2000年2月のレビュー


2000年02月29日(火)   DARK WALKER 〜闇歩き〜

 ダリアノベルズ  ゆらひかる:作  如月弘鷹:絵

ビブロスのゼロコミックスで展開されている、ファンタジーものと同一世界観のファンタジーものです。無意識に闇に落ちてしまう「闇歩き」と呼ばれるものたちを描いた作品です。ゼロコミックスでは、如月先生が、ゆらひかる先生原作で、女の子が主人公の作品を連載されてますが、こちらはちゃんとボーイズもの。なんだかとっても相手しか見てないラブラブ度の高い作品でした。

なんとなーく、ゆらひかる先生、このシーン書きたかったのだろうなーと言うのが、読了後伝わってきました。ほんと、ラスト直前の、クライマックスシーンなんですけどね(^^;……いやあ、そこに向けて盛り上がるのはいいんですが、…あとが「え?これだけ?」って感じでした。ちと中途半端な感じもしますね。

如月先生のイラストがめちゃめちゃ素敵です!主人公の片割れ、羽を持ってるんですが、この羽がすっごいキレイなの!ぜひぜひ見て下さいね

私的評価 ☆☆☆★
(いつか、コミックスの方と、話が繋がるのかなあ〜。ちょっと気になるです(^^;)


2000年02月28日(月)   ネズミとオオカミの友情問題

 ティーンズルビー文庫  秋月こお:作  麻々原絵里依:絵

ティーンズルビーから2冊め、シリーズとしては3冊め(アンソロジー含む)になります、怪盗の息子と警備会社の御曹子のお話です。こんどは受け側(怪盗の息子)からの視点ですが、ほとんど3人称扱いですね。時々受けの父の視点も混じりますし。

しかし……まあ、ファンタジーなんですが(爆)にしても、笑えるほど安易な部分があって勿体ないですね。できたらもっと建物に忍び込んだりする部分は緊迫感と記述が欲しかったかなあ〜。その前後がしっかりしてるだけに、なんだかあっけなくて勿体ないです〜。一応ミステリチックなわけだし(^^;その辺を期待しちゃうのはダメかな?

私的評価 ☆☆☆
(面白かったのは面白かったんですけどね。…物足りない部分があったよ、ということで(^^;)


2000年02月28日(月)   ミラクル・トライアングル

 ティーンズルビー文庫  夜月桔梗:作  南天佑:絵

ティーンズルビーから初の文庫ですね。夜月センセの久しぶりの新刊。書き下ろし…だと思います(^^; 近未来の3つ子の子供たちのお話です。男の子2人、女の子1人のドリカム構成(…この言葉も懐かしいなあ(^^;)で、そこにある研究者の息子という重要キャラもからんできます。ハイテンポなお話です。

…が(^^;…設定的になんだか無理が多くて、「おいおいおい」とツッコミを入れつつ読んでました。…近未来ってそんなに先の設定にはしてないし…(^^;ファンタジーと思えばいいんだろうけど、ちょっと笑ってしまいました。まあ、夜月センセのファンタジーモノは初めてなのですが、…やっぱりサラリーマンものとかの方が好きです〜(^^;

私的評価 ☆☆☆
(「恋しくて」の続きが早く読みたい……(T_T))


2000年02月28日(月)   許せないアイツ

 ルビー文庫    尾鮭あさみ:作   影木栄貴:絵

ノリノリでテンポがよくって大好きな(^^)尾鮭先生の新作。私てっきり「アヤしい夜を待って」の続きかと思ってましたが、これは完全新作書き下ろしです。どうも時代錯誤な正義感の強い男の子(潔癖症ぎみでめちゃめちゃ美人)と、その男の子をくどきにかかる破天荒なおにーさんとの丁々発止(笑)のやりとりを描いたお話です。

時代錯誤な男の子が、だんだんとおにーさんに心惹かれて行く様子が、めちゃめちゃ可愛いです。設定や展開が予測がつかない(笑)まさにハイパーコメディなのですが、コメディの中に埋もれずに、ちゃんとこの男の子の逡巡や迷いが描かれているので、読みごたえもあります。しかし、尾鮭さんって、ほんとにパワー溢れる作品が多いですよね。その辺が魅力ではあるんですけども。

私的評価 ☆☆☆☆
(影木センセの鋭角な絵が、ぴったりでした(^^))


2000年02月28日(月)   もっと衝動LOVE★

 ルビー文庫    広河瑞紀:作   大和名瀬:絵
新人さんかな?めちゃめちゃブラコンな高校生の受けが、兄に頼まれて、無愛想で出来のイイ攻めに「生徒会に入ってくれ」と口説きに行き「なんでもするから!」と口が滑って(笑)身体を要求されてしまうお話ですね(^^;…なんだか定番というかなんというか…(^^;

その後、兄が実は弟を好きだったという展開もちと安易。…というかほんっとによく有るパターンで、読む前から展開が分ってしまうのはなんだか寂しい感じがするです。やっぱりひねりが欲しいかなあ〜。
同じ展開やパターンでも、「おお!」と思わせるシーンとかがあると、別物としてちゃんと認識できるんですけどね。まあ、多分初商業誌作品だと思うので(別ペンネームとかじゃなければ(^^;)今後に期待しています。


私的評価 ☆☆
(ふはは(^^;点数辛いですね(^^;まあ、今月けっこうインパクトつよい作品が多かったからよけいに辛いかも)


2000年02月28日(月)   プライムタイム

  シャレード文庫   芹生はるか:作  石田育絵:絵

待ってました(^^)私が「スティールマイハート」シリーズにはまった原因だった作品が、ようやく文庫化です。雑誌小説シャレードに掲載された3作品と、書き下ろしがついています。「スティールマイハート」に出てくる「靫プロダクション」の鬼経理(笑)柏木慎と、その恋人梶チーフの恋愛コメディ(笑)です。…これをコメディと言わずして、どう表現すればよいのかって感じです(笑)スティールマイハートのシリーズがハードでシリアスだっただけに、反動でよけい笑えます。

柏木はもともとゲイなんですが、梶に一目惚れして、一緒に働きたい一心で、靫プロに就職し、倒産寸前だった会社を建て直します。その中で、梶との愛を育てて行くんですが、もう、柏木ったら姑息すぎ!(笑)あの手この手で、なんとかして梶を自分のものにするべく画策して、梶は梶で、柏木を自分の方へ向けようと必死で、とにかく面白いカップルです。Hシーンも割と多いですが、あんまり気にならないです。容赦のない柏木、好きだなあ…(笑)人物は、別にスティールマイハートを知らなくても大丈夫ですが、知ってたらより面白いかもしれませんので、よかったら合わせてどうぞ。

私的評価 ☆☆☆☆☆
(意地っ張りなだけに、ラストで柏木がちゃんと自分の気持ちを伝えるシーンは、けっこうジーンと来ました(^^))


