2001年5月のレビュー

 


2001年05月31日(木)   やさしい竜の殺し方 3

   スニーカー文庫  津守時生:作  橘水樹&櫻林子:絵

スニーカーノベルズにて発売されていたシリーズの文庫化です。3巻は、ノベルズの2、3巻分をまとめて文庫3冊に分冊したそうで、今後2ヶ月おきに発売なのだそうです。で、この3巻ですが、幻獣王ウルと聖騎士アークの再会以降、古代魔法を手に入れるために光王の墓に辿り着くまでが収録されています。少し大人びてますますアークにラブラブなウルと、ウルにラブラブなアーク(…いや、ぬれ場シーンなんかないんですが、こうしか表現できないんです(笑))が楽しめます。

途中、大きいカメが出てきますが、これが印象的でした。後書きで、アニメに影響されたかも…と書かれていますが、私が好きなエンデの作品でも、叡智の存在として、カメが描かれていますし、非常に大切なキーパーソンになっていて、興味深かったです。それだけに、あのカメが魔道王に倒されたのは悔しい…。ノベルズを持っているくせに、どうにも続きが気になってしまう(笑)再読でも楽しめる作品です。

私的評価 ☆☆☆☆☆
(1〜2巻(ノベルズの1巻)よりもさらに、お笑い要素も増えてるんじゃないかな。思わずニヤリとするシーン満載。ぜひぜひ揃えてみて下さい。)


2001年05月30日(水)   100カラット・バンビーノ

   ディアプラスコミックス  南野ましろ:絵

雑誌ディアプラスに掲載されていた、メロディ・ハレルヤから延々とリンクして続いているキャラのお話です。このお話の主人公は、前作「オートマチック・フラワー」のお花ちゃん(巴ちゃん)の前世話係(まわりくどいな(^^;)だった小鹿杜萌。なんとお相手は、子役モデルの少年(小学校6年!)。杜萌ちゃんは、元々世話焼きタイプの人間で、巴ちゃんの世話をやかなくなったことで、なんだか喪失感を味わっています。そんな彼に、熱烈アプローチ(というか子供の我がまま?(笑))でアタックする少年がいて…。

小学校6年のくせに、杜萌ちゃんの迷いや悩みを見抜いているあたり、ただ者ではないと思います(笑)これも雑誌掲載されたものですが、「4年後初エッチ後(笑)」のお話でも、なんだか杜萌ちゃんが小さく見えるぐらいに、包容力にあふれてます。いや、即物的で正直だけどさ…(笑)ショタ系は苦手だけど、こういう攻に成長してくれるなら全然OK!って感じ。書き下ろしも楽しかったし、久々にましろ先生ワールドで大笑いさせてもらった感じです。あ−楽しかった♪

私的評価 ☆☆☆☆☆
(実はメロディ・ハレルヤシリーズでは、このカップルが一番好きだったりします。だって、いくら天然ちゃん同士でも、ちゃんと対等なんだもの。)


2001年05月29日(火)   花のように

   ウィングスコミックス  後藤星:絵

後藤先生の久しぶりのコミックスは、小説ウィングスに掲載されていた、ファンタジックなお話です。花や植物の種が、人間の形をとることがある…というお話がテーマで、それぞれの植物が、人とかかわり、感情を持ちながらあるものは新たな芽を出し、あるものは共に生きる決意をし、あるものは共に逝く…、さまざまな温かい「愛と絆」を描いたお話です。

これもね、実は読んで泣いちゃったお話でした。…涙腺ゆるいなあ、ここのところ…(^^; 雑誌掲載時にいくつかは読んでいたんですが、それぞれの植物がもつ暖かな愛情と、それに支えられる人間との絆が、とても心に響きました。ファンタジーだとはいえ、なんだかとっても大事なものを教えてもらっている、そんな気分。心洗われる一時を貰ったマンガでした。

私的評価 ☆☆☆☆☆
(後藤先生ならではのお話だなと思います。ぜひ読んでみて下さいね。)

 


2001年05月29日(火)   バイトは家政夫(メイド)

   シャレード文庫  魔鬼砂夜花:作  暮越咲耶:絵

今もシャレードで連載されています「俳優(アクト)と家政夫(メイド)」シリーズの待望の文庫化です(^^)雑誌掲載のものに加えて、書き下ろしデート編(笑)が収録されています。主人公はごくふつうの高校生。父親の会社が倒産してしまい、私立高校に通っていた主人公は、学費などを稼ぐために、担任に紹介された家政夫のバイトにでかけます。…が、なんとその家はゴミ箱のごとく汚れていて(^^; おまけにその住人は、どこの小汚い人かと思いきや、今人気のトレンディ俳優だったりして…。

いつもなら、ネタ的に辛いはずなんですが(スタートは無理矢理ですから(^^;)でも、テンポがいいというのもあり、最初は無理矢理であっても、その後の展開が好み(主人公が靡いてしまわないし、対等な関係である)というのもあって、このシリーズはとっても好きだったりします(笑)世の中完璧な攻めキャラが多い中で、ここまでえげつなくゴミ男(笑)描写をしているのも、笑える要素の1つですね。魔鬼先生ご本人が後書きでも書かれていますが、非常に書いていて楽しまれている感じ。次に何が出てくるのか、予測がつかなくて楽しいです。残念なのは、マネージャー氏の行動が不明なこと(^^; こいつ一体なに考えてるんだろう。判らん…(^^;やっぱり江阪に惚れてるのかしら?大穴狙って、緒方に一目惚れってのはどうだろう(笑)(←ムリすぎ)

私的評価 ☆☆☆☆★
(2人ともがとっても不器用なんだなあと思います。この不器用な恋人(未満(笑))たちが、ゴミと共に(大笑)どんな成長を見せるのか楽しみです。)


2001年05月29日(火)   緑陰 〜たったひとりのあなたへ〜

   シャレード文庫  春原いずみ:作  あさとえいり:絵

雑誌シャレードに前後編で掲載された、昔事故にあったせいで、高校生の頃より前の記憶がない美術館の学芸員の青年と、事故で筆を折って、今は美術評論家である元画家のお話です。続編のラブラブな書き下ろしが付いて文庫化されました。ある美術好きな社長が亡くなり、その所蔵している美術品を美術館で展覧するため、分類をはじめますが、その中で逸品とも言うべき素晴らしい絵が見つかります。学芸員の青年は、その絵のことは何も知らないはずなのに、なぜか絵の順番やいろいろなことが判って、自分の中にある闇に恐れおののきますが…。

