ☆☆☆
(私はぜひぜひ、千里と叶の話を希望(笑)だって読みたいんだもん…。)


2000年10月25日(水)   毎日晴天! 1

    キャラコミックス     二宮悦巳:絵 (菅野彰:原作)

キャラに連載中の、「毎日晴天!」シリーズの1冊めのコミックスです。原作は菅野彰先生。めちゃめちゃハマった作品のマンガ化なので、いつも楽しみにしています。好きなシーンを、それも二宮先生の絵で表現してもらえると、想像が倍ふくらんじゃいますね(笑)それに、ちょこちょこと、行間を埋めるような笑えるシーンがあって(主に勇太の志摩姉想像図(笑))和みます。

小説の方は巻を重ね、だんだん「どたばたファミリー喜劇」的な1巻とは違った感じになってきてますが、このコミックスで、なんだか初心にかえってしまった感じ(笑)根底に流れるのは、確かな家族愛と、相手を思いやる優しい気持ちです。…どれだけどたばたアクションであってもね(笑) また、小説を1から読み返そうかなあと思ってしまう、小説そのままのイメージのコミックスでした。

私的評価 ☆☆☆☆☆
(「小説は長そうでちょっとな、巻数もいってるし」という人、マンガから入ってみるのも一興かも?めちゃめちゃ笑えます(笑))


2000年10月19日(木)   胸さわぎのナビシート

    オヴィスノベルズ    水島忍:作   明神翼:絵

胸さわぎシリーズの5冊目になります。1冊目の主人公明良の従兄で義兄の一秀のお話です。もともと彼は、1冊めでは攻めキャラだったのですが、なぜか受キャラに変換されてます(^^; そして攻はもうベタもベタ(^^;長髪で美形で、モデルやってるという…(^^;おまけに赤いスポーツカーに乗ってたり(^^; うーん定番すぎる(笑) とりあえず、出会ってうやむやの間にHしちゃって、気持ちが後から付いてくる…これも水島さん定番の展開でした。

最初のイメージが、どうしても1冊目の攻キャラの彼だったもので(^^;やはり違和感がぬぐえませんでした。いきなり「でも眼鏡外したら可愛いのよ」じゃちょっとなあ(^^; イラストも全然雰囲気違うし…。単独で読めばまた違ったんでしょうけど、シリーズものだけに、この違和感があるままではちょっと読みにくかったです。

私的評価 ☆☆
(ワンパターンの良さはわかってるんですが、でもやっぱりなあ…。もうちょっとひねりがあってもいいような気もするし、やっぱり気持ちがあってこその行為だと思うんだけどな(^^; 夢見過ぎかな?)


2000年10月17日(火)   親友ごっこ

    ビーボーイノベルズ    鹿住槇:作   あとうせりな:絵

ふふふ、待ってました♪親友ごっこの3角関係の1人だった、二階堂さんと、二階堂さんの会社でアルバイトをしている昂くんのお話です。小説b-Boyにて掲載されたものに、続編の書き下ろしも入っています。基本的には「二階堂さん救済措置」だったのでしょうけど、でも私はすっかり昂くんに感情移入しちゃってます(笑)だって、健気で可愛いんですよ、ほんとに!

書き下ろしのピアスの下りなんか、めちゃめちゃ可愛い!2人ともどうにも自分に自信がないんですよね。それが可愛いところでもあり、また焦れったくもあるんですが。私はどうしてか、こっちのカップルの方が好きですねえ。「自分では制御できない気持ち」ってのもあると思う。せいぜい二階堂さんにはケダモノになっていただきましょう(笑)

私的評価 ☆☆☆☆☆
(ぜひ「親友ごっこ」と合わせてどうぞ。絶対可愛いです。「恋愛」が読みたい方にオススメ。)


2000年10月17日(火)   好きだよ!

