2000年12月のレビュー

 


2000年12月27日(水)   バラードにしてくれ

 ショコラノベルズ・ハイパー  灰原桐生:作  桃山恵:絵

これがどうやら20世紀最後のレビューのようです。小説ショコラに掲載された社長秘書と2世のバカ社長のお話と、その続編書き下ろしです。雑誌掲載時に、あまりの社長の犬っぷりとほだされていく社長秘書、ダンディなおぢさまの元社長がツボすぎて(笑)すごく楽しんで読んだ作品だったので、続編が読めて嬉しい限りです。

続編では、すっかり受の秘書が攻の社長にらぶらぶになっていて(笑)そのあたりの気持ちの変化も楽しめました。口では文句をいいつつも、ちゃんと好きなのねって感じ。相変わらずの行き当たりばったりな攻めキャラも、やっぱり犬系で可愛い(笑)好きなタイプのキャラだったので、余計楽しく読んだかも(笑)

私的評価 ☆☆☆☆
(気になってた話がノベルズ化するのは、やっぱり嬉しいですね(^^)遅れましたが無事発刊されてよかったです。)


2000年12月27日(水)   陽一サマの高笑い

   ルビー文庫  吉原理恵子:作  如月弘鷹:絵

子供の領分シリーズの新作は、長兄陽一側からの視点のお話です。今度3月ごろに受注生産でCDにもなるので、注目の作品だった…のですが… うーーーーーむ(^^; 全部陽一兄の独白と回想でおしまいやん(^^;これって、ほんとに小説かいな(^^;という感じもしました、すいません…(T_T)毎回言ってますが、ほんとにこれが間の楔書かれた方と同一人物なんでしょうかねえ…。

ただ、上記のCDで、陽一兄のキャストが、私のイチオシ声優さんである関俊彦さんが演じられるというのもあって、ついつい声を想像しつつ読んで「ほわーん( ̄▽ ̄)」となってたりもしまして…(爆)これだから声フェチはいかん(笑) あ、それと回想シーンでのチビ兄弟たちのイラストは絶品でございました(笑)もー、お持ち帰りしたい!

私的評価 ☆☆
(うううむ…(T_T)好きな作家さんだけにジレンマです。前の作風の方が好きなんですけどねえ…)


2000年12月26日(火)   もう一度愛していいですか

  ラピス文庫  由比まき:作  緒田涼歌:絵

書き下ろしの文庫です。昔別れた恋人とよりをもどす主人公のお話(と書くととっても安直ですが(^^;)です。主人公は、建築を勉強している大学生。ラブラブなサラリーマンの恋人がいます。過去、高校時代に、大好きだった恋人に一方的に別れを告げられた経験を持っています。ある日参加しているサークルの合同宴会で、その別れた恋人に出会って、強引にまた誘われ、一夜を共にしてしまいますが…。

別れた相手への未練とかは、判らないでもないんだけど、私にはどうにも昔の彼の強引さが好きになれなくて(^^; 今の彼の方がいいのに〜と本末転倒なことを思ってました(笑)元彼は私の趣味にはあわなかったみたいです。主人公の葛藤が、思ったより少なくて「モラルの低下か(^^;」と思ったりもしました(笑)

私的評価 ☆☆☆
(うーん、テンポはわりといいんだけど…キャラが好みじゃないと辛いかなあ)


2000年12月26日(火)   その夜、ぼくは盗まれた

  ラピス文庫  佐々木禎子:作  金ひかる:絵

学園もので、PC部のお話です。主人公はポワポワ天然ボケな(^^;少年で、同級生(腐れ縁)なコンビがあと3人います。1人はなにかと少年にちょっかいをだしまくるオヤジな(^^;お相手の少年。あと2人はちょっとPCオタクの入った美人くんとその従者のごとき、ガタイのいい少年です。いつも主人公はからかわれまくっています(笑)ある日美人くんが使ってるパソコンの前であやしげなFDを見つけた主人公は、好奇心に勝てずそれを見ようとしますが…。

PCを実際に使っている(活用もしている(笑))からこそ判る話も多くて、けっこう楽しみながら読みました。そしてなにより、とーってもこれ読んだことがある〜(((o(>_<)o)))(またかい(^^;)多分オヴィスのアンソロジーとかだと思うんだけど、とっても覚えのある話でした。もし御記憶の方がおられたら教えて下さい〜。

私的評価 ☆☆☆
(キャラがみんなちょっと風変わりで、抜けてて(笑)楽しく読めました。)


2000年12月26日(火)   彼と月との距離

  ルビー文庫  ごとうしのぶ:作  おおや和美:絵

久しぶりのタクミくんシリーズ。…まだ3年の4月ですが…もう何冊目になるのかなあ?書き下ろしの他に、CDブック等に掲載された短編なども収録されています。タクミくん視点の話以外にもいろんなカップルが総出演なお話でした。

最初のころにくらべれば、随分タクミくんとギイとの関係も変わってきたなあと思いつつ読んでいました。ほんとに長いシリーズですよね。ゆっくりでもいいので、着実に続いてもらえたらと思います。

私的評価 ☆☆★
(さすがにキャラクターの変化はあるけど、やっぱり懐かしくて嬉しいですね。)


2000年12月25日(月)   バック・アップ

  エクリプスロマンス  文月小夜:作  桜城やや:絵

小説エクリプスに掲載された、予知能力をもつ主人公と、そのお相手で、才能ある外科医とのお話と、その続編です。2人でタッグを組み、様々な事件を解決していきます。ドキドキハラハラしつつ楽しくよめました。2編収録されていて、どちらも雑誌で気にして読んでた作品でした。バックアップと言うタイトルを覚えてなかったらしい(^^; どうも文月先生の作品は毎回無意識に気に入ってるようです(爆)(前のもそうでした)

2人の絆の強さとか、過去の呪縛、それをお互いが支えあって補いあっていく姿は、とっても読みごたえもあります。子を持つ母として、ちょっと胸にくるシーンもありました。(自分に重ねてしまってね…(^^;)心理描写が丁寧なので、私としては感情移入しやすいお話でした。