2000年02月27日(日)   校内恋愛のススメ

  ラピス文庫   近藤あきら:作  こうじま奈月:絵

幼馴染みで隣のお兄ちゃんな担任の先生を好きな高校生のお話です。お兄ちゃんを好きだけど、ストレートな人だから、忘れなくちゃいけないと思いつめて、部活の先輩と付き合いますが、やっぱり上手くいかなくてもめてしまいます。また、そのお兄ちゃんはといえば、もともとその高校生がめちゃめちゃ好きで、でも好きになってもらえる訳がないと諦めていたので、あるきっかけから、すっかりラブラブになってしまいます。

いやあ、ラブラブ甘々って感じですね〜。ほんとベタ甘!…けど、お隣のお兄ちゃんのお兄ちゃん(つまり担任の先生は次男なのだな)がめちゃめちゃいいアジ出してて、テンポよく読めてとっても面白かったです。情けない先生もナイス(笑)こうじま先生のイラストも素敵で、久々に楽しませていただきました(^^)

私的評価 ☆☆☆☆
(攻めキャラ(担任のお兄ちゃん)の情けなさにほだされてしまいました。…いかんなあ、私こういうダメキャラ好きなのかも(爆))


2000年02月26日(土)   プラトニックダンス 1

  キャラ文庫   川原つばさ:作  沖麻実也:絵

ビブロスのビーボーイノベルズで出ていました、「日本一ワガママなホスト」と「5か国語をあやつる美青年」とのお話。実は、BBNでは読んでませんでしたので、この作品読むのは初めてだったりします。相当加筆訂正されて、イラストも描き直されてるらしいですが、前をしらないので、どの程度でどの場所なのかは判らないです。

いやあ、今もこの作品の根強い人気が納得できるような読みごたえでした。多分、私が読んだことのある川原先生の作品の中では一番好きかなと思います。沖先生のごーぢゃすなイラストももちろんですが、互いに惹かれあっていく感じがいいです。…多少ネタ的に古かったりするのは、もともと初出が相当前だからしょうがないんでしょうね。

私的評価 ☆☆☆★
(今後もシリーズが続くとのことで、楽しみにしています。)


2000年02月26日(土)   TROUBLE TRAP!

  キャラ文庫   池戸裕子:作  峰倉かずや:絵

キャラセレクションに掲載された、探偵社にバイトとして勤める新米泥棒の少年のお話です。雇い主のだらしないおにーさんがワイルドで、優しくて素敵♪(ちなみにこの人が攻めだ(^^;)いろいろと紆余曲折があってくっつきますが、この紆余曲折の部分がまたいいんですよねえ〜。説明したいけど、めっちゃくちゃネタバレなので我慢します(爆)これはばらしちゃうと面白くないから。

掲載されたお話の後に、後日談が書き下ろしで載ってるんですが、いわば謎解き編みたいなもので、最後までよんでやっと納得、できます。ぜひぜひトライしてみてくださいね〜。峰倉センセのワイルドなイラストは、くらくらしちゃいます。ハマリすぎだわ〜

私的評価 ☆☆☆☆★
(テンポもよくて、かっこよくて。とっても好きなお話でした。物足りない方もいるかもですが、私はこのお話大好きです(^^))


2000年02月26日(土)   望郷天使 〜GENE 2〜

  キャラ文庫   五百香ノエル:作  金ひかる:絵

1冊めがひじょーに私のツボをついていた(笑)五百香先生の異世界モノのシリーズ2冊めです。運命の相手の少年も出てきます。それでもまだやっと前半部分なのかなあって感じの流れですが、やっぱり私にはツボですね。イリの立場の危うさや絶望が切ないです。そして、なんだか青春マンガのようにさわやか〜な少年との逢瀬も可愛い。

さて、イリの正体もばれて、今後どんな展開が待ち構えてるんでしょうねえ。気になって気になってしょうがありません(^^;早く続刊が出てくれることを期待しています。金先生のイラストもめちゃめちゃいいです(^^)雰囲気がいいんですよね。イメージぴったり。必見です。

私的評価 ☆☆☆☆☆
(どこがどうツボにはまったのか、説明つかないんですが、この作品、すっごく好きです〜)


2000年02月26日(土)   夏の感触

  キャラ文庫   斑鳩サハラ:作  嶋田尚未:絵

キャラセレクションに掲載された、サハラ先生の王道な学園モノのお話です。生徒会長、体育祭、丁寧語の攻め(笑)王道も王道ですねえ。どちらかといえば、突飛な設定よりは王道青春モノの話の方が、読んでいて楽しめていた私なので、今回の作品は、ここ最近の中では一番好きかなあ、と思います。

しかし、ずいぶん沢山本を読んできている私には、どうも「定番」は物足りなくなってるようですねえ。なんだか展開が読めてしまうので、勿体ないというかなんというか…(^^; 変わらぬ面白さもありますが、プラスアルファでもう少しなんか欲しかったなあ…と思ったりもします。

私的評価 ☆☆★
(うーん、好きだったからね、余計にそう思うのかなあ…)


2000年02月25日(金)   私立荒磯高等学校生徒会執行部 2

  キャラコミックス    峰倉かずや:絵

ハイテンションな生徒会執行部の名コンビのシリーズ2巻。完結編です。…というかもともと番外編として作られたそうなので、そうそう長いシリーズではなかったようですが(^^;怪し気な久保田&時任のコンビが最高です。こういう友情過多な不思議な関係、お得意ですよねえ…(笑)

現在キャラで、これの元になった本来の久保田&時任のお話が連載されています。やっぱりくぼちゃんはのほほんまったりですけどね。その裏にある非凡さが好きだわ〜。ぜひぜひ、読んで楽しんで下さい。

私的評価 ☆☆☆☆☆
(ホッカイロのシーンとかを見て「きゃー♪」と思う私はどうも峰倉センセに翻弄されてる読者の1人のようです(^^;)


2000年02月23日(水)   卒業式 〜答辞〜

  エクリプスロマンス  水壬楓子:作  暮越咲耶:絵

3月発売の「卒業式〜送辞〜」と対になっています、オムニバス形式の短編3つが収録されたノベルズです。小説エクリプスに掲載された表題「卒業式〜答辞〜」と、書き下ろしであと2作品、どれも1つの卒業式をテーマにした作品ばかりです。

表題作は、卒業生同士の恋愛。これがとってもインパクト強いです。思わずのめり込んでしまった(^^; 書き下ろしは、卒業生と先生、OB同士の話、とバラエティに飛んでますし、非常に読みごたえがありました。ただ、1話目はともかくとして、あとの2作品は、無理にHシーンに雪崩れ込まなくても(^^;寸止めでよかったような気もしないでもないですが(^^;…卒業式にいろんなところでHするカップルたち…(爆)想像すると嬉しくないです(^^;

