2001年3月のレビュー

 


2001年03月31日(土)   これも恋だろ

   パレット文庫   真船るのあ:作  石原理:絵

すこしだけ発売がずれた地域もあったようですが、真船先生の初パレット文庫は、高校生もの。それもなんと攻め視点!のお話です。主人公は、優等生でモテモテな男の子。ある日、行きつけのクラブで、バーテンダーと話をしているところに「パーティーを開かせてくれないか」とやってきたのは天然ボケな美人の少年で、なんとこの少年、同じクラスに転校してきて…。

真船先生新境地なのかしら?(笑)という感じですね。攻め視点っていうのがまず珍しいな、というのと、あとは受キャラがちょっとオバカ(いや頭はいいんだけど)で天然だっていうのが珍しかった。クールビューティーがイメージだったんで意外でした。ちょっとドタバタすぎて、「…そんなんでいいんかい(^^;」って感じも否めませんが、ギャグとしては楽しく読めました。以下続刊予定…なのかな?さて、受が「好かれている」自覚を持つのはいつの日のことやら(苦笑)

私的評価 ☆☆☆★
(ちょっと、今風の学生…というにはなんか古風な感じもする(笑)私はサラリーマンなキャラの方が好きかもなあ〜。)


2001年03月30日(金)   忌みしものの挽歌

   キャンパス文庫   霜島ケイ:作  西炯子:絵

封殺鬼シリーズの第22巻。このシリーズも、長いですよねえ。前作でとんでもないことになった使役鬼の弓生(雷電)と聖(酒呑童子)ですが、今回は2人の逃亡生活と、本家の決断が最大の焦点になっています。

正直、「はやくなんとかして欲しい」という気持ちが強くて、読んでいても「そうしか動けない人たちの辛さ」が痛かった。これからどんどん上がっていくばかりだったらいいのにと思いつつ。次巻の気になるシリーズですね。

私的評価 ☆☆☆★
(キャンパス文庫は、このシリーズ以外はもう出ないんですねえ…いや、判ってたんですが(^^;)


2001年03月30日(金)   Major League 前編

  エクリプスロマンス  七地寧:作  石原理:絵

雑誌小説エクリプスに掲載された「メジャーリーグ」を加筆訂正して、前後編で発売です。後編は4月末発売予定。本当は合わせてのレビューにしようかとも思ったんですが、前半だけでもけっこう楽しめるので、先にアップしてしまいます。主人公は、メジャーリーガーで日本でプレイするため来日した辣腕投手と、その通訳や身の回りのマネージメントを請け負ったエージェントの青年とのお話です。来日して以降、いい関係を築いていた2人ですが、投手が発熱し、青年が献身的に看病したことから、投手は誤解をしてしまい、強引に身体を奪ってしまいますが…

最初は強引な形でしたが、それでも段々と2人のペースを作り上げ、お互いにとってベストであろうとするのがすごく好感がもてました。2人の気持ちが段々寄り添っていくのもよくわかるし。が、ラストシーンがけっこう衝撃的なところで終わっていまして(^^;非常に次の巻への引きが強いです(笑)なので、「我慢できん!」という方は、封印なさっておいた方がよろしいかと(笑) 私は雑誌掲載時に読んでいましたし、今もその雑誌を持ってますので大丈夫だったんですが。

私的評価 ☆☆☆☆☆
(文体自体、淡々としていて最初は読みづらいかもしれないですが、味のあるお話を書かれます。ラキアの初期の作品が好きな方はぜひどうぞ。)


2001年03月30日(金)   クールが熱い Act.3

  エクリプスロマンス  新田一実:作  富士山ひょうた:絵

雑誌小説エクリプスに掲載された、「クールが熱い」シリーズです。本来の予定は、3巻でラストだったそうですが、人気もあったためか4巻まで出るそうです(^^) 今回は、総統(生徒会長?)選挙が行われることで、トラブルに巻き込まれてしまう操と矢崎の活躍が見物です。書きおろしは、自分の魅力にちーっとも気づいていない操のお話で、これもなかなか楽しめます(笑)

書きおろしは随分後の話になるので、読む順番は(というか正確に時を追うと)クールが熱いの各本編のあと、後書きや書きおろしを読むと分りやすいかもしれないですね。だんだんと自分の中で、矢崎を特別に思うようになってきた操ちゃんが可愛いです(笑)でもやっぱり操はちゃんと「男の子」だなあと思いつつ(笑)今回も楽しませていただきました。

私的評価 ☆☆☆☆★
(ひょうた先生のイラストも好きだなあ〜。さて、4巻はどういう展開を見せるのか、今から楽しみです。)


