2000年8月のレビュー


2000年08月28日(月)   好きじゃないけど愛してる 2

     花音コミックス         南野ましろ:絵

雑誌花音でのんびりゆっくり(笑)現在も連載中。人気コミックス2巻目です。りっぱにほもな(笑)高校生のラブラブカップルとその甥のちびっこ、今回はさらに犬まで加わって(笑)虐げられたり、あやつったりしつつ(大笑)ラブラブ波動発信中な2人。1つ1つの話は短いけど、なんでこんなに面白いんだろう(笑)

ましろ先生特有の、ちょっとシュールな部分もあり、可愛いとこもありで、楽しめます(^^)書き下ろしも、可愛くて好き〜。読んでまったりのほほんとしてしまう、1冊です。

私的評価 ☆☆☆☆★
(けっこう長い事掲載してますよね〜。あのなちゅらるな暴走ぶりは、読んでいてもひじょーに楽しいです(笑))


2000年08月28日(月)   キスよりもその唇で

    シャレード文庫   花川戸菖蒲:作  角田緑:絵

花川戸さん&角田さんコンビの新作は、同人誌でもすでに展開中の本屋さんシリーズです。雑誌小説シャレードに掲載されたものと、書き下ろしが載っています。不器用だけど一生懸命な書店員、青山くんと、青山の秘密(笑)を唯一知っている後輩、望との深まっていく絆を描いたお話。今後も続刊予定です。

前のシリーズでもそうでしたが、とっても一生懸命生きてるキャラたちが愛しくてしょうがありません。健気で、頑張りやさんで、ほんとに読んでいて、自分でも「ああ、負けずに頑張らないとなあ」と思ってしまいます。今後もぜひぜひ、ずーっと続いてほしい作品です。

私的評価 ☆☆☆☆☆
(角田さんのイラストも可愛い!どうにも私のツボにはまってしまって、抜けないらしい…(笑))


2000年08月26日(土)   キスなんて、大嫌い

    キャラ文庫   神奈木智作  穂波ゆきね:絵

これも小説キャラに掲載された、同級生同士の恋のお話。中学進学と同時に、大好きな幼馴染みに告白した主人公ですが、「そういう風には思えない」と断わられ、それでも諦め切れない主人公は「6年後の今日まで、誰とも付き合わなかったら、ぼくと付き合って」と約束を取り付けます。そして月日はながれ、6年後。もうすぐその期限の日がやってきますが…。

健気な2人が、ほんとに可愛いです。続編では、その後の「片思いから脱出し切れてない気持ち」が描かれていて、これもすごく可愛くて一生懸命で好きですねえ。片思いって、相手の気持ちを考えなくても良かった分、そのまんまでいると、却って相手の気持ちを無視しちゃうことにもなりかねないんですよね。また1つ成長した彼ら、また数年後の彼らに出会えたら、と切望している私でした。

私的評価 ☆☆☆☆★
(穂波先生の柔和なイラストがぴったり。ほんとに可愛いお話で、オススメです。)


2000年08月26日(土)   そして恋がはじまる

    キャラ文庫   月村奎:作  夢花李:絵

小説キャラに掲載された、塾のあるビルで出会った高校生と司法書士の穏やかな恋愛を描いた作品。続編の書き下ろしも掲載されています。生い立ちが複雑で、自分の感情を押し出すのが苦手な高校生ですが、不思議と司法書士相手だと、楽でいられるんですよね。惹かれていくのも必然、と思えます。

滑るように流れる時間の中で、自然に寄り添い、互いの絆を深めていく2人が、とても優しくて綺麗な感じです。こういう穏やかなお話、とっても好きなので、続編も読めてすごく嬉しかったです。ぜひ、この続き(2人が一緒にくらしてから)も読んでみたいなあと思います。

私的評価 ☆☆☆☆★
(月村さんらしいお話ですよね(^^) なんだか読んでいてホッとします。)


2000年08月26日(土)   ムーン・ガーデン

    キャラ文庫   火崎勇:作  須賀邦彦:絵

火崎先生の新作は、「建築プロデューサー」のお話です。映画監督になるため大学に通っていた主人公は、ある日友人につれられて、建築科のゼミに潜り込み、すばらしい作品模型に出会います。その日から彼の生活は一転し、「建築」に携わるための勉強を始め、やがて「建築プロデューサー」として、事務所を構えるまでになりますが…。