雑誌掲載時も、なんだか不思議な、ミステリ風味な感じのお話でした。2ヶ月の間が開いてから読んでたから、余計に判りづらかったんだろうなと思うんですが、だからこそ今回文庫で読んで「なるほど!」と(笑)まるではじめて読んだかのごとく楽しめて良かったです。柔らかい色調のお話で、流れもゆったりしていて、春原先生らしいお話でした。自分が原因で、人の運命を変えてしまうことの恐ろしさって、図り知れないと思うんですよ。だからこそ、書き下ろしでちょっとだけでも救いがあったこと(救われる言葉を言われたこと)に、ホッとしているのでした。

私的評価 ☆☆☆☆
(絵のシリーズにはじめと終わりがあったように、このお話は、書き下ろしがあってこそ、だったんじゃないかな(^^;文庫を読んで、やっと安心できた気がします。…いや、だって雑誌掲載分だけだと心残りが多すぎて(^^;)


2001年05月29日(火)   最後から一番目の恋

   シャレード文庫  高遠春加:作  東山紫稀:絵

待っていました!イラスト交代は残念だったけど、無事発売してほんとに良かったです。「神経衰弱ぎりぎりの男たち」シリーズの第3巻は、書き下ろしで2編収録されています。お里帰り夏祭り編と、なんと気になっていた高槻父たちの過去のお話。実は表題作はこちらのほうだったりするあたり、「これが書きたかった、読んで欲しかった」のかな、という印象を受けました。

どちらも、すごくオススメで、好きなお話だったんですが、やはり私は表題作の過去編をぜひぜひ読んで頂きたいですね。もう、泣けて泣けて困ったです(T_T) こんなにこの2人の絆は深かったんじゃないか!と思うと、もう涙が止まらなくて。2巻で泣かされるのは経験済みだったけど、3巻はもっともっと泣ける(T_T)これを読んで2巻を読み返すとさらにいっそう泣けてくること請け合いです〜(あんまり泣きそうで(笑)私はトライしてませんが)

私的評価 ☆☆☆☆☆
(正直、語る言葉を上手く見つけられないです。とにかく「読んで!」そして泣いて下さい。(…我ながらこれがオススメの言葉とは…(笑)))


2001年05月28日(月)   Far Away

    ラピス文庫   緒方志乃:作  緋色れーいち:絵

なんと2年越しの続編でした(^^; 「せつなさを微笑みにかえて」シリーズ完結編です。以前にエクリプスノベルズで出ていたものに、書き下ろしを加えて登場です。途中何度も発売告知が出たものの延期が続き、ようやく発売になりました。…ひさしぶりすぎて、前の話覚えてないよ…(^^; えーと(笑)アメリカと日本に別れて遠距離恋愛をしているサラリーマン同士の恋人たちですが、やはり距離の差はつらいものがあって…。

うーん、これだけまってこれ?というのはちょっと納得いかないなあ。続編も、エクリプスで出たものだけで、あとはなぜか柏崎兄が出てきて全然関連がないお話が展開されておしまい。どうせ書き下ろすなら、2人が会社を辞めて以降のお話を書いて欲しかったです。そのあたりの説明はゼロで、いきなり兄が出てきてもなあ(^^; 2年待ってるだけに、ちょっと物足りなさ過ぎます(^^; 好きなお話だったから余計に残念。

私的評価 ☆☆
(後書きにも、「続きを書くことはないだろう」みたいに書かれてましたが…、なんか消化不良な感じでした。)


2001年05月26日(土)   厄介なDNA

    キャラ文庫  朝月美姫:作  高群保:絵

全編書き下ろしで、兄弟モノのお話です。主人公は、画家の息子で一家の次男かつ主婦(笑)の美大生。長男は下の兄弟とは腹違いで、  にしか興味のないいわゆる研究肌の人間で、次男が世話をしてやらないとなにも出来ません。三男と四男は双子で、なんだか2人ともが「お互いがいればそれでいい」と思っているらしいという、非常に「家庭内だけで完結してしまっている家族」なのですが、次男には次男の悩みもあり、そして長男への縁談も持ち上がって、騒動は幕をあけます。

うーん、ギリギリセーフだなあ(^^; 近親相姦はつらいなあと思ってたので(それでも親子とかよりは読めるんですが)腹違いでよかった(^^; 長男の生活能力ゼロっぷりと、次男の甘やかしっぷりは笑えます。全体にシリアスではあるものの、いつもの朝月さんの「容赦のなさ」はあまり感じられず、どちらかというと甘々な印象が強いです。とくに後半、思いが通じたあたりの長男の口説き文句は、ちょっとくらっと来ちゃいますね。あの長男が、次男でなきゃダメなんだと、これほど端的に言葉で表現できるとは思ってなかったのでした(笑)

私的評価 ☆☆☆★
(読みやすいお話でした。次男の葛藤も、悩みも、健気で一生懸命で、切ないですね。三男と四男のお話も、今度ゆっくり読んでみたい気もします。苦手コードだけど(笑))


2001年05月26日(土)   午後の音楽室

    キャラ文庫  榊花月:作  依田沙江美:絵

榊先生のひさしぶりの文庫です。キャラセレクションに掲載された表題作に、続編の書き下ろしがついています。主人公は、父を早くに亡くし、母子家庭に育っていた少年で、母の再婚相手に体の関係を強要され、今は家を出ていますが、まだ義父は主人公に会いにきます。いろんな意味で危ういバランスを保っているため、周りに目を向ける余裕のない主人公は、学校でも浮いた存在ですが、そんな彼に声をかけてきたのは、いつでも明るく楽しい同級生で…。

うーむ、イタイ…。いや、なんというのかな、救われない、変われないもどかしさが痛いです。とくに続編のほうが読んでいて辛かった。主人公が、「自分がふつうでないこと」をこんなにも気にしていて、それをなんともしてやれないのは、つらいです。いや、なにかできると思う方がごう慢なのかもしれないなあ…。なんか、容赦なくて(^^;ちょっと精神的に低空飛行ぎみの時期に読んだもので、しんどかった…。

私的評価 ☆☆☆
(すごくシリアスです。花丸の初期の作品に近いものがあると思う。昔の榊さんの作品が好きな方はオススメします。)