私的評価 ☆☆☆☆★
(ふふふ、私にとってツボな作家さんですね、やっぱり♪これからも頑張って欲しいです。)


2000年12月25日(月)   スレイヴァーズ・キス

  エクリプスロマンス  華藤えれな:作  雪舟薫:絵

小説エクリプスに前後編で掲載された会社の御曹子とその家に引き取られた青年とのお話です。基本的に3人称なのですが、視点は主人公よりのため、書き下ろしの方はお相手の方からの視点のお話になっています。主人公はある会社社長の長男。同い年でどうしても勝てないライバルであり、どうにも気にくわない相手は、弟の世話役で辛く当たりつつ、どうしても気になる相手でもあります。ある日、社長が倒れ、次期社長として気にくわない彼が就任します。その後すぐに社長は天に召されてしまい、波瀾の日々が始まりますが…。

この話、エクリプス掲載の時から好きで、相手キャラ視点からの話まで読めたのはとっても嬉しいです。華藤先生は、前のノベルズがラブラブ〜なお話だったなあ。今回はシリアスかつちょっとハードな感じだったので、いろんな感じの話が読めて嬉しい限りです。

私的評価 ☆☆☆☆
(雑誌の頃から気になっていた2人なので、今後ももっと読んでみたいなあ。)


2000年12月25日(月)   SEEK!

  エクリプスロマンス  七篠真名:作  緋色れーいち:絵

小説エクリプスに掲載された、叔父と甥のお話です。書き下ろしで続編も収録されています。主人公は鍵屋で、物事に退屈しきっています。ある日仕事でちょっと儲かってささやかな幸せを噛み締めている主人公はある美少年に出会います。大人しいかと思いきや、酔い潰された主人公は少年に押し倒されて関係を持ってしまい…(^^;

蓋をあければこの2人、叔父と甥(血もばっちり繋がってたりして)の関係で、その他いろいろとしがらみがあったりもして、おまけに事件に巻き込まれてたりします。少年は、失せもの探し(ダウジング)が得意だったりと、盛り沢山でした(^^; 盛り沢山すぎてちょっと話が散漫な感じもないではないですが、冒険ものとしてはワクワクできて楽しかったかも。

私的評価 ☆☆☆
(個人的には続編の方が好みでした。)


2000年12月22日(金)   ちょー新世界より

   コバルト文庫  野梨原花南:作  宮城とおこ:絵

CDの出来を聞いてからドはまりした(^^;ファンタジーな作品。破天荒な王女「ダイヤモンド」とちょっと気の弱い王子「ジオラルド」の間にできた子供たちを描く「子供編」の第1冊目になります。でも主人公は彼らではなく、別の大陸に住む不思議な女の子です。

すごくはしゃいで元気で笑って…そしてその根底に流れる優しさと哀しさに、胸をつかまれるような気持ちになります。字面だけを追えばコメディなのですが、ホントはとっても深いテーマを持ち合わせたお話だと思います。できるなら全巻そろえて(笑)ぜひ読んでほしい作品です。

私的評価 ☆☆☆☆
(…そーいやうちの文庫はいったいどこへ貸し出してあるんだっけ(爆))


2000年12月22日(金)   龍は荒だつ

  コバルト文庫  真堂樹:作  浅見侑:絵

遅々として進まなかった四龍島の騒動も、急転直下、大変なことになっております(爆)気がつけば飛は「小黒龍」と呼ばれており、なんとその呼び名のまま白龍との対面を迎えます。2人して、「元に戻るため」の行動をとろうとする、この暗黙の了解というか、息の合い方は絶妙ですね(笑)2人の願いが、どうぞ叶いますように。

もう、何冊めになるんでしょうね?ここにきてどんどんエンディングへとひた走ってますが、どういう終わりを迎えるのか、とっても気になります。長い作品になりました。長ければ長いほどに、エンディングが待ち遠しくも有り、惜しくもあります。あと数冊で終わりだと思う(たぶん)のですが、複雑な気持ちです(笑)

私的評価 ☆☆☆☆
(でもやっぱり飛がカッコイイし、潔くて好きだなあ〜)


2000年12月22日(金)   粂太郎、走る!

  パレット文庫  秋月こお:作  ほたか乱:絵

ずいぶんこれも発刊が遅れました。ようやく発売になった、大江戸ヒステリーパンクシリーズの最終巻。これが遅れた原因か?という感じですが、今回、イラストの方が変わってますね。前は西崎祥さんでした。…実はこのイラストで購入したようなものだったので(^^;少々残念な気持ちもあり。まあでも似た感じの方だからまだいいのかな…。

前2作でどたばたしつつもお互い恋愛感情を育てていった主人公とそのお相手ですが、ようやく気持ちを通じ合わせます。…いや、大分前からそうなるのはわかってたんだけど(笑)でもなんだかもうちょっと2人の元気のイイ攻防戦を見たかったなあと思うのはワタシだけでしょうか。いきなり最終巻でちょっと勿体ない感じ。もっとゆっくり何巻も費やして、読みたかったなあ、と思います。贅沢かな。

私的評価 ☆☆☆
(うーん、他のシリーズでもそうなんですが、「終わりにしちゃおう」的なものが見えてちょっと残念でした。最初良かっただけにちょっとがっくり(T_T))


2000年12月22日(金)   深海魚達の眠り

  X文庫ホワイトハート  かわいゆみこ:作 石原理:絵

2ヶ月ほど発刊が遅れた…のかな?大阪検察庁につとめる検事さんのお話です。過去に男性との悲恋を経験し、男性にしか興味を持てない自分に自信がもてず、過去に捕らわれたままだった主人公と、その後輩で、その呪縛から主人公を解き放ったお相手とのその後を描いています。前作でもちょこっと出てきてますが、事件が発覚し、その裏付け捜査を進めていくようすと、だんだんと寄り添いあうように変化していく2人の絆とが平行して書かれています。

話が阪神間なこともあって(笑)非常にそういう意味で楽しませてもらいつつ(職場も近いし(笑))読み進めました。まだまだ話としては中間地点で(^^; 危険な目にもあいつつ、距離も隔てつつ、それでも真実に立ち向い、そして絆を深め合っていく2人はとても潔いと思います。今後この事件がどうなっていくのか、2人の行き着く先はどんなところなのか、とても気になる作品でした。

私的評価 ☆☆☆☆☆
(「疵」でもいえることですが、「容赦ない部分」と「繊細な部分」が程よく混在していますよね。作者の都合では動かない何か、を感じる作品です。前作と合わせてぜひどうぞ。)


2000年12月19日(火)   真珠姫ご乱心!

