2000年4月のレビュー


2000年04月28日(金)   ぼくのプロローグ

   ルビー文庫  ゆらひかる:作  桜城やや:絵

なんの気なしに手にとりましたが、ゆら先生の新シリーズ…これって同人誌で展開されていたオリジナルのシリーズですね。読み始めて初めて気がつきました。イラストがつくと印象が変わるんだなあ〜。

少女小説家で、こんどボーイズを書くことになってしまった青年と、青年をコンビニ強盗から助けた不思議な青年(小説家の青年が一番好きだったイラストレーターの人)とのお話です。脇キャラでおもいっきりやおい作家なおねーさまがいます(笑)途中ラブレターをもらったり、その相手にへきえきしたりと(^^;いろいろお話はあるのですが、とりあえず「好きかどうかは判らないけど同居しようか」という話で次回にお預け(笑)になってました。うーむ、勿体ない(^^;
今後も続くのかな?

私的評価 ☆☆★
(うーん、同人誌に手をださずにいたはずなのに、なんで買ってるんだろう?(笑))


2000年04月28日(金)   甘い罪のカケラ

   エクリプスロマンス  きたざわ尋子:作  佐々成美:絵

小説エクリプスでつい最近掲載されたばかり、だったような気がするきたざわ先生の新作。昨年秋〜冬に前後編で掲載されていました。ちょっぴり書き下ろし付きで、早速ノベルズで登場です。人の死期が判ってしまう不思議な力をもつ少年と、死者からメッセージを受けられる不思議な力をもつ青年(…っちゅーかオヤジ?(^^;)との、優しくて細やかなやりとりが描かれています。

とにかくこの話、雑誌掲載当時からめちゃめちゃ私のお気に入りでした(笑)健気で可愛い少年がもう、好みで好みで(笑)なんだか何も言わなくてもどんどん2人が見えない糸で惹かれあっていくって感じかなあ。ぜひぜひ読んでみて欲しいです(^^)


私的評価 ☆☆☆☆☆
(お気に入りの1冊になりました。佐々さんの可憐な少年と、無愛想そうな(笑)青年のイラストは必見(笑))


2000年04月27日(木)   未来(ゆめ)を話そう

   ダリアノベルズ  魔鬼砂夜花:作  天禅桃子:絵

「涙はいらない」シリーズの続編。マネージャーとしてサッカー部に参加していた三星が、ひょんなことで試合に出て、活躍してしまったことで、恋人やチームメイトと溝が出来てしまい、その溝に苦しみ悩むお話と、卒業後の別カップルを描いたお話の2編が収録されています。

とにかく、ぐるぐるまわっちゃう三星が情けないけどカッコイイです。恋人に振り回されまくってるし、おまけにどうやっても自信が持てないんですよね〜。おもわず叱咤激励(笑)しつつ読んでいました。別キャラのお話も、面白かった。さりげなく「キャラのその後」がちりばめてあって、読んでいてもとても楽しめました。


私的評価 ☆☆☆☆
(一応2巻完結になるのかなあ?ぜひ一度読んでみて下さいね(^^))


2000年04月27日(木)   満員電車で恋をして★

   ラピス文庫   日向唯稀:作  こうじま奈月:絵

武道が得意な、小柄で可愛い少年(ただし中身はガサツ)と、満員電車の中で出会った獰猛そうな(笑)先輩との恋の話。…いや、このたぐいの話で恋の話じゃない訳がないんですが一応(笑) 丁寧語鬼畜攻め(笑)な先輩と、可愛くて可憐な男の子(受)との定番カップルも脇に控えてます。とにかくいきおいがあるハイテンションなお話です。

なにが笑ったって、夢ネタですね。「乱交鍋しらたき縛り」って…もう、なんだか想像しただけで笑えます(笑)いくら夢でもそんなもんで縛るなー!(笑)(←完全にネタだから笑えるけど…(^^;)ギャグだコメディだと思って読まないとがっくり来ますが、「えーい、楽しんでしまえ!」って感じで笑ってみるのもいいかも。

私的評価 ☆☆☆★
(こうじま先生のイラストが可愛いです(^^)あと、獰猛な先輩(笑)かっこよくって好きかも(笑))