2001年05月26日(土)   愛の戦闘

    キャラ文庫  五百香ノエル:作  金ひかる:絵

早かったですね、あまり間をおかずに発売になりました、GENEシリーズです。前作にて、ようやく身体を重ね合わせたヤンアーチェとイリですが、冒頭で、イリはヤンアーチェの後宮へ入内します。が、過去のさまざまなしがらみもあり、公表されるわけではない存在としての入内です。イリを手中にしつつも、自分のものではない葛藤に自分自身を持て余すヤンアーチェと、ヤンアーチェへの愛を自覚し、彼を支える決心をして、愛を告げぬ誓いをたてるイリですが…。

なんだかもう、気持ちがすれ違いまくっててもどかしいやら切ないやらです。ヤンアーチェったら、あんなにイリに惚れてるくせに、他に女を作るんじゃない〜(爆)…いかん、論点がずれてますね。タイトル通りの「ヤンアーチェの寵愛を競う」愛の戦いが主な内容でしたが、その中で、着々と進行している運命の輪。帝国のラカ王太子が、今後どのようにイリにちょっかいを出してくるのか、次巻も気になるところです。

私的評価 ☆☆☆☆★
(なんかねえ、今までのぬれ場シーンと、ヤンアーチェとのシーンでは、イリの描写が違うんですよ〜。その違いってやっぱり愛、ですよね?)


2001年05月25日(金)   不敵にロマンス

    キャラコミックス    嶋田尚未:絵

雑誌キャラに掲載されていた、大会社の会長の孫息子でワガママ放題の主人公塁児(ルイジ)くんと、会長秘書の名雲のお話で、雑誌掲載分に、意外な過去が発覚する書き下ろしらぶらぶ(笑)も合わせて収録されています。主人公は、祖父にあたる会長に溺愛されまくっていて、将来は社長の座を約束されています。経営などの教育を受けるべく、名雲が教育係として任ぜられますが、ちやほやされ慣れていた塁児に、名雲は厳しくて…。

ワガママな塁児ですが、実は健気なのではないかと(笑)全体にコメディテイストなんで、楽しく読めました。可愛い絵柄に反して(笑)かなりH度は高めなんですが(笑)それも嶋田さんならではという感じ。塁児くんの口癖「〜〜しないと、ひどいぞ」には笑ってしまいました。なにをする、と言わないあたり、ワガママ王子様ならではですね。

私的評価 ☆☆☆☆
(あまり深くテーマを考えず、ワハハと楽しみたい方へオススメです。…でもやっぱり一番好きなのはうさ太郎くんかもしれないと思っている私。…続きでないかなあ…)


2001年05月24日(木)   ひそやかな情熱

  GENKIノベルズ   遠野春日:作  円陣闇丸:絵

遠野先生の新作は、ちょっとハードテイストっぽいお話です。主人公は、運送会社など幾つかの会社を経営する青年実業家。仕事人間で、もちろん一筋縄でいくタイプではなく、極道の世界とも縁があります。ある日、親しい幹部に連れられて訪れたある組長の家で、落ち度があったということで折檻されていた青年と出会います。その青年は、高校生の時に組長の元に来て以来10年もの間愛人として仕えてきたのですが、主人公はなぜか運命的なものを感じ、彼を引き取ると言い出して…。

主人公の青年実業家は、素直さとは無縁で(^^; 自分が思っていることを上手く口に出せないらしく、相手を思っているくせに、それを悟られたがりません。引き取った青年は青年で、今まで愛人として過ごしてきたということもあり、上手く主人公との距離感を保てず、思い悩みますが、それでも1人の人間として扱われ、仕事をすることで段々と安定してくるんですね。そして2人の緊張感のある微妙な関係が、なんとも言えず面白かったです。「好き」と言わなくても、お互いが判っている、そんな関係なんですよね。実際の濡れ場シーンは、そう多くはないんですが、大人なムードが漂う作品で、楽しめました。

私的評価 ☆☆☆☆★
(もうちょっと、主人公が素直だったら…と思わないでもないですが、互いに「好き」とは言わない、そのいじっぱりがいいのかも(笑)円陣先生の大人っぽいイラストは絶品でした。円陣先生ならでは、という感じ。)


2001年05月24日(木)   ドラマティック・アイズ

  GENKIノベルズ   香阪彩:作  桜川園子:絵

前作「プラトニックアイズ」は高校生と、年の離れた美容師の青年のお話でしたが、今回は舞台は一緒なんですが主人公が違います。まあ同シリーズとはいえ、単独で読めるお話ですね。今回の主人公は、前作の主人公に懸想している後輩で、健気に(笑)想いを寄せていますが、当然の事ながら報われません(笑)失恋して泣きそうになっている主人公は、何度か顔を合わせていた前作主人公の友人でもある美人な先輩に慰めてもらい、段々とその美人な先輩が気になってきて…。

うーん、えらい心変わりが早いな(笑)…というか、まあ少し前から、段々気持ちは変わってきてたんだろうけど、猪突猛進というか、青いねえ、主人公が(笑)と思わず笑ってしまいました。思い込んだらひとすじすぎて、暴言吐いてるし(笑)ダメよ、余裕がないのは(笑)あと、ラスト近くで思いが通じるあたりが、あまりに唐突すぎて(^^; いつ先輩が主人公を好きになったのか良く判らなかったのが残念。だってそんな素振り全然見せてなかったんだもの(^^; もうちょっと先輩側の心情も判ったらよかったのになあと思いました。前作が良かっただけに、ちょっと肩透かしだったなあ(^^;

私的評価 ☆☆☆
(まあ、年下攻なお話なんで、ある程度の余裕のなさは判らないでもないけど、でもちょっとあまりに青すぎて笑うしかないです(笑)ごめん、もうちょっと大人になって?(笑))


2001年05月24日(木)   キイワードは雨

  GENKIノベルズ   久能千明:作  蓮川愛:絵

2年ぶりの新刊です。月の砂漠殺人事件シリーズの3巻4冊めは、学校内で起こった幽霊さわぎのお話です。2巻「誰もわるくない」から数ヶ月経った学校が舞台で、瑞貴と夏彦も相変わらずの関係を続けています。瑞貴は、自分の気持ちがかなり明確に認識できてきて、「夏彦を好きなんだ」という気持ちをつのらせているようです。また、前作で出てきた樹と田嶋のコンビの雰囲気もなんだか微妙で…。

