2001年4月のレビュー

 


2001年04月27日(金)   逃がさない

   SHYノベルズ   渡海奈穂:作  高星麻子:絵

学園もののお話です。主人公は、苦労性なバスケ部の副部長。破天荒でワガママで、困ったちゃん(笑)な部長に振り回されまくる毎日を送っています。なにかと言えば絡んでくる部長が、それでも憎めなくて、フォローを続けていますが…。

主人公が、ちょっとボケたところがあるので(笑)回りと読者は判っていることなのに、主人公だけが判ってない(笑)のがおかしい〜。部長も、ある意味必死なのだろうとは思いつつも、素直じゃないから余計話がややこしくなってたりして(苦笑)わりとテンポはいいんですが、ちょっとしつこいかな(^^; あ、ちなみに当て馬な先輩ヒナちゃんが私は好きだ(笑)っつーか、主人公、なんでヒナ先輩を選ばんのだ…(爆)

私的評価 ☆☆☆
(やっぱ人間素直が一番だよ〜(笑)と読み終えて思いました。いじっぱり2人が、でもけっこう割れ鍋にとじ蓋(笑))


2001年04月27日(金)   コーセルテルの竜術士 1

   クリムゾンコミックス    石動あゆま:絵

ふと本屋でみかけて、可愛らしさにまけて購入してしまいました(笑) 多分、雑誌「クリムゾン」に掲載されています、ファンタジーもののお話で、ふつうのマンガです。主人公は竜術士と呼ばれる竜使い。火竜、水竜などのいろんな力を持つ竜たちを育て、その力をあやつることができるのですが、ある意味竜たちのベビーシッター兼家庭教師みたいなもので(笑)チビ竜たちの面倒を見て育てるのが仕事です。そんな竜術士が7頭のチビ竜たちと共に繰り広げる、さまざまなお話が収録されています。

なにが可愛かったって、チビ竜たちがめっちゃめちゃラブリーなんですよ〜。とくに私が好きなのは、暗竜のナータ!三白眼がらぶりー(笑)こういう時に可愛いもの好きなのね、私(^^;と痛感してしまいますね(笑)

私的評価 ☆☆☆☆
(仕種とか、お話のほのぼのさ加減が可愛いです。よかったら読んでみてね。)


2001年04月27日(金)   ストレートに好きと言って

   ラピス文庫   由比まき:作  起家一子:絵

野球部を退部した、控えの投手だった高校生と、その高校生が子供のころに参加していたリトルリーグの現監督とのお話です。主人公は、野球部のエースに憧れていて、身体の関係を持ってしまいますが、手酷く裏切られてしまい、野球部を退部し、怠惰にすごしています。ある日、自分の参加していたリトルリーグの練習を見かけた主人公は、野球が好きだと痛感し、参加したくなります。そんな彼に声をかけたのが現監督の青年。段々2人の距離は縮まりますが…。

ツメが甘いというか、ツッコミ所はたくさんありますが(苦笑)でもまあ、健気な主人公は、けっこう好きかも。セクハラな台詞を吐きつつも、暖かく見守る大人なお相手も好きですね。…これでHシーンがこんなに多くなければより好みなんですが(苦笑)まあ、しょうがないですか、ラピスだし(爆)ほのぼの可愛いところもあります。

私的評価 ☆☆☆
(しかし…、「野球部辞めて髪が伸びた」という記述を見て、思わず坊主頭同士の絡みを想像してしまった私…(爆))


2001年04月27日(金)   やさしい竜の殺し方 1&2

   スニーカー文庫   津守時生:作  橘水樹&櫻林子:絵

スニーカーノベルズより発売されておりました、竜シリーズを、文庫版にて再発行されました。ノベルズ版の1巻を、2冊分冊しての刊行になります。ファンタジーな世界観のお話で、幻獣狩りのために集められた聖騎士や剣士、魔術士などの最強パーティが繰り広げる、愛と勇気と笑いと涙の大スペクタクル活劇(笑)です。

そう大きく加筆訂正があるわけではないようですが、イラストが変わられているので、随分とイメージが変わっています。とっつきやすいのは、文庫の方だと思いますが、昔ながらのファンには違和感もあるみたいですね〜。でも、この勢いとおもしろさと、そして感動は、変わらないので、手軽に読める文庫版も、ぜひお試しくださいね(^^)

私的評価 ☆☆☆☆★
(のこりの2、3巻(ノベルズ版)は、3〜5巻として、今後発売予定。文庫では全5巻になるそうです。)