    ビーボーイノベルズ    麻生玲子:作   南京ぐれ子:絵

タイトルを見て「はて、書き下ろしかな?」と思ってたんですが、中を見て納得。小説b-Boyに掲載された「ガゼルの瞳」「視線の先には…」と、その続編で、書き下ろしの「好きだよ!」が収録されていました。「ガゼルの瞳」だと、まるでアフリカの保護地区の話かと思われるから、ということで、ノベルズタイトルが書き下ろしのタイトルになっちゃったんですね。私、けっこう「ガゼルの瞳」ってタイトルも好きだったんだけどなあ〜。

ちなみに、これ雑誌掲載時からすごく好きな作品だったので、まとめて読めて嬉しいです。クラブ「どうぶつえん」では曜日ごとにいろんな企画がされており、木曜日の「ガゼルナイト」で出会った高校生と、カメラマンの優しくて強い絆を描いたお話です(^^)高校生がね、健気で可愛いんですよ〜。嫉妬も可愛い可愛い(笑)ぜひ読んでみてね。

私的評価 ☆☆☆☆★
(とっても可愛いお話です。南京ぐれ子さんのイラストもぴったり♪ラブラブを楽しんで下さいね。)


2000年10月17日(火)   ガテンな王子樣

    ビーボーイノベルズ    小川いら作   海老原由里:絵

小説b-Boyに掲載された、工事現場に勤める元気印の少年と、少年の憧れの人で、設計士の資格をもつ建築会社の担当者の青年のお話です。ちょっと抜けてる(笑)少年が、どんどん青年……というよりおやぢ(笑)の手にハマっていくのがおかしいやら可愛いやら。雑誌掲載分ではラブラブになるまで、書き下ろしでその後の新婚生活(笑)ぶりが読めます。

なんというか、少年、もうちょっと自分の現状を悩めよ…(笑)と思わないでもないんですが、それがまた可愛い部分でもあります。真直ぐで、人を疑わないところは、周りの人間の気持ちの拠り所になってるかもしれないなあ。

私的評価 ☆☆☆
(けっこう実は姑息なおやぢ(笑)相当前から狙ってたんじゃん!って感じです。気付かない少年に問題があるのか、これは?(笑))


2000年10月17日(火)   愛がとまらない

    花丸文庫    磯崎なお:作    桜川園子:絵

小説花丸(…たぶん。まちがってたらごめんなさい)に掲載された、瀬戸内海に面した田舎町に住む可愛い高校生と、その幼馴染みで寺の跡取りの青年との、切ない恋を描いたお話です。ラストにちょびっと、登場した別キャラのお話が載っています。雑誌掲載されたときに、可愛くてすごく好きだったお話だったので、こうして改めて読めて嬉しいです(^^)

もう1人の可愛い幼馴染み(女の子)のために、気持ちを押し殺そうとする2人が健気で、でも溢れ出る気持ちを抑え切れなくて、葛藤をくり返していて、すごくなんだか「恋愛〜っ」って感じが(笑)しました。読んでいて、ずいぶん受キャラに感情移入してしまって(^^;A 思わず涙を浮かべたシーンもあり。正統派な感じの恋愛模様だったと思います。

私的評価 ☆☆☆★
(「誰かを傷つけたくない」と思い、断念しようとする、偽善的になってしまいそうな気持ちを優しく書き上げてあって、嬉しいです。)


2000年10月15日(日)   先生のキモチ/生徒のキモチ

    リーフノベルズ   水上ルイ:作  滝りんが:絵

水上先生の新刊は、同じ「桜川荘」という下宿に集う面々を題材にした、いろんな「先生」「生徒」の側の話を3カップル分書かれた上下巻です。全部「先生×生徒(弟子)」で、なおかつ「どちらかが極貧な人」というのが共通設定になってます。

うーーーーーーん(^^; これ、3つもカップル書く必要あったのかな?というのが読了後の最初の印象。もちろん立場や内容など全然違うんですが、なんだかどのカップルも一緒なんですよね(^^; 受の窮地を攻が救う、極貧が最後に一転してお金持ちになる…。それなら1つのカップルをじっくり両側から書かれた方がよかったんじゃないかなと思ってしまいました。急ぎ足で3カップル書かれた感じで、1つ1つが掘りさげ方が少ないので、よけいになんだか物足りないです(^^;