2000年04月27日(木)   恋するキューピッド

   キャラ文庫   鹿住槇:作  明神翼:絵

青春学園モノ(笑)です。美人の優等生な兄を持つ、可愛い天然ボケ少年が自分の家の前である少年に渡されたラブレターから始まるお話で、兄の大親友の先輩と、仲良しのクラスメートも出てきて盛り沢山な内容です。兄の親友が大概姑息な手段つかってて、ちょっと苦笑(^^;

とにかく主人公が天然なので、「うーん、いつ気付くんだろう」とか思いつつ読んでいました。今回はやっとラストで「誰が誰を好きなのか」「自分は誰が好きなのか」の答えがでた段階ですね。今後続刊予定とのことですが、パレット文庫につづき、これもなんだか寸止め食らった感じで、物足りないです。早く次が出てほしいですね。

私的評価 ☆☆☆
(同時期に2ケ所で続き物の1巻目ですね。大変そうだけど、頑張ってほしいです(^^))


2000年04月27日(木)   ファジーな人魚姫

   キャラ文庫   水無月さらら:作  吹山りこ:絵

「無敵のベビーフェイス」の続編…というか別キャラのお話になります。時節的には続編になるのかなあ。前作で私が「一番面白い脇キャラ」と思っていた、アウトドアな先輩と、いつも夢の中にいるような天然な少年とのお話です。…いや、もう、この2人の受け答えのずれてることずれてること(笑)「だからだれかこのサムイギャグ止めてやれ」状態に陥ってますが、これがまた笑えました。

本当はトラウマもちで、少年は逃避行為の果ての天然キャラだったりもします。その辺りのくだりは、ちょっと胸に痛かったですね(^^; でもやっぱり最後までとにかくコメディ(笑)「座布団全部取り上げろ」って感じのお話でした(笑)(いや、笑えるけどそれはしょーもないぞってツッコミ入れたくなるんです。話が面白くないのではなくて(^^; 笑点ならとっくのむかしに座布団全部取り上げられてるわ(笑))

私的評価 ☆☆☆
(ハイテンションさでは、かなりのレベルに達してるかもしれない本(笑)笑いたい時にどうぞ)


2000年04月25日(火)   誠実な詐欺師

   ウィングスコミックス   十波妙子:絵

どうにも絵が気になって気になって、前作「裁きの血」と共に購入したファンタジーもののマンガです。ボーイズラブ…に近い部分はないとは言えませんが、でもあんまり関係ないかなあ(笑)魔法と不思議な動物の生きる世界のお話。前作にも、めちゃめちゃ可愛い(いや、ほんとにいたら可愛くないけど(^^;)の架空の動物がでてたのですが、今回もでてきます。独自の世界で繰り広げられる切ない物語は、けっこう私のツボにはまっております(笑)

ちょっぴりギャグもあり、切ない部分もありで、しみじみしながら読んだ作品でした。とくに、可愛い架空の動物たちは必見!この「誠実な詐欺師」のにゃーこちゃん(笑)もそうですが、「裁きの血」のダイダイという動物に私は填められました…(笑)ぜひぜひ読んでみて下さいね。

私的評価 ☆☆☆☆
(可愛いもの(とくに動物系)がお好きな方、お好みにあえばぜひどうぞ。なんだか癖になります(笑))


2000年04月25日(火)   恋じゃなくてもいい

   パレット文庫    鹿住槇:作  麻々原絵里依:絵

鹿住先生の学園ものちょびっとサスペンス風味(笑)のシリーズです。有名女優の息子(戸籍上はおかーさんではなくおねーさんになってますが)と、その子の通う学校にいきなり登校するようになった、不登校の先輩とのお話です。…まあ、この先輩の素性等については、読んで頂いた方が絶対面白いので、ここではこれ以上は触れません。だってネタバレもいいとこなので(^^;

読みすすめながら「ふむ、動きがゆっくりだなあ」と思っていたら、案の定(笑)というか、やっぱり続き物のようです。面白いですが、ほんとに今回は導入編なので、完結したものを読みたいぞという人はしばし待たれた方がいいかなと。…これ単独だとちょっと物足りなさを感じるかも知れないですね。テンポがいいだけに「えー、ここで終わり?」って感じです。