同じ高校の同じ時間を舞台にして、いろんな角度からのお話が読めるのは、ほんとに面白いです。3月のノベルズも楽しみにしています。

私的評価 ☆☆☆☆★
(楽しみにしていた1冊。それぞれ単独でも読めますので、安心してどうぞ(^^))


2000年02月23日(水)   歯医者の領分

  エクリプスロマンス  木根尚子:作  やまかみ梨由:絵

木根先生の久しぶりのノベルズ。「ハードボイルドな歯医者(笑)」のお話です。いやあ、めちゃめちゃカッコイイ歯医者でした(笑)飲み屋や風俗店が立ち並ぶような街の一角で、歯医者を経営する寡黙でかっこいいけど黙ってるとコワイ(^^;攻めキャラが、甥っこの担任の先生(たおやかな美人。もちろんこの人が受け)がトラブルに巻き込まれたのを知って、助けに行ったりヤクザを脅して情報を聞き出したりと、大活躍するです。

いやあ、上記のヤクザを「歯の治療中に」脅すシーンなんかはめちゃめちゃツボでした。ほんっとに怖いよ、そんな歯医者(笑)でも、それだけ自分の立場の利用価値も知ってて、受けを助けるためなら、どんな手段でも講じるのは愛のためだと思うから、許せます。…なんとなーく描かれている治療途中の記述を読んでて、歯が浮いてくるのは、経験上どんなことなのかが判るからかしら(^^; イタタタ(^^;(ああ歯が痛む(^^;)

私的評価 ☆☆☆☆
(いやあ、めっちゃかっこいいですわよ馨さんったら(笑)こんな医者怖いけど、自分を守ってくれるならついていくかもだわ)


2000年02月18日(金)   氷のビューティー

  ビーボーイノベルズ  水無月さらら:作  桃原今日子:絵

小説b-BOYに掲載された男子寮モノです。美人の受けくんが、なんとかして、ずっとずっと好きだった元恋人と再びラブラブになるべく画策するお話。雑誌掲載されたものに、後日談の書き下ろしもついています。

受けくんのあだなが「氷のビューティー」なんですが、とんでもない(笑)すっごいパッショネイトなところがあります。思い込んだら一途というかなんというか…。自分がやったことに後悔をしながらも突き進むちょっとタカビーな受けくん可愛いです(笑)なんやかやといいつつ、受けにめろめろな攻めもナイス。

ここのところ、とっぴな設定&安易な展開が多くて残念だったけど、これは楽しんで読みました。できたら、別カップルの進展をもう少し突っ込んで読みたかったかなあ。気がついたらくっついてたというのが勿体ないような(^^;

私的評価 ☆☆☆
(雑誌掲載時に、けっこう好きだった作品なのでノベルズになって楽しんで読めました。)


2000年02月18日(金)   疵〜スキャンダル〜 冷たい指

   ビーボーイノベルズ  かわいゆみこ:作  杜山まこ:絵

小説b-BOYに掲載された、役人モノのちょっとハードなお話です。雑誌掲載時の前後編の前編を中心に加筆訂正されているので、まだまだ続きます(^^; なので、完結してから読みたい人はしばらく待つべし。

とにかく、ドロドロしていて、ハードです。人間関係がすっごくすっごくしんどい。受が不妊の原因を持っていることから、役立たず呼ばわりされ、接待の材料に使われて、トラウマを抱えてしまい、妻にも裏切られ(^^;耐え切れずに自分をさらけだしたのが同僚(攻めキャラ)の前だった、というやつですね。もう、すっごい汚い世界(^^; 嫌なやつはとことん嫌なやつです(笑)

でも、人間って絶対汚いところはあると思う。私利私欲に走る人間、相手の気持ちなんかどうでもいい人間。絶対いるよね。なりたくはないけど(^^;「イイ人」ばかりではないのは事実だから、その事実に目を背けずに、書ききるかわい先生に拍手だなと思います。悪人を悪人として直視して書けているのは、かわい先生と木原先生ぐらいだと思う(^^;

私的評価 ☆☆☆★
(読んでいて、あまりの受けの境遇にたまらなくなりますが、読みごたえたっぷり。一度トライしてみてください。)


2000年02月18日(金)   秘密と嘘

   ビーボーイノベルズ  高坂結城:作  円陣闇丸:絵

高坂先生の久々の書き下ろしである表題作と、雑誌掲載された(多分小説b-BOY)作品の2つが収録されています。表題作は、「愛している」を免罪符に使った男に裏切られ、愛や恋を憎む高校生が、自分を好きだといってくれるサラリーマンの男性に、心惹かれ、癒されていく様子を描いた作品です。同時収録の方は、記憶喪失モノです。

いやあ、久々に重厚な感じの作品で、読んでいて幸せでした♪高坂先生の作品は、明るいポップな感じのもいいけど、やっぱりしっかりとした心理描写のあるのの方がより好みかなあ〜。雑誌掲載された方のお話も、読んでいてすごくすごく好きで、どきどきした作品だったので、改めてノベルズで読めて嬉しかったです。だって、記憶をなくしても、自分を選んでくれるって、すごく幸せでしょう?…まあ、それって記憶喪失モノの王道なんですけどね(^^;

私的評価 ☆☆☆☆
(愛は免罪符にはならないけれど、人の心の糧にはなるんだよね。そうしみじみ思った1冊でした。ぜひぜひどうぞ)


2000年02月18日(金)   エタニティ 3 〜TOKYOジャンク〜

    ビーボーイノベルズ   ひちわゆか:作  如月弘鷹:絵

とうとう最終巻。大人気TOKYOジャンクシリーズのラストです。雑誌に連載されたエタニティと、書き下ろし「春をして君を離れ 2」が収録されています。書き下ろしが、いわば大ラスになります。エタニティでは、柾の救出大作戦展開。たしかこれは雑誌掲載にはなかったはずなんですが(^^;ナギさんが、少年を助けて一緒につれて帰ります。これはやっぱり…「暗くなるまでまって」の朔夜くんでしょうね♪

そして書き下ろしはもうもう、涙なしでは読めませんでした。…といっても2巻の涙とは性質がちがいますが。とにかく、柾と貴之の愛が切ないです。貴之のために、離れる決意をする柾が、貴之にプロポーズするんですが、このシーンは何度読んでも目頭が熱くなります。如月先生のイラストも涙を誘います。…これを読んでから、小説b-BOY3月号(現在発売中)の掲載作「アイジン」を読むと、すごくホッとしますね。…ああ、幸せになったんだなあ、良かったなあって。なんというか、すごく潔いラストでした。ノベルズで書き切れなかった部分を雑誌掲載分で補ってますので、ぜひぜひ合わせて読んで下さいね。

私的評価 ☆☆☆☆☆
(感動的なラストでしたね。…多分これ以上長引くよりは、これが一番いい終わり方だっただろうなと思います。外伝も、楽しみにしています。)