2001年03月29日(木)   僕のかわいい男だから

      花音コミックス    甘野有記:絵

雑誌花音に掲載されたマンガを収録した短編集です。甘野さんらしい、天然な受キャラ満載のお話が沢山収録されています。基本は「天然な受キャラと、その天然さにほだされ惚れる攻キャラ」って感じかなあ? なんか、一歩間違えたらとんでもない話になりそうなんですが、甘野さんの可愛い絵と腰砕けなギャグセンスで(笑)楽しく読める作品に仕上がってる気がします。

シリアスなシーンと、その後の落とし具合が最高(笑)ワハハと楽しく読める1冊です。

私的評価 ☆☆☆★
(深くは悩まないキャラばかりですが、逆に気が楽になるかも(笑))


2001年03月28日(水)   プライム・タイム 2

   シャレード文庫  芹生はるか:作  石田育絵:絵

小説シャレードにて人気連載中のプライムタイム、第2巻です。雑誌掲載されたものと、書きおろしが1編収録されています。主人公は、映画製作会社の辣腕経理柏木慎と、助監督梶のカップル。「スティールマイハート」シリーズの脇キャラでもありますが、なんだかもう、1巻よりもさらに(笑)パワーアップしてる感じのバカップル(笑)です。

基本的に最初に惚れたのは柏木なんですが、計算高い所がある彼は、あの手この手を尽くして(笑)梶を惚れさせます(笑)同居に漕ぎ着けラブラブ街道まっしぐらな彼らですが…なんかもう、毎回同じことやってる感じ(笑)なんでそう、2人とも目が眩んでるかなあ〜と、大笑いしてしまいました。これは、ギャグですよね?(笑)(←確認してみる)書きおろしも、どうにも読んだことがある気がしてしょうがなかったんですが、展開自体が一緒だっただけらしいです。同人誌の再録かと思ったんだけど、そうではなかったのね…。…しかし、いつになったら2人とも学習するんでしょうねえ、お互い目が眩み過ぎてるって(笑)

私的評価 ☆☆☆☆
(いや、めちゃめちゃ好きなんですよ?こういうの(笑)2人とも仕事できる癖に、2人でいると見事にバカップルで…(笑)可笑しすぎるっ!)


2001年03月27日(火)   悪役だっていいじゃない

   ラピス文庫   高崎ともや:作  三島一彦:絵

最強タッグの相棒ものを書かせたらピカイチな高崎先生ですが、今回もやってくれました(笑)元暴力団の御曹子と、その御曹子の付き人であり、喧嘩の師匠でもある青年とのお話です。主人公は、青年が好きで、そのあまりに彼を思い一人でイタしているところを、盗聴され、おどされて下僕になるように言われてしまいます。青年に発覚するのを恐れるあまりに言いなりになる彼ですが…。

いや、最初は「下僕」とかいい感じのしない単語があったのもあって「あれ?高崎先生らしくないなあ」と思ってたんですが、やっぱり高崎先生は高崎先生でした(笑)実は付き人の青年も、主人公を想っていて、あっという間に相棒兼恋人に早変わり〜(笑)その後は相変わらずなナイスコンビネーションのアクションものでした。脇キャラの変態医師(爆)もいい味だしてて好きだなあ〜。割れ鍋にとじ蓋な2人を楽しんで下さい。今までの高崎先生の作品が好きな方は絶対大丈夫(^-^)v

私的評価 ☆☆☆☆
(大切な人をまもるためなら、正義でなくとも勝てば官軍(笑)信じあえる2人がけっこう好きです。ラストのオチもナイスでした(笑))


2001年03月26日(月)   課外授業のその後で

    キャラ文庫  池戸裕子:作  史堂櫂:絵

キャラセレクションに掲載された、新米の高校教師と、その同僚とのお話と、その続編書きおろしです。主人公は新任の高校教師。ハンサムですが、外見のクールさと裏腹にけっこう熱血タイプです。新任の際に指導教員でもあった先輩教師が気になっていて、2人で語らう時間をいつしか大切に思うようになった主人公ですが…。

雑誌掲載の時は、私はてっきり生徒とくっつくもんだと思ってたので、正直どんでん返しを受けた気分でした(苦笑)が、今回続編を読んでなんだか納得。こう続くのなら、この人でなければいけなかったのも判るなあと。理想と現実との妥協点を2人で見つけだした感じの作品でした。頭で考えている理想像があり、それを知っているから余計に2人ともが臆病になってしまっていたんですね。現実にもこういうことって良くあると思うんですが、最後にその理想を破棄して、2人で作り上げるための第一歩を踏み出せたのを読んで、なんだかホッとしてしまいました。

私的評価 ☆☆☆★
(理想と現実の差って結構ありますからね(^^; そしてそれによって壊れることに臆病になるのも、すごく判るので…、続編はとくに共感した作品でした。)