私的評価 ☆★
(無理に「共通設定」にこだわらなくても良かった気がしますねえ。もったいないです。)


2000年10月11日(水)   君は僕の無邪気姫

    アイスノベルズ  高円寺葵子:作   やまがたさとみ:絵

小説アイスに掲載された作品で、ある男子校に入った新入生の男の子が出会った不思議なルームメイトとの関係や、ルームメイトのトラウマを描いたお話と、その続編、番外編の書き下ろしが載っています。雑誌掲載時とはタイトルが違うんじゃないかな?

ぶっきらぼうなルームメイト(先輩だけど(^^;)がだんだんと心を開いていく様は、まるで「野良猫が懐いてくる」みたいな感じ。けっこう可愛いです(笑)別キャラの話もけっこう笑えて楽しいですね。表題作はちょっと重い目の話だったんですが、続編以降はその暗さや重さをはねとばす感じの笑える内容でした。

私的評価 ☆☆★
(高円寺先生の作風としては珍しいですよね?トラウマ系って。まあ、重苦しくて読めないほどではないので、御安心を(^^))


2000年10月11日(水)   我慢できないっ!

    アイスノベルズ   牧山とも:作   島崎刻也:絵

新人作家さんの初ノベルズ。幼馴染み同士のお話で、穏やかで天然ボケな青年(受(笑))と、関西弁バリバリ、やり手で精力的で、絶倫(爆)な青年とが、笑えるやり取りをくり返しています。一見強引に見える攻の青年ですが、めちゃめちゃ受に惚れていて、手を出しかねていたり、めちゃくちゃやってそうに見えて実は優しかったりして(笑)なんとかして初Hに持ち込もうと画策している最中に、横やりが…。

いやあ、なんだかすっごく設定として、その横やりが安直な気もするし、突飛な気もするし(笑)でもテンポがいいので、読みすすめてしまえるんですよね。横やりが2種類あるんですが(笑)どちらもむかつくぐらいに強引で、だからこそ攻キャラの優しさが際立ってくる感じです。結局受の自信のなさがひき起こした事件だったけど、でも雨降って地固まるって感じでした(笑)

私的評価 ☆☆☆
(…しかし、彼らの今後、ベタ甘っぽくてなんだか近寄りたくない感じ(笑))


2000年10月11日(水)   KISS'N FOCUS

    アイスノベルズ   うえだ真由:作   水姫暁乃:絵

モデルをしている、ちょっと夜遊びをしちゃったりする高校生と、夜遊び中に知り合った、才能あるカメラマンとのお話です。小説アイスに掲載された作品に、続編の書き下ろしもついてノベルズ化です。うえだ先生、来月も引き続いてノベルズ発売ですね(^^)注目度の高い方なので、嬉しいです。

遊んでみたい、ちょっと背伸びしてるモデルくんと、その笑顔に騙されないカメラマンとの駆け引きがとっても面白い(笑)です。どちらかというとカメラマンの手の上で、モデルくんが踊らされてるっぽいんですが、だんだん健気でなりふり構わなくなってくるモデルくんが正直で可愛いなと(笑)ただ、言葉が2人とも絶対的に足りなくて、苦労してます(笑)なんとか続編ではラブラブ…らしき感じにもなりますが、決して私情に流されない大人なカメラマンがカッコイイです。

私的評価 ☆☆☆★
(大人はずるいのかもしれない…と思いつつ読んでました(笑)カメラマン側には、少年の気持ちバレバレだしね(^^;)