ホントにある職業なんですねえ。一瞬架空のものかなーとか思ってましたが(笑)<建築プロデューサー 実際に、モデルにした方もいるようです。ちょっと気になりますね。

理想を追い求め、そのための努力と自己犠牲を惜しまない…そして、大切な事を見失わない2人がとってもいい感じ。穏やかで淡々としている、大人な作品です。


私的評価 ☆☆☆☆
(こういう落ち着いた作品、とっても好きです。)


2000年08月26日(土)   プラトニック・ダンス 3

    キャラ文庫   川原つばさ:作  沖麻実也:絵

人気のプラダンシリーズ第3弾。これで、今までの再録は終了したのかな?過去あり、訳ありの2人のお話です。今回は、雑誌掲載された「2巻の直後のお話」と、書き下ろし(…のはず)の、「カイがホストに返り咲き(笑)」なお話が入っています。

最初に書かれた頃とはずいぶん時代が変わっていて、加筆訂正をしたにせよ、ずいぶん1、2巻では時代の差を感じたものでしたが、ようやくそのブランクが取れた感じ。とくに書き下ろし部分は、時代の差の違和感なく読めたのではと思います。続刊、楽しみにしています。


私的評価 ☆☆☆☆
(次は泣かせてみたいの外伝が出るようですね。人気シリーズが沢山で、大変だろうなあ…。)


2000年08月26日(土)   晴れた空にはキミ

    エクリプスロマンス   磯崎なお:作  高沢たえこ:絵

もとは小説b-BOYに掲載された高校生のお話。掲載作と、その別キャラのお話の書き下ろしが収録されています。落ちこぼれな主人公には憧れの先輩がいます。100点を取れたら告白しようと一念発起して頑張りますが、ある偶然から、その憧れの先輩に、勉強を教えてもらえるようになります。だんだん親しくなってきて、その反面先輩のファンに虐められたりもしながら、主人公は頑張りますが…。

残念ながら、雑誌掲載時はちょっと覚えてませんでした。でも逆に新鮮な気持ちで読めたかも。主人公の健気さと頑張り屋さん加減にめろめろです(笑)やっぱり磯崎先生は、高校生ものが好きだなあ。


私的評価 ☆☆☆☆
(健気で可愛い主人公も、どうやら私のツボらしいです(^^;)…今ごろ気付くな私って感じ?)


2000年08月26日(土)   クールが熱い Act.2

    エクリプスロマンス   新田一実:作  富士山ひょうた:絵

人気シリーズ「クールが熱い」の2冊め。1冊目でラブラブ(?)になった主人公操くんと、恋人(飼い主…?(笑))との攻防戦が繰り広げられる文化祭ネタ(小説エクリプス掲載)と、書き下ろしのもう1カップルのラブラブっぷりが、なかなか見物です(笑)
ひょうた先生の愛が杉本クン(書き下ろしの方の受キャラ)に注がれている影響がつよかったためか、後書きにまで進出しております<もう1カップルのお話 これがまた笑える…(笑)

しっかりと男の子な受けキャラたちと、それに振り回されつつ(笑)君臨する攻めキャラたちを楽しんで下さい。今後は、バンドマン、才賀兄のお話、「出会って5秒」がもうすぐ刊行予定…のはず。これも楽しみ〜♪

私的評価 ☆☆☆☆★
(受けキャラも男の子なんだし、時にはやり返したり、手玉に取るくらいはやらなきゃ面白くない!って思いませんか?)


2000年08月23日(水)   恋と嫉妬と愛とジレンマ

    GENKIノベルズ    新井諒:作  麻倉安寿:絵

日本古来の音楽、「雅楽」の宗家の跡取り息子が主人公のお話です。ストリートライブで、なぜか雅楽の楽器を使って演奏をしているグループがあり、ひょんなことから、それを見つけた音楽プロダクションの社長は、ひらめきを得て、彼らをスカウトします。デビューしたのは、そのグループの中にいた、跡取り息子くん。世話をするうちに、だんだん社長は彼に惹かれていき、身体の関係もできますが…。

まず、雅楽という特殊なネタにびっくり。それから途中から思っていたカップリングではなかったことに2度びっくり(笑)前半と後半では、全く違う話みたいです(^^; そうくっつくとは思わなかった〜(^^;
とにかく、主人公が寡黙で動かないタイプなので、3人称とはいえちょっと伝わってきにくいところがありました。その辺がちょっと物足りなかったかなあ…。

私的評価 ☆☆★
(どちらかというと、前に出た作品(確か霊感探偵もの)の方が動きがあるから好きかなあ?)