2001年04月27日(金)   龍は薫風を翔る

   コバルト文庫   真堂樹:作  浅見侑:絵

四龍島シリーズの、最終巻になります。前作にて本土との争いに一件落着を見た四龍島ですが、まだ飛は白龍市には戻らず、黒龍市にて事後処理に追われ、次期黒龍として采配を振るいます。しかし、やはり「戻りたい」という気持ちには勝つことができず…。

いやあ、こう来たか(笑)と言う感じですね。すっかり公認の仲になっちゃって(苦笑)<飛とマクマク>いや、面白いんだけど(笑) 途中、戻ってくる気になる最大の山場なんかもう、「4市すべてで、2人がおさまるところにおさまるように画策してる」(笑)感じで思わず笑ってしまいました。すっかり性格変わっちゃって(笑)いい嫁になりそうです(笑)

私的評価 ☆☆☆★
(なにはともあれ、ハッピーエンドでよかったよかった。おめでとう飛(笑))


2001年04月27日(金)   ささやかなジェラシー

   キャラ文庫  桜木知沙子:作  ビリー高橋:絵

キャラセレクションに掲載された高校生もののお話と、その続編書き下ろしです。主人公はちょっと冷ややかな感じのする美人な高校生。優等生で、ちょっと声をかけにくい雰囲気を持っています。その主人公にやたらなついている後輩がいるのですが、実はこの後輩は、主人公に告白していて、2人は「お試し期間」の最中だったりしますが…。

うん、なんだか桜木さんらしい話でしたねえ。完璧そうに見えるけど、実はすごく不器用な主人公の、心の迷いや悩みが、良く判りました。ただ、ちょっと残念かなあ…というのが、妹とのエピソード。ふつうは、兄に恋人は譲らないと思うのは、私が頭固いんでしょうかねえ〜。これが、掲載時のお話のキーポイントなだけに、なんだかもうちょっとなんとかならんかったのかなあ〜と(^^; 思ったりしました。確かにいい子なのは認めるけど、こういうふうに深くかかわり合ったりはしない方が好みかなあと。

私的評価 ☆☆☆
(いくら妹公認でも、妹にHの心配までされるってのはどうだろう(^^; )


2001年04月27日(金)   熱視線

   キャラ文庫  篠稲穂:作  夏乃あゆみ:絵

同人誌でかかれていたシリーズを、加筆訂正して文庫化されました。高校生のサッカー部の先輩と後輩のお話。エースストライカーの先輩に可愛がられていた主人公ですが、ある日、先輩に告白されてしまいます。が、本気だとは思わず、また返事を迷っている間に、すっかり先輩は煮詰まってしまい(苦笑)なんとレイプされてしまいます。主人公は、どうしていいか判らず思い悩みますが、でも、だんだんと先輩の気持ちにほだされてきて…。

うーん?(^^; なんだか消化不良な感じのお話でした。まず、はじまりが「一方的な(苦笑)愛がある」とはいえ、無理矢理であること、にも関わらず、主人公は相手に惚れるんですよね。おまけにその後卒業してから後の話もかかれているんですが、これがまたワガママすぎ(^^;<先輩>主人公をある程度良識的な存在としてかかれているから余計に鼻につくんですね。途中で主人公がたまらなくなって言う「みんなあなたほど自信を持って行動できるわけじゃない」って言葉が、まさに全般にあてはまった感じ(^^; ちょっと好みじゃなかったですね。

私的評価 ☆★
(作者ご本人も、随分お気に入りのキャラのようですが(苦笑) ごめんなさいなのだけど、私には理解しがたいキャラでした(^^;)


2001年04月27日(金)   blue −海より蒼い−

   キャラ文庫  染井吉乃:作  夢花李:絵

ひさしぶりの染井先生の新刊は、キャラセレクションに掲載された、夏の海の恋を描いたお話と、その続編書き下ろしです。引っ込み思案で、とってもシャイな主人公真咲と、海でライフセーバーの仕事をしている、長髪の青年ヒロとの、爽やかな恋愛が描かれています。とっても色調が「青」な、タイトル通りの作品です。

大人しくて、ちょっと内向的な真咲の一人称なので、ちょっと最初はグルグル回ってしまっていますが、それでも芯のところでは、とっても強い真咲が可愛い。ヒロの度量の深さも、いいなあと思います。そしてなにより、とっても2人ともが「等身大な高校生」っぽくて、変に大人びたりせず、視野も、大人から見れば狭いけれど、精一杯生きてる感じで好感が持てました。あとね、真咲パパがめっちゃいい!素敵すぎます〜。気が付けば一押しキャラとなっておりました(笑)…ビジュアルが気になるわ〜(笑)