2000年10月11日(水)   あまい唇、苦いキス

    アイスノベルズ  神奈木智:作   夢花李:絵

なんだかとっても可愛い感じの、学園もののお話です。全編書きおろしで登場。主人公は、ちょびっとダサめな普通の高校生。母親が家を出てしまい、小さい弟妹の面倒を見なければならず、大変な日々を送っている彼が、ある日ひょんなことから知り合ったのは、転校してきたばかりの大財閥の御曹子の美人な少年で…。

けっこう御曹子が高飛車なんですが、これがねえ、だんだんと可愛くなってきちゃうんですよねえ〜。主人公もだんだんとかっこ良くなってきて、なんだか成長過程を見ているような作品でした。順を追って惹かれていく感じで、微笑ましいし、可愛いし。イラストも可愛くて、相乗効果で和んでしまいました。ほんわかしたい人にオススメな可愛い1冊です。

私的評価 ☆☆☆☆
(なんだか、ホッとする作品でした。御曹子が可愛すぎ!健気だわ〜(^^))


2000年10月11日(水)   月と宝石 〜怪盗紫&ヒデロウ〜

    クリスタル文庫   尾鮭あさみ:作   狩野モモ:絵

尾鮭先生の、クリスタル文庫では初めての作品は、ちょっと間抜け(笑)な怪盗の青年と、これまた天然入ってるような、アーティスト(オブジェとかを制作している)の青年とのお話です。時々突拍子もない話になったり、ベタな展開になったりしますが、これもまた尾鮭先生の味かなあーと思わせてくれます(笑)

あとがきでちょっと書かれてるんですが、この作品、コンセプトがどうやら「リバーシブル」(笑)らしいです。そういうシーンもありますが、なんとなくイメージ的に「にゃんこが2匹じゃれてる」っぽくて、微笑ましい感じもないではないです。これでもうちょっと身近なネタだったら、更に楽しめたかもなーと思いました。

私的評価 ☆☆☆
(まあ、近未来ネタよりは、身近に感じられたんですけどね(^^;) 現実にこんなやついねーよ、って感じ?(笑))


2000年10月11日(水)   夜来香(イエライシャン)

    クリスタル文庫   久能千明:作   高橋悠:絵

久能先生の新刊は、なんと「初めて書いたJUNE系小説」のリライト版だそうです。切っ掛けは、鷺沼やすなさんの同人誌に寄稿したことかららしいとは伺ってたのですが(笑)もともとパロディのものを、オリジナルとして書き直した作品だそうです。だからでしょうか?ずいぶん、最近の作品とは、流れの違う作品でした。

幼馴染み同士が、旅行先で出会う不思議な尼僧や少女が、ほんとに背筋をゾッとさせるような存在感を持っています。決してホラーではないと思うんですが、なんだかちょっと薄ら寒くなっちゃう感じがしました。本音を言えば、もうちょっと「未来は明るいぞ〜」系の方が好みかなあ…(爆)年月を感じさせる作品でした。昔はこんな感じのいかにもJUNE!てのが主流だったんだもんねえ。

私的評価 ☆☆☆★
(うん、やっぱりなんというか古いめだとは思います。でも、それでも「読ませてくれる」作品ではありました。)


2000年10月10日(火)   可愛いひと

   ビーボーイコミックス     紺野けい子:絵

発売日当日ではなく、結構後になってから、購入しました。発売日からこっち、なぜかずーっと気になってて、手に取っては置き、をくり返して、「えい!」とばかりに購入してみたら、小説b-Boyや小説BEaSTに掲載されていた、一途な先輩とかっこイイ後輩のお話のシリーズでした(^^;) 道理で気になる訳ですよね、すごく好きだったんだもん(^^;)←最近こんなパターンばっかりらしい。

紺野さんらしい、情感のある絵と、テンポのいい話運びが好きですねえ〜。Hシーンも、けっこうハッキリ(^^;)描いてあって、ドキドキですが、あんまりエロい感じではなく、「ああ、なんか高校生ってこんな感じよね(笑)」という微笑ましさがただよいます。悩み多き年頃を、とっても上手く表現されてる感じで、私はすごく好きなのでした。