私的評価 ☆☆☆★
(またシリーズものを抱えた鹿住先生、大変だけど楽しい展開、期待してます〜。頑張って欲しいです。)


2000年04月18日(火)   誘惑の肖像

   花丸文庫    浅見茉莉:作  よしいくざんす:絵

新人の方のデビュー作品になります。なにか賞をもらった方かな?ごめんなさい、その辺り確認してない(^^;) で、内容は、最愛の恋人を亡くした青年のお話です。2話収録されていて、1つは、恋人の弟を恋人の代わりに自分の傍においていたけど、弟はちゃんと愛する人を見つけて、その関係を精算した、という話。もう1つは、運命的にまた愛する人を見つけるというお話です。本編は2つ目の方なんだと思うんですが、収録の順番が今書いた通りなので、最初なにがなんだか判りませんでした(^^;)

あとがきで、作者の方が「耽美くさい話」と書かれてますが、確かになんとなーく古くさい感じはありますね(笑)ただ、そういう所より、上記の収録の仕方や、キャラの描き方のあたりの方が気になりました。主人公が誰なのか、とくに最初の話の方は判らなかったですから…。

私的評価 ☆☆
(もともと、恋人の弟のお話も書かれてたようなんですが…、読者はそれを知らないというのは、覚えておいて頂きたいなあ(^^;))


2000年04月18日(火)   あなたしか、いらない

  花丸文庫  藤堂夏央:作  氷栗優:絵

読んでみれば懐かしい!(笑)小説b-BOYにて掲載されました、バイク野郎たちのお話でした(^^; 走り屋のグループに入ったばかりの新人と、2番目の地位にいる爽やかな青年(関西弁使用(笑))とのお話と、その続編の書き下ろしとが収録されています。

組織ものがお得意な藤堂さんですが、今回もそうですね。走り屋のグループや、トップ、セカンドの呼び方などもちょっと特殊で、だからこそ面白いなと思って記憶に残っていたのですが、まさか花丸文庫から出るとは思ってなくて(笑)文庫を読みつつ「…これ絶対知ってる!」と初出の記録を慌ててめくったのでした(笑)結果「なーんだ、やっぱり好きだった作品じゃん(^^;」 こーいうパターン、最近多いなあ。クライシスとかより、比較的読みやすい作品だと思います。読んでみてね。

私的評価 ☆☆☆☆
(しかし、やっぱり「皇后(カイゼリン)」っちゅーのは、…何度読んでも笑える…(笑))


2000年04月15日(土)   お家を建てよう

  花丸ノベルズ  真船るのあ:作  緋色れーいち:絵

これも長く続いたシリーズの最終巻ですね。人気シリーズ「ごはんを食べよう」のラストです。本編(表題作)以外にも、短編が2つ収録されています。本編は玖珂と月島のマイホームが建つまで、のお話。辛い時期を乗り越えて、ちゃんと幸せな家庭を作れた2人に拍手。まさに大団円ですね。

今回の話の最大の山場は「月島が親とちゃんと向き合えること」だったのではないかなと思います。そういう意味で、ちゃんとカミングアウトして、自分の気持ちをさらけだせたシーンは、「ああ、私ここのシーンが読みたかったんだな〜」と思える、感動的なシーンだったと思います。とくに月島母の台詞が泣かせますね(T_T)

ずるずるとお話を延ばしつづけるのではなく、きちんとエンドマークを打って下さった真船先生に、おつかれさまとありがとうを心より申し上げたいです。

私的評価 ☆☆☆☆★
(好きなシリーズだからこそ、終わりは辛いです。でも、なんだか「ホッ」っとしたのも事実。肩の荷がおりたような感じです。)


2000年04月15日(土)   We're Alone 〜ふたりだけ

  ビーボーイノベルズ  ゆらひかる:作 南野ましろ:絵

RYOUMAシリーズ最終巻。小説b-BOYに掲載された表題作と、その後のお話(ラブラブ&後始末編(笑))が収録されています。長く続いたRYOUMAシリーズもこれが本当のラスト、です。最後まで一気に読みたかったので、前月に発売されていたシリーズは、今月合わせて買いました。