2000年08月18日(金)   親友ごっこ

    ビーボーイノベルズ    鹿住槇:作  あとうせりな:絵

小説b-BOYに掲載された、高校生のお話です。幼馴染みで親友で、恋人だった相手と「別れよう」といわれ、何も言わずそれを受け入れてしまった受が主人公。親友に戻るための努力を重ね、その1つであるバイトの中で、あるサラリーマンと出会いますが…。

うーん、我ながら上手く書けない(^^; 鹿住さんのいいところが最大限に発揮された作品かも知れないなと思います。三角関係になってからの主人公の悩み、親友(元恋人)の悩み、サラリーマン(現恋人)の悩み…、すごく自然でちゃんと伝わってきて、その心の動きも理解できるんですよね。きちんと伝えるための記述が入ってるからなのかなあ。

ちょびっと掲示板でも盛り上がってましたが(笑)10月には、この続編である「恋愛ごっこ」が出ますが、どちらも、とってもオススメ!な作品。10月が楽しみです。

私的評価 ☆☆☆☆☆
(雑誌掲載時から、好きな作品でした(^^)ようやくノベルズで読めて嬉しい!ぜひぜひ、御一読を〜。)


2000年08月9日(水)   雪埋み

     アイスノベルズ   池戸裕子:作   佐々成美:絵

これも小説アイスに掲載されたリーマンものとその続編です。大学時代からずっと付き合ってきた相手が、海外赴任から帰ってきて、また元のさやにおさまると信じていた主人公のサラリーマンですが、その恋人(感覚としてはどちらかというと恋人未満(^^;))は、すっかり冷たくなっていて…。

とにかく献身的な主人公と、最初はそれに気がつかない恋人。ラストシーンあたりで、やっと存在の大切さに気がつくのですが…遅いわ(-.-;)あ、いやお話としては充分間に合ってるんですけども(^^;)「なくしてみて初めて判る相手の存在」ってやつですね。でももうちょっと早く気付いてもおかしくないと思うの…(笑)続編の方では、遠距離恋愛で更に悩みながら成長していく2人が見られます。ゆっくり楽しみたい人にはオススメかな?

私的評価 ☆☆☆☆
(心理描写がわりと細かいので、しっかり読める良い作品です。佐々先生のイラストも素敵♪ぜひどうぞ。)


2000年08月9日(水)   Lover Voicer

   ショコラノベルズ    御木宏美:作   由実彩花:絵

小説ショコラに掲載された声優モノで、加筆訂正されてノベルズ化です。ご本人も声優さんのファンでいらっしゃるそうで、声優に詳しい人には、どの方がモデルなのかバレバレという(^^;)作品でした。若手の声優がボーイズ系のCDに出演します。その相手役になった人は、ある障害をもった人で…。

…正直、雑誌掲載の時から、これほどに情けない思いで読んだ本はありませんでした。障害を持つために「目に触れない」という観点から選んだ職種である、というのなら納得もいくのですが、どうやら「声優ものが書きたい!」というのが先に来ているらしい、ということ。そして、「声優同士がそういう関係である」という内容。そしてこれが一番腹がたったのですが、ラストシーンで「原作者(作中のボーイズ系のCDの)が率先して自らその2人のカップリングの同人誌を作った」という記述があること。それが意図したものでなくとも、まるで、「声優同士のカップリングを推奨している」かのように受け取れてしまいますよね?

世の中に、ボーイズ系CDは多く存在します。そして、実際よく出演なさる方のファンの中には、そういう妄想を抱く方もおられるのは事実です。が、小説家自らが、そんなことを肯定していいものでしょうか?同人誌ならまだしも、商業誌(つまり声優さんも手に入れられる)で、こんなことを、いくらフィクションでも書かれるというのはあまりにも無神経すぎると思います。モラルの問題ですよね?妄想は妄想にとどめておいて頂きたかったです。正直、この作品で御木さんが、どのようなことを「伝えたかった」のか全く判りませんでした。

私的評価 ★
(言葉がきつくてごめんなさい。書かずにいる、という選択肢もあったのは承知の上なのですが、これだけは訴えかけたかったので。お目汚しで失礼いたしました。御不快に思われた方、本当にごめんなさい。)