私的評価 ☆☆☆☆
(描きおろしで、ちょびっと番外編もあります。まとめて読めて、おとくな一冊でした(笑))


2000年10月10日(火)   奇跡の恋人 〜IMAGINARY LOVERS〜

   ビーボーイコミックス     如月弘鷹:絵

如月先生の、ボーイズラブ系では「初!」コミックス、初期に描かれたマンガ(ほとんど他社(^^;))を集めた、短編マンガ集です。でも、まだ何編か、未収録の昔のマンガがあるなあと思いつつ(笑)(ナルシスに載ってたのとかね)楽しんで読みました。表題作の「IMAGINARY LOVERS」は、小説b-Boyにて掲載されたもので、その他、桜桃書房のジェネラスに載ったものなどなど、古くは90年前半まで遡っちゃうので、如月先生の絵の移り変わりがよくわかります(笑)

私が好きなのはやっぱり初期の頃の柔らかい感じの絵柄の頃ですねえ。最近はどちらかというとシャープな感じの絵柄に変わってきています。もちろん今のも好きだけど、暖かみが伝わってくる絵の方がより好みなんだなーと思いながら、このコミックスを読みました(^^)

私的評価 ☆☆☆☆☆
(12月には、心交社から画集も発売になります。ますます頑張って欲しい如月先生です(^^))


2000年10月10日(火)   真夜中が過ぎてゆく

   ショコラノベルズ    火崎勇:作  北畠あけの:絵

小説ショコラに掲載された、有名舞台俳優の子供と、その家の執事的な仕事をこなす青年との恋愛模様を描いたお話と、その続編書きおろしです。雑誌掲載時に、けっこう好みだったお話でした。中を読むまで「どの話だったっけ…」って感じで、タイトルだけでは全然思い出せてなかったんですが、読んでみたら「ああ!これか!」と納得(笑)

愛に飢えて、風を受けても1人で立とうとする意地っ張りな主人公と、これまた意地っ張りで(笑)公私混同を全くしようとしない青年とのやりとりは、微笑ましかったり、辛かったり。でも、きちんとラストで「対等であろうとする」主人公と、「頼って欲しい」青年との折り合いがついて、ホッとしました。主人公の寂しさはちょっと辛いけど、それでもわりと読みやすい本だったと思います。

私的評価 ☆☆☆★
(火崎さんの本は、イタかったり、しんどかったりする本もけっこうあるんですが、これは割とハッピー度高い方かな?)


2000年10月6日(金)   ラズワードの恋人

   SHYノベルズ   たけうちりうと:作  今市子:絵

たけうち先生らしいなあ〜という感じの新作は、建築現場の現場監督を父にもつ主人公の高校生と、主人公が小学生のころから、おなじ現場で働いている無口でぶっきらぼうな兄ちゃん(笑)との心温まる、優しいお話です。主人公の高校生がめちゃめちゃ健気で、すごく可愛いです。天然というか、読者も回りもみーんな判ってることが、彼にはわかってなくて、だからこそ遠回りをしてしまうのですが、それもまたハッピーエンドへの道なのかなーと思いつつ。

主人公の父と、飼い猫がいい味出してます(笑)後半でてくる恋敵(笑)も、最初は「なんだこの男は!」と思ってるんですが、だんだん憎めなくなってきて(笑)なんだかもう天然な登場人物ばっかりで、読んでいてすっかり和んでしまいました(笑)ほんわかしたい人にオススメ。

私的評価 ☆☆☆☆
(やっぱりテーマは「家族愛」かな?父が素敵です♪おやぢフェチにはたまらんかも(笑))


2000年10月6日(金)   青春残酷物語

   ディアプラス文庫   菅野彰:作  山田睦月:絵

小説ディアプラスに掲載された、表題作と、その続きの短編が収録されています。ちょっとさえない彫刻家と、その元同級生で、暗さのかけらもない(笑)天然な人気俳優とのお話です。例にもれず、まるでギャグのような台詞の応酬の中に、ふと気がつくと涙がでてしまうような、繊細な気持ちが紛れ込んでいて、とっても心に響くお話です。