2001年03月26日(月)   この世の果て

    キャラ文庫  五百香ノエル:作  金ひかる:絵

GENEシリ−ズの5冊目ですね。ようやく、主人公イリとお相手ヤンアーチェがお互いを腕の中に抱き締めることができた巻です。前巻にて、チャンシャン王であり、イリの所有者であった兄タオホンを手にかけたヤンアーチェですが、彼の中にはイリへの執着と、その執着ゆえに自分の行為を正当化できず苦しむ葛藤とが色濃く存在し、苦しみ続けています。

ようやく、1巻の冒頭のシーンまできましたね〜。長かったけど、待ち望んでいたシーンで、嬉しくもありました。ヤンアーチェを救うべく、側近たちが動き、ヤンアーチェは薬を盛られて、イリと同衾します。そこで初めてお互いが、お互いを欲していたのだと知り、愛を知る2人ですが…でも、これが「薬のせい」であり、「周りの思惑の通り」であることを考えても、次巻以降も、彼らにとってつらい日々は続くかもしれないなあ(^^; 早く、お互いが寄り添って、支えあって生きられる日が来るといいなと思いました。

私的評価 ☆☆☆☆★
(本当は幸せなシーンなのだと思いたいけど、でもどうにも刹那的な印象を拭えなかったのも事実。今後のヤンアーチェの変化が気になります。)


2001年03月26日(月)   箱の中のヒミツ

   ダリアノベルズ   鹿住槇:作  今市子:絵

ここのところ発刊ペースが早いですね(^^; 鹿住先生の初ダリアノベルズは全編書きおろし。タイムカプセルをうめようとした高校生が、桜の木の下で見つけたのは、ふるい箱。その中をいけないと思いつつ見た主人公は、血のついたハンカチや、ふるいチョコレート、そして「殺してしまうしかない」と書かれた物騒な手紙を見つけます。どうしても気になって、「殺してしまうしかない」と書かれた相手をさがし出そうとしますが…。

ある意味一途で、正直で、嘘がつけない(笑)鹿住先生の主人公の典型タイプでもありますね。ちょっと苦手項目な「無理矢理」だったのが私的には残念なんですが、それでも感情移入しやすく、ハラハラしながら読みすすめる一面もあり、読みごたえはありました。あれですね、「好奇心、猫を殺す」って言いますが、まさにそんな感じのお話でした。

私的評価 ☆☆☆★
(好奇心旺盛すぎて、ハラハラしちゃいますよ、ほんとに(^^; なんでそこでそう動くかな〜(^^; 読んでいて気が気じゃなかったですわ(^^;)


2001年03月17日(土)   ファントム・ペイン

   エクリプスロマンス  久能千明:作  沖麻実也:絵

当初は12月末予定でしたが、随分ずれこんで、それでも無事発売されました(^^)人気シリーズ青の軌跡の8冊目(6シリーズ目)にあたります。もちろん全編書きおろしです。前々作「バロックパール」にて記憶が退行し、最もカイが嫌悪していた時代「イシス」になってしまった事件は、一見何ごともなく過ぎたかに見えたのですが、やはり確実に歪みは存在し、自分の中にあるイシスの痕跡を不審に思ったカイに、イシスであったということがばれてしまいますが…。

正直、これほどに過剰な反応をカイが示すとは思っていなかったので、私が思っていた以上の嫌悪と葛藤、自己否定をカイは持っていたんだなあと、切なくもありました。なんでもっと楽に生きられないんだろう。彼のある意味不器用な生き方は、それでもきっと変わらないんだろうなあ。似ていないようでいて、似ている双子たちも、今後のカイも、これからどういう風にかかわりあっていくのか…、読み終えてまたすぐに「次はどうなるの?!」と、次巻を切望してしまいました(^^; ううむ、これも罠?(笑)早く、カイの思惑が知りたいです。

私的評価 ☆☆☆☆★
(待っていただけに、問題の解決と、また同じぐらいの問題の提示にジレンマ(^^; わーん、気になってしょうがないよぅ(T_T) クライマックスが近いようですが、全く想像がつかないです。どうなるんだ一体。)


2001年03月15日(木)   スキャンダル・ステージ

    ビーボーイノベルズ  鹿住槇:作  蓮川愛:絵

待ってました(^^)久しぶりの「ピンスポット」シリーズですね。小説b-Boyに掲載された表題作「スキャンダルステージ」(連載でしたね)と、書きおろしで「誰も知らない杉本樹」が収録されています。杉本を慕うあまりに、だんだん事務所の思惑からはずれてきた片平ですが、とうとう生放送のテレビで、予定と反することをしてしまって、事務所は片平潰しに乗り出してしまいます。自分の力の無さを痛感し、絶望した片平は、ロケ地から姿を消し、失踪してしまいますが…。