私的評価 ☆☆☆☆
(人に向ける「想い」というものを、改めて考えさせられた作品でした。とくに書き下ろしの方、ぜひ読んでみて下さい。)


2001年04月25日(水)   若旦那と愉快な仲間たち

   パレット文庫  たけうちりうと:作  今市子:絵

大正時代を舞台に繰り広げられる、大店の若旦那たちの、ちょっと探偵テイストなお話の第2弾です。前作でむつまじい恋人同士になった、酒屋の跡取りの楓と大工の若棟梁の祐太朗。そしてそれを取り巻く若旦那たちの次なる珍事件は…。

2章構成になっていますが、どちらも「ハナ」がテーマです。ただし、後の方の「ハナ」は塙ちゃんというキャラの名前のハナですが。とくに印象的だったのが、1章の方の「花」である桜の描写。部屋の中での花吹雪や、夜桜の描写に、思わずうっとりしてしまいました。風流という言葉そのまんまの印象の作品で、とっても和ませてもらいました。そして、みんなの中で愛され、かばわれつつ(笑)愛を育む2人も素敵です。ぜひ読んでみて下さいね。

私的評価 ☆☆☆☆☆
(しかし…、編集部が考えるんだろうけど、どうにも帯のアオリと、内容がそぐわなくてなあ(^^; Hが目的じゃないってばさ(^^;と思ってしまいます。帯で引いた人、安心して戻っておいで〜。)


2001年04月23日(月)   西洋骨董洋菓子店 2

   ウィングスコミックス    よしながふみ:絵

1巻を勧めていただいて、大笑いでお気に入りになった作品の2巻がようやく発売になりました。ウィングスに掲載されていますが、雑誌では読んでいないため、どれもはじめて読むんですがあまりのインパクトにくらくら倒れそうになってしまいました〜(大笑) いい男たちが揃っているケーキ屋「アンティーク」ですが、実はこの男たち全員一癖ある人ばかりで、魔性のホモはいるわ、体育会系はいるわホモ嫌いはいるわ…(笑)それだけでもおかしいんですが、さらに今度は天然なキャラが仲間入りして…。

いやあ、お腹がよじれそうでした〜(爆笑)なにがって、やっぱり「魔性のホモ」(笑) 君それは反則やろう!と突っ込みたくなるような雨の中のシーンは、思い出すだけで笑いが込み上げてきます(笑)実は、電車の中でうっかりこのシーンを読んでしまい、非常な窮地に陥りました(笑)笑い出すわけにもいかず、ニヤニヤもできず…。というわけで、1巻にもまして、このマンガは、家(しかも転げ回れる場所があるとなおよし)でゆっくりと読まれることをオススメしたいと思います。

私的評価 ☆☆☆☆☆
(もう、このおかしさは、文章では語れない…。ぜひとも読んでいただいて、このおかしさを共有していただければと思います(笑))


2001年04月19日(木)   Missing You

   GENKIノベルズ   高尾理一:作  緋色れーいち:絵

楽しみにしていた「ブレイクアウト」の続編です。ちょびっとだけですが発売がずれて、ようやく発売されました。…待ってたわ〜。近未来もので、前作「ブレイクアウト」で宇宙人トムと共存状態を保っている(笑)ジェイクと、その恋人エルンストという2人の刑事のお話です。すっかり馴染んだ3人(笑)ですが、今度は、エルンストの昔の友人が、捜査の途中で参考人として登場し、2人の中がぎくしゃくしてしまいますが…。

前作にくらべると、随分地味な(笑)展開なんですが、エルンストの弱点やジェイクの度量の深さなんかは、読んでいて楽しかったです。トムの存在もいい味だしてて、笑えます(笑)(脳内漫才やってるしね)地味とはいえ、テンポはいい方なんじゃないかと。ただ、もちろん続編なので、前作とあわせて読むことをお勧めします〜。

私的評価 ☆☆☆☆
(1作目の時は、まったく気付いてなかったんだけど、そうか、これってグーハー(判る人だけ判って(笑))だったんだ…と今回確信(笑)いや、おかげで声が想像できてヤバイです(笑))


2001年04月17日(火)   フェイクな関係

    花丸文庫  真船るのあ:作  蓮川愛:絵

真船先生と蓮川先生コンビですが、これはピカレスクシリーズではなくて全くの新シリーズ。なんとまたもや学園もの(笑)田舎から都会の学校へ入学したての美人な少年(笑)と、その彼のお付きみたいな存在で、まるで従者のごとく後ろに従い、世話を焼く幼馴染みとのお話です。喧嘩っぱやい主人公ですが、なにかとフォローしてくれる幼馴染みのおかげで無事に(笑)日々をすごしています。が、だんだん自分の中での幼馴染みの存在を自覚していくにつれて、反発心も出てきてしまい…。

