2001年1月のレビュー

 


2001年01月30日(火)   やわらかな夜

   ダリアノベルズ  坂井朱生:作  新田祐克:絵

うふふ、待ってました(^^) 坂井先生の新刊です。最初の発売予定自体はかなり前で、なんども手を加えられたじっくり練られた作品。初期のころにちらりとWEB上にてアップされていた時もあって、その時から発売を心待ちにしておりました。主人公は、ちょっとぼんやりさんだけど心優しく繊細な青年。3年前に、とっても好きだった恋人…かけ出しのカメラマン…と、彼が外国へ行くことが決まったのもあって、「とっても好きだけど、別れを選択」し、傷付きます。その後、優しい友人とともに暮らす事で、心を癒してきました。けれどもその元恋人が帰ってくることになって…。

ううう、上のあらすじだとなんか違う!(T_T)もっと繊細で、もっと主人公の心の動きが緻密なんです(T_T)これはもう、読んで納得してもらう方が早いな(^^; とにかく健気な主人公です。傷付きたくないと自ら身を引く事を選び、でも惹かれる心を止められないんですよね。お相手は、最初は「えーい律っちゃんをもてあそびやがって!」とか思っていたんですが(おい)ラストのおまけショートストーリーは、攻キャラ視点だったので、「なんだ、ひょっとしてほんとに翻弄されたのは攻キャラの方か?(^^;」と考え直し(笑)本編を読み返して2人の余裕のなさ加減に笑ってしまいました(笑)にたもの夫婦だわ(笑)

私的評価 ☆☆☆☆☆
(新田さんのイラストも素敵。想像を超えた色っぽさでどきどきでした。健気な受キャラが好きな人は絶対にオススメ(^^)v 律っちゃん可愛いです〜)


2001年01月30日(火)   天国みたいなキスをして

  ルビー文庫    菱沢九月:作  やしきゆかり:絵

菱沢さんの2冊目の文庫は、パティシェの青年と、医大生の青年とのお話です。ちなみに年下攻〜(爆)医大生の青年の恋人は、洋菓子店に勤める小柄で可愛い(笑)菓子職人(5歳上)で、近々独立を考えていて、医大生はそのためにできるだけのサポートをしながら寄り添っている毎日です。そんなある日、パティシェの青年の元師匠にあたる天才パティシェがやってきて、「自分の店を神戸に作るから店長としてこい」と言い出しますが…。

いやあ、ほんっとラブラブ!多分すごくHシーン多いと思うんだけど、気持ちがしっかりしていて、読んでてもほのぼのしちゃってるので(笑)全然「そういうシーンだけ」のイメージはないんです。元師匠がまた子供っぽいっつーかおかしいキャラで(笑)逆にいい起爆剤になってて、より2人の愛が深まった感じ。(元師匠口惜しいだろうなあ(笑))2人で協力してケーキを作るシーンや、元師匠に食べてもらうシーンなんかはもうドキドキして読みました。ほんのちょっとだけですが、神戸も舞台になっていて、地元民として「綺麗な神戸のイメージ」で書いて下さったことが、すごく嬉しかったです(^^)

私的評価 ☆☆☆☆☆
(優しくて、綺麗で、ほのぼのする作品でした。途中の掛け合い漫才(笑)や、お見舞いに行った時のシーンもすごく好き。ぜひ読んでみて下さいね(^^))


2001年01月30日(火)   POWER GAME 2

  ディアプラスコミックス    やしきゆかり:絵

どちらかというと、順序が逆ですね(^^; 菱沢さんの文庫のイラストを見ていて、どうにも買いたくなって購入した、やしきさんのラブラブなコミックス2巻目です。ディアプラスに掲載されたものと、ショートストーリーの書き下ろしが収録されています。1巻で複雑な関係になってしまっていたので、(雑誌で読んでいましたが)どきどきしちゃいました。