2000年08月9日(水)   ラブリー・デイズ

     アイスノベルズ   うえだ真由:作   滝りんが:絵

ここのところシリアス系が多かったうえだ先生ですが、これはポップな学園コメディです。全編書き下ろしの新作。主人公はちょっと強面なサッカー部のエースストライカー。全国レベルの力量を持ちますが、ちょっとオバカで(^^;)頭がついていかなかったため、弱小サッカー部しかない高校に入って、部活を率いています。(2年なので一応副部長ですが)この主人公、可愛いマネージャー(勿論男の子(^^;))に惚れていますが、どうにも不器用でぶっきらぼうにしか会話ができません。ある日、このマネージャーの窮地を助けた主人公が家に帰ると、マネージャーにそっくりな男の子が「住み込みの家政婦です」と家に上がり込み、一緒に暮らし始めるようになって…。

ネタバレになっちゃうので、肝心なところが言えないんですが(笑)なんだかとっても可愛い、ファンタジーなお話です。ツッコミ入れたくなる設定もありますが、なんだかほんわかしちゃう、楽しいコメディでした。ラブラブなお話が好きな人はオススメ♪

私的評価 ☆☆☆☆
(可愛いし、笑えるし(^^)わりと好きだな、こういうの。ファンタジーと思えばほのぼのしててオッケーだし<設定 ちょっと注目の作家さんですね。)


2000年08月9日(水)   家路

     アイスノベルズ   五百香ノエル:作   イシカワナナエ:絵

五百香先生今月2冊目です(笑)小説アイスに掲載されたものに、続編(キャラのその後)の書き下ろしがついています。おもいっきり近親相姦(^^;)もの。血のつながった兄(放蕩息子になってしまって、なおかつ弟を拒絶している)と、過去兄にレイプされ、それから兄への執着が始まった弟との壮絶な関係を描いたお話。なんかもうめちゃくちゃシリアスでした(^^;)

弟を可愛がるあまりに、レイプという行動に走ってしまい、それを悔やんで初めて弟を拒絶する兄と、レイプを経て初めて兄を意識し始める弟と。お互いにお互いしか見えていないのがすごい。ある意味閉鎖的な世界かもしれないし、将来が見えない関係…かもしれないけど、(いや、一応学生編と社会人編の2編に分かれてるので、将来はあるのか…(^^;))この2人にとっては、お互いがいることが、幸せであり真実なのかなと、思います。

私的評価 ☆☆☆
(正直読むのがしんどい作品でもありました(^^;) そーいや最近こういうシリアスは読んでなかったかも。)


2000年08月9日(水)   ファミリア・フレイム

   ショコラノベルズ    麻生雪奈:作   後藤星:絵

小説ショコラにて掲載された、不思議な一軒家を舞台にしたお話と、その続編です。不思議と言っても謎があるのではなく、一歩足を踏み入れればそこは別の空間があるかのような存在の家、なのですが。住んでいるのは美人の姉と弟。そこには弟の同級生やその従弟などが、自然と集まってきます。みんなマイ椅子(笑)持参で、バランスを保っていたのですが、ある日そのうちの1人が結婚することになり、そのバランスが崩れてしまって…。

後藤先生のイラストがぴったりの、柔らかな空気をもった感じのお話。ちょっと空気を読み取るのに時間はかかるかもしれない(私も2度目でやっと自分の中に入って来た)けど、非常に独特の雰囲気があります。じっくりゆっくりと読んでみて下さい。

私的評価 ☆☆☆☆
(雑誌掲載時、ちょっと気になっていた作品でしたので、続編が読めたのは嬉しかったです。)


2000年08月8日(火)   ハートに優しくくちづけを

   ラキアノベルズ    高尾理一:作   氷栗優:絵

高尾先生のラキア初ノベルズ。書き下ろしです。主人公は、男やもめなお父さんと、子供が通っている英語塾の美人な先生。英語塾は、美人な(笑)姉と弟2人で経営していて、じつは子供の方はこのお姉さん先生に惚れていて(^^;)猛烈アタックをしています(笑)父親は父親で、あるきっかけで弟の方に惚れ、地道に好印象を与えよう(笑)としますが、ある日弟先生に横恋慕をしている元同級生が現れて…。