うーん、やっぱり久能さんのお話は好きだなあ〜と思いました。クールな瑞貴だけど、こと夏彦に関しては平静ではいられないんですよね。隠れた嫉妬の気持ちを持ちながらも、冷静であろうとする葛藤がよく判りました。夏彦も、ぼーっとしてるようで、けっこういろいろ見えてきてるんですね、いい変化だなあと、なんだか微笑ましくなったりして。トラブル大好き林くんも、男らしくていいなあ〜(笑)でも私としては、林くんはキマジメ川端くんとくっついて欲しいんですが、バスケ部ホモ化計画はダメでしょうか(笑)

私的評価 ☆☆☆☆☆
(GWのSCCにて、同人誌の新刊を出されてて、内容は樹と田嶋のお話でした。もちろん読まなくても全然問題ないですが、読むとさらに楽しいかも。手に入れられるようなら頑張ってみて下さいね。)


2001年05月23日(水)   イミテーション・ウエディング

  エクリプスロマンス   魔鬼砂夜花:作  夢花李:絵

これも、当初予定は1月でしたが、都合で2度延期。ようやく発売になりました。小説エクリプスにて掲載された作品2編と、その続編の合計3編が収録されています。主人公は、家庭の様々な事情により、女性として戸籍に入り、高校に通う大人しい少年椛(もみじ)。女の子として育てられているけどホントは男…というその事情が事情なため、三味線の師匠の孫息子で、学校でも有名な遊び人の先輩と婚姻届を出すことになりました。…というか親と師匠が勝手に出したんですが(笑)名前だけだったはずの婚姻ですが、椛の行動が元で、予定外な流れになってしまい…。

まあ、女装ものっていうんだろうなこれ(笑)少年と自分で書いてもちょっと違和感があるぐらいに、「女の子」な椛です(笑)先輩のおどろきと行動は、椛側の視点から見れば良く判らないんでしょうけど、要は惚れてるんだなと(笑)ただ、気になったのは、実際にそうであるとはいっても、先輩側の視点で椛のことを「妻」と呼ぶところがちょっとなあ。もうちょっと椛を男として認識してあげて欲しかった気がします。キャラクター的に、しょうがないんですが、やはり読む側は男同士と思って読むわけですから(^^; 

私的評価 ☆☆☆★
(最初は強引に見えますし、どこにも記述はないですが、まあ「お互い一目惚れ」だったと思えば納得の1冊でした(笑)ちなみに、「堕天使に微笑みを」とキャラがリンクしてます。合わせてぜひどうぞ。)


2001年05月23日(水)   メジャーリーグ 後編

    エクリプスロマンス   七地寧:作  石原理:絵

ホントは4月予定でしたが、丸1ヶ月ずれて発売になりました。前編が、強盗にレイプされかかったシーンで終わっていたので、どうなることやらとハラハラしている方も多かったのではと思いますが(笑)とりあえず事なきを得て、またそれまでの生活を続けるジェイドと九尋です。しかし運命は彼らを放ってはおかず、いろいろと事件は起こります(笑)

うーん、加筆部分は多分後半部なんだろうなと思うんですが、九尋が合計3回えらい目にあってて(^^; 受難ですな(笑)九尋の意外な強さと、ジェイドの繊細な優しさが、上手く噛み合ってて面白いです。ただ、淡々と進んでいくのはいいんですが、ラストに10年後のシーンとかが出てきたのはちょっとびっくり。「書かない」ことで余韻を持たせる方がいいのか、こういう風に書いてしまう方がいいのか、微妙ですねえ。ラキアでの最新作でも、書けるギリギリの所まで将来図を書いてある、というイメージが強かったんですが、これもしかり。私は、できたら読者の想像力に任せて欲しかったのかな、ちょっと残念な気持ちがあります。でなければ、もうちょっと短い間だけでもよかったかも。説明の文だけで何年もの彼らの歴史を飛ばしちゃうのは、絶対勿体ないと思うのでした。

私的評価 ☆☆☆☆
(いや、でもやっぱり好きですよ、この話は。七地さんらしいと思う。どこに重点を置くのかは人それぞれですが、私はジェイドと九尋の2人の気持ちがとっても好きなんです。)


2001年05月18日(金)   はいまーとろーぜ 2 〜宮廷編〜

   アイスノベルズ   鈴木あみ:作  夢花李:絵

1週間だけ発売が延びましたが無事発売の中世下剋上(笑)物語の2巻目。こちらはすべて書き下ろしです。前作にて焼き討ちにあい、逃げ出したチュールとレイですが、地下に潜伏したまま、虎視眈々と王座の転覆を狙います。途中チュールが王宮に捕らえられ、拷問にあってしまったりしますが、チュールにはどうしても現宰相フェルマノワールが憎み切れず、とうとうレイの意に添わない結果を招いてしまい…。

いやあ…読み終えて一番思ったのが「なんでチュールは女性じゃないんだ(笑)」かも。いや、男だからこそのシーンもあるんですが、レイったらナチュラルに「王になったあかつきには愛妾として…」とか言ってるんだもん(笑)それでいいのか…?いやまあ、そんなことはおいといて(笑)勢いもあり、前作からの謎も少しずつ解けてきて、これから!という所で次巻に続くなのが、なんとももどかしいです〜。チュールの拷問シーンとか、他もいろいろちょっとしんどい場所はあれど、全体に楽しめるお話でした。すっごい中途半端な場所で終わっているため、夏に発売予定の3巻を待ってから読むことをお勧めします。でないと「どうなったの〜いったい!」と叫んでしまうことでしょう。

私的評価 ☆☆☆☆
(夢花先生の絵もやっぱりすごく好きだなあ〜。柔らかい感じなので、キツイシーンでも、そうひどい印象はないんですよね。夏の3巻、楽しみにしております。)


2001年05月18日(金)   ハードボイルドに触れるな

    SHYノベルズ    榎田尤利:作  金ひかる:絵

榎田先生の新シリーズです。なにかに載っていたらしいのですが、未確認です、ごめんなさい。作家が主人公のお話で、天然ボケなところもあり、大人しい主人公が初めてハードボイルドを書いて、大賞に応募したあたりから話が始まります。運動嫌いの主人公は、閉じこもってパソコンに向かっているわけですからもちろん肩こり、腰痛になやまされています。しかし他人と接触することが大の苦手で、マッサージになかなか行けません。幼馴染みで、自身も出版社に勤める親友が、よく効くという有名な整体師を紹介してくれて、初めて治療を受けたところ、治療の効果もさることながら、整体師は自分が初めて世に出した作品をずっと覚えてくれているファンだと知って…。