ううーむ(^^; 真船先生、ほんとに作風変わりましたねえ…。まあ、それでもパレットの方よりはこちらの方が好みではあったんですが。なにぶん受の一人称で、おまけにキーポイントになる想い出や傷が出てくるのも中盤なもので(^^; 最初はやっぱり「…どこがいいんだ…」でした。最後まで読めばそうでもなかったんですが、とっつきにくかったかなあ。

私的評価 ☆☆☆★
(ここ最近、「猪突猛進ある意味天然なオバカ受」な作品が多いような気がするんですが(苦笑)若くないから、ちょっと辛いかも。大人なお話を希望したいです〜(^^;)


2001年04月17日(火)   オレたちの★ケモノ天国

    花丸文庫  嶋田まな海:作  こうじま奈月:絵

学園もののお話です。主人公は、出来のいい兄を持った元気なコザル(笑)の高校一年生。入学したてですが、彼には野望があります。それは、入学した学校の「総長」(まあいわゆる番長です(^^;)になること。周りにとめられつつ、総長に会いに行った主人公が出会ったのは、優しそうな優等生っぽい風貌で、でも実は一筋縄ではいかなくて…。

うーん、なんだかもう、学園総ホモ状態(笑)の典型みたいなお話でしたねえ。主人公が猪突猛進タイプで、周りがちっとも見えてないし(苦笑)総長は総長で、ねえ、このコザルのどこがいいの?(笑)と思う。ついでにちょっと総長、あんたセクハラしすぎ(大笑)というわけで、なんだか私には必然性が薄く感じられて馴染めなかったです。まあ、コメディだと言われればそうなんでしょうけど…、「いばら王子」とかのちょっとシリアス気味のお話の方が好きだなあ。

私的評価 ☆☆
(もう、若くないから(笑)落ち着いた受の方が好きです…)


2001年04月17日(火)   TOUGH! 4 ハートを撃ち抜け!

    ビーボーイノベルズ  岩本薫:作  赤坂RAM:絵

人気シリーズ「TOUGH!」の第4巻。オール書き下ろしで登場です。前作で、ようやく、身体をあわせた2人ですが、さて今回は、シンゴの妹(かつ、響の天敵(笑))が登場して、さらに事態はややこしくなります。そして、事件がおこる中でシンゴは響への気持ちを自覚していき…。

いやあ、やーっとここまで来ましたね(笑)待ってましたわ、ほんとに。あわや命に関わるような出来事を経て、ようやく自分の中で響がどういう存在であったのかを自覚したシンゴが、可愛い〜。その可愛いシンゴにすっかりメロメロになってる響もいいなあ(笑)ラスト近くのちょっと弱ってる響なんかもう、めちゃ私の好みですわ♪(えへ)シンゴだけしか見られない姿を、読者も見せてもらってしまってる感じ?(笑)

私的評価 ☆☆☆☆★
(今後、ちゃんと続いてくれることを祈っています〜。ここで終わっちゃったら解決もしてないし、おまけにすっごい寸止めな気分(笑)ラブラブ話をぜひ続編で!(いや、今回もラブラブだけど))


2001年04月15日(日)   シュガーベイビー

    リーフノベルズ  和泉桂:作  桜川園子:絵

和泉桂先生の初リーフノベルズは、大財閥の御曹子と、町のケーキ屋さんのパティシェとのお話です。大財閥の御曹子な主人公は、大事に甘やかされて育ったお子ちゃまで、専属のパティシェが亡くなったことで、自分の好みのケーキが食べられず、いろんなところのケーキを試しています。ある日、偶然口にしたケーキは、自分の理想そのもので、早速そのパティシェを呼びつけて、自分の専属になるように言いますが、パティシェはそれを拒否して…。

うーん、なんだか別世界(爆)こんなにタカビーでワガママな子を、なんでパティシェが好きになったのか全然わからなかった…。天然な子だというのを差し引いても、あまりに鼻持ちならないキャラで、どうにも可愛いと思えなかったのが残念。もっと性格や気持ちの変化が目に見えてたら違ったのかも知れないけど、とりあえず、回りが甘やかし過ぎ!(笑)…というわけで、自分の好みじゃない受キャラだったから、今回はあまりいい評価ではないです。

