2001年6月のレビュー

 


2001年07月28日(土)   寝ても醒めても

   SHYノベルズ    渡海奈穂:作  門地かおり:絵

渡海先生の高校生モノです。主人公は、学校の授業をサボってふらっと屋上に上がった高校生。その屋上には、タバコを口にくわえた美人系の先輩がいました。事情をきけば、どうやら彼は保健室登校ならぬ屋上登校ならしく、興味を持った主人公は、お昼などにも屋上に日参し、段々親しくなっていきますが…。

無感動な感じだった先輩が、だんだんと人間くさくなっていくあたりは読んでいても面白かったです。ネタがちょっと突飛でしたが(^^; それでも人生の決断をする時には、迷って当たり前かもなーとも思うので、私は不自然には思いませんでした。相手を思うがゆえの悩みと、自分も相手も見えていない先輩が、はじめて周りに目を向けて、いろんなことを学んでいくのはなかなか好感の持てる感じでした(^^)

私的評価 ☆☆☆★
(どうも門地さんのイラストの作品はちょっと好みからずれ気味(苦笑)だったんですが、今回はわりと好きかな。頑張れ後輩クン!(笑))


2001年07月28日(土)   上海小夜曲

   シャレード文庫  藤原万璃子:作  鳳麗華:絵

ノベルズサイズからトータルで数えるとなんと11冊目になるそうです、シャルル&ハルキのシリーズです。近未来の大学生ハルキと、その恋人で、特殊工作員白虎でもあるシャルルとのお話ですが、実は時系列で言えばこちらの方が、前にでたお話より先なんですよね。先のものが1編と後のものが1編、そして夢のお話が1編収録されています。

けっこうシャルルの妹であるマリィの存在が強い1冊でした。すっかりマリィ中心に話が進んでしまって、ちょっと寂しかった(^^; シャルルはいいところで真打ち登場って感じに出てきただけだったしなあ(^^;できたら夢の話はなしにして、本編もうちょっと長めに欲しかったです。正直言って夢の話、わけがわからなかった(^^; 唐突すぎたのでは…という感じでした。

私的評価 ☆☆☆
(書き下ろしとあったけど、ひょっとしたら同人誌の再録なのかなあ?なんだかページ合わせに入った感じで<夢の話>余計によく判らなかったのかも。)


2001年07月27日(金)   お気に召すまで

   キャラ文庫   水無月さらら:作  北畠あけの:絵

雑誌小説キャラに掲載された作品と、その続編書き下ろしです。主人公は、かっこつけでプライドが高いため、なかなか素直に自分をさらけ出せない建築会社に勤務する青年。建築家を目指していますが、新しく上司になった相手は非常に厳しい人で、日々叱咤されています。ある日、付き合っていた彼女と別れた主人公は、その同じ店で厳しい上司とばったりであってしまい、なぜかおだててくる上司に思わずいい気分になってしまう主人公ですが…。

雑誌掲載時のお話は面白かったんですが、その割に続編がなんか定番すぎて「あれ?」とちょっと思っちゃった(^^; 雑誌の時はあれだけ強引にいっといて、なんで続編では守りに入るかな〜(^^;<攻め キャラクターがちょっと違ってしまってるのが残念。強引なら強引でそのまま押し通して欲しかったです。受けキャラがワガママなあたりは面白かったけど(笑)ベタなセンチメンタルジャーニーをする記述はかなり面白かったです。

私的評価 ☆☆☆
(ワガママ受けと、ワガママ攻めのお話って感じでした(笑))


2001年07月27日(金)   ナイトメア・ハンター

   キャラ文庫   佐々木禎子:作  にゃおんたつね:絵

ファンタジーものになるのかなあ(^^; いわゆる屍人鬼(グール)と呼ばれるバケモノが出てくるお話です。主人公は、母をグールに惨殺されてしまった少年。実は彼はグールにとってはえも言われぬ美味しいエサとなるため、研究所は彼を秘密裏に監視し、保護しています。呆然とし、記憶を失ったみたいになっていた主人公は、やっと自分を取り戻し、このままではいけないと、顔見知りの研究所のメンバーに「母の仇をとる手伝いをさせて」と言いますが…。