実は話はまだ終わってなくて(^^; 以下続刊予定とのこと。続きは秋に出るそうです。続き物が読めない(完結してないといや)な人は御注意を。ややコメディテイストなので、テンポよく楽しく読みました。今までに読んでいる2作品よりも、コメディ色が強かったですね。その分結構多いツッコミ部分(笑)も違和感があまりなく、すんなり読めたようです。キャラクターも楽しい人たちばかり(笑)でしたが、コメディの中にもシリアス部分(たとえば同性愛とか、虐待とか(^^;)が入らずにいられないのが、榎田さんテイストなのかなあ(^^;とちょっと思ったり。まあ、続刊予定なので、2巻でもう少し掘り下げてくれたら嬉しいけど、このままあまり触れられずに終わるなら、ちょっと勿体ないシリアステーマだと思う。秋の2巻を楽しみにしています。

私的評価 ☆☆☆☆
(私も千疋さん(整体師)にマッサージしてほしい…(T_T)最近肩こり頭痛に悩まされているので、そのあたりの記述は他人ごとに思えませんでした(笑))


2001年05月17日(木)   ラヴァーズ・コンチェルト

   花丸文庫   美樹静:作  波津彬子:絵

割と物静かな設定の多い美樹さんの3冊めの文庫です。主人公は、近代建築が好きなグラフィックデザイナーの青年。土曜日に、散歩がてらに好きな建物を見て回った彼は、休憩に立ち寄った公園で不思議な雰囲気をもつ1人の少年に出会います。いろいろと建築についての話をし、あるきっかけから一夜をともにしてしまいますが、少年は名前しか明かさずに消えてしまいます。その後、会社のルートから少年の正体を知り、惹かれていく主人公ですが、それと同時に自分にとってのトラウマについての悩みも大きくなってきて…。

意外に良かった作品でした。淡々としていて、それが波津さんの幻想的な感じの絵とぴったり合った感じですね。少年は実は才能豊かなバイオリニストなんですが、芸術家として描かれる時に特有な「自分が上手くできないことへの苦悩」とかとはあまり縁がないんです。逆にそれがいい方に作用してる感じがします。これでぐるぐる悩みまくったら、それこそフジミの悠季の二番煎じになるところだったのではと思いますし、新鮮で面白かったです。ただ、難点があるとすれば、主人公のトラウマかな。…解決してないんだもん(^^; もうちょっと救いがあってもいいような…(^^;

私的評価 ☆☆☆★
(最初の関係に愛はたしかにないんですが、それがなければ動かなかったものもある…という意味では納得。)


2001年05月17日(木)   暗くなるまでまって

   花丸文庫   月上ひなこ:作  こうじま奈月:絵

最初は気がつかなかったんですが、以前に出ていた「夜までまてない」の続編だったんですね。気がついて慌てて購入しました。主人公は、アルコールによってHモードに切り替わってしまう、真面目な風紀委員の高校生。前作にて恋人になった相手は、同じ高校に転入までしてきて(笑)校内でも「なんとかしてHに持ち込もう(笑)」と企んでいて、いろんな場所で魔の手を躱すのに苦労している主人公です。ある日、友人と恋人とともに、TVの収録見学に行った主人公は、そこで初めて恋人が昔美人の女優と付き合っていたことをしって愕然としますが…。

うーん、前作の方が面白かったかなあ〜(^^;嫌いじゃないんですが、あまりに相手(恋人ですね)が、主人公の気持ちを弄んでるっぽくて。焼きもちやかせたい気持ちはよーく判るけど、でもなあ…(^^; あと、学校をロケに使うとかの設定も、ちょっと唐突すぎてびっくりでした(^^; 別に女優じゃなくても良かった気がするのは私だけだろうか…。

私的評価 ☆☆★
(らぶらぶな続きが読めると思い込んでいたから余計に肩すかしだったらしい(苦笑) 期待してる部分がちょっとずれてました。前作と合わせてどうぞ。)


2001年05月17日(木)   ドンファン

   ビーボーイノベルズ  磯崎なお:作  紺野けい子:絵

小説b-Boyに掲載された、親子もののお話です。やっぱり人気が高かったんでしょうね、すぐにノベルズ化されました。雑誌掲載のものに、続編書き下ろしがついています。主人公は可愛い普通の高校生。父と子の2人暮らしをしています。父は便利屋稼業を営んでいますが、とにかくチャランポランでナマケモノ。おまけにセクハラ魔人(笑)ですが、実は血が繋がっておらず、密かに父を想う主人公は、そのセクハラが辛かったりします。ある日高給取りなバイトを紹介された主人公は、そのバイト先で、とんだトラブルに巻き込まれてしまいますが…。

雑誌掲載の時から好きでした、このお話!(笑)なにがってやっぱりポイントは「伝説のホスト」でしょう(笑)いやあ、某魔性のホモに勝るとも劣らないインパクト(笑)雑誌時にも読んでいて、再読にも関わらず、読みながらハンバーガー吹き出しそうになりましたよ〜(苦笑) 書き下ろしでは、主人公の母が出てきたり、またもや騒動がいろいろ〜と出てきますが、ハッピーエンドなので御安心を。さすが伝説のホストというか(笑)後半で出てくる口説き文句にはけっこうやられました(笑)

私的評価 ☆☆☆☆☆
(紺野さんのイラストも、ほんとになんか「伝説のホスト!」って感じですっごい笑えます(笑)ぜひぜひ読んでみて下さい。主人公の健気さと、でも負けてないいぢっぱりも可愛いです。)


2001年05月17日(木)   美貌の侯爵閣下

   ビーボーイノベルズ   夢乃咲実:作  こうじま奈月:絵

ノベルズ2冊目になるのかな?新人作家さんの全編書き下ろしです。時代は昭和の初期。まだ華族制度ものこっている時代のお話です(…が、どうももっと前のイメージが強いんだが(^^;気のせいだろうか…)
主人公は、大店の御隠居に仕えていた下男。どうやら西洋の血が混じっているらしく、髪の色も瞳の色も肌の色も、見るからに人と違います。少々虐められつつ、頑張ってきた主人公の元に、客が訪れ、その客は主人公を引取ります。客の名は水取侯爵。凛々しい美丈夫で、主人公は側付きの給仕としてはたらき始めますが…。