不思議と、なぜか時々ワタシのツボにはまりまくるやしきさんの絵ですが、今回も例にもれず(笑)しっかりツボにはまってしまいました。お話はとくにすごいわけではないんですが、キャラの表情とかがツボにストライクなんです。個人的オススメはオヤジキャラとかでしょうか。無精髭はやしたりしてたらよりオッケー(笑)

私的評価 ☆☆☆★
(ふふふ(笑)好きなタイプの小説にイラストをつけられていると、やしきさん熱が上昇するらしいです(^^;2ヶ月連続だわ(笑))


2001年01月27日(土)   うそつきは恋泥棒の始まり

  ラピス文庫   広瀬司:作  桃季さえ:絵

SHYノベルズでも本を出されてます、広瀬先生の初文庫…かな?真面目で真直ぐな主人公と、ちょっとヒネてて(笑)腹に一物もってそうな人気モノの先輩のお話です。主人公は、家庭の事情があり、生活も苦しいため、奨学金を貰っています。でも暗さを感じさせない明るい子です。ある日眠い授業の途中に、先生に頼まれものをした主人公が見たのは、悠々と遅刻してくる学生で、主人公は思わず裏口を通らせてあげます。その後、主人公は助けた学生が、有名な人気のある先輩であると知って…。

 

「信用を裏切られたことがあるから、意地悪をして、それでもついてきてくれる…というのを試してしまう」というのは良くあるパターンなんですが、ここまで終始意地悪したり、主人公へのイジメに対しての報復の仕方をみたりすると、なんだか楽しんでいるようにしか見えなくて…。あまりいい感じではないなあ(^^; 猛獣が生き餌をいたぶっているみたいで、私はちょっと苦手でした。

私的評価 ☆☆
(主人公が健気で、可愛かっただけに、相手役が鼻についてしまいましたねえ。もうちょっと最後ぐらい優しくてもいいじゃないよぅ〜(笑))


2001年01月27日(土)   ラブ救世主とよばないで

  ラピス文庫   峰桐皇:作  羽柴紀子:絵

タイトルは「ラブ『メシア』とよばないで」と読みます。峰桐先生の新作は、親の再婚によって、義理の兄弟になった大学生の兄と高校生の弟のお話。弟はゲ−ムが好きで、ちょっと勉強が苦手な(笑)極一般的な高校生ですが、兄は義理の母(弟の実母)が水商売関係なこともあり、バイトで「ホスト」をやっていて(^^; ハデハデなにーちゃんです。ある日弟はいきなり兄に「俺はお前が好きだ」と言われて…。

 

いや、なんというか予想外(笑)なお話でした。最初はね、「ホントに好きなのか?口実にすぎなくて、あとから真打ち登場したりなんかして…」と思いながら読んでたんですが(笑)最後まで、この2人の話で、さらに言うなら1冊かけてやっと兄の気持ちに納得したというか(笑) でも完全に納得しきれていないので、ぜひ続編が読みたいなと(笑)思います。峰桐先生の話は、いつもどこか「計算してギャグに走ってる」ような気がするんですが、今回とくにそんな感じでした(笑)面白いんですがパワー不足な気もちょっと…(^^;

私的評価 ☆☆☆
(いきなり告白だったからなのかな、納得できないのは。それまでの気持ちが判らなかったし(^^; ううむ。どうせラブラブとわかっててもその後が気になるぞ。)


2001年01月27日(土)   グッドラックはいらない!

  キャラ文庫  火崎勇:作  果桃なばこ:絵

ふふふ、記念すべきレビュー1000冊目でございます(笑) 小説キャラに掲載された社長と新人の社長秘書のお話。主人公は、物静かで苦労人な社長秘書(大学出てすぐのまだ新人)で、営業希望で入社したはずが、なぜか蓋をあければ社長秘書室勤務。そしてその社長(若くて精力的)は、なぜだか主人公にプロポーズをしまくりますが…。

 

主人公の健気さと凛とした態度が好きですねえ。最初は「なんの下心があるんだこの社長」とか思ってたんですが(雑誌掲載の時ももちろん読んでおります)いろいろいきさつがわかってくるにつれて、ずいぶん印象も変わりました(笑)懐の深い人ですね。書き下ろしで出てくる別キャラも、最初こそ「なんだこのヒト(^^;」という感じでしたが、読み終えてみればラブラブで(笑)幸せな作品でした。

私的評価 ☆☆☆☆
(火崎さんの作品の中ではラブラブ度が高いと思います。主人公の前向きな性格、見習いたいわあ〜)


2001年01月27日(土)   ゲームはおしまい!