紆余曲折があってやっとひっつく2人ですが、結局2人とも最初から惚れ合ってるんじゃん(^^;)って感じで、間に入って来た横恋慕男はもう馬に蹴られまくっております(笑)お姉さん先生がとっても豪快で好きだなあと思いつつ(笑)同人誌でいいから、将来子供とお姉さんがハッピーエンドな話も読んでみたい(爆)(←ノーマルカップリング(?)だから無理だろうか(^^;))と思ったりしました。

私的評価 ☆☆☆☆
(非常にテンポがよくて、切ない部分もあって、楽しめた作品でした。脇キャラが生き生きしていて素敵(^^)読んでみてね〜。)


2000年08月8日(火)   ペントハウスでキスをして

   ラキアノベルズ    水上ルイ:作    かんべあきら:絵

小説ラキアにて掲載された、建築事務所のお話と、その続編&脇キャラのお話が収録されています。ちなみにリーフ専門だった水上先生の、他社初ノベルズになります。建築事務所の所長で才能ある若手ハンサム(笑)建築家と、彼に憧れて建築の道を目指し、事務所に就職した新人くんとのお話ですが…、…………すいません、ジュエリーデザイナーシリーズといったいどこが違うんだろう(^^;)という印象がひじょーに強かったです。

リーフでのもう1つのお話「クローゼットで奪いたい」でも同じことを思ったんですが、どうにもキャラパターンが似過ぎてるんですよね。あとシチュエーションも。脇キャラのカップルの関係や性格も似ているため「違うお話なのに、同じシーンみたい…(^^;)」と思ってしまいました。職種が違えば、関係も違いますよね?「変わらぬ面白さやよさ」はあってもいいと思いますが、あまりに「同じ」ではちょっと読んでいて悲しいです(^^;)

私的評価 ☆☆
(少々辛口ですが…。全く別のお話なのだし、キャラ設定や性格、描写は変わって当り前なのではと思います。せっかくのお話、もっと楽しみたかったなと思うと残念なのです…。)


2000年08月8日(火)   初恋

    ディアプラス文庫   大槻乾:作  橘皆無:絵

多分、初商業誌だと思います。小説ディアプラスに掲載された作品と、その続編書き下ろしです。主人公は市立図書館の司書の青年で、真面目で奥手で、ちょっと不器用なところがあります。仕事先の図書館で、自分の興味がある本を借りている人の中に同じ名前があるのに気が付き、だんだんその名前の持ち主(高校生の少年)に心惹かれて行きますが…。

とても柔らかな色調の作品です。緩やかに話が流れていって、それが自然でとても読んでいて和める作品でした。実はこの作品の主人公(司書の青年)、真面目すぎて、この恋が初恋(爆)(←限り無くふかーい意味に取って下さい(笑))戸惑いと恐れと不安、そして愛しさと希望とが入り交じった、不器用な恋愛をどうか楽しんで見守ってあげてください。

私的評価 ☆☆☆☆
(雑誌掲載の際、ちょっと気になっていた作品でしたので、続編が読めて嬉しかったです。橘先生のイラストがとってもぴったり(^^))


2000年08月8日(火)   リゾラバで行こう!

    ディアプラス文庫   篠野碧:作  みずき健:絵

篠野先生の2冊目の文庫です。前の話とは全く関連はない新作で、小説ディアプラスにて掲載された作品です。書き下ろしで後日談(というかさらにパワーアップした2人(^^;))の話も載っています。外見は全くの外人さんだけど、英語が大の苦手な(笑)オコサマなハーフの少年と、その幼馴染みで生真面目な和風美少年(笑)とのお話です。ハーフの少年は幼馴染みが大好きで、あの手この手で迫って(笑)既成事実を作るために奮闘しますが(笑)現実はなかなかそう上手く行かなくて…。

テンポはとってもいいです。笑わせてくれます(笑)なにが笑えるって、豪快なハーフの少年の母(笑)全然子供たちの関係を知っても動じてない…どころか逆手にとって、ハーフの少年の成績向上を計るあたりはすごい(笑)設定や展開に時々「おいおい(^^;)」と思う部分はあるものの、全体に笑えて面白かったです。ただ、とにかくこの主人公のハーフの少年、「やかましい」(^^;)ので、そーいうのが苦手な方は御注意を。

私的評価 ☆☆☆
(私の好みは和風のキマジメ少年(^^)生真面目すぎて、健気です(T_T)こういう男の子好きだわ〜。)