とりあえず、最初の違和感(年代が昭和始めにしては古臭い)以外は、面白かったです。現代が舞台だと大仰になりがちな作風も、時代物にすればけっこうすんなり読めました。「深く考えずに忠実である」という設定も、この時代ならさもありなん(笑)とか思ってるんでしょうね、きっと<私 一生懸命で健気な主人公も、その主人公を思いやる侯爵(攻)も、けっこう好きかなあ。

私的評価 ☆☆☆★
(前作よりは、オススメ度高いです。ギャグではもちろんないんですが、シリアス…というほどでもないです。)


2001年05月15日(火)   ぼくの大好きなひと。

    リーフノベルズ   森本あき:作  滝りんが:絵

可愛い作風の森本先生の新刊は、コンビニのバイトで出会った2人のお話。主人公は、口車にのって(笑)コンビニのバイトをはじめることになった高校生。ちょっとお調子者で「彼女を見つけるんだ!」と張り切っていました。しかし、時期は夏休み(^^; おまけに来るのは司書の養成講座に出席している、なんだか恐ろしいタイプ(口うるさかったりいろいろ)の女性ばかりで、意気消沈していたところ、まるで掃きだめに鶴のようなおしとやかな美人を見つけてしまいます。少しずつ話をするようになり、講座の終了を目前にしたある日、とうとう主人公は気持ちを相手に伝えますが…。

ええ、美人が女の人だったら、ボーイズじゃないんで、ネタバレですが男性です(笑)当たり前ですね(笑)前半が、テンポがよくて、大笑いしながら読んでました。お調子者な主人公の失敗とかも笑える〜(笑)が、後半付き合い出してから、お相手の美人が帰郷しなきゃいけない事態になり、まるで逃げるように別れてしまう辺りはちょっと残念。(いや、ハッピーエンドですよ、もちろん(^^;)今までの森本さんのキャラなら、なにがなんでも「一緒にいられる方法」を2人で探っていた気がするので…。まあ、珍しいといえば珍しい展開でした。

私的評価 ☆☆☆
(森本さんのキャラで、私が好きなところは、「一途で元気、めげない」あたりにあるんで(^^; 今回の受キャラはちょっと残念。いや、可愛いんですけどね…)


2001年05月11日(金)   野獣modeで愛して

    アイスノベルズ   加納邑:作  櫻井しゅしゅしゅ:絵

過去2冊ほど、登場する小動物系記述にノックアウトされていた加納さんですが、今回はちょっとハードテイストです。…でもギャグ(笑)なんですが…。主人公は、モテモテイケイケ系(どんなだ(^^;)の高校生。合コンで物足りなかったので、飲み直そうとして出会ったのは、自分の高校の化学教師。分厚いメガネをかけたダサイ奴で、どうやら主人公に懸想しているらしいのです。からかってやろうと飲みに誘い、キスをしかけてメガネを強引に外したとたんに、ダサイはずの教師は、やたら強引な口説き魔に変身してしまい…。

うう…(^^; 迷ったんですよ〜、小動物系じゃないから!…やめとけばよかったかなあ〜(^^;とちょっと後悔。好き嫌いだけの問題なんですが、やっぱり愛がない行為は好きではないんですわ(^^; いや、この場合攻めが一方的に愛は持ってるか(苦笑) でも、だんだん常軌を逸してくるあたりでは到底愛があるとは思えないのだった…。可愛い記述を求めて買ってるから余計に肩すかしだったんだろうなとは思いますが、きちんと後書き読んで購入すればよかったです(T_T)

私的評価 ☆☆
(ほんとに好みの問題ですので(^^;平気な方は、面白いとは思うんですよ。文章もテンポはいいんだし。情けない攻と、かっこいい気風のいい受が好きな方にはオススメですので〜。)


2001年05月11日(金)   ビタミン愛は勝利の呪文

    アイスノベルズ   ふゆの仁子:作  高久尚子:絵

全編書き下ろしの新作です。主人公は、無口な高校生。実は小さい頃に慕っていた幼馴染みのお兄ちゃん(そのころ高校生)が、同級生とベッドに入っている所を目撃してしまい、さらにそのお兄ちゃんに「口封じ(笑)」されてしまったことから、トラウマ(…というほどのものではないけど)を抱えたまま、成長しています。家庭でも上手くいかなかったりと、様々な問題を抱える彼の前に、トラウマの原因になったお兄ちゃんがいきなり帰って来て…。

うう〜ん(^^; なんでこれ、2冊組とかじゃなかったんだろう(^^; という感じのお話でした。過去(現時点まで)の説明に終始していたため、ようやく再会して以降の話が異様に急ぎ足で、「そんな簡単でいいいんかい(^^;」とツッコミたくなる展開の挙げ句に終わってしまいました…(T_T)物足りないにもほどがあるって感じ。「今も昔も、主人公を選んでいたんだよ」という結論に達する、その根拠が「顔が似てる」だけじゃ納得いかないです(^^; できたらもっとじっくり再会後の話をすすめて欲しかったなあ。

私的評価 ☆☆★
(好きな感じの話だっただけに残念です〜。ふゆの先生のお話は好きなので、余計に物足りなくて残念なのかもしれないですね(苦笑))


2001年05月10日(木)   LOVE MODE 8

     ビーボーイコミックス   志水ゆき:絵

待望の新刊は、過去編です。葵一&玲二兄弟と晴臣、天雷の関係を語るシリーズです。雑誌連載された過去編に、書き下ろしでファンタジーなラブラブショートストーリー(笑)も収録されています。アクの強い(笑)蒼江父も登場し、目のはなせない1冊です。

葵一と晴臣の関係とかは、読みたかった部分なんですごく嬉しいんですが…蒼江父がなあ〜(T_T)私こういう天上天下唯我独尊の横暴タイプはあんまり好きではないんですよ。もうちょっと人間らしいところが出てれば平気なんだけど、あまりにちょっと横暴すぎて辛かったです。葵一たちが辛い目にあってるから余計にね(^^; 次巻ではもうちょっと人間的な部分が欲しいです〜(T_T)

私的評価 ☆☆☆☆
(雑誌ではもう読んでないんで、余計に焦らされてる感じ(笑)いや、気になるんですけども、コミックス系まで手が回らないのでし(^^;)