   キャラ文庫  水無月さらら:作  吹山りこ:絵

私立海宝学園シリーズの3巻目。全寮制の学校で、寮を一歩出ればそこは阿鼻叫喚(笑)野合(わかるかな(^^;)の行われるサバイバル地帯というとんでもない学校ですが、今回の主人公は、妙な力をもつ、1作目の攻めキャラの親友で生徒会長の美人。お相手は同室のハーフの副会長です。…がこの人たち、実は前世(というか本性?)は人外のモノらしくて…(^^;

いや、できたらこの話、シリーズとしては出してほしくなかったです。人外モノは別にいいんです。でもシリーズなわけで、ファンタジーにもなりきれず、現実からも遠くかけはなれ(^^;一体なにがしたかったんだかって感じですね。前2作も突飛ではあったものの、それでもちゃんと現実世界のお話の部分もあり、感動した部分もあったのですが、なんかもうどうでも良くなってしまった感じ…(^^; こういうあたりが気にならない方なら、楽しく読めると思います。ファンタジーコメディと思って読んで下さい。

私的評価 ☆
(なんで、こう後から落とすんだろうなあ〜(^^; とくにここ最近そういう傾向がありますね。初期の頃の作風に戻ってもらえないかなあと思ってしまいます。…ごめんワガママで…)


2000年12月19日(火)   野蛮人たちの恋愛

   キャラ文庫  菅野彰:作  やしきゆかり:絵

キャラセレクションに掲載された、剣道部を舞台にしたお話。主人公は苦労症な(^^;大学1年生。高校時代は剣道部の主将を勤めたキマジメな性格の持ち主だが、幼馴染みで、かつ高校時代までは恋人だった相手はちゃらんぽらん、天然のオバカ(^^;を地で行くようなタイプで、なにかと派手なトラブルを巻き起こしますが…。テンポよく、大笑いしてしまうコメディタッチのお話です。掲載作と続編(書き下ろし)が収録されています。

とにかく「絶対こんな相手やだよ(^^;」と言いたくなるようなバカなやりとりのなかに、時々はっとしたり、ショックを受けてしまいそうに心を揺さぶる一言が隠されています。ドタバタコメディで大笑いしたあと、しんみりしてしまう作品でした(でも持続しないけど(^^;)ごまかしているのではない「物事の本質とその大切さ」を、どうぞ読み取って見て下さい。

私的評価 ☆☆☆☆★
(でもこのオバカなカップル(割れ鍋に綴じ蓋よ、やっぱり)は、できればお近づきになりたくはないな(^^; 遠い目をしてしまいそうだ(笑))


2000年12月15日(金)   あなたしか見えない

  リーフノベルズ  高尾理一:作  甲田イリヤ:絵

高尾先生の書き下ろし新作です。テーマは、本当の兄弟のお話。いわゆる近親相姦ネタですね(^^; 少々傍若無人なところのある弟と、その弟の行動を拒否せず全て受け止める物静かな兄とのお話です。正直なところ、最初のこのキャラクターのイメージと、読了後のイメージが非常にかけ離れていてびっくりした作品でした。予測できない新鮮な驚き、という感じでしたね。

後書きにもあるんですがほんとうにお互いが「お互いしか見えていない」のが、微笑ましかったりもします。本来なら私の苦手なネタなんですが、それが嫌悪感もなにも感じなかったのは、「必然性」を非常に感じたからなのではと思います。あ、それから作中で出てくるお店の店名が、神戸の某有名料理店でして(笑)同郷人としては思わずニヤリと笑ってしまいました。こういう楽しさもありですね(^o^)

私的評価 ☆☆☆☆★
(予測からイイ意味で裏切られた作品でした。うん、私の好みにはぴったりな方なんだろうなと再認識(^o^))


2000年12月15日(金)   恋愛トライアル

  ビーボーイノベルズ  杉原理生:作  吹山りこ:絵

SF作の、それも前後編でデビューした杉原さんの久しぶりのノベルズ。2作目になります。今回の作品は、ぽわぽわ天然ボケ〜な主人公は、家族に溺愛されまくっていますが、ある日兄の友人にすごく失礼な事を言われて怒って、…気がつけば彼に惹かれてきて、いつしか恋しく思うようになっていきますが…。

いや、ほんっと意外な作品でした(^^; どうしろと…って感じ。前作のSFの話、すごく重厚で面白かったんですよ。ですが今回のこの作品、ありがちなパターンと、脈絡のないH描写(^^; ほんとに書いたの同一人物だったのだろうかと疑問が出てきます。あまりにも主人公が「信念」を持ち合わせていなくて、読んでいてもとっても「薄い」印象が強かった。勿体ない!というのが正直な感想です。「かわいい」「ラブラブ」「ファンシー」好きにはオススメですが、前作が好きだった方は、避けた方がいいかも(^^;

私的評価 ☆★
(名倉さんもそうなんですが、あまりに前作とのギャップが激しい(T_T)いろんな作品はあれど、できたら同じ系統で勝負してほしいというのは読者の我がままですかね。)


2000年12月15日(金)   疵(スキャンダル) 〜いばらの冠〜

  ビーボーイノベルズ  かわいゆみこ:作  杜山まこ:絵

大蔵省につとめるエリート国家公務員たちを描いたお話の2冊目です。1冊目で無精子症と診断され、挙げ句のはてに妻に浮気され子供ができたといわれ、役立たず扱いされて、官僚の慰みものにされた(…うーん、並べ立てるとなんて不幸な(^^;)青年と、これも離婚を経験している同僚の青年との、なんとも不思議な絆が描かれています。