いやあ、前置きの割に「あれ?これでおしまいなの?」というのが、読了直後の感想(^^;…うーん、なんか物足りなーい!まあ、ファンタジー(オカルトチックだけど)といえばファンタジーなので、当たり前な部分はあるものの、もっとエンディングまで盛り上げて欲しかったなあ〜(^^; 勿体ない感じがしてしまいました。5冊も前置きがあって徐々に上がってきたテンションがラストで一気に急降下した感じですね。

私的評価 ☆☆★
(結果的には、ハッピーエンドです。が……1つ疑問が。黒炎はいったいどこに行っちゃったのだろう…。私彼が好きなんですが(笑))


2000年04月15日(土)   アフターファイブ

  ビーボーイノベルズ  桃さくら:作  青海信濃:絵

小説BEaSTに掲載された表題作と、同じくBEaSTに掲載された「表と裏」との2編が収録されたノベルズです。雑誌掲載時、「アフターファイブ」は結構好きだったので、ノベルズで買ったんですが、なんか続編が物足りなかった(^^;…いきおいがないというか…短すぎたんでしょうか?ほんとに短編だったからなあ。

別作品の「表と裏」ですが、これもなんというか、「長いドラマのさわりだけ」を読んだみたいなかんじ。最後の最後に、登場人物の二面性が出てきますが、そこでお終いなのでちょっと物足りないです。それぞれ独立して、ノベルズで読みたかったかな。

私的評価 ☆☆☆
(近親相姦ネタよりは、好みなのですが…どうも短すぎる感じです。)


2000年04月14日(金)   フェイクなくちびる

  ラキアノベルズ  バーバラ片桐:作  明神翼:絵

これも、ちょっと配本が遅れましたね。バーバラ先生の新刊は「女装モノ」です。従姉に頼まれて、叔父の関係のパーティへドレスアップして参加した少年が、騒動に巻き込まれるお話です。お相手はパーティーで遭遇したカメラマンの青年。私実はこのカメラマンくんが好き(笑)だーって、いい男なんだもーん。

さすがバ−バラ先生という感じで、とにかくネタが笑えます。「そ、そんなことに皆真剣になってるのか〜!」的脱力感と、健気を通り越してちょっとオバカかも?な少年の可愛さが、あまりに裏腹で、笑ってしまいました(^^;「なぜ受が女装してるのか」が判らなかったのが、唯一残念。理由があったんじゃないのか?って思ってるんだけど、それが伝わってこなかったです。

私的評価 ☆☆☆
(いい男なカメラマンが女装するシーン、笑えるけどかっこよくて素敵(笑)…でもお道具モノはやっぱりニガテかも。)


2000年04月13日(木)   子供じゃないっ!

  ショコラノベルズ  高円寺葵子:作  高之原翠:絵

ちょっとだけ配本がおくれた高円寺先生の新刊。一応…ショタ…なのかな?攻が小学生だったらこれはショタじゃないのかな?(爆)小説ショコラに掲載された表題作と、その続編のお話です。もう、高円寺先生お得意な、破天荒なコメディです。カッコいい青年に一目惚れして、猛アタックを開始する小学生の攻(笑)と、あしらいつつもだんだんそれにほだされている(笑)社会人の受とのお話。

まあ、一応小学生攻とはいえ、さすがに小学生時代にはコトに及べません(笑)雑誌掲載の話のラストシーンで、中学生まで育った攻と受が再会します。続編はその後の、ラブラブなお話ですね。うーん、にたような感じの作品をあと2冊ほど読んでるな−と思いつつ読みました。「ラブラブ」をとるか、「特殊性(笑)」を取るかで、感想が変わってくるかもしれない作品です。

私的評価 ☆☆★
(まあ、とりあえずコメディだし、小学生が受ではなかったのでギリギリセーフ(笑)です。)


2000年04月11日(火)   胸さわぎのアイドル

  オヴィスノベルズ  水島忍:作  明神翼:絵

胸さわぎシリーズ第4弾は、シリーズの名(?)脇キャラのお話です。…といっても主人公はその脇キャラ(攻)の幼馴染みくんですが。幼馴染み同士、定番(笑)な「お医者さんごっこ」をしてしまったりしている間柄で、受はけっこう一途に攻を追い掛けていますが、攻は気がつけば距離をおき、「初物食い」なんていうよろしくない二つ名まで持っていたりします。いろいろな紆余曲折を経て、幸せに至るお話です。