2001年05月09日(水)   プライベート・プリンス 1

     GUSTコミックス   あさとえいり:絵

GUSTで今も好評連載中(でもちょっとストップしてますが(笑))のあさとえいりさんの初コミックスです。今も連載中…ですので、もちろん1冊完結ではなくて、続編予定になっています。主人公は、有名ブランドに勤める新入社員。穏やかで可愛くて、仕事のチームでも可愛がられています。そして、そのブランドの会社に代々伝わるのが、特別なマネキン人形。立派な体格の男性のマネキンで、主人公がマネキンの着せ替え担当となりますが、ある日そのマネキンが動き、話をはじめて…。

うん、ファンタジーですね、やっぱり。舞台は現代っぽいけど、ネタからしてファンタジーだし(苦笑)やわらかで丁寧な絵で、好みです〜。ただ、ちょっと残念かなあと思うのは、ちょっと説明不足かなあということですね。キャラに裏がある…というのは焦らしだと思えばいいけど、そうじゃなくて人となりが理解しにくいのは辛いかなと。続いているだけに余計にちょっと気になりました。

私的評価 ☆☆☆★
(映画「マネキン」とかなり似ているらしいですね。作中でも出てくるのでやっぱり意識されてるのかなあ〜。)


2001年05月09日(水)   恋の病

   ショコラノベルズ  姫野百合:作  佐々成美:絵

大人の恋シリーズの脇キャラデコボココンビ(笑)のお話です。表題作「恋の病」は、小説ショコラに掲載されたもので、その続編書きおろしがついてノベルズ化されました。大人の恋の主人公たちの取引先と、後輩にあたる2人の、もどかしく純朴な恋模様が描かれています。主人公は小柄で可愛い青年。ある日飲み会があり、翌朝ふと起きると、横には取引先の純朴で大柄な青年が寝ていてびっくりします。…しかし、その後なぜか主人公は「女の子になりたい」という欲求が芽生えてきてしまい、誘惑に勝てずに口紅を塗ってみたところを、例の青年に目撃されてしまいますが…。

いやあ、天然と天然のカップルって最強かもしれないです(笑)相手への恋情が「女性になりたい」願望として芽生えてくるあたり、侮れないです(笑)<主人公>でも、それを否定せず、上手く昇華させた手腕もすごいと思う…………のになんであんたらそんなにもどかしいんだ〜!(笑) 相手を思いやりすぎるのか、遠慮しすぎるのか(笑)恋はもうちょっとぐらいなら強引でもいいんじゃないかと、思わず説教したくなるような(笑)純朴なお話でした。

私的評価 ☆☆☆★
(最近一歩間違えるとロリテイストな佐々さんの受ですが(笑)今回はなんだかそれがしっくりきていて(笑)可愛かったです〜。)


2001年05月09日(水)   白と黒のペルソナ

   ショコラノベルズ  生野稜:作  桜遼:絵

随分経ってからの続編になりましたが、「ロイヤル・ゴールド」シリーズの続編になります。イラストが、前は西崎祥さんだったのですが、今回から桜遼さんに変更になりました。NYの警察に勤める2人の刑事のお話です。1人はガタイがよく強面のくせに、花を愛で、すぐに人を植物に例えたがる(笑)純朴なおぢさん。もう1人その恋人で、日系で、不幸な生い立ちを持った、でも反骨精神逞しい美人(笑)です。今回も、マフィアと対決しながら、事件を解決に導いて行きます。

うーん、なんだか寸足らずというか、急ぎ足だったなあ(^^; と思います。前が上下巻で、じっくり読めたから余計でしょうか。おまけに、まだまだ謎は全て解明したわけではないというのが余計に気になる〜。すぐ続編が出てくれたら嬉しいんだけど、どうにも消化不良でした。イラスト変更も、西崎さんが好きな私にはちょっとショックでした…、だって、なんだか桜さんのイラストだとキャラがタレ目なんだもん(T_T)イメージが固まってたからなあ〜。

私的評価 ☆☆☆
(本当は前後編とかでもよかった内容なんじゃないかなと思います。というか私がもっとじっくり読みたかったのかな(苦笑))


2001年05月08日(火)   大人たちをせめないで

   ラキアノベルズ   水戸泉:作  日輪早夜:絵

いつもならやめておくはずの作家さんなんですが(私の好みからは外れてるので(^^;)GWあけの新刊渇望に思わず買ってしまいました(笑)舞台は近未来の日本。学年、年功序列が廃止され、飛び級、若くての昇進などなんでもありの世の中になっています。主人公は、マジメで、ひと昔前ならばいいサラリーマンになったであろう青年。が、しかし彼が下についている課長はなんと17才の天然ボケ少年で、しかも「ホントに売れるんかい!」と言いたくなるような発明品をつぎつぎ作りだしている天才だったりします。彼の次なる発明の協力のため、ベッドに誘われてしまう主人公ですが…。

あはははは(笑)いや、もともと期待をせずに読んでいた分、純粋に可笑しかった(笑)という感じです。畳み掛けてくるギャグには、思わず「ぶふっ」と吹き出したりもしてしまいました。まったくのギャグなんで、不条理、破天荒、なんでもありって感じですが、たまにはこういうのも悪くはないかなと(苦笑)ただ、大騒ぎしたわりには落ち着くところが地味だったなあ(笑)ちょっと意外でした。

私的評価 ☆☆★
(主人公(攻)の名前が七人(ななひと)なんですよね。…最初のぬれ場シーンで、どうしても7人(人数)かと読み違えて困りました(^^; いやすぎるわ、そんなシーン(T_T))


2001年05月07日(月)   野蛮なマイダーリン☆

   オヴィスノベルズ   日向唯稀:作   香住真由:絵

みょーにハイテンションなシリーズ(笑)マイダーリン☆ですが、とうとう3冊目が出ました(笑)前作で、親の海外移動についていかずに、恋人の元に留まることを決めた菜月と、菜月を保護者として預かることにきまった英二ですが、ラブラブな反面、なんだか波乱万丈な同棲生活で…。

いやしかし…、どこまで行くんだろうこの人たち(笑)設定も、キャラも、やってることも、「だ、だれか止めて…(震笑)」という感じにコメディです。ファンタジーすぎてもう、ついて行けないかも…(^^; ギャグと天然の混ざりあった、良く判らない世界が構築されています…。でもほんっとに時々、「おお!」と思わせるような記述があるんで、何となく買わないでいることができないんですが(苦笑)今回はそれを探すのが一苦労だった…なんかいろいろ有り過ぎて埋もれてた感じ。まだ続きそうですが、ちょっともうお腹いっぱいかも…(^^;