  キャラ文庫  鹿住槇:作  宏橋昌水:絵

雑誌キャラに掲載された、高校の可愛い先輩と、かっこいい後輩とのお話です。入学式で、胸飾りの花をつける役になったちょっと行動がトロい(笑)可愛い先輩が主人公です。主人公は、カッコイイ1年生に花をつけようとしますが大失敗。でも1年生は笑ってそのままでいいと去ってしまいます。その後なにかと目につくその1年生。いいやつだと噂に聞くものの、入学式の時の笑顔とは違う笑い方に、どうしても納得がいかない主人公は、とうとう1年生と賭けをすることに…。

 

いやあ、主人公が天然ですわ〜。こういうピントの外れたキャラを書くの上手いなあと思いつつ(笑)ただ外れているだけでなく、とっても不通で、男の子な発想なんですよね。読んでいても「これじゃあ相手や親友は苦労するわな(笑)」と思わずニヤリ。掲示板でも話が出てましたが、ほのぼのしたクラスの雰囲気も和めていいですよね。定番の安らぎが欲しい方に、オススメ。安心して読めるお話です。

私的評価 ☆☆☆☆
(雑誌掲載分だけでは物足りなかったので、こうして文庫になってきちんと読めたのが嬉しい(^^))


2001年01月24日(水)   つめたい、あなた

  ショコラノベルズ  松岡なつき:作  海老原由里:絵

上旬発売予定でしたが、ちょっと遅れて発売。バレエ・ダンサーの主人公(日本人)と、アルゼンチンタンゴ・ダンサーの日系のアルゼンチン人との、プロ同士のプライドがぶつかり合うような、お話です。主人公のダンサーは、ベルギーのバレエ団に属していますが、やはりいろいろと頭打ちをされて悩みを抱えています。ある日、新しい演目をすることになり、主人公は主役に抜てきされます。その相手役として客演することになったのが、タンゴダンサー。タンゴは「相手を理解しなければ踊れない」というのが鉄則で、そこから主人公と相手役との駆け引きが始まります。

例えて言うなら、キャラ文庫の「声にならないカデンツア」もそうでしたが、「プロの世界(それも芸術の世界)」に身を置く人の「自分を高めるための恋愛」というパターンですね。でも、ただそういう世界を書くのではなく、当然ある「主人公や相手役の懊悩」がしっかりと書かれているのが、やはり読みごたえのある要因かと。いい加減に流すのではなくて、しっかりとその世界を想像できるだけのものをいつも書いてくれる松岡さんの作品が、私は大好きです。

私的評価 ☆☆☆☆
(「声に〜」の方は、少しだけだけど知っていた世界だったけど、今度のお話はまるっきり下地がなかったです。でも楽しく読めたので、松岡さんのお話が好きな方ぜひ手に取ってみてね。)


2001年01月16日(金)   意地悪なスキンシップ

   花丸文庫    京橋ナルミ:作   あとり硅子:絵

京橋先生の初文庫。ちょびっとPNも変わられました。京都のお豆腐屋さんの息子(大学生)と、京大の助教授が主人公のお話です。ある日父に呼ばれた主人公(お豆腐屋の息子)は、京大の助教授に引き合わされ、助教授が「脚本を書くために豆腐屋についていろいろと教えて欲しい」と依頼したので、付き合ってあげるようにいわれます。その後、助教授は、冗談口調で口説いてみたりして、でも主人公は冗談だろうと受け流し、付き合いを続けますが…。