2000年08月8日(火)   EASYロマンス

    ディアプラス文庫   五百香ノエル:作  沢田翔:絵

五百香先生の新作は、書き下ろしの表題作「EASYロマンス」と、雑誌掲載された「Re-set」の2本立てです。どちらもコメディで、「EASYロマンス」は学園恋愛もの、「Re-set」はSFものです。

うーむ、五百香先生らしいというか(笑)「こ、こいつら…(笑)」というツッコミをしながら読んでいました。カッコイイし、可愛いんだろうけど、どこをどうやってもそう取れないヘタレな部分があって(笑)それが笑えます。雑誌掲載された「Re-set」も同じく。これは短編だったせいもあってかちょっと物足りない感じでしたが笑わせて頂きました(笑)

私的評価 ☆☆☆
(ただ、私としては、やっぱり五百香先生はシリアスが好きかなー(^^;)と思ったりしますね。…あと、イラストがなんだかすっごい絵でびっくりでした(^^;))


2000年08月8日(火)   命令口調の唇で

     GUSTコミックス     あかま日砂紀:絵

GUSTにて掲載されている可愛くてちょっとオボケな先輩と、強面で硬派な感じの後輩とのお話です。最新掲載分が気になってて、購入してみたら第1回の話からして、雑誌掲載の時に面白くて読んでた作品だったという…(笑)あかまさんのだとは判ってたんですが、タイトル判ってなかったらしいです<私(笑)

だんだんと関係が確立していく中で、どんどん可愛くなる先輩と、どんどん惑わされつつ(笑)かっこ良くなっていく後輩はみていて楽しいです。絵柄が好き嫌いわかれるかな?(少なくとも私奇談シリーズ読むまでは苦手でした(^^;))という気もするのですが、読んでみればとっても柔らかい絵で、可愛いかったです。

私的評価 ☆☆☆☆
(食わず嫌いは駄目だなあと思った作品でした(笑)もったいない事をした。シリアスというよりはちょっとギャグよりなので、楽しんで下さい。)


2000年08月7日(月)   兄ちゃんにはナイショ

   オヴィスノベルズ   結城一美:作  阿川好子:絵

ラピス文庫でデビューした結城さんの2冊目の本です。兄に思いを寄せる弟と、兄に密かな想いを抱いている兄の同級生とが、お互いの傷を舐め合うかのように引き寄せられていきますが…。

…うーん、コメディというには笑いが足りないし、シリアス、というには物足りない…(^^;)という印象を受けました。設定が突飛なだけにどっちつかずなのはちょっと辛いかなあ。2人が寄り添っていくのは判るんだけど、最後に兄が落とす●~*も、見えてた感じで(^^;)意外性がなかったです。うーん、もっとなにか欲しかった気が…。

私的評価 ☆☆
(ちょっと点数辛いかなあ(^^;) でも、読んで「なんだぁ」って思ってしまうと…ねえ(^^;))


2000年08月7日(月)   キスに灼かれるッ!

   オヴィスノベルズ   青柳うさぎ:作  高橋直純:絵

多分、初ノベルズなんじゃないかな?一応学生ものです。らぶりーな容姿をもつスポーツ万能な主人公は、なぜか同級生に目の敵にされ、短距離走で勝負を挑まれますが、負けた事はありません。が、この主人公、少々ややこしいものを抱えていて(^^;)必ず年に数回、女装をしなければいけないのです。その時期の最中になぜかライバル視してくる同級生とばったりでくわして……。

最初はどんなスポ根ものかと思ったんですが、舞台はほとんど学校ではなくて、おまけに主人公は半分以上女装で(笑)意外な感じでした。悪役が底が浅くてなんだかなーと思いますが(^^;)回りのキャラもかなりぶっとんでたり、笑えるキャラです。けっこう同級生(お相手ですね)も単純バカ(爆)なので、そのあたりはおかしくってしょうがないですね。笑いたい人にオススメ。…ですが、あんまり突き抜けたコメディではないので、お気をつけて…。

私的評価 ☆☆★
(思っていたよりは、楽しく読んだという感じ。初めての作品だと、それまでのイメージもないので、判断しにくいです〜(^^;))


2000年08月4日(金)   遠日奇談

   X文庫ホワイトハート   椹野道流:作  あかま日砂紀:絵

人気の奇談シリーズ最新作は、過去編の短編中編集になります。語り部は名脇キャラ龍村センセで、龍村先生と天本さんの出会いのお話と高校時代が楽しめます。そしてなにより小一郎の赤ちゃん時代が!(笑)なにが一番気になっていたって、これでした(笑)<私
可愛い羊の布人形(笑)(小一郎入り)が、イラストでも楽しめますし(笑)小説の中でも活躍します。個人的にこの小一郎入り羊(決して小一郎だけではない(^^;))がすっごく好きなので、とっても嬉しかったです〜♪(……ひょっとして、視点が間違ってるのかしら私…)

ちょっぴり甘々〜な天本さん&敏生も読めますし、シリーズのファンだけでなく、「試してみようかな?」な人にもオススメ。…そりゃもちろん最初からの方がいいんですが、これを試してみるのも、悪く無いかもしれないですよ?