いやあ、ここまでの不幸はないだろう、と思ってしまうほど容赦ない(^^;前作に比べたら、ずいぶんまだ穏やかかなと。もちろん、妻の階段オチと流産騒ぎ(しませんが)、出産や出世の糸口など、世俗と欲がからんだ非常に暗く汚い世界で、それでもなぜこの青年は、こんなに頑張れるんだろう?と思います。同僚の青年が、いろんな意味で彼の助けになっているんでしょうね。まだこの話、続きます。どういう風に話が流れるのか、皆目見当もつきませんが、楽しみにしています。

私的評価 ☆☆☆☆
(きれいごとだけではない、世界というのは確かにあると思います。それを描く強さは、かわい先生ならでは、ですね。)


2000年12月15日(金)   Happy Shock!

  ビーボーイノベルズ  名倉和希:作  かぐやま一穂:絵

名倉和希さんの2冊目のノベルズ。BEaSTに掲載されたちょっとハード系のお話(続編も掲載。別キャラの話を書き下ろししてあります)です。主人公は、彼が流し目をすれば落ちないゲイはいないという(^^; イケイケな青年。予備校で知り合った純朴かつ純情な彼氏と、はじめてベッドインしますが、彼氏は意外にもめちゃめちゃテクニシャンで、主人公はすっかりショックを受けてしまい…。

書き下ろしでは、けっこう人気のあった脇キャラ(一応その時点では攻め)がオネエ言葉のダンディなひげのおじさま(でもゲイバーのママ(^^;)にほだされ受けに転換しちゃったりします。正直、この脇キャラのやさしさが好きだったので、ちょっとショック…。前作を知っていると逆にギャップになやんでしまいそうな、なんというか濃い作品でした(^^;

私的評価 ☆★
(ううむ、かぐやまさんの絵だから余計にちょっとハ−ドゲイ系な感じで…私の趣味にはちょっと合わなかったです、ごめんなさい。)


2000年12月15日(金)   TOUGH! 3

  ビーボーイノベルズ   岩本薫:作  赤坂RAM:絵

待ちかねておりました(^o^)小説b-Boyにて掲載されていましたTOUGHのノベルズです。書き下ろしで響視点の後日談も載ってます。コザルなグラフィックデザイナーのシンゴと、幼馴染みで刑事の響との攻防戦を描いた作品(あ、なんか違うかも(笑))の3冊目。ようやく…というのか、もう?というのか(笑)高校時代の悲しいトラウマを乗り越え(笑)ようやく体を重ねて、気持ちも重ね合わさったかに見えた2人ですが…。

要は2人のラブラブっぷりの話になっちゃってますけど、でも事件としてストーカーを題材にしたり、書き下ろしでは地上げをネタにしたりと、もうトラブルメーカー健在って感じです。でもね、書き下ろしの響視点のラブラブはもう、「まっててよかった〜♪」って感じ(笑)大好きなシリーズなので、こうして続きが読めて嬉しいです。

私的評価 ☆☆☆☆★
(早く次のお話が読みたいなあ。いつごろになるんだろう…)


2000年12月15日(金)   嘘つきな唇、素直なキス

   花丸文庫  小川いら:作  ほずみ音衣:絵

先生と生徒のお話。主人公の学校の先生は、童顔で生徒にもちゃん付けで呼ばれるような容姿。実はゲイで、同棲していた彼がいたのだが、なんと女性と駆け落ちして行方不明になってしまい、その彼の保証人になっていた主人公は、こっそり予備校でバイトをして、必死に借金を返している。入学式の日に、こけかけた主人公を支えて助けてくれたのは新入生の男の子で…。

うーん、なんかもう「そこまで不幸を羅列しなくても(^^;」という感じと、「そんな安直に生徒と恋愛していいんかい(^^;」という突っ込みがついつい感想に出てしまいます。盛り沢山すぎて、却ってエンディングが安直になってしまってて(^^; うーん、勿体ないなあ〜。もっと事件は少なくてもいいから、じっくり話を展開してほしかった気がします。

私的評価 ☆☆
(ここのところ、あまり好みではない作品が多いですね。ちょっとザンネン(^^;)


2000年12月14日(木)   手のひらのストロベリー・フィールド

 ダリアノベルズ  麻生雪奈:作  やまかみ梨由:絵

雑誌ダリアに掲載された、下宿屋「ストロベリー・フィールド」でのお話を描いた、穏やかな作品と、その続編書き下ろしです。主人公はふつうの高校生で、父と2人暮しをしていましたが、海外転勤を期に下宿屋に引っ越します。そこで出会ったのは強引で明るく、強い青年と、不思議な魅力の女性とぶっきらぼうな少年などなど、多種多様な(笑)下宿屋の面々。その中で主人公は、確かな自信と優しさを育てていきます。

実際のところ、続編が少々物足りなく思えました。まあ、期待してたのがラブラブだったからというのもあるんですが(苦笑)自己の正義感に基づいてラブラブな2人の邪魔しちゃう新たなキャラっつーのがどうも受け入れ難かったなあ(^^; それだけ、主役カップルが好きだったんだとは思いますけどね。

私的評価 ☆☆★
(悪いキャラではないし、それなりの事情もあってなので一概には言えませんが、でもラブラブが読みたかったんだよぅ…(^^;)


2000年12月14日(木)   恋する僕たちの距離

 GENKIノベルズ  遠野春日:作  門地かおり:絵

多分完全書き下ろしです。学園もののお話。恋愛の媒体として、HPやメールなどが出てきます。主人公は、モテモテで行動的な高校生。いやいやながら学級委員長をやらされます。副委員長になったのは、美人だけどどうも寡黙で取っ付きにくい同級生。どう接してよいか判らず悩む主人公ですが、実は2人はお互いを認識しないまま、メール交換をしていて…。