あとり先生のイラストも柔和でしたが、主人公が京都弁のため、文中でも柔らかい色彩の印象がつよい作品でした。どちらかというと、相当口語口調でしたけど(笑)2人とも優しくて、でもお互いに惹かれていく気持ちをとめられなくて、もどかしいようなそんなお話。でも、シリアスだけでなく、飄々とした助教授にガンガンツッコミ入れてる主人公も可愛くて好き(笑)案外しっかり尻にしいてるかもしれないなあ(笑)

私的評価 ☆☆☆☆
(和むお話でした。相手を想う事は、時に人を強くするのかもなあ。この2人、いつまでもラブラブだとは思いますが(笑)その後の話も読んでみたいなあと思います。)


2001年01月16日(金)   恋と妄想のハムスター

   花丸文庫    水島忍:作   滝りんが:絵

水島先生の新刊は、天然ボケな主人公が家出をして、大親友の家に身を寄せるお話です。天然ボケで、早合点な主人公は、可愛いハムスター系小動物な男の子。母親とケンカをし、「家出する!」と言って大親友(父子家庭です)の家に身をよせます。その親友の家には2人の居候がいました。1人は家政夫な美人さん。もう1人も綺麗な男の人ですが、この人はずいぶん口が悪く、主人公はからかわれまくって…。

えー、正直なところ、読みおえるまで全く「あらすじ」を読んでませんでした(^^;はっきりいって、これが敗因かと(^^; なぜかと言うと、私がこの本に期待したのは「主人公と親友の恋愛」だったからなんです(笑)半分ぐらいまでは、「絶対そうだ」と疑う余地もなかったんですが…なぜかまた「身体から先に関係をもって」家政夫な人とくっついてしまいました…(^^; なんでやねーん!という感じ。あの前半の親友とのやりとりや描写はいったいなんだったんだろう…(^^; 意外性を求めたというのはあるかもしれませんが、でもどうしても理解できなかった…(^^; 

私的評価 ☆☆
(主人公のぽわぽわさ加減はとっても可愛いです♪そして、親友も可愛いかった(T_T)ううう、この2人の話が読みたかったよぅ〜)


2001年01月16日(火)   スクランブル・キッズ

   ビーボーイノベルズ  小川いら:作  果桃なばこ:絵

タラシな高校生たちを描いた「反則キッズ」シリーズの第2弾。雑誌小説b-Boyに掲載されたものに、続編の書き下ろし温泉旅行編も一緒に収録されています。正当派タラシ系と、母性本能くすぐり系なカップルと、イケイケで恥じらいなんて持ち合わせてないような(^^; やる気満々の受と純朴で恥をよーく知っている攻とのカップルが登場します。母性本能くすぐり系の子が、思い悩んでいるようで、その悩みはいつのまにかみんなを巻き込んで大騒ぎに発展しますが…。

本来の主役カップルが、一生懸命で可愛くて好き…なんですが、私どうにももう片方の受キャラが苦手でねえ(^^; ちょっとは恥というものを知ってほしいと、なんだか読んでいてもいたたまれない気分になってしまいます。主役カップルだけでいいんだけどなあ(ボソッ)

私的評価 ☆☆☆
(好みの問題ですね。ちょっとぐらい躊躇しろよって思っちゃうんですよ。)


2001年01月16日(火)   プロジェクトはC級

   ビーボーイノベルズ  水無月さらら:作 門地かおり:絵

雑誌小説BEaSTに掲載された、調教モノなお話。主人公は大人しい美人の青年で、ある日歯の治療に訪れた歯科医に目をつけられ(?)口説かれ、だんだんと無茶を受け入れるようになっていきます。一夜を共にした翌朝、主人公が起きてみると歯科医はいなくて、置き手紙が残されていて…。

いや、ほんとになんかすごい話でしたね。あまりのインパクトの強さに、未だに雑誌掲載時のことも覚えてます(笑)本人がいないのにも関わらず着々と調教されていく、まるで「遠隔管理」されているみたいなお話でしたねえ(苦笑)今回続編も掲載されていて、相変わらずな2人に思わず笑ってしまいました。