私的評価 ☆☆★
(私の好みばっちりな本もあるんだけど…好みのものと、そうでないものとの差が激しいなあ(苦笑))


2001年04月13日(金)   SLEEPING BEAUTY

   アクアコミックス   芳崎せいむ:絵 

吉祥寺倶楽部(現・冬水社)の雑誌に掲載された、近未来のアメリカを舞台にしたお話で、書きおろしはとくにありません。タイトルは、病気の名前で、この謎の病気「スリーピングビューティ」にかかると、60日間眠りつづけてしまいます。戦争で荒れ果てたアメリカに住む保安官と、そこで医療活動をしている医者との、信頼関係と愛情を描いたお話です。

時々くすっと笑えるんだけど、とっても内容はシリアスで、口喧嘩したり、バカ言ったりしていても、2人ともがお互いをとっても信頼していて、そういう関係っていいなあ、と思わせてくれます。なんだかめちゃくちゃ緊迫したシーンで終わりなので(^^;(次巻に続いちゃうのですわ)めちゃくちゃジレンマ。早く読ませて、この続き…(T_T)

私的評価 ☆☆☆☆★
(目に見えない絆を、見せてもらってる気がする作品。きっと古い掲載作品なんだろうな〜と思いつつ、こういう雰囲気がすごく好きなので大満足でした。)


2001年04月13日(金)   黄昏の岸 暁の天

     講談社文庫   小野不由美:作 

なんと5年振りの新刊!です。人気シリーズ「十二国記」がいよいよ始動開始しました(^^)ほんとはホワイトハートで書こうかと思ってたんですが、待切れないので(笑)こちらで。 お話は、中国ファンタジー風で、12の国からなる世界を描いています。今回のお話は、載国を救うために、景国、延国が立ち上がるという、「風の海 迷宮の岸」のその後と、ファンタジーホラーの作品「魔性の子」の裏側(十二国記の世界の側)を描いた作品になっています。

いやあ、しばらく読んでいなかったのに、こんなに違和感がないとは思いませんでした。さり気なくですが、説明がちりばめられていたのかなあ。ようやく国がまとまって何かを成そうとする動きが出てきて、これからどうなるのか!という辺りで今回のエンドマークでした…。うわーん、気になる〜。噂だと、次回発売予定(7月)は短編集だと聞いていますので、実際の本編続編は11月かな…(T_T)

私的評価 ☆☆☆☆☆
(そういえば、初めてこのシリーズ読んだ時、風邪ひいて熱だしながら全巻読破したんだっけ(爆)読み始めたら止まらなかったんですよ、ええ。)


2001年04月11日(水)   恋心リセット

  ショコラノベルズ  鈴木せるぼ:作  有里まはる:絵

小説ショコラに掲載された、思いっきり電気製品オンチな作家と、作家のとなりの家に住み、なぜか電気製品を代わりに扱うことになってしまった高校生とのお話。続編が書きおろしで収録されています。主人公は、パソコンを買うためにバイトを頑張っている高校生。ある日、道ばたにニューマシンなはずのパソコンが一式どどんと置かれているのを見てびっくり。多分隣の住人の仕業だろうと、とりあえずパソコンを自室に持ち帰り、その後あるきっかけで隣の住人と話をし、パソコンを渡しますが、あまりの電気製品オンチ振りに見兼ねて、いろいろ手を貸すようになって…。

「いや、ここまで酷いやつはいないだろう」と思いつつも、パソコンに限らず、電気製品オンチな人、確かにいるなあと思うと、笑えて笑えてしょうがないお話でした(笑) 書きおろしの中での作家の困惑も、可笑しすぎる(笑)本人マジメなだけに、笑いが止まりませんでした。…いや、きっと本人は笑い事じゃないんだろうけどさ(^^;

私的評価 ☆☆☆
(すっかり主人公たちの恋愛を差し置いて、電気製品オンチを楽しんでしまった(^^; ある意味間違ってる気がするこの読み方(笑))


2001年04月11日(水)   ハニービート

  アイスノベルズ   神奈木智:作  にゃおんたつね:絵

小説アイスに掲載された、ボディーガードもののお話2編と、その続編(というか回想編か(^^;)の書きおろしが収録されています。雑誌掲載時に、2つめの方だけ読んでいて、けっこう好きな感じだったのですが、これまたタイトルと内容が一致してなくて、読んでみてびっくり嬉しい作品になりました。最近こんなんばっかり(笑)