2000年02月17日(木)   仕立て屋の恋人

    花丸文庫  峰桐皇:作  宗真仁子:絵

峰桐さんの新作書き下ろし。仕立て屋さんといっても街の仕立て屋さん的なものではなく、ちゃんと名の通ったデザイナーのお店です。のほほんなデザイナーに弟子入りして、一途に片思いをするユキちゃん(笑)(受)と、そのビルを仲介した不動産屋の青年(攻)とのお話。のほほんなデザイナーは、ちゃんと有能なマネージャーとラブラブだったりします。

最後の最後、まさにHの終わった後のピロートークで「好きだったんだよな」と言う攻め。「おいおいおい!先に言え!」と突っ込んだのは受けだけではないです、私もよ(笑)でも、テンポがよくて、面白くて、「身体からの関係」では決してないです。いいところで毎回邪魔をするデザイナーとマネージャーも笑えます。

なにより、イラストの宗真さんがもう〜(笑)ユウキくんが額出してるみたいで、攻めキャラもちょっと千歳さんっぽくて、違う意味でも嬉しかったです(爆)…「嘘つきの恋」から宗真さんの絵に入ったからなあ…私(^^;

私的評価 ☆☆☆☆★
(イラストのあたり、邪道なこと書いてすいません↑ テンポがいい、笑えるコメディちっくなお話です。ぜひ読んでみてね。)


2000年02月17日(木)   でも素直じゃいられない

    花丸文庫  きたざわ尋子:作  赤坂RAM:絵

以前ここでも「良かった〜、続編が読みたい!」と言ってました、「だまされたい」シリーズ。待望の続編です。着物が似合う(笑)田村と詐欺師の片瀬のお話。田村ってばなんて素直なの(笑)カッとなって、どなっちゃったりするのも、ぜーんぶ片瀬の計算通りだなんて…(^^;

片瀬もクールぶってるわりに、田村を誘拐されたりしたら、本気で実弾ぶっぱなすあたり、しっかり嫉妬してるし(爆)所詮ラブラブなのねと思います。私も勇真くんの意見に一票(笑)とにかく、2人とも、自分の気持ちを素直に伝えるタイプではないだけに、ニヤニヤしながら読んでしまいました(笑)イラストも、可愛くてグー(^^)v鉛筆画みたいな感じのイラストがありますが、これがまたけっこう雰囲気出してていいです。個人的に本気で銃を向ける片瀬氏のイラスト一押し(笑)

私的評価 ☆☆☆☆★
(いやー、自分のオススメの作品の続編が出るとやっぱり嬉しいですねえ)


2000年02月15日(火)   トライアングル・ラビリンス

    オーロラノベルズ  藤原りん:作  竹田やよい:絵

ある学院の音楽教師のお話。ピアニストになれる才能を持ち、交換留学生としてアメリカに渡って、ステイ先の家の兄(財閥の後継者)とらぶらぶになりますが、事故にあい、恋人をなくし、自身もケガをしてピアニストの夢を諦めます。その後ずっと恋人への思慕を抱きつつ、自暴自棄的な生活を続けますが、ある日交換留学生としてやってきたアメリカ人は、なんとその元恋人の弟で…。

…いやあ、なんというか、盛り沢山でしたね(^^;最初の方のラブラブさ加減が、すごく幸せに満ちてただけに、事故の辺りはちょっとショックでした。で、同僚の体育教師というのがいて、一緒にホテル入ったりもするし、受けが誘ったりもするんですが、そのまま同僚の域を出ず、元恋人の弟とハッピーエンド。…これでいいのか?(^^;って感じです。なんだか狐につままれた気分になった1冊でした。

私的評価 ☆★
(うーん、なんのために同僚が出てくるんだろう(^^;よく判りませんでした)


2000年02月15日(火)   原罪の傷あと

   オーロラノベルズ   宮本恭名:作  すがはら竜:絵

義兄弟モノです。親の再婚で兄弟になった義兄に、関係を強要され、そのままなし崩しにずっと関係を持ちつづけていた青年が、仕事先のゲイバー(売春有りなところ)で出会ったホストに惚れる話。…というかホストが一方的に惚れてアタックしまくるんですが(^^;青年も惹かれていくから、話がややこしくなるんですね。いわゆる三角関係状態。

この義兄がとにかく執着と独占欲のカタマリです。関係を強要し始めた所からしてイタイ(^^;でも、最後には身を引くのは引きますが…なんというか、ほんっっとにイタイ話でした。まあ、今回のオーロラの3冊の中では一番読みごたえがあったかなとは思うけど、…でもねえ、あんまり私的にヒットなものではなかったですね。なんだかムリしてるみたいで。このかたの他の作品も読んでるけど、ほのぼの系の方が合ってると思います(^^;

私的評価 ☆☆
(うーん、ハード過ぎたんだろうか、ワタシには。)


2000年02月15日(火)   藤娘にくちづけを

   オーロラノベルズ   三季貴夜:作  新宿西口:絵

アダルトな作品の多いオーロラノベルズ。やっぱりコズミックインターナショナル系の(笑)作家さんが多い。この方もそうですね。内容は、ある純朴な高校生が、日舞の家元の息子である同級生に惚れるという話です。出会った場所は学校ではなくて、日舞の発表会のある劇場で掃除のバイトをしていてで、楽屋でHをしてるのを目撃してからという、なんというかエロくさい話でした(^^;

…もう、全編H満載です。この家元の息子、誰とでも寝るんですよね。んで、主人公も誘いまくるし(^^;…まあ、一応トラウマみたいなものがあったうえでなんですが、でもそれならラストのオチは絶対いただけないですね。「主人公がヘタだから」と最初にでてきたHのお相手とコトに及ぼうとしてるだなんて……モラルなさすぎ。中古でも買わないかも。…今後オーロラノベルズは買うのやめるかもしれない(^^;

私的評価 ☆★
(…いやあ、まだ最初の数冊だから、と買ったのですが、やめときゃよかったです(^^;)


2000年02月15日(火)   愛をください

   リーフノベルズ   ふゆの仁子:作  水木ひかる:絵

ふゆの先生の初リーフノベルズかな?全編書き下ろしです。画材屋に勤める元美大の青年と、毎朝コーヒーショップで見かけるごーぢゃす(笑)なホスト風の青年とのお話。ホストとして、ではなくて、意外な過去を持っていて、意外なつながりを見せてくれます。

が、なんだか物足りなかったような感じがするんですよね…。淡々と話が流れていくんですが、ただそれだけ、な感じで(^^; 意外なつながりではあるけど、見え見えというか(^^;「誰がどの人」ってのははっきりと判ってしまった分、物足りなかったのかなあ。ふゆの先生は、もっともっと複雑で心理的にもレベル高いものを書かれる方というイメージが強いので、余計にそうなのかもしれないですね。

私的評価 ☆☆
(うーん、期待してたから、ちょっと寂しいな(^^;)


2000年02月12日(土)   琴姫樣、乱心!