私的評価 ☆☆☆★
(この2人は、2人だけで世界が完結しちゃってそうだよね…(笑))


2001年01月16日(火)   NON STOP ACT.3

   ビーボーイノベルズ  高坂結城:作  佐々成美:絵

私にとっては、一番好きなシリーズ、NON STOPシリーズの続編がようやく登場。またもやイラスト変更で、こんどは佐々先生です。のも先生、こいで先生に続き、1冊ずつ違うってのも珍しいなあ(^^; さて、相変わらずなサラリーマンの秋月、栗山両氏ですが、困った後輩があらわれて…(^^;

ふふふ(^^;実はほとんどを同人誌で読んでおりました(T_T)半分ぐらいは同人誌の再録でしたねえ。でも、その続編、という感じで書き下ろしもあったので、損はなかったんですが。ここのところ、同人誌の再録が多いのはちょっと寂しいなあ〜。これが私にとっての高坂先生の原点なので、これからものんびりでいいので、続いてほしいな。

私的評価 ☆☆☆☆
(懐かしさもあり、「ああ、やっぱり私はこのシリーズが一番好きだな」と痛感しました。)


2001年01月16日(火)   ラブ・ミー・テンダー

   ビーボーイノベルズ  ひちわゆか:作  如月弘鷹:絵

待ってました、TOKYOジャンク、外伝のシリーズです。雑誌掲載された「真昼の情事」と書き下ろしとが収録されています。ちょっとオバカな主人公と儚気なお相手朔夜さんとのお話ですが、雑誌掲載されたところで、すっごい状態に陥ったままだったので、「この状態で終わってしまうことはあるまい」と思ってました(笑)一応来月にも2が出て、それがラストになるようですね。

朔夜さんがどうなってしまうのか、この巻だけじゃ終わらないと分かってても読みすすめるのにドキドキしてしまいました。雑誌で生殺しだったからなあ(^^; さり気なく、人物相関がいろいろと書かれてて、その点も楽しめるポイントかも。シリーズ終了まで、目がはなせない作品です。

私的評価 ☆☆☆☆☆
(ナギさんがすっごいオッサンになってた〜(笑) でも、やっぱりかっこいいかも。ラストにはぜひ貴之と柾も希望(笑))


2001年01月15日(月)   あなたのそばにいるだけで

   リーフノベルズ   森本あき:作 かんべあきら:絵

親同士が再婚したため、いきなり義兄弟になった、同級生同志のお話。主人公理英は可愛くて頑張りやな高校生で、実はカメラマンの父について外国に行っていたため、1年留年して現在高校3年生。同級生で学年トップ、なんでもできるあこがれの人順之が義兄弟になると知って喜んだのもつかの間、敵意を持った言葉をぶつけられ、戸惑いますが…。

いやあ、めちゃめちゃ可愛い(笑)お話でした。ほのぼのしてて、キャラも一生懸命で可愛いし(^^)展開も、ベタといえばベタなんでしょうけど(^^; でもラブラブハッピーエンドで、楽しく読めました。森本先生らしい、可愛いお話でした。

私的評価 ☆☆☆☆★
(ふふふ、こういう可愛い系は好きだ♪めげない受が可愛いです。)


2001年01月15日(月)   今宵、恋のお相手を…★

   リーフノベルズ   日向唯稀:作   桜城やや:絵

ホストもののお話です。主人公は、高校時代にエリート道をひた走っていたけど、どうしても1位の同級生をぬかす事ができず、大学に行くのをやめてホスト業に走った青年。人柄のおかげもあり、初めて店のナンバーワンになります。そしてくしくもその同じ日、コンプレックスの相手である同級生が、店にやってきて「雇ってほしい」と言い出して…。