ボディーガード同士のラブラブがお話の中心なので、ツッコミどころもけっこうあるんですが(笑) まあ、可愛いからいいか(笑)って感じですね。とりあえず、受キャラが、仕事中とプライベートで随分雰囲気が変わるのが、楽しいかも(笑)

私的評価 ☆☆☆★
(危うく誘い受ってシーンもあります。2話目のラストシーンなんか、「あんたそこでなにをやってるの(笑)」と思わずツッコミを入れた私でした。)


2001年04月11日(水)   はいまーとろーぜ 1

  アイスノベルズ   鈴木あみ:作  夢花李:絵

タイトルだけでは実はピンとこなかった(笑)のですが、小説アイスにて掲載された、中世欧州風のお話でした。雑誌掲載分と、書き下ろしがあわせて収録されています。今後毎月刊行で、全3巻予定です。この1冊目は、副題に「流刑編」とつきます。その名の通り、無実の罪によって流刑が決まり、牢獄の島に流された、王の血をもつ青年と、その牢獄の島で生きるか弱い少年とのお話です。

お話はけっこう気に入ってて好きだった作品だったんですが、タイトルを全く覚えてませんでした(笑)そうか、「はいまーとろーぜ」だったのか(笑)(おい) 書き下ろしでは、船を作り、牢獄の島を抜け出した2人が、復讐に向けて準備をすすめるあたりまで書かれています。まだまだこれからという感じなので、続きが気になってしょうがないです(笑) 鈴木先生らしかったのが「女装」が出てきたところかな(笑)いつも出てくるんですが、今回も例にもれず(笑)という感じでした。でもけっこう自然だったんで、問題ないですけどね。

私的評価 ☆☆☆☆
(夢花先生の、透明感があって、なんだか現実感の薄い絵が、効果的な感じです。夢花先生って、日本的なイメージがあったんですが、そうでもないなあ〜と思い直したりして。)


2001年04月10日(火)   密約の血

   ウィングスコミックス    十波妙子:絵

コミックスになるのをずっと待ってました!「裁きの血」シリーズの最新作です。サウスに掲載されていたファンタジーもので、書き下ろしは後書きだけですが、私は雑誌を買ってなかったので、コミックスになるのを今か今かと待ち続けていたのでした。連載終了は1月だったんですが、このラストシーンがけっこう衝撃的だったため、ちょうどオープンした、作者の方のHPでも、雄叫びがよく書き込まれていました。

ねたバレになるのも勿体無いし、ぜひ、これまでの2冊もあわせて読んでほしいので、内容については一切触れずに置きます。とりあえず一言だけね(笑)「2人でいるために、この方法が一番良かったのだろう」とは思っていても、どうにも切なくて、泣いてしまいました。前2冊を読み返して、また更に涙うるうるしてたりして(^^;

私的評価 ☆☆☆☆☆
(泣けてきます、ほんとに。そして、2人の弱さと強さに、胸を掴まれる思いでした。ううう、どうなっちゃうんだろう〜)


2001年04月10日(火)   ノスタルジック・ラヴ

   クリスタル文庫  ふゆの仁子:作  金ひかる:絵

小説JUNEに掲載された作品で、なんだか懐かしいような田舎の情景と共に描かれる3つの恋愛のお話と、そのうちの1編の続編書き下ろしが収録されています。まさに、「ノスタルジイ」に溢れた感じのお話。悲恋あり、幼馴染みとの恋愛ありと、けっこう盛り沢山で、どれも少しずつ、キャラが被っています。

私は雑誌では読んでいなかったので、新鮮な気持ちで読めました。最近のふゆの先生の特徴として、「説明が多い職種をつかったりする」というのがあったんですが、今回はそういう部分が少なく、じっくりとキャラの心理描写が書かれていて、私個人としては好みでしたね。ただ、雑誌掲載のものなので、1編が短かめで、それがちょっと残念。急ぎ足になっちゃってる感じで(^^; もっとじっくり読みたかったかなあ。

私的評価 ☆☆☆★
(ちょっと今風ではない…古い感じですが、懐かしい気持ちで読みました。こういうのの方が好きなんだろうなあ(笑))


2001年04月09日(月)   おおいぬ荘の人々 1

   ディアプラス文庫 菅野彰&月夜野亮:作 南野ましろ:絵

以前桜桃書房より発売された「おおいぬ荘の人々」が加筆訂正されて文庫になりました。仲良しで有名な、菅野&月夜野両先生が小説を、イラストはこれもお二人と仲良しな南野ましろ先生が担当されてました。これも変更なしです(^^) 丘の上の洋館に住む、表情筋の乏しい(笑)外人アシュレイと、紆余曲折があって洋館に転がり込んだ少年明生、そしてその洋館に下宿するようになった大学生2人のお話が合計2編収録されています。