うーん、これ、ボーイズラブの必要があったのかなあ(^^;という印象が強かったです。なんかねえ、散漫な感じがして。グールの描写もえぐいし(^^;出てくる脇キャラの研究所長がちょっと嫌味すぎてなあ(^^;(自分のことしか考えてない利己主義キャラなのです(^^;) せっかく主人公とそのお相手がイイ雰囲気をかもし出してても、なんかあんまりそれに集中できなかったというか(^^; どうも違和感の残るお話でした。

私的評価 ☆☆
(前のシナリオライターものは好きだったんですが(^^; どうも好みから外れてたようです。残念。)


2001年07月27日(金)   その指だけが知っている

   キャラ文庫   神奈木智:作   小田切ほたる:絵

小説キャラに掲載された、高校生モノのお話と、その続編書き下ろしです。主人公は元気印の高校生。彼の高校では、男女問わず指輪が流行っています。相手のいる人は薬指に、その他の人は他の指に指輪を付けていて、その有無や指輪をつけている指がなにかと取りざたされます。主人公は一点ものの指輪を大切にしていますが、ある日その指輪が、校内一の人気者でハンサムな先輩と同じものであると判って…。

雑誌掲載時に、めっちゃめちゃ好きでした、この話!かっこよく見えて、実はすっごく無器用な先輩が好きで(笑)雑誌の時は「まとまった」ところで終りだったので、ぜひとも続きが読みたいと思っていたんです。こうして読めて嬉しい!続編では、お互いが歩み寄ろうとしつつも相手を気にし過ぎて上手くいかなかったりもしますが、やっぱり無器用だった先輩の大決断で(笑)事態が好転して、より深く絆を結びあわせることができて、よかったなと思います。ラブラブが読みたい人や、元気で健気な受が好きな人、ぜひどうぞ〜。

私的評価 ☆☆☆☆★
(続編でちょっかいを出してくる女生徒キャラはちょっと「?」という感じもしますが、女性の扱いって難しいなあ(^^;)


2001年07月27日(金)   囚われた欲望

   キャラ文庫  鹿住槇:作  椎名咲月:絵

鹿住先生の書き下ろし新作です。わりとポップでハッピーな感じの作品を書く方、というイメージが強いんですが、これはちょっとハードな感じのシリアスです。主人公は、あてもなくさまよっていた青年。人のよい喫茶店の店長に拾われて、住む所も見つけ、働いています。そんなある日、若いカップルが店にやってきました。カップルの男性の方を見て、主人公は蒼白になりますが…。

なんというか、テーマがきついなあ〜(^^;と思います。主人公の苦悩や苦しみも、相手の苦悩も判るけど、でももうちょっとなにかしようがなかったのかなあとも思う。もっと楽で、もっと幸せな道があったんだろうに、幸せをつかみ取るまでの辛い道のりが読んでいてしんどかったです。逃げるしかできなかった主人公と、攻め立てるしかできなかった相手が、ようやく溝を埋めることができて、ラストはほんとにホッとしました。「ラブラブ」を期待してる人は、慎重に読むかどうか選ばれることをお薦めします(笑)

私的評価 ☆☆☆☆
(でも、とても鹿住先生テイストですよね。私はちょっとコメディちっくでお約束〜な方がより好みなんですが、でもこういうのもたまにはいいかなあ。)


2001年07月27日(金)   FLESH&BLOOD 1

   キャラ文庫  松岡なつき:作  雪舟薫:絵

松岡先生の新しいシリーズは、タイムスリップして、中世に飛んでしまった現代の少年の活躍を描いたお話です。主人公は、両親の醜い部分を嫌っています。その裏返しで大事な友人を大切に思いつつも素直に接することができずにいます。2人で旅行して、話をし、やっとその溝が埋まるかと思われたその時、聞こえないはずの鐘がなりひびき、主人公はタイムスリップしてしまいますが…。

舞台は、無敵艦隊を撃ち破る前のイングランド。花とゆめで「サラディナーサ」をリアルタイムで読んでた私は、思わずぐふぐふ笑ってしまいました(笑)インパクト強かったもんなあ(^^;<サーラ 重なってしまうのは、キャラがかぶるからしょうがないんですが、松岡先生テイストがまだ薄かったのかな、という感じ。2巻以降どうなるのか、楽しみです(^^)

私的評価 ☆☆☆☆
(生き延びるために「占い師である」と偽った主人公、けっこうこそくなタイプかもしれん(笑)彼がどう変わるのかが楽しみなのでした。)