いやはや、なんだかもーひと昔前のきらびやかな世界〜♪って感じでした(笑)まあ、設定自体が「1990年」なのでいいのかな(笑)ひと昔前で。マジメに読んだらお腹がよじれそうになるのに、でも時々、はっとさせられる内容があったりします。笑っててもなんとなく読んでしまうのは、その一部分のためかもしれないなあ…。ちょっとこのお話の続編なんかも、読んでみたいかもしれません。

私的評価 ☆☆☆
(後書きでブイブイ言わせてた過去を書いてる日向先生、思わず笑ってしまったですわ(^^;)


2001年01月12日(金)   そして僕は恋をする

   ラキアノベルズ   和泉桂:作   あかま日砂紀:絵

ラキア本誌に掲載された、落とし物のMDが縁で付き合い始めたヒモ(笑)と美容師とのお話と、その続編の書き下ろしです。一緒に暮らしていた女性に愛想をつかされ、所持品を窓から投げ捨てられてしまったヒモ(^^;な青年は、拾ってみて、大事なMDが1枚ないことに気が付き、捜しまわります。見つけてくれたのは美容師をしている青年で、それが元で2人は同居を始めますが…。

雑誌掲載の分で、「今後の2人の関係が気になるぞ!」という終わり方だったので、続編を待ってたんですが…うーん…、なんだか予測していた感じのものではなくて、受キャラの気持ちが、足踏みしてしまってる感じがして、勿体ないなあ…というのが読んだ印象でした。他の作品も、足踏み状態なものが多いだけに、まあ「カラー」と思えば思えるんですが、でもちょっと物足りない感じでした。

私的評価 ☆☆★
(ぐるぐる悩む受キャラは、ちょっと食傷ぎみのようです…)


2001年01月12日(金)   いつでも瞳の中にいる

   ラキアノベルズ  崎谷はるひ:作  桃山恵:絵

崎谷先生の久しぶりの新刊は、探偵と幼馴染みの高校生のカップルの書き下ろしです。主人公の高校生は、可愛いタイプの子。幼馴染みでお隣さんな探偵さんが、好きだけど悟られてはいけないと、必死に反発しています。学校で備品が紛失することが相次ぎ、家の洗濯物まで盗まれたりと、ストーカー行為をされていることが判り、どんどん精神をすり減らしていく主人公ですが…。

いやあ、もう、めちゃめちゃ可愛いです!主人公のよっしー(このニックネームが気に入ってるらしい(笑))くんも、幼馴染みで探偵さんの元就さんも好きだ〜。脇キャラの刑事さんも、めちゃ好みでした。ストーカーものなんで、後半、主人公くん拉致されてしまって、ストーカーに酷い目にあわされてしまうんですが…これがまたえげつないぐらい生々しい描写で、どうしようかと思いました(^^; 鳥肌たっちゃったよ…マジで。主人公たちがらぶらぶしてる分、その部分が際立ってしまったかも。夜に読むとちょっとコワイかもしれないなあ〜。

私的評価 ☆☆☆☆
(好きだし、可愛いし、オススメなんですが!…ストーカーの描写はちょっとスゴイので、読む時は御注意を。)


2001年01月11日(木)   Is this LOVE?

   アイスノベルズ  牧山とも:作  島崎刻也:絵

小説アイスに掲載された、とんでもなくタカビーなおぼっちゃま(恋愛感情というものを知らない(^^;)と、父子家庭で、小さい弟を一生懸命育てようとしているお兄ちゃんの高校生とのお話と、その別キャラ(天然ボケな父(作家)&おぼっちゃまくんの兄(編集者))の書き下ろしの2編が収録されています。

最初は思わず眉をよせたくなるような、攻の強引さなんですが、(正直言えば、なんで攻を好きになるのか、私は良く判らなかった(^^;)でもまあ、子供っぽいという部分が受を引き付けたのかなあ?後半部分はほのぼのしてて、けっこう可愛らしかったです。雑誌掲載時に、ちらっとだけ出てきていた受の父と攻の兄の話も、楽しめました。もうちょっと強引でない展開ならもっと好みだったのですが。