…もちろん、今までのお話、知らないと読むのが非常に辛いでしょう(^^;「初物食い」なあたりのエピソードも、今までに出てきていますので、これ1冊だけよんでも何が何だかって感じかも。ただ、キャラ的には今までの受とちがい、「攻が好き〜!」というのが前提にあったからか、一番読みやすかったです。

私的評価 ☆☆☆
(やっぱり気持ちがあってこそ、の恋愛。私はそう思っているのでした。)


2000年04月11日(火)   空を飛べるなら

  オヴィスノベルズ  香阪彩:作  西村しゅうこ:絵

香阪先生の新作は、スキー競技「モーグル」のお話です。長野オリンピック等でもクローズアップされましたが、たくさんの雪のコブを降りてきて、台のところで飛びながらターンとかをする競技ですね。取材にきたスポーツ誌の新米カメラマンと、ダイナミックなモーグル競技を披露する無愛想な(^^;)少年とのお話です。

とにかくスキーの描写が多いので「ああ、先生スキーが大好きなんだな〜(^^;)」と思います。なんとなくは判るけど、スキーやったことなかったり、全く興味がない人はひょっとすると辛いかなあ?私は平気でしたが。実は純朴で一途だった少年と、その彼にいつしか惹かれていたカメラマンくんと、ラストあたりではもうラブラブ全開(笑)…というかカメラマンくん、君はきっと最初のエア(台のところで飛ぶ演技です)で一目惚れだったんだよ…(笑)

私的評価 ☆☆☆★
(穏やかなお話です。スキーが好きだったり、ある程度用語が判る方は問題なく読めます。スキーが全く判らない人は、ちょっと辛い……かな?…いや、ワタシもあんまり知りませんけど。)


2000年04月11日(火)   楽園までの距離

  アイスノベルズ  高月まつり:作  蔵王大志:絵

高月先生の、シリアスモノ。現代の話ですが、前時代的な旧家の敷地内で起こる、お家騒動(とかくと、すっごい違和感あるんだけど、結局そうだよね)のお話です。父(前当主)を刺殺して、倉の座敷牢(トイレとシャワー完備(笑))に閉じ込められている前当主の妾の息子と、昔駆け落ちしてこの家から逃れた前当主の娘の子とのお話。もう、とにかくイメージは「華の嵐(笑)(知ってます?結構流行った昼メロドラマなんですが)」とかそんな感じです。

恨みと憎しみと愛とが交錯している旧家の中で、愛を育てていく2人の純粋さと、それとは裏腹な回りの非常識さ、残酷さが対照的です。妾の息子は、実は相手を手に入れるべく、いろいろと画策していて、とにかく策士なのですが、これがまた似合うんだ…(^^;)(^^;)蔵王先生のイラストも、ぴったり。読むのはしんどいかもしれないけど、読みごたえのある作品でした。

私的評価 ☆☆☆☆
(重厚で、読むのには時間がかかりましたが、こういうシリアスモノも大好きです(^^))


2000年04月11日(火)   愛してるって、言わせたいっ

  アイスノベルズ  織田戒里:作  みその徳有子:絵

恋愛を壊すのを仕事にしている「別れ屋」のバイトくん(美人(笑))とこのバイトくんを探すという仕事を請け負った探偵の手伝いをしている青年(ハンサム(笑))とのお話です。このバイトくん、どうも恋愛不全な体質で、相手に恋愛感情が持てないため、「別れ屋」稼業も楽だったのですが、ある日青年に危ない所を助けてもらい、ひょんなことから「本気で惚れたら抱いてもいいぞ」と賭けをすることになります。そして、どんどんと青年に惹かれていって…。