うーむ。このメールやHPが媒体というネタ自体、ここ最近よく出てくるので、目新しさはなかったですね。なにより、ギリギリまで自分の正体を明かさないのはちょっとずるいかなーと(^^;<主人公 気持ちは判るんですが、でもフェアじゃないぞ〜(^^;そのあたりがちょっと残念でした。内容自体はほのぼのラブラブちょっとH(爆)で遠野さんらしい作品でした。私の好みとしては、上記の部分が気になったけど、全体的にはテンポもよい、楽しめる作品になっています。

私的評価 ☆☆☆
(どうも随分と受キャラに感情移入してたようですね、私(苦笑))


2000年12月12日(火)   ウォーシップ号の反乱

 ディアプラス文庫  松岡なつき:作  カトリーヌあやこ:絵

サンダー&ライトニングシリーズの最終巻。全編書き下ろしで登場です。実は、発売が数日予定よりも遅れて(なので日付も他の文庫とは違います)出ないのかとどきどきしちゃったです(笑)コウとタイガが、タイラ財閥に立ち向かうお話の、これが正真正銘ラストになります。

うーん、いや、多分これもある意味「正しい(という表現はヘンなんですが(^^;)」ラストなんだと思います。本当の意味では復讐ができませんでしたし、倒すこともできませんでした。でも、逆に「作者が都合の良いように動かさなかった」からこそのラストかもしれないと思います。確かに作品は作者のつくり出すフィクションですが、それでもあまりに主人公に都合よく動く作品では物足りなく思う時もあります。理不尽でも、悔しくても、コウとタイガの未来はこんな感じなのだなと非常に納得した作品でした。

私的評価 ☆☆☆★
(途中が盛り上がっただけに、あのラストに物足りなさを感じなくもないですが、それでも楽しく読めました。次回作も期待しています。)


2000年12月9日(土)   親父!

   ビーボーイコミックス  暮越咲耶:絵

広告を見た時から買おうと思ってた作品(笑)相当前にBANISHという雑誌に掲載されていた、元ヤン(っつーか伝説の暴走族のトップ(笑))の親父と、その息子とを描いたお話と続編書き下ろし(おまけマンガもあり)です。息子は近所に住む幼馴染みの先輩と恋人関係で、ある日家でいちゃいちゃしてるところにこの親父が帰ってきて、バトル開始のゴングが鳴り響きます(大笑)

ドタバタなファミリーコメディ風…なのだけど、なにかしんみりしちゃうような親子の情もたしかにあって、…でも持続しないシリアスにまた笑ったりもして。なんだか泣き笑いな感じになってしまったです。どれだけ暴れようが怪獣だろうが(爆)しっかりと強い親子の絆は、感動ものです。

私的評価 ☆☆☆☆☆
(個人的にこの親父大好きだ〜!!! 世の中のオヤジキャラファンの方、ぜひどうぞ(笑))


2000年12月9日(土)   幸福の条件

   ビーボーイコミックス  果桃なばこ:絵

果桃なばこ先生の短編集。ちょっとポップでギャグちっくなお話(もちろんシリアス部分もありますが(笑))と、その続編の書き下ろしを集めてあります。表題作は、すっかり夫婦な(笑)サラリーマンとフリーターのカップルの「夢を叶えるぞ貯金大作戦(笑)」なお話で、他にもほのぼのしてて、ちょっとだけH(笑)なマンガがたくさん収録されています。

果桃さんらしい、「くすっ」と笑える部分と、「これが言いたいんだよ」というテーマが伺えるシリアスシーンとの落差が好き(笑)ほのぼののーんびり楽しんで下さい♪


私的評価 ☆☆☆★
(肩の力を抜いて楽しめる作品です(^^))


2000年12月9日(土)   永遠がほしいわけじゃない

   ショコラノベルズ・ハイパー  水星さつき:作  あかま日砂紀:絵

「彼と、彼の事情」シリーズ第2弾。小説ショコラに掲載されたものに、大幅書き下ろしつきで登場です。小児科医と内科医のお話です。前作のレビューを書いた時には触れなかったんですが(^^; 水星先生は、現在病魔と闘いつつのお仕事だそうです。詳細はHPにもありますが、そんな中での書き下ろし、大変だったのではと思います。こんなにすぐに読めるとは思っていなくて<続編>嬉しかったです。

たしかにハイパーだけあって(笑)けっこう濃い内容にも関わらず、内容(テーマや感情)がしっかりあって、読みごたえがありました。お祖父さんとの絆やお互いの愛情の深さに感動も覚えました。2冊そろえて、ぜひじっくりと楽しんで下さいね(^^)


私的評価 ☆☆☆☆
(すれ違いがあっても、なぜか「解決できる」と信じられる、強い絆の2人のお話でした(^^))


2000年12月9日(土)   不機嫌な純情

   ショコラノベルズ  葉澄梢子:作  すがはら竜:絵

小説ショコラに掲載された「似ていない双子のシンパシィ」のお話(笑)と、その続編書き下ろしです。主人公は双子の兄で、兄とはいえ、弟とはずいぶん体格も違い、かわいいタイプ。ある日参加しているボランティアグループで、無愛想な高校生にいろいろ言われ、落ち込んでしまいます。落ち込みながら弟と会話を交わし、手を触れたその時、不思議な声が聞こえてきて…。

けっこう可愛らしいお話でもあって、雑誌掲載時は楽しんで読みました。続編では、無愛想な相手の意外とかわいいところ(笑)とかも読めてわくわくでした(笑)しかし、雑誌掲載時からくらべると遥かに共鳴度があがってて(Hしたのがモロにばれてるしな(笑))このままいくと、感覚まで共有しちゃいそうだよね、この兄弟って(笑)


私的評価 ☆☆☆★
(まあ、感覚共有だけは、弟が泣いて嫌がりそうですが(笑)私この弟くんがけっこう好き〜。ブラコン気味なんだよね(笑))