私的評価 ☆☆☆☆☆
(旅行のお供に持っていきました。ほのぼのしてて、和めるお話です。後発のファンとしてはおこがましいかもだけど、でも是非読んでみて下さいね?)


2000年08月4日(金)   恋愛クロニクル

   X文庫ホワイトハート   和泉桂:作  あじみね朔生:絵

和泉桂さんの「キスシリーズ」関連以外では初めてのホワイトハート文庫になるのかな。天涯孤独になりかけた高校生(ちょっと気弱でおとなしい)が、お金持ちな義理の叔父に引き取られますが、この叔父が無口でとっつきにくいタイプで、どうしても上手くコミュニケーションが取れずに悩みます。どんどん追い詰められた主人公は、ある日出会った男に気を許してしまいますが……。

自滅タイプなキャラなので、とっても読んでいてしんどい部分が多いです(^^;)まだまだ長い話のほんの導入部分なんだと思うんですが、それでもしっかり読ませてくれます。絶望しかかった主人公が、そこで終わるのではなく、意外に逆境を跳ね返して頑張っているのはとっても好感が持てます。個人的には脇キャラカップルが、ほのぼのしてて、可愛くて好きです。

私的評価 ☆☆☆☆
(ほんっとに今後がすごく気になる作品でした。続くんだというのが前提で読んでたけど、そうじゃなかったら吠えるぞ(^^;))


2000年08月2日(水)   アリバイ

   エクリプスロマンス   義月粧子:作  雪舟薫:絵

ここのところヒットの多い(笑)義月先生の新刊ノベルズ。エクリプスに掲載された「ギャップ」とその続編書き下ろし「アリバイ(言い訳)」が載っています。ちょっと育ち過ぎ(笑)なふてぶてしい高校生の主人公は、従兄の家のベッドの上で(爆)すっごい美人と出会います。一目見て忘れられなくなった主人公は、美人にアプローチをしかけますが…。

いつもなら「強引な攻」と「大人しい受」がパターンの義月先生ですが、これは「若くて青い(笑)攻」と「イケイケ誘い受な受(笑)」です。受が余裕たっぷりで、翻弄されてる感じの攻が笑えます(笑)でももちろん翻弄されてるだけじゃなくて、きっちりときめるとこは決めて、ちゃっかり受キャラを落としてあたりはナイス。続編は「おいおいそりゃないだろう(^^;)」なことをしちゃう攻ですが、これが気になった方は、夏に出た祭り囃子さんの新刊を読む事をオススメいたします(笑)

私的評価 ☆☆☆☆★
(確かに貞操観念は希薄かもしれないけど(笑)それでも「大事な事ははずさない」義月先生キャラ、好きだなあ〜。)


2000年08月1日(火)   教授と天使と俺の関係

    リーフノベルズ   左京院もみじ:作   桜城やや:絵

ちょうど、なにも出て無い時に出たリーフノベルズで、迷った挙げ句に試しにと手にとった作品でした。(購入したのは7月下旬です)…初ノベルズなのかな?この人。とりあえず、主人公は大学生で、天使の様な人(助手)に惚れますが、この助手は教授のお手付きで…という絵に書いたような三角関係のお話でした。

なにより、描写が少ないのと、視点が3人いろいろに飛んでくれるので(^^;)判りにくい印象が強い作品でした。いろいろ設定があったりするわりには、助手の気持ちがえらく簡単に主人公に靡いたりするし(^^;)安直な展開で、「…ううむ(^^;)」と思ってしまった…。どうも点数辛いんですが、本屋での直感はやはり信用すべきだなと思ってしまったです。

私的評価 ☆☆
(好みの問題ってのもあるんでしょうけどね、やっぱり「服従系」が混じってるとダメなんだろうなあ、私。)