最初はなんて子だと思ってたんですが(^^;)<バイトくん>いやあ、読みすすめるに従って、なんて健気なんだろうと(笑)可愛くなってしまいました。青年に対してもそうですけどね〜。後半に出てきてもめ事を起こす「別れ屋」の事務員は好きではないですが、結果的にちゃんとこの2人のキューピッド役になってるから、まあいいか(^^;)ふたを開けて見れば、実はらぶらぶ(笑)なお話でした。甘々までは行かないけどね。

私的評価 ☆☆☆★
(新人の方ですよね(^^) 結構一気に読めて面白かったです。次回作も期待しています。)


2000年04月7日(金)   フェルノの弁護人

  ディアプラス文庫  松岡なつき:作  カトリーヌあやこ:絵

SF冒険活劇(笑)の第3弾。人殺しの道具として扱われてきて、優しさに慣れていないコウと、薬の副作用で睡眠障害のあるタイガとのお話です。雑誌で掲載された表題作「フェルノの弁護人」と、書き下ろしでタイガの過去のお話が収録されています。

大分落ち着いてきててラブラブな雰囲気満載な2人ですが、状況はそんなに甘くないですね(^^;)タイラ一族の謀略で、タイガの死んだはずの戦友が姿をあらわします。そして、タイガの「眠れなくなるまで」の戦いの日々が回想されたりもします。続き物ですし、今後も話がどんどん展開していくと思うので、その上で必要だった「タイガの過去編」って感じでしょうか。ちょっと読んでてしんどいところもありましたが、面白かったです。

私的評価 ☆☆☆★
(タイガの初恋話(書き下ろし)はけっこうすごかったです(-。-;))


2000年04月7日(金)   JAZZ 3

    ディアプラス文庫   前田栄:作  高群保:絵

前田先生のJAZZシリーズの第3弾。このあたりが、「ブラッドエクスタシー」と重なってくるようです。作品自体は同人誌で続いて書かれていたものですが、改訂加筆されています。医者の受と、受に小児喘息を治してもらって以降、受に固執している攻のシリアスで重いお話です。

人を思う余りに相手を追い詰めてしまう、という行動っていうのも、人間にはあるかもしれません。また、相手を想うあまりに、死んでしまいそうになっていても、それでも簡単に人は死ねません。生きてなお、相手を想う気持ちの重さに耐えられない人は多いでしょうね…。なんだか思いっきりシリアスに考えてしまう作品です。

私的評価 ☆☆☆
(さて、4でラストですが、どんな結末が2人を待っているのでしょうか?)


2000年04月7日(金)   だから僕は溜息をつく

    ディアプラス文庫   篠野碧:作  みずき健:絵

ファンタジー色のつよい現代もの。小説ディアプラスに掲載された表題作と、その後のラブラブな生活を描いた続編の書き下ろしが収録されています。両親をなくした高校生と、その従兄とのお話です。が、この高校生、普通の高校生ではなく、なんと「屍人鬼(グール)」で、死肉しか食べられないという設定。従兄はモデルのバイトをしている美形の寡黙な人で、めっちゃめちゃ好みです(笑)

健気でちょっとずれてる高校生と、寡黙だけど、こだわらない(笑)美人さんがナイスカップルです。脇で出てくる女性キャラがもう半分でも寡黙だったらもっといいんだけどな〜(-.-;)あ、でも書き下ろしにでてくるバイの男性モデルは好きです〜。みずき先生の綺麗なビジュアルがぴったりで、可愛いお話でした。ちょっとシュールな内容になるけど、それが重くなく、コメディちっくです。

私的評価 ☆☆☆☆
(篠野さんの初作品だそうですが、けっこうワタシは好きです(^^)試してみてね?)


2000年04月7日(金)   To Heart

    ショコラノベルズ   高坂結城:作  氷栗優:絵

小説ショコラに掲載された、表題作「To Heart」と続編の「Heart眠らせない」、そして書き下ろしで「Heartの中身」が収録されています。子供時代のトラウマから、人を愛せなくなったハーフの高校生と、その親友の心温まる、やさしい恋愛を描いた作品です。

この親友の気持ちの優しさが、私は雑誌掲載当時からすごく好きでした。書き下ろしとかでも、心を開いた高校生が、すっかり親友に甘えてるみたいで、とっても可愛かったです。シリアスな部分もあるものの、それに注目はしていないので、重くならず読みやすいのではと思います。

私的評価 ☆☆☆★
(正統派ラブストーリーって感じでした。イラストも可愛い〜!)