   アイスノベルズ   高円寺葵子:作  こうじま奈月:絵

小説アイスに掲載された、異常に動物ウケがイイ大学生と、琴姫という犬が縁でこの大学生と「夫婦になる!」と決めてしまった田舎の名家の当主とのお話。書き下ろしで続編も収録されています。思いっきりコメディちっくな、高円寺先生お得意のパターンですね。

琴姫というゴツイ犬が、全ての元凶(笑)ですが、このワンちゃん、けっこう可愛くて賢い。受けの大学生も、すごく動物思いなので、読んでいて微笑ましいです。…が、攻めの当主…、あまりに一途なんだけど、なんか規格外(笑)というか、発想がコワイ(笑)いきなり東京にやたら広い別宅は作るし、広い家が嫌だと言われて、庭に離れは作るし(^^;いろいろと過去や辛いものは背負っているので、この人なりに可愛いなと思える部分もあるのはあるんだけど、…そんな非常識がまかりとおって良いのか(笑)と思います。…まあ、なんでもありだからいいのかな。

私的評価 ☆☆★
(うーむ、一般ぴーぷるなワタシには、感覚的によく判らん(^^;<お金持ち こうじまセンセが描く琴姫がふてぶてしそうでオススメ(笑))


2000年02月12日(土)   二人でキスをしよう

   アイスノベルズ   高尾理一:作  葛井美鳥:絵

ここのところ私的ヒットな高尾理一先生の新刊。それも同人で一緒に本を出されてる相棒の葛井美鳥さんと組んでなので、それだけですでにある程度ツボをついております(爆)お話は、元気印な可愛い高校生と、その生徒にめろめろきゅーに惚れてしまった先生とのお話です。…いやあ、なんだかとっても「道徳×天化」(爆)でした。あ、もちろん、そんなネタがどこかにあるとか、そーいう訳でもないし、同人誌の再録なわけでもないです。…私が持つ「高尾センセが書く元気な男の子と先生のバカップル(笑)」のイメージが「道徳×天化」なのでし(^^;

なんだか訳が判らないうちに「好きだ」と押し倒され(爆)てますが、…これが身体からはじまる…って感じの関係でもないんですよね。受けが先生を慕ってるからかな?ラブラブでコメディちっくで、いかにも「バカップル」って感じですが(笑)けっこう面白かったです。どうも自信なさげな先生、とっても好みです(笑)

私的評価 ☆☆☆☆
(テンポがいいですが、ほんとバカップルです(爆)どんどん縮んでいく受け…(大笑)最後の方はイメージは三等身ですね(爆))


2000年02月12日(土)   網膜の記憶

   アイスノベルズ   麻生玲子:作  せのおあき:絵

小説アイスに掲載された、「死者の網膜に焼き付いた記憶を読み取る能力をもつ」少年が、事件に巻き込まれるお話です。少年の恋人は、少年の兄の同級生。兄は刑事をやっていて、なにかと少年の能力を頼みにしていてますが、恋人はこの能力を知らないままで……。2人のなれ初め編が、書き下ろしで収録されています。

うーん、ミステリーというほどには謎はないし、事件もたいしたことはないからでしょうか。起伏が物足りない感じがしないでもなかったですね。雑誌掲載の分も、書き下ろしも、ゆるやかに流れていくって感じで、大きい起伏のあるお話ではないです。落ち着いて読めますが、ドラマティックさを求める人には物足りないかなあ(^^; 能力も、それがあって、何かを助けたわけではなくマイナス要因で終わってしまったのは勿体ないなあ。…まあ、死者から読み取るわけだから、プラスには転じにくいとは思いますが。

私的評価 ☆☆☆
(シリアスなだけに、なんだかもうちょっとなにかが欲しかったかなあと思います。)


2000年02月10日(木)   君までもうすぐ

    GUSTコミックス     かんべあきら:絵

かんべあきら先生のボーイズ系初コミックス。…そーいや、こっちのジャンルを商業ベースで描かれるようになったのはつい最近でしたね(^^; 下着を売る(笑)会社に勤めるサラリーマン同士の恋愛を描くお話。かんべ先生の絵はとっても綺麗で、美人がちゃんと「美人」だし、かっこいい人はちゃんと「かっこいい」ので、読みながらぐふぐふしちゃいました(笑)

友人から恋人への階段を順に登っていく2人が、すごくいいです。情感があるし、可愛いし。書き下ろしがちょっとだけですがついていて、これがまためちゃめちゃ可愛いです。こういうラブラブも良いなあとしみじみしちゃいました。また読みたいな♪

私的評価 ☆☆☆☆☆
(かんべ先生、すごく好きなんです(^^)こうしてコミックスが読めるのはなにより幸せです(^^)v)


2000年02月10日(木)   君のフォルテシモ

   クリスタル文庫   宮本恭名:作  いつきじゅん:絵

ある音楽学校でのオーケストラ部を舞台に繰り広げられた愛憎劇…というのが一番描写としてはしっくり来ますね。天才肌のバイオリニストと、その友人でこれまた天才的な作曲、アレンジ、ピアノの才能を持つ幼馴染みと、チェロを初めて触ったような初心者の新入部員(ただし相当な素質あり)との3角関係が描かれてます。

オーケストラを舞台にした作品というと、どうしてもフジミを連想してしまうのは、もうしょうがないですよね(^^;)あれに比べると、音楽的な描写や生々しさが物足りないし、音楽家としての自己を確立しているならば、絶対にしないだろうと思える事をやってしまってるのは、違和感が拭えませんが(^^;)ずいぶん内容の濃いお話だったなと思います。ただ、急ぎ足な感じで後半が動いてしまうのは勿体無かったなあ。もっとじっくりゆっくり、話が流れた方が好みかなと思いました。

私的評価 ☆☆☆
(シリアスなお話です。じっくりゆっくり楽しんで下さい)


2000年02月10日(木)   UNDER THE ROSE

   クリスタル文庫   藤堂夏央:作  湯丸ありさ:絵

最近ヒットな組織モノのクライシスシリーズ、第2弾。これも小説b-BOYに掲載されたもので、加筆訂正して再録されました。もう、このシリーズにはまってすぐ、我慢できなくて友人に雑誌を借りたので、内容は知ってるんですが、やっぱりこうしてしっかり読めると面白いです。

1冊目のクライシスほどの緊迫感とミステリアスさはないんですが(謎解きがくらべると簡単なのと、登場人物が少ないので、犯人がすぐわかる(^^;))やっとラブラブになって良かったねって感じかな(笑)<2人 今後、いろんなエピソードがまた読めたら嬉しいです。

私的評価 ☆☆☆☆
(次は別カップルのお話になったりするのかな?今後続きが楽しみです。)