2000年12月9日(土)   愛情パズル

   アイスノベルズ   珂月せりか:作  日下孝秋:絵

新人さんの初ノベルズ。多分書き下ろし…じゃないかな?既出ならばアンソロジーだと思います。私は初めて読んだので(^^; 内容は、フリーターな無気力な男の子と、その子を拾い(?)同居している(関係はあるけど、どうもラブラブからは程遠い(^^;)マジメなサラリーマンとの絆を描いたお話でした。

無気力な男の子は、自分の欲するものが良くわからないみたいで、過去の男と寝てしまったり、それに罪の意識をもって同居中のサラリーマンとギクシャクしたりとぐるぐる自己嫌悪しまくるタイプでした(^^;このノベルズ全体の空気が静かなだけに、余計になんというか暗い、地味なイメージが強かったかなあ。印象も薄いし。お話自体は好きな感じなのに、あまり心に響いてくるものがなかったのはなぜなんだろう(^^;

私的評価 ☆☆
(好みというのも微妙なもので、条件がそろったからといって「いい!」とは限らないんですよね。今回まさにそんな感じでした。)


2000年12月9日(土)   負けるもんかッ!

   アイスノベルズ  猫柳りう:作  にゃおんたつね:絵

新人さんの初ノベルズ。多分何処にも掲載されてない…はず。(もしもアンソロジーとか初出だったらごめんなさい)高校生の「年下攻め」モノです(笑)主人公は、顔は整っているものの、目つきの悪さから「素行が悪い」と思い込まれている高校生。成績は当然ながら(笑)地を這っていて、家庭教師をつけることになります。本来なら兄の彼女がするはずだった家庭教師ですが、都合で来れなくなって中学2年生の弟が代わりに来ることになります。この中2のキャラが一癖も二癖もあるタイプで…。

いや、読みすすめるまで、受け攻め逆だと思い込んでました(^^; だって、外見が可愛いんだもん、攻めキャラってば(^^; おまけにとにかく強引で、なんだかちょっと取っ付きにくかったです。趣味が別れるところですね、このあたり。そういう年下攻めが好きな方はどうぞ。私はあんまり趣味ではなかったです。

私的評価 ☆☆
(うーん、強引すぎてね、必然性なんかどっかにとんでいっちゃってて(^^;なんだかなあ。)


2000年12月8日(金)   プラス20センチの距離

   GUSTコミックス    桜城やや:絵

なんとなく、発売後気になって手に取りました。前にも似たようなことをしてたので、今回は躊躇なく購入。読んでみればやっぱり、好きだった作品でした(笑)GENEROUS KISSに掲載されていた作品と、その続編の描きおろしが収録されていました〜。道理で呼ばれてるような気がしたんだ(笑)

私は桜城さんの「照れた顔」が好きなんですよね。ほんっとに恥ずかしそうで(笑)けっこう体格のいい受けキャラ描かれるんですが、その照れ顔でもう「可愛い!」と思えます。まだコミックスになっていない作品もあるので、ぜひまたつづけてコミックスを希望したいです。

私的評価 ☆☆☆☆
(のんびり楽しめる作品ばかりです。ぜひどうぞ〜)


2000年12月8日(金)   ダイナマイト・ダディ 3

   GUSTコミックス   桜川園子:絵

GUSTにて掲載されている「ダイナマイト・ダディ」シリーズ第3巻。今回は前作ラストで誘拐されてしまった(^^; こまったおやぢ(笑)藤堂氏の救出大作戦のお話でした。玲二は女装するわ、レディは大活躍するわ(笑)でも、最後の無事救出された時の、玲二の涙にはホロリと来てしまいました(笑)

おまけみたいな描きおろしまんがもついています。テンポのよさを楽しんで下さいね。

私的評価 ☆☆☆★
(しかし、最近ちょっと水分過多(笑)気味ですね、桜川先生ってば。)


2000年12月8日(金)   天秤座号殺人事件

    ディアプラス文庫  五百香ノエル:作  松本花:絵

久しぶりに出た「MISTERIOUS DAM!」シリーズ。寡作な推理小説家の主人公と、そのお相手であり、同じく推理小説家(こっちは売れっ子)とのお話です。今回の舞台は「豪華客船の旅」 2人で過ごす時間を作るためにと豪華客船に乗り込んだ2人ですが、やっぱりという感じで殺人事件に巻き込まれてしまい…。

まあ、先生自らがテレビのサスペンス劇場ちっくだ…と書かれてるんですが、確かに今回の方が、謎とき部分は少なかったですねえ。どちらかというと比重が「2人のらぶらぶ」に向いていたみたいで(笑)でもけっこう楽しく読みました。前作とあわせてどうぞ。

私的評価 ☆☆☆
(随分受キャラが雰囲気変わった…のは、今まさに「蜜月」をすごしているから、なのでしょうねえ。)


2000年12月8日(金)   いじめてみたい

    SHYノベルズ  渡海奈穂:作  門地かおり:絵

人より時間が緩やかに動いているような(笑)(ようは反応鈍くて人見知りが激しい(^^;)大人しい高校生の男の子が主人公です。彼は転校生で、前の学校ではなにかと世話を焼いてくれる友人がいたこともあり、転校をあまり喜んでいません。そんな彼になにかとちょっかいをだして、乱暴な物言いをしつつも世話を焼いてくれるクラスメートがあらわれ、だんだんと主人公は彼に引き摺られていきますが…。

いやあ、おどおどしたいぢめてくん(笑)がおかしいですねえ(笑)某ぼの●ののシマリスくんのごとく「いぢめて?」って感じで首かしげてそうで(笑)(←言い過ぎ(^^;)クラスメートくんや前の学校の親友くんの気持ちがわからないでもないです(笑)でも、最後にはちゃんと自分の思いを口にして、自分で考えられるようになってくるあたり、主人公の成長物語と言えるのかもしれません(笑)

私的評価 ☆☆☆★
(テンポがよくて、笑える作品ですね。少々関係が強引かもしれませんが、主人公が鈍感で「恋愛感情に気付いてない」ので、オッケーかなと(笑))