2000年04月7日(金)   セカンドメッセンジャー

    ショコラノベルズ   月夜野亮:作  よしながふみ:絵

小説ショコラに掲載された、近未来モノのお話です。過去の経験がもとで、麻薬がある場所が判ってしまう麻薬捜査課の刑事と、その上司のお話で、わりとハードなイメージのある作品でしたが、よしなが先生の柔らかいイラストで、ずいぶん雰囲気が柔和になっています。月夜野先生にしては珍しく、コメディ色は薄いかな?

過去の経験を話すあたりでは、キャラに共感してちょっと辛かったですが、それだけに、ラストの書き下ろしが、幸せそうで嬉しかったです。ふたを開けてみれば、おやぢがめろめろになってるっちゅー話もないではないな…(^^;)

私的評価 ☆☆☆☆
(重厚なお話です。ゆっくり楽しんで下さいね!)


2000年04月7日(金)   ラブ・サピエンス

    SHYノベルズ   たけうちりうと:作  夢花李:絵

たけうちりうと先生の新作。パレット文庫での騎士シリーズと似通った部分があります。たけうち先生ならではの、柔らかな色調の作品です。恋愛のトラブルに巻き込まれ、恋愛アレルギーになってしまった主人公が、遠縁の家(独身のお父さんと7人の子供のいるところ)へベビーシッターとして住み込むことになり、アレルギーへのリハビリ(笑)や、人を愛することを学んでいくお話です。

夢花先生の幻想的な感じのイラストがぴったりの、優しい優しいお話です。思わずじーんとしてしまいます。時々笑える表現や言葉が出てきますが、でも全編にながれる「愛」の豊かさに、感動してしまいました。人を思うことの強さをぜひぜひ楽しんで下さい。

私的評価 ☆☆☆☆☆
(今月の一押し作品の1つ。パレット文庫ではまった人は必見です。)


2000年04月6日(木)   その手でつかまえて

    ラキアノベルズ   由比まき:作  滝りんが:絵

「真夏の冒険」の続編というか、別キャラカップルのお話です。真夏の冒険は、コマネズミな元気な男の子と、生徒会長とのお話でしたが、これは生徒会副会長で会長の幼馴染みの美人さんと、その美人にメロメロに惚れてる新聞部部長のお話です。私は、じつはこの新聞部部長が大好きでしたので(^^)念願かなってらぶらぶになって良かったね〜って感じですね(^^)

事件や設定がなんというか、大雑把な感じがするのがちょっと気になるのですが、でもまあ、キャラの可愛さとかっこよさで、相殺かな。…とにかく前作でお気に入りのキャラの話だったので、もうそれだけでおっけー(笑)でした。

私的評価 ☆☆☆★
(私もお手軽だなあ(^^;)我ながら…。でもお気に入りキャラの活躍はやっぱり嬉しいですよねっ)


2000年04月5日(水)   午前0時・愛の囁き

    X文庫ホワイトハート   井村仁美:作  如月弘鷹:絵

出版社が変わっての銀行員シリーズの続編、X文庫ホワイトハートより発売です。来月以降順次新しいイラストを入れて再発売予定ですが、これは今までの続編です。…が、もう、なんといってイイやら。もっと他のネタや展開は望めないんでしょうか…(遠い目)内容としては、前作と全く一緒です。林の猛アタックに困り果てる藤芝と椿本で、林は自分の家からの横やりが入って念願適わない…というやつ。

せっかく新天地での作品なのですから、もっと別のものはなかったのかなあと思います。変わらぬ定番の面白さ、というのは確かにあるのかもしれないけど、ネタまで一緒ではちょっとなあ…。最近こういうパターンが増えていて、ちょっと残念です。

私的評価 ☆☆
(うーーーーーん、好きなシリーズだっただけに、ちょっと微妙な気分。)