そういえば、これのラスト近くで、片平が漁師の格好をしているイラストがあって、これが妙に賛否両論(笑)を生んでいたなあ。私は、わりとこういうの好きなんですけどね。自然と関わる事で癒されたり学んだりする事は多いと思うし。杉本に近付きたい一念で頑張ってきた彼ですが、ここらあたりから、ちょっとスタンスが変わってくるのかなあと思います。今、小説b-Boyで、復帰の話が掲載されています。どれだけ大人になった彼がでてくるのか、すごく楽しみです。

私的評価 ☆☆☆☆☆
(…しまった、片平ファンだってばれてる(笑)<私 いや、だって可愛いじゃないですか。一生懸命で(^o^))


2001年03月15日(木)   高慢な天使と紳士な野蛮人

    ビーボーイノベルズ  ふゆの仁子:作 やまねあやの:絵

てっきり小説b-Boyに掲載された「ろくでなし」シリーズが、タイトルだけ変わったんだと思い込んで購入したんですが、そうではなくて、ろくでなしシリーズの中にでてきた合法カジノの経営者のお話で、全編書きおろしでした(^^; 主人公は、やたら強運の持ち主の一族の一員として生まれ、財産と美貌を兼ね備えた青年。合法カジノの裏で、まさにラスベガス顔負けの違法カジノも経営しています。片腕の部下が雇ってきたディーラーは、実は青年の初めての相手で、青年は忘れられなかった彼が気になって…。

「ろくでなし」シリーズでは敵役みたいな役柄だったキャラが主人公だったので、びっくりでした。強烈な誘い受けタイプ(笑)ですが、どうもダイモン(お相手キャラですね)にはかなわないらしい(笑)遊んでそうに見えて一途なんでしょうか(^^;<主人公 きらびやかな、そして退廃の匂いのする世界のお話でした。…が、どうももっと素直に一途なキャラの方が好みならしくて(^^;<私>あんまりキャラに感情移入できなかったなあ…。

私的評価 ☆☆☆
(今後ろくでなしシリーズも、ノベルズ化予定とのことです。)


2001年03月15日(木)   ロンドンより愛をこめて

   リーフノベルズ  森本あき:作  みなみ遥:絵

今月2冊めの森本さんの本です。なんと舞台は英国ロンドン(^^; 時代はちょうど昭和初期ごろのお話です。主人公は貿易会社の御曹子。…ですが非常に庶民的な育ちをしていて、昆虫学者になるのが夢です。でもいきなり父親に「イギリスへ行く」と船に乗せられ、よく聞いてみれば後を継ぐためにイギリスへ行くのだと知って悲しみにくれます。そんな時、船上で出会ったのは美形の青年で、主人公はいきなりキスされてしまいます。そして、イギリスについた主人公が父の留守に出かけて、青年の店の前を通った時、いきなり馬に乗った怪盗があらわれて高価な物を奪って行きます。風のイタズラで怪盗の顔を目撃した主人公は、そのまま連れ去られてしまいますが…。

いやあ、もう、設定からしてツッコミどころ満載(笑) でも「いいか、ファンタジーだし」とか思えるのは、森本さんの作風だなと思います。いくらなんでもそんなに派手に誘拐したら、探すだろう(^^;とか思いつつ、でもなんだか憎めない怪盗がけっこう好きかも。自信過剰なタイプに見えて、実は心配り万全ってあたりが好みです。主人公も、「おいもっと悩め(^^;」と思う…けど、でも前向きで可愛いからいいや(笑)ポイントは「前向きで一生懸命」なところかな(笑)もっちろん、ラブラブ度は相当なもんです。Hシーン多いんだもの(^^; でもエロじゃなくてラブなあたりがいいんだろうな、自分的には。

私的評価 ☆☆☆★
(2冊続けて読んでみて、私は森本さんの作品の「前向きで、らぶらぶ」なところが好きなんだな−と痛感しました(笑) たまにはいいのさ、こういうラブラブも(笑))


2001年03月15日(木)   いちごとブルーベリー

   リーフノベルズ  姫野百合:作  起家一子:絵

姫野さんの初リーフノベルズですね。主人公は正義感溢れる高校生。いつも可愛い幼馴染みの同級生を庇って守っています。ある日、その幼馴染みにアリバイ作りを頼まれ、疑問を抱きながらも指定された高級料亭に行ってみたところ、そこには有名俳優がいてびっくり。驚きつつも先に退室して俳優の秘書である青年に送ってもらいますが、ひょんなことから、この青年にセクハラまがいなことをされてしまいます。最初は戸惑っていた主人公ですが…。