私的評価 ☆☆☆★
(ほんと今回強引系が多いよ(^^;<アイス>まあ、まだその裏にある「お互いの気持ち」があった分ましなんだろうなあ、これは。)


2001年01月11日(木)   フラジールな関係

   アイスノベルズ   ふゆの仁子:作  蔵王大志:絵

アンソロジー「大人の恋」に掲載されたテキスタイルやファッションデザインの世界のお話です。主人公は、テキスタイルを学び、ファッション業界に就職した青年。高校のころに、世慣れた遊び人のデザイナーと恋に落ち、付き合いますが、大学入学と同時に別れを告げて音信不通になっていました。が、就職先に皮肉にもその相手が転職してきて…。

デザイン系の用語満載(^^;の、専門用語が苦手な人にはつらいかも知れないなというお話でした。アンソロジー掲載の分は、ほんとに序章という感じの終わり方で、続編に期待していたんですが、なんだか「なんだそりゃ?」という展開で(^^; いきなりお相手の確執のある人と偶然知り合って会ったりするのはちょっとワタシには理解できなかった(^^; もうちょっと普段の彼らが見たかったかなあ…。

私的評価 ☆☆★
(読みたいと思った続編と、なんだかズレがあったなあ、というのが残念かな。これも前半部は強引な感じでした(^^;そういうのが好きなんでしょうか、アイスの編集部さん(^^;)


2001年01月11日(木)   地獄のカワイコちゃん

   アイスノベルズ   加納邑:作   松本テマリ:絵

多分、書き下ろしだと思います。ここのところ、けっこうハイペースでノベルズが出ています、加納邑さんの新作は「地獄」という名の示すとおり(笑)地獄の閻魔大王さま(^^;と普通のかわいい高校生とのお話です。高校生は、超ブラコンな社会人の兄がいて、可愛がられ慣れているタイプ。ある夜、公園でチビコウモリがカラスに攻撃されていたのを助けようとした高校生は、そのコウモリの飼い主らしき男にいきなり迫られます。びっくりして逃げ出した彼ですが、なぜか高校の講師として、そのヘンな男がやってきて…。

今回アイスのラインナップが強引系が多かったもので、逆に「よくある話?(^^;」という感じになってしまってましたね。攻めが人の話を聞かなすぎて受けはなし崩しに好きに…というのが好みじゃない、というのもあるんですが。でも、どうもこの人の書く動物系のキャラ(今回だとコウモリくん)が可愛くてしかたがなかったりもして(笑) もっとほのぼの系なら好きなんですけどねえ…。

私的評価 ☆☆
(同じファンタジー系(神様とか閻魔さまとか(笑))では、前作の方が好きだなあ。受視点だったせいもあるんですが、違和感が拭えませんでした。)


2001年01月07日(日)   恋になる日

   シャレード文庫  可南さらさ:作  麻生海:絵

12月の新刊だったのですが、東京以外は初売りが年明けになりました、新世紀1冊目のレビューです(笑)可南先生の書き下ろしの新刊は義兄弟もの。主人公は優等生でマジメで純朴な美人さん(笑)母親が再婚し、ひとりっ子からいきなり5人兄弟のまん中になってしまいます。家族の団欒があまりない兄弟達を気にしていろいろと気をつかう主人公ですが…。

いやあ、なんだかめちゃめちゃツボにはまる作品でした(笑)一生懸命なのに空回りしてしまう、主人公が切ないやら愛しいやら。お相手の3男坊くんもメロメロです。メロメロさ加減がよけいに笑えます(シリアスですけどね(笑)) イラストが現在幻水サークルで活躍しておられる方(それも熊×青雷)なのもあって、どうにもこの受がフリックと重なってしまい、倍ツボにはまりまくってたらしい、困った私でした(^^;

私的評価 ☆☆☆☆☆
(可南先生も私のオススメな方の1人。ラキアからのノベルズもオススメです♪)