ドタバタ劇が繰り広げられているようでいて、その実、主人公達は「もう一度、過ぎ去った日を取り戻そう」としているのかもしれないですね。それが成功したのか、不可能だったのかは、どうぞこの作品を読んで、判断してみてください。

私的評価 ☆☆☆☆
(おかしくて笑ってるのに、なんだかしんみりしてしまう。菅野先生独特の読了感ですよね。好きだなあ〜。)


2000年10月6日(金)   アレースの娘たち

  ディアプラス文庫  松岡なつき:作  カトリーヌあやこ:絵

んーと、もう4冊めになるのかな?SFな世界観のお話、「サンダー&ライトニング」のシリーズです。今回は小説ディアプラスに掲載された表題作「アレースの娘たち」と、コウの過去を語る「ザ・ページェント」の2編が収録されています。

だんだんと盛り上がってきましたね。タイガとコウは相変わらずの相棒ぶりで、読んでいても楽しいです。反して敵側のタイラの娘がもうこれでもかという感じにイヤな奴です。だからこそ、タイガたちの正義が際立ちますね。専門用語(というか独自の用語)がけっこう多いので、じっくり読む事をオススメしたいです。彼等がどういう未来を切り開いていくのか、とっても楽しみです。

私的評価 ☆☆☆☆
(どうやら一応次巻にて一段落のようですが、…どう収集がつくのか、気になる所ですね。)


2000年10月6日(金)   右手にメス、左手に花束

  シャレード文庫  椹野道流:作  加地佳鹿:絵

椹野先生のシャレード初の文庫は、配本が5日ほどずれましたが、無事発売されました(^^)椹野先生お得意のジャンル、医者モノのお話です。しかも片方は法医学教室に所属しているあたり、もう専門分野ですよね(^^)主人公の青年が医学部の入学式で出会ったのは、破天荒で一本気な関西弁の青年で…。

コメディと銘打ってあるんですが、読み終わってみれば「……コメディ?(^^;)」って感じでした。非常にテーマが重いです(^^;)特に後半のあたり、「まさかハッピーエンドじゃないとか言わないよね?」と悲壮な気分になりつつ読みすすめました(^^;)…よかった、ハッピーエンドで…。一生懸命に生きて、お互いを求めあう2人がすごくいいなと思います。…が、正直言ってひじょーーーーに物足りない!もしもこれが、続編発行予定がなくて、単独の文庫というのなら、私はちゃぶ台なげます(爆)それぐらい、ぜひぜひ今後も続いて欲しい作品でした。

私的評価 ☆☆☆☆★
(これは絶対プロローグだと思うの!…そう思いたい…、ぜひ続編が読みたい…(爆))


2000年10月5日(木)   だからこの手は離さない

   ラキアノベルズ  今泉まさ子:作  蓮川愛:絵

今泉さんで、蓮川さんイラストと聞いて「…あれ?」と思っていたんですが、案の定(笑)前に出たサラリーマンモノの「まだ恋は終わらない」の続編で、ワタシが一番気になっていた工藤氏のお話でした〜♪実は名家の御曹子でもあり、会社のトップの義弟にあたる工藤氏は、毒舌ふるいまくりのシャープな青年ですが、ある日、大学時代に家庭教師をした生徒が、会社のプレゼンの相手として現れて…。

いやあ、これ前の話もすごく好きだったんですよね。おまけに一番お気に入りキャラのお話!そりゃ嬉しくないわけがないですね(笑)強引で傲慢なところがあるヒトだけど、どんどん人間味が増してきて、魅力的ですわ〜(笑)受キャラくんも美人で素敵♪大満足の1冊でした。手に取るまでは続編と思っていなかっただけに、びっくりで倍嬉しい新刊になりました(笑)