2000年04月1日(土)   スウィート・ラヴァーズ

    リーフノベルズ   高尾理一:作  甲田イリヤ:絵

高尾先生の競馬モノシリーズ第2弾。前作で出てきた牝馬ブランシュールに騎乗して、主人公の騎手遥が桜花賞に登場するまでを描いたお話です。遥の恋人北川氏が、見た目のかっこよさのわりに(笑)けっこうなんというか自信のないヒトで、どんどんスレ違って行ってしまい、大変なことになりますが、ようやく本音をぶつけ合って元のサヤにおさまる、まあ、言ってしまえば痴話げんか話(爆)かな。

気持ちは言わないと判らないものなんだよ、というのがしみじみと良く判る話でした。時々吹き出すようなお茶目な展開もあり、遥と一緒に落ち込んでしまいそうになる時もあり、ゆったりと楽しませて貰ったという感じです。

私的評価 ☆☆☆☆
(前作が気に入った方はぜひぜひどうぞ(^^))


2000年04月1日(土)   恋する気持ちは波乱万丈!

    リーフノベルズ   大槻はぢめ:作  起家一子:絵

今はなきアドニスノベルズより出ていた(笑)「波乱万丈!」シリーズです。…どうせ出すなら最初から出していただきたかったなと思いつつ、まあそれもいろいろ兼ね合いがあって難しかったようですね。取りあえず続編です。…というか別キャラの話なんですが、思いっきり前作の主人公たちが絡んでくるので、前作知らない人には辛すぎますね(^^;

とにかく、なんというか薄いイメージがありました。シリーズということで、2編入ってるからそのせいもあるのかな?もっとそれぞれの心理状態とか、悩みとかを掘り下げてもらえたら、感情移入もしやすいのになあと思います。昔からの作品で、キャラが確立してるからなのか、描写も少なくて、これ1冊で読む人にはちと不親切(^^; 1つのカップル、全然どっちが受けでどっちが攻めかわかんなかったです…。

私的評価 ☆☆
(うーん、書ける人と判ってるだけに物足りなかったです〜。)


2000年04月1日(土)   SO REAL

    コバルト文庫    真堂樹:作  日下孝秋:絵

厳密には、ボーイズラブではないです。以前、雑誌コバルトで掲載された真堂先生の音楽業界モノの文庫化。とくには加筆もしてないのかな?一挙100Pだったかの掲載でしたねえ。雑誌で読んでいたのでとくに珍しいところとかはありませんでした。現在同じく雑誌コバルトにて、続編が掲載されています。これは連載になるのかな。

心に隙間を抱えていて、薬を飲んで爆走し、バイク事故をおこした主人公と、その事故の相手で、弁償するかわりに歌を歌えと提案する有名音楽プロデューサーとのお話。このプロデューサー、主人公に負けず劣らず絶望的に「からっぽな自分」を抱えていて、そのあたりのやりとりが非常に切なかったです。物足りない部分もありますけどね(^^;今後楽しみな作品です。

私的評価 ☆☆☆★
(よくあるバンドものです。…しかし、日下さん、ほんとバンドもののイラスト多いよな(^^;……キャラの区別がつかん(笑))


2000年04月1日(土)   耀変黙示録 1 〜那智の章〜

    コバルト文庫    桑原水菜:作   浜田翔子:絵

本当は3/31にゲットしていますが、まあ、正規発売日は4/1ということで、こちらに含めます。長いですね〜(^^;30巻目になります、炎の蜃気楼シリーズ。ようやく「闇戦国とはなんぞや」という非常に今さらなテーマに肉迫してきます(笑)いやしかし、もう、めちゃめちゃですな(^^;いろんなところでいろんなことが起きてるし〜(^^;

でもこれも今さらながら、ようやく高耶さんも、直江も、回るよりも行動、してくれるようになったんだな(最後まで回ってたんじゃちょっとな(^^;)と、嬉しい巻でもありました。…調伏シーンは全くなくなっちゃったけど、やっとサイキックアクション風が戻ってきたかなあ?最初の方がより好きですけどね(^^;懐かしい名前総ざらえって感じですね。古くからのファンの方、懐かしいあの人やこの人の名前も出てきます(笑)ちょっとノスタルジーに浸ってみるのも一興(笑)

私的評価 ☆☆☆
(うーん、あとどのくらいなのかなあ…。どんどん新事実が発覚していって、もうそりゃたいへんです。…収集つくのかほんとに?)