2000年02月10日(木)   刹那の恋人

   ラキアノベルズ   可南さらさ:作  高嶋上総:絵

ラキアからは2冊めの可南先生の書き下ろしノベルズです。純朴で優しい青年が、片思いをしている友人の弟と関係を持ってしまったところから話が始まります。その後も「お互い好きな人の代わりとして付き合おう」と身体の関係をずっと続けますが、実は……… というのがあらすじかな?もう、なんというか、凄く切ない恋のお話でした。

ええい、ネタバレだけど書いちゃえ。弟くん、実は主人公の青年が好きなんですよね。だから「1度だけでいいから」と青年と関係を持って。どうせ駄目だって言われると思って「恋人代理」を持ちかけて…。家庭環境のせいもあって、自分より兄の方が「本物である」という気持ちを捨てられずに、悩み苦しみ、涙を流すんです。青年が自分を好きだと告白しても、それに答えられないわけですよね。自分は偽物であると思い込んでるから。…もう、この辺りの弟くんは涙が出る程健気です。最後、ハッピーエンドを迎えるまで、気持ちはずっと「弟頑張れ(T_T)」でした。これは、是非是非読んで欲しいです。

私的評価 ☆☆☆☆☆
(「1度でもいいから」「誰かの代わりでもいいから」…愛して欲しい、という気持ち、なんとなく判るなあ〜)


2000年02月10日(木)   罪深く潔い懺悔

   ディアプラス文庫   五百香ノエル:作  上田信舟:絵

小説ディアプラスに掲載された、近未来モノのオカルトチックなお話。ストレンジスピリチュアル…というと、ひょっとしてキャラ文庫のシリーズにも出てきたかな?という用語(造語?)ですが、「霊が原因で起こる事件」を解決する探偵さんのお話ですね。とにかくなんというか「つかめないキャラ」(まるでどじょうとかみたい(爆))の誘い受けな探偵と、その探偵さんに惚れられて、しっかり罠にはまってしまった感じのボンボンなおにーさんとが、ナイスコンビです。

事件自体は、謎解きを一気にしてしまったのがちょっと勿体ない気はしました。もっとキャラに語らせてもよかったような気がするんですが、まあ、雑誌掲載されたものですから、枚数制限とかもあったのかな(^^; 書き下ろしで、探偵さんの幼馴染みがからむお話も入ってます。

私的評価 ☆☆☆☆
(テンポがいいのはさすが五百香先生。物足りない部分はあるけど、今後のバカップルぶりもぜひみてみたいです(笑))


2000年02月10日(木)   believe in you

   ディアプラス文庫   月村奎:作  佐久間智代:絵

小説ディアプラスに掲載されたトラウマ持ちの一人暮らしの高校生と、そのお隣に住む世話焼きタイプな優等生のお話。書き下ろしで、その後の「らぶらぶ…?」編(笑)が収録されています。とにかく、この高校生のトラウマが辛い!読んでいて「うわあ、これは救われないよなあ…(T_T)」と一緒に悲しんでしまったので、優等生が登場した時には「やれやれ〜!もっと言ってやれ〜!(爆)」と余計な事を思っておりました(笑)

書き下ろしでは、そのトラウマの部分に関わることで、動きがあります。ただトラウマを取り除く、だけならよくありますが、こういう風に原因への救済があるっていうのも、面白いかも知れないなあ。大事なのは主人公だけじゃなくて、その周りにも、ちゃんと「生きていて、良心の呵責も覚えるし、辛い気持ちも持っている」キャラがいるのねって思いました。カップルとしてはちっともラブラブになってくれなかったけど(笑)これはもう、この2人だからしょうがないよね(^^; これからもマイペースで突き進んで下さい(笑)<攻めキャラ

私的評価 ☆☆☆★
(佐久間先生のちょっと超然とした感じのイラストが雰囲気倍増です(笑))


2000年02月10日(木)   君に会えてよかった 2

    ディアプラス文庫  新堂奈槻:作  蔵王大志:絵

新堂先生の霊感モノシリーズ(笑)第2弾。霊を感じるとめちゃめちゃ眠くなってしまう高校生と、その受けを守るために頑張る攻めとのお話です(笑)今回は、小説ディアプラスに掲載された、受けの幼馴染みのお話と、攻めの妹の視点から見た2人という、なかなか興味深い話が収録されています。

新堂先生独特の「のほほん感(笑)」が全編に漂ってます(笑)この受けくん、とにかく鈍感で(^^; まあそこが可愛いんですが。自分の魅力判ってないんですねえ(笑)可愛いから許せますが(笑)今回、「なぜ彼がこんな体質になったか」の核心にちょびっと迫ってます。ちょっとその辺りのテーマは重くて、なおかつ、まだまだベールに隠されてる感じですが、今後、謎解き(?)があって、この体質がなくなる日が来るといいね、と思いましたです(^^)

私的評価 ☆☆☆☆
(一度雑誌で読んでたけど、再度どきどきしてしまったです(^^;)


2000年02月10日(木)   JAZZ 2

    ディアプラス文庫  前田栄:作  高群保:絵

小児科医と大学生とのお話の第2弾。前田先生が同人誌で続けられていた作品の焼き直しだそうです。1で語られた受けと攻めの関係が、2ではちょっとだけ、らぶらぶ(笑)に動いたかな?という感じ。クリスマスがテーマのお話になっていますが、2人が一生懸命考えるプレゼントは、思わず「ふふふ(笑)」と思ってしまいます。

言葉がとにかく足りない(この2人は言葉でおぎなえあえる関係ではまだないような気がするので)2人だけに、だんだんと気持ちが近付いていくあたりは、読みごたえがあるかと。3では、またいろいろあるようですが、どんな関係にこの2人が辿り着くのか、3巻がとても楽しみです。

私的評価 ☆☆☆
(シリアスで、ちょっとテーマは重いけど、しっかり読める作品です。)


2000年02月10日(木)   キスより簡単!

    ショコラノベルズ   七篠真名:作  海老原由里:絵

板前シリーズ(笑)ですね。小説ショコラに掲載された、後天的な要因により、味覚異常のために、ご飯を美味しく食べられない大学の研究員と、その研究員から「美味しい」の一言を引き出すために、一生懸命料理をするヤンキーあがりの板前くんのお話です。ご飯の描写が多くて、お腹が減る話ですね(爆)雑誌掲載分と、その後アメリカに渡ってからの2人を描いた書き下ろしつきです。

アメリカに行ってからの話が、よく有るパターンだったのが、ちょっと勿体ないかなあ…。横恋慕するライバルが出てきて、邪魔されまくってしまったりするんです。「この身を犠牲にしても…」的な発想は短絡的な気もしないでもないですね(笑)

私的評価 ☆☆☆
(ご飯の描写はほんとにお腹減ってる時には拷問ですわ(^^;)


2000年02月10日(木)   100万ドルの赤いバラ

    ショコラノベルズ   小林蒼:作  青海信濃:絵

小説ショコラに掲載された作品で、「風が見える瞳のままで」で出てきた、プールバーの店長「アユキ」さんのお話。従兄で恋人である真弥さんとの恋愛が描かれています。雑誌掲載された、「不倫(笑)編」「アメリカ編」と、その続編の書き下ろしが収録されています。やっぱりアユキさんは、ちょっと勝ち気で突っ張ってるところが素敵だと思った1冊でした(笑)いいわあ〜。

アメリカへ行って、なれない仕事や環境に戸惑っているアユキさんは、なんだか自分を持て余しているようだったので、書き下ろしで、本来の自分に目覚めてくれて、ホッとしたです。我がまま言って困らせるぐらいでないとやっぱりダメよね(^^)v(笑) タイトルどおり、「薔薇」がキーワードになっています。ドラマティックな作品。ぜひぜひ読んでみて下さいね。

私的評価 ☆☆☆☆
(百万ドルのバラって、…何本ぐらいなんだろうなあ〜。日本円にすると、一億二千万らしいですが(笑)今の相場もそのくらいかな?)