強引系といえば強引系なお話ですね(^^; 最初が無理矢理ではあるから。最初主人公が攻キャラだと思ってたので、どんどん受キャラに変化していくのに違和感があったんですが(苦笑)なんか最後あたりは立派な受キャラになってて(笑)まあいいかな〜って。いや、過虐心を煽るタイプとはいえ、でも「好きだ」ぐらいちゃんと言ってあげて下さい、攻キャラの青年。自失してる状態で言うんじゃ言ってないのと一緒だよぅ(^^; でもまんまと罠にはまってしまう(笑)単純でちょっとずれてる主人公は、可愛くて笑えました。

私的評価 ☆☆☆
(コメディとまでは言いませんが、シリアスではないので(笑)軽く読めます。これで強引系でなければ、もっとツボにはまったかもしれないなあ。)


2001年03月09日(金)   恋愛遺伝子

   アイスノベルズ  高月まつり:作  みささぎ楓李:絵

高月先生の久しぶりのシリアス本です。なんと親父受け(^^;おまけに(確証はないものの)近親相姦本です。…なんて書くと、すっごいハードなお話のようですが、読めばさほどでもありません(笑)もともとオヤジ受けのアンソロジーに書かれた作品ですが、大幅加筆訂正されて、今回ノベルズ化されたそうです。主人公は、広告代理店に勤める真面目でやり手なサラリーマン。実は高校時代につき合っていた彼女が妙な性癖を持っていて(^^;いろいろ開発されてたりもして(^^; どうも恋愛ができずにそのまま独身を続けています。ある日家の前に怪しい青年が現れ、話を聞いてみると「僕はあなたの息子だ」と名乗りますが…。

パラパラっとだけ読んだことがあったのかな、しっかり読んだ覚えはないけど、なんとなく話の筋は覚えています。自分の子供と寝ているかもしれないという背徳心と、それでも彼しか選べない独占欲が入り交じった…という感じのお話でした。ハードなネタがお好きな方には物足りないエンディングかもしれませんし、ネタ自体がちょっと刹那的というか、「ラブラブ」という感じではないので、読む人を選ぶかもしれませんね(^^; 私も近親相姦はあまり好きではなくて、お話はいいかなあと思っても、ちょっと自分の中での好き度合は低いかなあ。

私的評価 ☆☆★
(まあ、もう趣味のあたりの問題ですよね、これは。さすが高月さんというか、苦手でもじっくり読めるんですよ。だから、こういうテーマが平気な方は絶対大丈夫だと思う。)


2001年03月09日(金)   雲の形が変わる前に

   ショコラノベルズ  火崎勇:作  暮越咲耶:絵

雑誌小説ショコラに掲載された表題作「雲の形が変わる前に」と続編書き下ろしの「幸せの形をみつけるために」の2編が収録されています。高校時代の親友同士の再会を描いたお話です。主人公は元気印なサラリーマン。小さい広告代理店の営業をしています。初めて大きな仕事をまかされたのですが、相手の会社(酒造会社)の担当が変わると聞かされ、挨拶に訪れます。その挨拶の席で紹介されたのは、高校時代に自分が告白して無視されて以降、疎遠になっていた親友で…。

雑誌掲載の時にも楽しく読んだ作品でした。今月、もう1つの作品がキツかったのもあって、これを読んでなんだかホッとしました。元気でめげない受キャラと、その強さに救われる攻キャラがナイスコンビです。あ、そういえば、これとか、今月の雑誌掲載の作品とかいくつかに共通なシーンがあって、思わず笑ってしまいました。どこかというとね、「飲み物使って濡らす(爆)」んですねこれが(笑)この作品はビールだったけど、他でコーヒーってのも見たな(笑)マイブームなんでしょうか…。

私的評価 ☆☆☆☆
(ほんとに読んでいても、「いいな」と思えるカップルでした。いつまでもいきいきしてるんだろうなあ(^^)オススメです。)


2001年03月09日(金)   闇桜

   ショコラノベルズ  春原いずみ:作  森口ユリヤ:絵

小説ショコラに掲載された法医学教室に勤める主人公と、御相手のバーテンダーのお話「闇桜」と、書きおろしで、「闇桜」の主人公の兄である検死官と、弟が勤める法医学教室の助教授の青年とを描いた「ブラディ・メアリをもう一杯」が収録されています。雑誌掲載時に、好きな作品でしたし、兄も気になってたので、ノベルズ化&書きおろしがとても嬉しかったです。ある偶然から、小さな店を訪れた主人公はバーテンダーと言葉を交わし、彼が気になって通うようになります。そんな時、司法解剖で変死体を解剖し、それが自分が訪れていた店の常連であったことに気付いた主人公は…。