ほとんど加筆はないんじゃないかなあ。懐かしいですね、ほんとに。五年ぐらい前の作品かと思うんですが、勢いもおもしろさも切なさもそのままです。今後続編で書き下ろしがあるそうなので、楽しみな作品です。いつ出るのかなあ〜。

私的評価 ☆☆☆☆
(後書きに「見比べないでね」とあったけど、ちょっと見比べてみたくなってしまった私(笑)やっぱり気になるよね(笑))


2001年04月09日(月)   BREATHLESS

   ディアプラス文庫  篠野碧:作  みずき健:絵

これの続編が出るとは思ってませんでしたねえ〜。「だから僕は溜息をつく」の続きです。これは、主人公は「屍人鬼(グール)」の少年という、半ファンタジーみたいなお話(笑)でした。今回2編が書き下ろしで収録されていて、片方の主役は、なんと前作にていろんな形でちょっかいを出してきていた攻キャラのモデル仲間だったりします(笑)前作ラスト近くのみずき先生のイラストに萌えてしまった私としては、嬉しい作品でした(笑)

前作を知らない方には、あまり楽しめないかもしれないなあと思うのと、本来のカップルじゃないお話(上記のちょっかいを出してたキャラと攻キャラのお話)だというあたりで、モラルのなさが気になる人は気になるかもしれないなあ、という感じがしますね。まあ、そのあたりは好みの分かれるところでしょうか。私にとっては楽しめる作品ではありましたが(笑)

私的評価 ☆☆☆
(天然ボケな受が可愛くて面白かったんですよね(笑)今回も可愛いです。逆に攻キャラの方がなんだか封建的に見えてちょっと残念だったけど。)


2001年04月06日(金)   可愛いひと。 3

   ラキアノベルズ   高岡ミズミ:作  御園ざぼん:絵

人気シリーズ「可愛いひと。」の第3弾は、脇カップル春と各務のお話です。小悪魔で元気な春と各務とのなれそめが気になってたので、楽しみにしていました。春は、顔が良いため、ファンクラブがある程ですが、本人はいたってクールで、相手にもしていません。その裏には、子供時代に、親友と思っていた相手に裏切られ、おびえる心が存在しています。ある日、春は喧嘩に巻き込まれ、ケガをして痛みを堪えつつ道端で苦しんでいました。そこに声をかけたのが各務で…。

なんというか、もう、素直ですなあ〜<春ちゃん>案外いじらしいじゃないか(笑)と思ってしまいますね。意外だったのが各務。もうちょっとクールなのかと思ってたのに、意外に情熱家ですわ(笑)とっても楽しく読めました。ラストにちょこっと載ってた御園先生のミニマンガも楽しいかも(笑)

私的評価 ☆☆☆☆★
(いやあ、オチも好きですね。彼ならやりそう(笑)んで、どうにもソコツなとこがあるのもけっこう好き(笑)<春)


2001年04月06日(金)   ナイト・トレイン

   ラキアノベルズ  七地寧:作  やまかみ梨由:絵

懐かしいですねえ。小説ラキア本誌に掲載された、鉄道マニアなカメラ小僧たち(爆)のお話です。アンソロジー掲載分に、大幅に加筆してあります。高校生だった2人が、大学に入ってその後少し、までが掲載分だったんですが、その後の活躍っぷりが今回書き下ろされています。主人公は、高校生で、カメラが好きで、鉄道の写真を撮りに行くのが趣味。ある日写真を撮りに出かけた先で、ふと目を惹かれる少年を目にします。言葉を交わし、もう一度会いたいと思う彼と、意外にも、通っている学校で再会を果たしますが…。

うーん、こう来たか〜(^^;という感じ。真直ぐ行かずに、変化球で来られて、ちょっと受け止め損ねてるキャッチャーの気分でございました(笑)いや、掲載分はいいんですよ、好きだし。その後もいいんだけど、エンディングが予想外でびっくり。こうくるとは思ってなかったなあ〜。ちょっと突飛な気もしますが、七地さんらしい作品だったのではと思います。

私的評価 ☆☆☆
(自分の予想と全然違ったので、今戸惑ってます(苦笑)好きなんですけどねえ〜。落ち着いたら評価あがるかもしれないけど、まあ今の、ということで(苦笑))