2000年02月10日(木)   菜の花畑でつかまえて

    ショコラノベルズ   水無月さらら:作  甘野有姫:絵

小説ショコラにて掲載されました、百貨店の外商部に勤める青年と、その同級生で「大草原の小さな家」のチャールズ父さんに憧れて、自ら農作にせいを出す青年とのお話です。書き下ろしでラブラブな続編もついています。雑誌掲載当時は、御都合主義的なところもあるなーと思いつつも、テンポよく楽しく読ませて頂いたんですが、ノベルズではどうも、ひっかかりを覚えてしまいました。書き下ろしがちょっとあまりにもワタシにはダメだったようです。

「何も生産しない関係」だからと「2人が子供を欲しがる」のはパターン的には有りがちだし、それは別にいいんです。…が、畑にすてられていた子供を育てて、それを「公文書偽造」してまで、自分の子供にする、というのは絶対いただけないです。…この子の将来はどうなるんでしょう?それなりに、将来を考えた上での流れなら納得もしますが、あまりに酷い話です。それとも、この話は、続かないのかな?(^^;…私は、必ず読む時は「その後」を考えます。だからこそ、あまりに安易でいい加減なことは、してほしくなかった、のだと思います。この部分を除けば、子供を可愛がるシーンも、楽しめて読めたので、非常に残念な気持ちが強いです。

私的評価 ☆★
(いくらファンタジー(^^;でも、「なんでもあり」ではいけないと思うのです。…私だけかなあ…(^^;)


2000年02月7日(月)   幕末青春花吹雪 2

    ビーボーイコミックス   果桃なばこ:絵

果桃先生の人気シリーズ2作目。MAGAZINE BE-BOYに掲載された、新撰組のお話です。…しかしこの新撰組の隊員はホモばっかです(爆)今回は、沖田&土方だけでなく、他のキャラクターがたくさん出てきますが、どれもなかなか面白いです。巻末には、それぞれのカップリングのその後がショートストーリーで収録されています。

いやあ、笑いましたねえ〜。とくに芹沢局長!…なんでそんなに、情けないんだ〜(笑)すっかり錦にメロメロにされてて、笑えます。どうやら好評なようで、近所の本屋さんでは思いっきり品切れになってました。今後、どうお話が続くのかわかりませんが(^^;沖田の潔くて可愛い所を堪能してくださいね(^^)v

私的評価 ☆☆☆☆
(ベタなネタである新撰組ですが、けっこう面白いです(^^)まるで男子校のノリですね(^^;)


2000年02月5日(土)   屋根の上の天使

    オヴィスノベルズ  堀川むつみ:作  西村しゅうこ:絵

建築会社に勤める青年が、デスクワークからいきなり現場監督をやらされて、目を白黒させながらも頑張るお話。やんちゃなガテン系の少年に、心惹かれてしまったり、高所恐怖症だったりと、いろいろと紆余曲折がたっぷりです。とってもこの主人公、向上心があって、最初は苦手で逃げたいと思っていた現場監督の仕事も、だんだんと学んでいこうとするんです。一生懸命でとっても好感が持てました。

受けのガテン系少年がめちゃかわいいです(笑)みかけが可愛いとかじゃなくて、なんだか健気です。最初は突っ張ってるんだけど、だんだんと懐いてくるあたり、可愛い以外の言葉では言い表せませんね(笑)
「可愛さ」というのは、外見だけできめるものではないと思うんです。内面の素直さや健気さも、大事な要素。そういう意味では、とってもとっても可愛いと思います。

私的評価 ☆☆☆★
(けっこう硬質な職種のわりに、可愛いというからぶらぶな(笑)お話になっていて、楽しめました)


2000年02月5日(土)   キスの欠片

    X文庫ホワイトハート  和泉桂:作  あじみね朔生:絵

キスシリーズの新刊。とにかく甘々らぶらぶ〜なキスシリーズですが、今回はとっても2人にとって試練な1冊でした。ちーちゃんは、自分の在り方に疑問を抱くようになるし、吉野は吉野で、姪を預からされて欲求不満になったあげくに、なにも判らない駄々っ子みたいになってるし…(いや、これはもともとなのか?(^^;))

事件が多発(笑)して、大変な状態のちーちゃん&吉野(この順序と呼び方が、私の好みを反映してるよなあ(^^;))ですが、次巻では丸くおさまって、ラブラブになってることを祈ります(^^;)……早く出てくれないかなあ、新刊…

私的評価 ☆☆☆☆
(「ど、どうなっちゃうの?」と次回まで、お預けの日々…。早く次巻が発売されることを心待ちにしておきましょう)


2000年02月3日(木)   逃げちまえ!

    コバルト文庫   野梨原花南:作  木下さくら:絵

ボーイズラブではありませんが、面白かったので(笑)以前にスーパーファンタジー文庫から出ていた作品のリニューアルです。…中身は多分あまり変わってないと思います。荒っぽいこともオーケーな、仕事屋のさやかと、ダンディでちょっとかっこつけ(笑)なチュチェとのどたばたアクションコメディです。

野梨原先生は、「ちょー」シリーズで、ツボにはまっていたので何となく今回手に取ったのですが、……填められました(爆)いやあ、めちゃめちゃテンポよくて面白かった。思わず必死に、これの続編(これもスーパーファンタジー文庫で出ていたもの)を探してしまったくらい。テンポがいいのと、キャラが個性たっぷりで、可愛くて魅力的なんです。殆どギャクですけどね(^^;)ぜひぜひ、読んでみて下さい。で、これにはまった人、今度は「ちょー」シリーズをどうぞ(爆)

私的評価 ☆☆☆☆★
(最近ツボにはまってる野梨原先生。ちょーシリーズの続編は、いつかなあ?)


2000年02月1日(火)   愛、まもらなきゃ!