ちょっとミステリ風味なお話でしたね。雑誌掲載時に読んでいた分、「闇桜」のドキドキ感は薄かったものの、書きおろしの方がなんだか倍ドキドキしちゃいました(笑)ここ最近の作風に比べたら、少し(2年ほど)前に遡った感じで、懐かしい流れのお話でした(^^)「闇桜」も「ブラディ・メアリ〜」も、どちらも将来的にカップルになる2人の言葉遊びのようなやり取りがいいです。情緒があって、大人な雰囲気のお話でした。

私的評価 ☆☆☆☆★
(しかし…時系列は「ブラディ・メアリ〜」の方が早いのかな?「闇桜」の時はもう兄と助教授はカップルだったはず(笑)そう思って読むと「闇桜」を倍楽しめるかも(笑))


2001年03月08日(木)   恋を教えて

    ラキアノベルズ  葉澄梢子:作  えのもと椿:絵

従兄思いな高校生と、従兄の元彼で高校の臨時講師な青年とのお話です。主人公は、私立高校のピアノ科に通う美人な高校生。彼が大いに影響を受けたのが、現在彼のピアノの先生でもある従兄でした。従兄は同じ高校のOBでもあり、高校時代に付き合っていた美術科の生徒とは卒業と同時に別れをつげています。そのいきさつを聞いて知っていた主人公は、臨時講師としてあらわれたその元彼の青年と偶然言葉を交わす事になって…。

うう、説明ヘタでごめんなさい。最初は「従兄を泣かせたひどい奴」だったのが時を追うごとに「大切な人」に変わっていくあたりはけっこうツボでした。視点が攻キャラ(元彼ね(^^;)からのものもあって、「従兄と主人公との共通点」から段々主人公に注目しだすんですよね。ドキドキしてしまいました。ラストでは、主人公の健気さ加減が可愛いです。ちょっとラストシーンが全体的に急ぎ足っぽかったのが残念だったかなあ。もっとじっくりと会話をしてほしかったかも。

私的評価 ☆☆☆★
(穏やかなお話でした。久しぶりに会って、きちんと自分の中での決着をつける過去の恋人たちもいい感じ。)


2001年03月08日(木)   お姫様に乾杯!

    ラキアノベルズ  森本あき:作  蔵王大志:絵

森本さんは久しぶりのラキアですね。相変わらず甘々らぶらぶなお話でした。主人公は可愛いとしか形容しようがない(笑)男子高校生。可愛いといわれるのがいやで、言われるとつっかかって怒ったりする元気印の少年です。女装なんかもっての他といつも嫌がってきた彼ですが、文化祭のクラスの出し物で映画を取ることに決まり、役をきめる時に惰眠をむさぼってしまっていたがために、「ヒロイン役」になってしまいます。でも、相手役がずっと気になってて好きだったクラスメイトだと聞いて、ヒロイン役を承諾しますが…。

いやあ、単純なクラスメイトも、ノリがよくて友だち思いな映画研究会の所属メンバーも(笑)みーんなまとめて「可愛い」(笑) いや、もちろん「それでいいんかい」な突っ込み所は満載なんですが(なちゅらるに「みんなの前でキス」とか「祝・脱処女の垂れ幕を出す」とか(爆))なんかもう、可愛いからいいかー(^^;という感じ(笑)大事なのは、言葉を惜しまないところかなと思いつつ。ラブラブ好きな方はどうぞ。あ、でも「ちょっとぐらい悩め」って思うタイプの人は御注意を(笑)

私的評価 ☆☆☆★
(最初の話と、初H編(笑)とでの、攻キャラの落差が激しくて笑えます。高校生のくせに、あんたやることオヤジすぎ(笑))


2001年03月08日(木)   何度でもおしえて

    ラキアノベルズ  坂井朱生:作  花吹雪桜子:絵

小説ラキア本誌連続2号分と連動の商店街シリーズです。全編書き下ろしになります。小説ラキアの方で脇キャラとして出てきたアヤシゲな薬剤師狗飼と、お相手拓実のお話です。拓実は、可愛がられて育ったものの家庭の事情等もあり、温もりを恋しがってはいますが、いじっぱりでもあり(笑)なかなか一筋縄ではいきません。そんな彼が、先輩に連れられて訪れた店で、偶然出会った男狗飼は、これまた一筋縄ではいかないタイプで…(爆)

いじっぱり拓実が可愛い(笑)いじっぱりなくせに、墓穴掘りだったりもして、読んでいて「ふふふ」と狗飼モードになっておりました(爆)狗飼氏も、蓋を開けてみれば随分独占欲が強いですな…(笑)でも薬は使ったらダメでしょう薬は(笑)案外プラシボ(偽薬ですな、たんなるビタミン剤とかね(笑))だったりするんじゃないかと、思ったりもしました。だって、暗示にかかりやすそうなんだもん、拓実ってば。

私的評価 ☆☆☆☆★
(小説ラキア15号に、この話から1年後の彼等が脇キャラで出てきます。これを読んでから読み返すと、けっこう笑えます(笑))