2000年12月8日(金)   水に映った月

    クリスタル文庫  かわいゆみこ:作  円陣闇丸:絵

イギリスのパブリックスクールが舞台のお話です。規律の厳しいパブリックスクールではもちろん同性愛は御法度。時代的にも「同性愛は罪」です。パブリックスクールの代表の友人である主人公は、司教の息子でもあることから、同性愛に嫌悪感を抱いていますが、ある日同室の親友が、後輩とそういう関係にあると知り、初めて自分の中にある、彼への思いに気がつきます。その思いは報われず、思い悩む中で、その親友とよく似た後輩から、声をかけられ、だんだん親しくなりますが…。

上のあらすじでもちょっと違うんですけどね(^^; 主人公のみに焦点を合わすとこうなるんですが、でも「これだけじゃない」んですよ。学校内で起こった事件や、お相手である後輩からの視点、いろんな形で語られていきます。主人公が育った環境の中でどうしても背徳感をすてられないこともあり、ラストは、「まさか!」と思うようであり、でも「ああ、その方法しかなかったのかなあ」と納得もするような、そんな展開になっています。読み終えたあと、妙にずっしりとした何かが胸に残る、シリアスで重厚なお話でした。かわい先生ならではの1冊だったのではと思います。

私的評価 ☆☆☆☆☆
(かわい先生曰くは「これもハッピーエンド」…うん、つじつま合わせて、適当に幸せになるよりも、この方が2人にとっては幸せだったのかもしれないですね。)


2000年12月8日(金)   深海魚たちのうた

    クリスタル文庫  ふゆの仁子:作  蓮川愛:絵

どの号だったか、雑誌が合ってるかは不安なんですが、これは多分「小説b-Boy」(もしくはBEaST)に掲載されたものですね。主人公は、会計事務所に勤める青年。もうすぐ結婚式を控えていますが、そこにいきなりある男から連絡が入ります。その男は、昔主人公の恋人だった青年で、結婚すると聞いて、結婚式までの1週間主人公を拉致(^^;して濃密な時間をすごしますが…。

ラストが非常に衝撃的で、雑誌掲載のときもボロボロ泣いてしまったお話でした。今回書き下ろしで、その後(6年後(^^;)の話もありますが、正直「これは要らない(読みたくない)かも」と思ったほどに、強烈なラストだったんです。正直な話、悲恋です。が、これほどまでにお互いを欲しあい、そして自分を律している関係ってすごいと思う。こうして、文庫として読めたのは嬉しいです。多分、いままでのふゆのさんの作品の中で、私はこれが一番、好きなのだと思います。

私的評価 ☆☆☆☆☆
(やっぱり、文庫読んでも泣いてしまいました(T_T) こういう関係もあり、なんだなあ〜としみじみ思います。)


2000年12月7日(木)   可愛いひと。 2

    ラキアノベルズ   高岡ミズミ:作   御薗ざぼん:絵

人気だったのか、意外と早かったですね。「可愛いひと。」の続編登場です。これは全編書き下ろしになりますね。可愛い義弟絢一にベタボレの千尋サン、なんと冒頭で養子縁組しちゃいます(笑)ラブラブ甘々新婚生活…かとおもいきや、またもや立ちこめる暗雲。友人に頼まれて、雇う事にした看護士の青年は、なにやら過去もちで、妙な行動が目立ちます。大人しい絢一はすっかりペースに巻き込まれてしまい…。

よると触るとラブラブな2人、今回は信頼関係がしっかりあって、事件があってもそういう絆は不安がなかったですね。そのかわり、この看護士の青年が不憫で〜(^^; 憎まれ役なんだろうけど、憎めなかったです。幸せな道へとすすめればいいんですけどねえ。春ちゃんたちも幸せそうで楽しく読めました。

私的評価 ☆☆☆☆★
(新婚旅行編、思わず笑ってしまいました。それまでがちょっとシリアス系だっただけに余計に落差が(笑))


2000年12月7日(木)   想い出の月 約束の海

   ラキアノベルズ   椎名りりん:作  やまねあやの:絵

大学に情報処理の講師として通う、SEの青年と、その大学の事務員の物静かな青年とのお話です。SEの青年は、事務員の青年を憎からず思っており、ある時一緒に飲みにいった帰りに、偶然家に誘って泊まってもらう事になり、成りゆきで身体を重ねる2人。その後も関係は続きますが…。

意志の疎通はないものの、SEの青年がベタ惚れっぽいからでしょうか。身体から入る関係でも、そう違和感はありませんでした。自分に自信がもてず、「自分なんかを好きになってはいけない」という相手を、情熱ある口説き言葉と愛情で癒していく主人公はかっこいいです。穏やかで、微笑ましくて、ちょっと物悲しい部分もある、落ち着いたお話でした。まあ、ラスト近くで、事務員の青年の弟なんかも出てくるんですが、このエピソードはなくてもよかったような〜(^^; と思わないでもないですが。

私的評価 ☆☆☆★
(全体に流れる優しい雰囲気が、とってもいい感じでした(笑))


2000年12月7日(木)   秘密のプラネット・プリンス

   ラキアノベルズ  小笠原類:作  蓮川愛:絵

超エリートおぼっちゃま学校に入学してきた主人公は、成績優秀で満点で入ってきたため、寮の特別室に入室する。そこで出会った(というか相手が不法侵入(爆))のは、妙に強引なところのある少年で…。思い出の中の初恋の君を大切に思い続ける主人公ですが、だんだん強引な少年に心を惹かれるようになっていきます。

いやあ、なんというか、もう「つっこみどころ満載(^^;」なお話でした。学校の設定も、最初の「思い出」の設定も、キャラ設定もなんだか「嘘臭い(^^;」 いや、ファンタジーと思ってもそれでもなんだか浮いてる感じで、違和感なしには読めませんでした。要は強引な少年の魅力がちっともこっちに伝わってこなかったんだなと。とっても楽しんで書かれたようなんですが、どうも自己満足風に見えてしまいました(^^; 「なぜ」という疑問がいくつも残ってしまうのは、好みじゃないなあ(^^;