    リーフノベルズ   由比まき:作  滝りんが:絵

いきなり「吸血鬼である」と知らされ、能力に目覚めた美少年が、ひょんなことから天国に行きかけてしまい、そこで出会った天使と恋に落ちますが、同時に悪魔からもちょっかいを出されて、2人から求愛されるという、とんでもなく壮大な(^^;)スケールのお話です。
…が、中身は相変わらずのラブラブいちゃいちゃH(笑)

うーん、「気持ちより先に身体」ってわけじゃないけど、どうもこれは受け入れ難い部分が多かったですねえ。…なんでかな。天使と悪魔と吸血鬼なんて、ベタな展開だから余計でしょうか。なんか、もう一ひねり欲しい感じがします。日常生活の部分とかね。

私的評価 ☆☆
(…うーん、由比先生、嫌いじゃないんだけど、今回のはちょっと苦手だったみたいです(^^;))


2000年02月1日(火)   天使たちのイケナイ計画☆

    リーフノベルズ   らんどう涼:作  かんべあきら:絵

可愛い受けキャラ2人が、片思いの相手とラブラブになるべく奮闘するお話。1人は実の兄に、1人は担任の先生に恋をしています。が、なんというか、安直な展開でなんだかなあ…(^^;) できたら、2人別々にして、1冊ずつの方が良かったんではないかと思います。急ぎ過ぎて、展開が強引になってしまってて、物足りないです。

らんどう先生は、どうも「長編の一部分」的な作品が多いなあ…。これも、なんだか急ぎ過ぎな感じです。…うーむ…残念だなあ。かんべ先生のイラストが可愛くて、キャラ的にはとっても可愛いんですけどね。

私的評価 ☆★
(ちょっと辛口なこと書いてますが、…勿体無いとおもうんですよ、ほんと。)


2000年02月1日(火)   夢でも逢いたい

    リーフノベルズ   坂井朱生:作  史堂櫂:絵

これも、感想を書くのを楽しみにしておりました(^^)坂井先生の他社初ノベルズです。幼い頃に別れた兄に逢いたいと願い、大学へ行くことを名目に、会いに来た場所で、出会ったのは、兄の親友の花屋を営む青年で、そこからいろいろなドラマが始まります。

とにかく、めちゃめちゃ可愛いんです、渓くんが!自信なさげで、一生懸命で、大事なものを守るためなら、自分がケガをしてもかまわない。凄く凄く可愛いキャラでした。そして攻めキャラの久慈さんも、めちゃくちゃかっこいいです!…が、冷静そうに見えて、実は意外にオヤジなところもあるのではないかという疑惑もあったりします(笑)それから、一番お気に入りキャラは渓くんの兄の早稀!これがねえ、なんというか……「誘い受け風キャラ」なんですよ(爆)ツボでツボで…、この人の痴話喧嘩もあったりするので、ぜひぜひ続編では、早稀にーちゃんのお話が読みたいなと思います。

私的評価 ☆☆☆☆☆
(可愛くて、穏やかで、優しい作品。やっぱり坂井先生のお話は優しくていいなあ。またぜひぜひ続編希望します(^^)……ハガキ書こうっと。)


2000年02月1日(火)   いつも上天気

    SHYノベルズ   渡海奈穂:作  松平徹:絵

ある高校の「アウトドア研究部」という部活を舞台にしたシリーズ。作者の渡海さんが、同人誌でずっとかかれていた作品だそうです。個性的で魅力的な部員たちが織りなす、笑いとせつなさにあふれた作品です。主人公は、身体が弱く、従兄にべったりの美少年(笑)で、この主人公が高校に入学して、アウトドア研究部に入ることから、物語が始まります。

途中、この主人公のトラウマが出てきます。ちょびっとネタバレですが、妹が病弱で、その妹を世話するのに精一杯な母親は、主人公を従兄の家に預けてしまいます。その後妹が亡くなった後、迎えに来た母は、主人公を妹の名前で呼ぶんです。……多分、これ、モトネタは、「生徒諸君!」のナッキーとマールのお話なんじゃないかと思うんですが、読み終えてしばらくするまで気付きませんでした。しっかり別モノとして消化されていたからだと思います。このシーンにおもいっきり泣かされたのでした(爆)…駄目だなあ、こういうトラウマ系も。

私的評価 ☆☆☆☆★
(最近泣ける作品が多いです。…涙腺ゆるいのかなあ…)


2000年02月1日(火)   仮想迷宮

    あすかCL-DXコミックス     佐久間智代:絵

ちょっとコミカルで可愛い佐久間先生の短編集。不思議な日本家屋に家政婦として住み込むことになった少年のお話や、平安時代を題材にしたものなど、数編が収録されています。これは、CIELに掲載されていたものなのかな?どれも、ちょっと不思議な感じがして、ギャグも含まれていて(笑)楽しい作品ばかりです。

これに影響されて、思わず今までに出されていた、平家物語が題材のコミックス4冊を集めてしまいました(笑)…影響されやすすぎ?私って。ちょっと切なくなるような、思わず笑ってしまうような(笑)変わらぬ佐久間先生わーるどを楽しんで下さい。

私的評価 ☆☆☆☆★
(あの雑色って、どういう素性なのか、種明かしがある日は来るのかな〜(..;)気になる…)


2000年02月1日(火)   KING&QUEEN

    あすかCL-DXコミックス     高野宮子:絵

CIELにて掲載された学園モノのお話。偉大な兄(笑)にちょびっとコンプレックスを持ちつつ、兄の母校に入学した高校生が、兄が引き受けていたKING(いわば裏番)になるようQUEEN(裏番の補佐役みたいなもの)の先輩に要請されて、KINGに相応しくなるべく、様々な事件に関わっていくお話です。

このアヤシイ(笑)設定もさることながら、この少年がめちゃめちゃいいです。可愛いところもあるし、毅然としていて、回りを思わず頷かせる説得力もあるし、もう、KINGの器ねって感じ(笑)QUEENもメロメロですね(笑)ぜひぜひ楽しんで読んでもらいたい1冊です。

私的評価 ☆☆☆☆★
(可愛い〜!絶対1人欲しい(爆)<少年)


2000年02月1日(火)   夢色十夜

    パレット文庫    かわいゆみこ:作  今市子:絵

かわいゆみこ先生の新作。パレットから、しばらくシリーズで発売になるそうです。明治のあたりの、浪漫溢れる世界観が、とっても素敵です。主人公は、財閥(華族ですね)の御曹子と、その親友ですが、この2人がいろんな奇妙な目にあいます。ま、一言ですましてしまうならば「幽霊モノ」ですね。でも、とっても情感溢れていて、今市子先生のイラストも、どこか非現実的な感じがあって、一生懸命に読んでしまいました。

恐いというのではなく、神秘的というか、ほんと、不思議な雰囲気をただよわせた作品です。今後、この主人公たちが、どんな体験をしていくのかが、とっても楽しみなのでした。

私的評価 ☆☆☆☆
(ドキドキしてしまいました(*^o^*)どうぞ、この素敵な雰囲気を楽しんでくださいね。)