私的評価 ☆☆☆☆★
(できたら前作も一緒にどうぞ。工藤氏の変遷ぶりがよーく判って楽しいかもです(笑)前作のキーパーソンなお人なのよ〜♪)


2000年10月5日(木)   過激なマイダーリン★

    オヴィスノベルズ  日向唯稀:作  香住真由:絵

テンポがよくてHな(笑)コメディ「マイダーリン」シリーズの2冊目です。今回は双子ちゃんたちの意外なプロフィールとかが出てきて盛り沢山でした(笑)しょっぱなからいろいろ受はボケをかましまくるし、攻は受を喜ばせるべくいろいろいろいろ(笑)画策するしで、なんだかもう、テンポがよすぎるというか、息つく暇がない位の展開でした(^^;)

終ってみればラブラブいちゃいちゃベタベタ〜で、受の子はもう「あんたちょっとその辺でやめときなさい」と言いたくなる程に思考が飛躍するしで、正直「よく収集がついたな(^^;)」と思うんですが(笑)そんな中にも「お?」と目を引くような、『大切な言葉』があって、じんわりしてしまいました。…他のコメディチックなシーンとの落差があまりにも激しくて、ほんとに一瞬目を引いただけなんだけどね(^^;)Hは「おいおいおい(^^;)」と言いたくなる程に多いんですが(^
^;)それだけではないシーンもちょびっとあります(笑)和んで笑いたい人にオススメ……かな?

私的評価 ☆☆☆★
(うーん、結局健気な受がかわいいと思ってるのかも知れないなあ、これは(^^;))


2000年10月5日(木)   恋する才能

    オヴィスノベルズ  堀川むつみ:作  猿山貴志:絵

新人マンガ家と、その担当とのお話です。マンガ家はデビューが決まったばかりで、担当へ原稿を届けに行って、そこで初めて顔を合わせます。担当は苦みばしったいい男で(笑)その後も影になり日なたになりマンガ家を支えますが…。

うーん、なんというか「起伏の少ない」お話でした。淡々と進んでいっちゃうんですよね。おまけに「なしくずしな関係(^^;」なイメージがすごく強い。「なりふり構わないほどの感情」はないんです。担当(攻)は余裕たっぷりだし、マンガ家(受)はなすがままだし(^^; もうちょっとマンガ家側の気持ちがしっかりしててほしかったかなー。あまり印象の強くないお話でした。正直、あらすじ読み返すまで、どうやっても思いだせなかったです(^^;
私的評価 ☆☆
(ほとんどそういうことはないんですが…(笑)<思い出せない 不覚だ…。)


2000年10月1日(金)   茅島氏の優雅な生活 2

    リーフノベルズ  遠野春日:作  史堂櫂:絵

茅島氏シリーズの2冊目。優雅な日々をすごす大富豪の若き当主茅島氏と、その恋人でお屋敷の庭師の青年とのお話です。じつはこの庭師の青年(攻キャラですね)は、作中に名前が出てきません。1度も。1人称だったり、3人称だったりする視点の中でも、それでも名前が出て来ないんですよね。1作目はそれが非常
に効果的で、魅力的になっていたので、2冊目が出ると聞いて楽しみにしていました。

読んでみて思った事は、「うーん、ちょっと引っぱり過ぎ?」ということかも。「名前が出て来ない」ことを意識しすぎている感が強かったです。ラブラブな2人なのですが、そのラブラブ感がイマイチ出ないのは、愛の語らいが少ないからかなと思うんですよね。まあ、それが茅島氏のキャラクターと言われればそれも納得できますが(笑)非常に面白い試みとは思うんですが、1作目ほどには魅力的ではなかったかなと思います。あ、お話としては面白いです、念のため(笑)

私的評価 ☆☆☆☆
(まあ、期待しすぎな部分もあったんだろうなと思うんですが(^^;) 読む方はもちろん、1冊目からどうぞ(^^;)でないと判らないです、きっと。)