2001年03月07日(水)   手の中の願い

    GUSTコミックス  りぎあ・もーりす:絵

雑誌GUSTに連載されていた、ちょっとオカルトチック(?)なお話です。主人公は、普通の可愛い(笑)高校生の八樹。小学生の時に「人間に寄生する不思議な生物」真名白を拾って(?)それ以来2人は共存して暮らしています。ついでに真名白の能力を使って、失せもの探しもしたりしています。ある日、失せもの探しを終えた彼等の前にあらわれたのは、真名白と同じ寄生する生物で…。

ネタ自体は、触手系でもあるので、けっこうえげつないんですが(苦笑)わりと淡白な絵柄と柔らかい表情で、それを補っているというか、少々えげつなくても、読めてしまいます。そしてなにより、八樹と真名白の絆の深さにちょっと感動しちゃいます〜。厳密に言えば恋愛ものなのかどうかも判断に苦しむような感じだけど、Hがなくとも「二人をつなぐ愛(絆)」はそこに確かにある…、そんなお話でした。ラストシーンはちょっと感動ものです(^^)

私的評価 ☆☆☆☆★
(時々あるギャグ系な小さいコマや、八樹の子供時代のらぶりーさ加減もポイント(笑)です。)


2001年03月05日(月)   嘘を見つけて

  オヴィスノベルズ   火崎勇:作  西村しゅうこ:絵

サラリーマンもののお話です。主人公は、引っ込み思案で寡黙なタイプ。ずっと友人としてつき合っていた女性がいましたが、彼女は
「恋人」のつもりだったらしく(苦笑)ハデに振られてしまいます。おまけにその現場を、同僚でチャランポランを地でいくようなタイプの男に見られてしまいますが…。

うーん、なんだかちょっと痛かったというのが読了後の感想かなあ。主人公が気弱すぎるのと、攻めキャラであるチャランポランな同僚が強引すぎて(^^;ちょっと引いてしまいました。「苦手」が「気になる」になって「好き」に変わる…というのは判らないでもないんですが、ちょっと幸せ気分には程遠くて(^^; やっぱり無理矢理系(それも強姦モノ(^^;)はほんとに苦手なんだなあと痛感。いくらその後幸せになったとしても、ちょっと馴染めないらしいです。

私的評価 ☆☆★
(まあ、個人の趣味ですけどねえ…。私はこういう本を読む時は、幸せをもらいたいのかな、と思ったり。)


2001年03月02日(金)   オンディーヌの囁き

    コバルト文庫   藤堂夏央:作  氷栗優:絵

医学部に通うクールビューティーな大学生と、史学部に所属する刑事志望の純朴(笑)な恋人(?)とのお話です。前作が人気だったようで、続編で登場です。未来編として、コバルト本誌に「夏の災厄」も掲載されてましたね。今回は全て書きおろしのようです。主人公たちは、前作にて大金を手にしたこともあり、寮を出て同居生活(同棲生活?)を始めますが、なかなか円満(笑)にはいかず…。

ネタバレだと面白くないんで、謎とき…というか核心の部分は触れませんね。ただ、医療(というか法医学)の部分を語りたかったのだろうけど、前置きと、さらに余分な所が沢山ありすぎて、一番重要であろう部分が希薄な感じ(実際あっという間に終わっちゃうし(^^;)がして残念だったなあ。あと解決方法もね(^^; やっぱりやったらいかんものは絶対やったらだめでしょう(^^; それは、法に触れる云々ではなく倫理の問題で(^^; いくら帰りたい気持ちが勝っても、そこで倫理上の問題に触れずにどうにかする方法はなかったものかと、なんだかこ難しいことを考えてしまいました(^^; 過敏すぎますかねえ…。

私的評価 ☆☆☆
(まあ、言い出すとキリがないことだし、他の事ならここまで気にしないとは思うんですが。医療関連は、家族が従事してるだけにちょっと敏感だな、ワタシも(^^;)


2001年03月02日(金)   龍は恋い恋う

    コバルト文庫   真堂樹:作  浅見侑:絵

どうなることやら、ハラハラどきどきな四龍島シリーズ、いよいよ大詰めを迎え、とうとう今回は本土へ殴り込み(笑)直談判という荒技に出た白龍と飛(笑)どうやら本編は次巻にてラストのようですね。前半は親子の情に、後半はマクシムと飛のラブラブっぷりに釘付け(おい)な作品でした。

ようやく親子3人揃ったはずのシーンなのに、なぜこんなに切ないんだろう…と前半は正直ウルウルしてしまいました(T_T) もっと楽に生きられたらよかったのに、みんな。そして、その後のラブラブ密着ぶりには思わず笑ってしまいました。このギャップがたまらん(笑)さて、次巻でどう収集がつくのか(だってまだ飛ってば小黒龍だしさ(^^;)次は5月発売(実売4月末)なので、そんなには待たないし、楽しみです。