2001年04月06日(金)   紳士とペナルティ

    SHYノベルズ  たけうちりうと:作  ひびき玲音:絵

ふふふ(^^)待ってました!たけうちワールドの名脇役「トム・ショルティ」が主人公のお話です。「ボディーガードシリーズ」の番外といってもいいのかな。グレイの親友である、トムを主人公にした短編集で、同人誌からの再録になります。トムが新しい恋人を得るお話と、パブリックスクールでの羽田四兄弟の末弟幹との話、もっと小さいころに、ランディと初めてであった時のお話、そして恋人を得て以降、ランディにトムが記した手紙が読めます。

短編集なので、けっこう切れ切れで(笑)(ちなみに私は、同人誌でうち2作を読んでいました)「間が気になる、間がっ!」と思わず絶叫したくなりましたね(笑)とくにトム×幹のお話がものたりなーい。ランディ×トムは、けっこう堪能できたんですけどね〜。ちょっとボディーガードシリーズなど、他の本を知らないと判らないかなあ。読んでない方はつらいかも。でも、他の本やシリーズを読んでいて好きな方は絶対お勧めなお話です。

私的評価 ☆☆☆☆
(ふふふ、たけうち先生の受って、その後攻になる可能性が高いのかしら(笑)だってトムだけじゃなくて、幹もそうだし(笑))


2001年04月03日(火)   ちょー先生のお気に入り

    コバルト文庫  野梨原花南:作  宮城とおこ:絵

妙にツボにはまってしまった「ちょー」シリーズの、子供編第2弾です。西の大陸からやってきたラブリーな耳つきの女の子と、前シリーズで記憶を失ってしまったダイアモンドの息子オニキスとの冒険のお話になります。

妙な勢いは相変わらずですねえ(笑)子供編だからなのかな、時々、お母さん、お父さんたちの切ない感情がじんときてしまいますね(苦笑)でも、それを跳ね返すぐらいに、めげないんですよね、みんな。なんとなく元気をもらってる気のする作品です。懐かしいキャラが全員結婚したり、子供できてたりしておかしい(笑)

私的評価 ☆☆☆★
(ファンタジーだけど、楽しく読めます。元気な作品です。続きものなんで、今からトライする人はちょっと大変かも(笑))


2001年04月01日(日)   探偵は月夜に恋をする

    アイノベルズ   遠野春日:作  杜山まこ:絵

遠野先生の新刊は、探偵社の社員の青年が、ある男の素行調査を依頼されて、その仕事の中で出会った美しい青年と愛を育むお話です。謎の多い彼に、戸惑いつつも、惹かれていく主人公ですが…。

うーん?なんだか、正直言って薄っぺらい印象のお話でしたね(^^; 攻キャラの心の動きは判るんですが、受キャラの方が「なぜ好きになったか」とかの脈絡がなくて(^^; 「え?なんで?あれだけで一目惚れ?」って面喰らってしまいましたです(^^; 秘密も多くて、おまけにラスト近くで出てきたその謎の解明もちょっとこじつけというか…(^^;あんたら守秘義務はどーした!と思ってしまった…(^^; ぬれ場シーンが多くないといけなかったんでしょうか(^^; 遠野さんらしからぬ展開で、ちょっと残念な感じでした。

私的評価 ☆☆
(もっとゆっくり、緻密に話を動かせる方だと思っているので…勿体ない気持ちが強いですね。)


2001年04月01日(日)   ハピネス

   リーフノベルズ   崎谷はるひ:作  すずはら篠:絵

楽しみにしていました、崎谷先生の新作は、「年下攻め!」(笑)それもけっこう年齢差のあるカップルです。主人公は、エリートサラリーマン。世話になった上司が病に倒れ、1人になってしまった上司の息子を、見兼ねて引き取ります。以来長い間親子のように暮らしてきた2人ですが、段々2人の関係に歪みが生じてきて…。

崎谷さんらしいお話ですよね〜。攻キャラの苦悩も、受キャラの辛さもすごく判りやすくて読みやすい。お互いに相手の気持ちには気づかずに、でも相手を一途に思っているあたり、好感が持てます。いい年のはずの受キャラがやたらウブなのはちょっと違和感がないでもないんですが(^^;(特にぬれ場シーンになるとね(^^;)でも読み終えて「よかった〜、2人が幸せになって〜(^^)」と堪能できるお話でした。やっぱりまだまだオコサマな感じもする攻キャラですが(笑)包容力はありそうなんで、安心して見守れるわ(笑)

私的評価 ☆☆☆☆
(受キャラって、私と同世代ぐらいか…(笑)やっぱりちと無理があるかな(笑)<ウブなキャラ)