私的評価 ☆☆★
(表紙の絵が、受は割と可愛いんですが、攻キャラの目の位置がコワイです(^^; こんなキャラがトップモデルっていうのは納得いかん…(笑))


2001年05月07日(月)   この愛、淡麗辛口

   オヴィスノベルズ   長江堤:作   杜山まこ:絵

よくコメディを書かれている長江先生ですが、今回はシリアスなお話。京都にある造り酒屋を舞台にしたお話です。主人公は、造り酒屋の御曹子で、後を継ぐことは考えずにフランスへ絵画の勉強に行っていた美人(笑)です。父親の訃報で戻ってきた彼は、親戚に任せておくことができず、自分で造り酒屋を継ぐことを決めます。が、地上げを目論むリゾート開発会社の社長に借金を余儀無くされ、代償として身体を要求されてしまい、それを受け入れますが…。

うーん、苦手コード(笑)ですねえ。無理矢理はやっぱり苦手。でもまあ、本来のカップリングとは違うので、まだマシかな。シリアスなんだと思いつつ、部分的に笑えるのは、やっぱりコメディ体質なのかな?本人たちは真面目なんだろうけど、おかしいお話でした(笑)
ただ一ケ所気になったんですが、会社の登記簿謄本閲覧とか、土地の登記簿の閲覧とかは、たしかけっこう簡単に出来てしまうはずです(土地なんかも地番さえ判ればなんとでもなる(^^;)ので、それで法律違反だのなんだの、とさわぐのはちょっと大袈裟かも。それとも地域によってちがうのかな?(そんなはずはないんだけど(苦笑))

私的評価 ☆☆★
(つい最近、自分の会社の土地の登記簿とか取りに行ったところなんで(^^; 思わずこだわってしまいました…。)


2001年05月02日(水)   ミスリーディング

    エクリプスロマンス   義月粧子:作   雪舟薫:絵

本来は1月頃の予定だったのですが、発売が何度か延び、漸く発売になりました。「恋はこれから始まる」の敵役(笑)だった、出版社の編集部に勤めている倉田氏と、倉田が新しく担当になったイラストレーターの伽奈とのお話です。小説エクリプスに掲載されたものに、大幅に書きおろしを2章分加えてのノベルズ化です。この倉田という人物、いやあ、なんというかむかつくやつです(笑)でもなんでだろう、憎めなくてけっこう好きなお話だったんですがねえ。

うーん、正直言って、今回のノベルズの2章目(書きおろし部分ですね)は、ショックでした。前から何度もレビューでも書いてたんですが、義月さんのキャラって、やっぱり貞操観念が希薄なんだろうなあと思うんですが、それにしたってちょっと倉田!あんた都合よすぎるだろう(T_T) 伽奈もそれを許すなー!(ぢたばた)…でも読み終えて、まだ倉田を憎めない私がここに…(笑)好みではないし、いつもなら絶対もっと「いやだ!」っぽいこと書くんでしょうけど、なぜか「まあ、しょうがないか、倉田だから」とか思ってるらしいです。どうしてなんだろう?自分でもよく判ってません(自爆)

私的評価 ☆☆☆★
(うーん、うーん(^^; 今回の評価は悩むー(T_T) 好きなんだけど〜、でも好みじゃないんだけど〜…ってどっちなんだいったい<自分)


2001年05月02日(水)   欲張りなブレス

   X文庫ホワイトハート   和泉桂:作  あじみね朔生:絵

微熱のカタチシリーズ第4巻。トラブルメーカー(笑)智ちゃんと仁科の焦れったい2人のお話ですが、今までの反動?というぐらいにラブラブで、おまけに仁科が柔らかい!(大笑)相変わらず飼い主とペットな生活を続けている2人ですが、智ちゃんに親しく付き合う男性が現れ(もちろん友人としてですが、アプローチは受けていたりして)あらためて、智ちゃんが2人の関係について考え直しますが…。

ほんっとにトラブルメーカーですねえ(笑)<智ちゃん>仁科さんも苦労するなあ(笑)でも、余裕しゃくしゃくな仁科さんより、髪の毛振り乱して、必死になっている仁科さんの方が好きだなあ。「あの」仁科さんにここまでさせる智ちゃんってやっぱりすごいかもしれない(笑)今までのシリーズの中で、一番好きなお話でした。

私的評価 ☆☆☆☆
(キスシリーズよりも、仁科というキャラが人間臭くて(笑)私はとっても好きです。この本の仁科さんなら欲しい(おい))


2001年05月01日(火)   DEPARTURE 〜恋の翼・上〜 ARRIVAL 〜恋の翼・下〜

    リーフノベルズ   水上ルイ:作   如月弘鷹:絵

水上先生と如月先生が組んでの航空モノ。おまけに上下巻2冊同時発売でした。カップルは主に2組。ストーカーに付きまとわれたことのある、元気印な青年と、その後輩であり、なぜか猛アタックされているクールな青年(2人ともキャビンアテンダント)と、有能な機長とその機長に口説かれているけれども過去持ちで全くなびかないクールな(笑)副操縦士です。…しかし、数少ない(らしい)飛行機の男性乗務員のうち4人がホモ…(自爆)あ、それと、脇キャラですが、ジュエリーデザイナーシリーズの晶也のおにーちゃんが出てきます。相変わらず兄バカですが(笑)

思っていたよりは読みやすい話でした。が、カップルを2つ使って、なおかついつも使われている「一人称で、章ごとに視点を変える」という手法は、返って混乱を招くだけのような気がします(^^;あまりにころころ視点が変わるため、なんだか落ち着かなかったです。話の筋自体は、私でも判るような(^^; 「そんなことはしないだろう!」な内容もありますが、まあ、そのへんはファンタジーということで(苦笑)ストーカーの手口とか、内容とか、ちょっと破天荒すぎる部分もあったんですが、もう、そういう世界のものだと思えばオッケー(笑)テンポは良かったです。如月先生の書かれる制服がかっこよくて、これは必見(笑)

私的評価 ☆☆☆
(でも、やっぱりふゆの先生の「キッスランディング」と同じぐらい、こいつらの乗ってる飛行機には乗りたくないわ…(爆)なんか事件が相次ぎそうでコワイ(笑))