私的評価 ☆☆☆★
(長いシリーズですよね。早く終わりが見たいような、まだ終わってほしくないような、すごいジレンマがあります…。)


2001年03月02日(金)   童子切奇談

  X文庫ホワイトハート  椹野道流:作  あかま日砂紀:絵

えへへ(^^)待ってました奇談シリーズ最新刊!今回は、知らなかったんですが(笑)1部終了後、2部までの閑話休題っぽいお話らしいです。といってももちろん立派に本編なんですが。土蜘蛛奇談にて登場したあの平安時代での敏生の恩人、元佑さんがなぜか現代にやってきてしまいます。鬼を追っていて、現代との通路になっている井戸に落ちてしまったからなのですが、テレビで元佑さんが来ている事を知った敏生と天本さんは、早速助けるために京都へと向かいますが…。

もー、めちゃめちゃ堪能しました!ワクワクどきどき、ホントに目が離せなくて、一気に読んでしまいました〜。元佑さんと龍村さんとのうり双子なネタにも大笑いしましたし、元佑さんと天本さんとの、「愛の変化」を語るシーンなんかもしみじみしてしまいました。そしてなによりラストシーンがもうもう〜!めちゃめちゃラブラブ!無事元佑さんを平安時代へ送り、そして2人ですごすシーンはとっても愛情に満ちていて、読んでいて幸せになっちゃいました。次は初夏ぐらいかなあ?次からは、また試練や大変なことが待ち構えてるようなのですが、相変わらずな彼らでいて欲しいです。

私的評価 ☆☆☆☆☆
(小一郎は妖魔だったんだなあと、改めて思った…というか普段は忘れてました…お話でもありました(笑) キャラ全員に確かにあるいろんな「愛」を受け取って、読む方も幸せになれる、そんな1冊でした。)


2001年03月01日(木)   恋じゃなきゃいけない

    パレット文庫   鹿住槇:作  麻々原絵里依:絵

恋じゃなくてもいいシリーズの第3巻。最終巻になります。今までがちょっと謎ときっぽいお話だったのから考えると数段ラブラブ(笑)になっている感じの最終巻でした。主人公はちょっと複雑な家庭環境をもつ高校生。有名女優が戸籍上は姉になっていますが、本当はお母さんだったりします。そんな彼の恋人は、通っている学園の次期理事長な御曹子。ある日主人公は、「学園が経営難になっている」という噂を耳にし、鵜呑みにしてしまって、宣伝効果があれば、とCMに出ることを承諾してしまいますが…。

オバカだなあ(^^;と思いつつ、そんなオコサマなところが可愛い主人公です(笑)恋人との仲が母親にばれたりもしますし、大変なんですが、「好きだ」という気持ちだけは揺らがないですね。自信を無くした挙げ句にいろいろやってしまうけど、それでもなんだか健気な主人公でした。案外小悪魔かもなーと、振り回されてるっぽい恋人に少々同情も…(笑)脇キャラの養護の先生の恋路も素敵♪私この養護の先生一押し〜。

私的評価 ☆☆☆★
(…またも脇キャラ好きを暴露してますな(^^; 3冊並べてどうぞ。)


2001年03月01日(木)   壬生狼伝

    パレット文庫   秋月こお:作  ほたか乱:絵

秋月先生の新シリーズは、またもや時代物。それも「新撰組」のお話です。主人公は、三河の国から、壬生狼(新撰組のこと)に憧れて、京へと家出してきた美少年(笑)京都に入ってすぐに、不思議な剣士に出会います。その人に壬生狼のことを聞いても「知らない」と言われますが、他の人に聞いてやっと辿り着いたそこには、「知らない」と言ったはずのその剣士がいて、その剣士こそがかの有名な沖田総司で…。

ネタとしては、こんなによく使われたモノはないんじゃないか、というぐらいに有名な新撰組ものですが、テンポがいいので、すいすい読めます。厳密に考えるなら歴史にそぐわないシーンもあるのかもしれないけど、まあそれは「ファンタジー」と思いましょう(笑)歴史を気にせず読める人なら絶対大丈夫。…しかし…、ラストのラブシーンはちょっと余計だった気もしないでもないんですよね。主人公と、沖田は恋仲であるというよりも師弟関係の方がしっくりくるような……というか私の中での沖田のイメージが受なのかもしれない(自爆)

私的評価 ☆☆☆☆
(今後もシリーズとして続くようなんですが、どうにも2巻以降に、新たな(それも男っぽい(笑))キャラが出てきそうな…(先入観ありすぎ?))