私的評価 ☆★
(自己完結もほどほどに(^^; そしてイラスト買いはそろそろやめよう<私)


2000年12月5日(火)   やさしく愛して

   オヴィスノベルズ  姫野百合:作  ほたか乱:絵

家族愛に恵まれず、家庭の優しさを渇望している主人公と、元ヤクザの家系の会社の御曹子とのお話です。主人公は、「ナンパ代行屋」をして生計をたてている、ちょっとチンピラくずれな少年。自分のアパートの近くにすむ老夫婦と過ごす時間をなによりも大切にしている。ある日偶然町でみかけ、仕事(ナンパ代行)を依頼されたのは、スーツを見事に着こなした、かっこいい青年。実は彼はそのあたりの不動産をもつ会社の社長で、おまけに老夫婦の家を地上げする交渉をしにやってきて…。

受キャラの、「愛」を渇望する姿は、健気で可愛いです。イヤミなぐらいに余裕たっぷりな攻キャラ、余裕すぎて言葉が足りなさ過ぎ(^^; そのせいもあって、くっつくまでに時間を要しますが、それでもラブラブで、やさしいお話です。

私的評価 ☆☆☆★
(暖かい気持ちで包んであげられる度量の深さをもつ攻と愛に飢えている受…「割れ鍋に閉じ蓋」(爆))


2000年12月1日(金)   アブナイ眠り姫

   シャレード文庫  火崎勇:作  島津裕:絵

掲示板の書き込みに後押しされて購入しました。(実売は11月末。間に合わなかったので12/1に入れています)…そして「買えばよかったんじゃん…」とちょびっと自分にツッコミ入れちゃったぐらいにお気に入りになりそうな1冊でした(爆)Aさん他オススメだと教えてくれた方々ありがとうございました。内容は、「眠るのが趣味」なサラリーマンの青年が主人公で、その趣味を生かし(?)寝具の会社に勤めますが、居眠りも多く、上司に注意されまくる日々を過ごしています。ある休みの日、惰眠をむさぼっていた主人公の所に「引っ越しの挨拶」に訪れた相手は、そのコワイ上司で…。

いやあ、なんだか火崎さんの今までの作品の中で、一二を争うラブラブさ加減でした(笑)主人公が、のほほんとしていて優しくていい感じ。彼を「欲しい」と思う人の気持ちもわかるなあ〜。なにかそういう引き付けるフェロモン出してるんじゃないかと思います(笑)眠いと人間色っぽくなるらしいし(笑)(ほんとか?)しっかり「運動」して(←(笑))「適度に眠れる」ようになるといいね(笑)

私的評価 ☆☆☆☆
(なんだか読んでいて「ほわーん」と眠たくなってしまいそうな(笑)眠りの描写も気持ちイイ1冊でした。ひなたぼっこのふとんの上で私もねてみたーい!)


2000年12月1日(金)   キケンな誘惑

   リーフノベルズ  遠野春日:作  金ひかる:絵

「キケンな遊戯」の続編…というか、別キャラもののお話です。「キケンな遊戯」の主人公の父が、今回の主人公になります。もともとは同人誌の方で出てきたお話で、加筆訂正をして、今回のノベルズになったようです。(同人誌のほうも読んでいました)それから、また別のキャラクターのお話も入っています。短編集っぽいですね。

なんだかめちゃめちゃ可愛い父が凄く好きです(笑)オヤジ受けなんですが、なんというか「オヤジ」という言葉が不似合いなほどに、「父である前に人間である」人ですね<父 お相手も、度量が大きくて、読んでいてなんだかホッとするような、大人な部分のあるカップルでした。カップルでいうなら、こっちの方が好きかも(笑)

私的評価 ☆☆☆☆
(前作を読んでいなくても独立して読めますが、人物相関から考えると、読んでいたらより楽しめると思います。ぜひどうぞ。)


2000年12月1日(金)   真っ白な夜明け

   リーフノベルズ  由比まき:作  滝りんが:絵

今はなき(笑)ヴァリオノベルズで発行されていたシリーズ「夜明けがきても抱いていて」の最新刊になります。ヴァリオレーベル消滅後、エクリプスロマンスで発売予定でしたが、揉めたのかな?エクリプスでは発売せず、リーフに移動になりました。そのかわり…というか、リーフで今まで出てきたキャラ(カップル)総出演なお話になっています。

リーフのシリーズの中に、ファンタジー系のものがあるため、ファンタジー色がけっこう濃い作品になってますが、全部読んでないとちょっと辛い作品になってしまってて残念(^^; キャラクターが判らないと面白さも半減してしまいそうです。…かといって、全部読めと言うのもなあ(^^;

私的評価 ☆☆★
(…とかいいつつ、半分以上は読んでる自分がなんだか空しい(笑) もうちょっと説明入ってもいいような気はしました。)


2000年12月1日(金)   副社長はキスがお上手 2

    リーフノベルズ  水上ルイ:作  円陣闇丸:絵

ジュエリーデザイナーシリーズの脇キャラ「アントニオ&悠太郎」のシリーズの2作めになります。短編集みたいになっているのは、HPに掲載されていたもの等も収録されている(…はず。覚えのある話だったので。同人誌からだっけ?)からかな?いろんなシーンでの2人が読めます。

本編の主人公カップルとは違い、明るくて楽しいタイプな2人なので、笑って楽しめる…んですが、どうも絵と話が合わないというか(^^;繊細な円陣さんの絵とはある意味対照的な内容に思えました。イメージが前の吹山さんで固まってるせいもあるんでしょうけどねえ〜(^^; イラスト交代が、スムーズには行かなかったタイプかなあ。内容はいつもどおりにドタバタラブラブ甘々〜なお話でした。

私的評価 ☆☆★
(主役カップルよりは、今回のこの2人の方が好きなんですけどね。でも1冊目の方がよかったような気がする…(^^;」