2001年07月26日(木)   ラフ・ダイヤモンド 3

    ウィングスコミックス    佐久間智代:絵

気がついたら「最終巻」と書かれていてびっくりした(^^;という、プロ野球モノのシリーズです。主人公はぬいぐるみ恐怖症な辣腕投手。複雑な過去を背負っています。どんどん過去と彼を取り巻く環境が明らかになっていきますが…。

「あれ?」というのが読了後の感想でした。途中の盛り上がりのわりに、なんだか期待していたよりもエンディングが物足りないというか、「そんなんでいいのか?」という感じです。もっとなにかあるのかと思ってたのは深読みしすぎだったのかなあ(^^;もっと巻数だしてもいいから、じっくり語って欲しかったなあと思う。好きなだけに物足りなくて寂しい作品になってしまいました。うーん残念(^^;

私的評価 ☆☆☆
(内容が発覚するまでよりも発覚してからのほうが短いってのが一番ネックかもしれんなあ(^^; うやむやな間に終ってしまったわ(^^;)


2001年07月25日(水)   それも愛だろ

   パレット文庫   真船るのあ:作  石原理:絵

前作「これも恋だろ」で自分の中の恋愛感情を自覚した主人公冬吾と、そのお相手天然ボケ少年恵のその後が描かれています。2人の仲を邪魔しようとする受の兄以外に、どうやら受に思いを寄せているらしき恵の幼馴染みまで登場して、大ピンチな冬吾ですが…。

攻視点の一人称は、やっぱりちょっと読みにくいというか(^^; 真船先生らしさが半減しちゃうなあと思いながら読んでいました。面白いんですが、物足りないというか(^^; 受キャラの心の動きが全く読めなくて、まあキャラ的に「不思議ちゃん」なんですけど、攻の一人称だから余計に判らないんですね(^^; 最近作風が変わられたんですが、やはり私はクールビューティ毒舌受の方が好きだな(^^;

私的評価 ☆☆☆★
(好みですけど、前がツボだっただけに、最近の作風はちょっと戸惑いを覚えてしまいます(^^;)


2001年07月25日(水)   若旦那・危機一髪!

   パレット文庫  たけうちりうと:作  今市子:絵

大好きなこゆるぎシリーズ、なんとこれが最終巻だそうです。正直「なんで?」という感じなんですが、まあしょうがないかなあ(^^; 主人公楓たちの、小さな事件が2つ、収録されています。楓の学友であり、純朴でマジメな青年加納のお話と、楓が拉致されて大騒動になるお話です。どちらもどたばたしつつも、楓と祐太朗の絆の深さが伺い知れる、和むお話でした。

帯に「最終巻」とあるんですが、全然終ったという感じのしない作品でした。もっともっと続いて、楓たちのその後を読んでみたいのに、すごく残念。こういう雰囲気のある作品が少ないだけに、シリーズが終ってしまうというのが、勿体なくてしょうがないです。ぜひ、続編を望みたいのですが、難しいのかなあ〜(^^; 

私的評価 ☆☆☆☆☆
(イイ作品であればあるほど、やはり長く続いて欲しいと望むのは、読者のわがままでしょうか。楓たちのその後を、なんらかの形で読みたいと、切に望みます。)


2001年07月25日(水)   アット・ホーム

   エクリプスロマンス  松永也槻:作  高久尚子:絵

小説エクリプスに掲載された、舞台俳優のお話と、その続編です。主人公は、商業演劇中心の劇団に所属する、若手の俳優。ちょっとパソコンおたくちっくな所があります。彼は劇団の花形俳優であり、テレビなどでも人気のある先輩俳優と同居していますが、実は彼は恋人でもあって…。

雑誌掲載時に、とっても好みで楽しく読んだ作品でした。中にチャットのシーンとか出てくるんですが、「あ、これゆいちゃっとだ」とか思って笑ってしまった(笑)ホームページ持ちならではという感じですね、こういう笑いって。続編ラストシーンあたりで、ボーイズ系小説サイトが出てきたのはやり過ぎかなーと思わないでもないんですが(^^;まあでも、生モノ系の方は「当事者はこういう風に見るのかもよ」という戒めとして読むのも良いかも知れないですな…(^^; ちょっとはしゃぎ過ぎっぽい気もしないでもないんですが、でも全体に面白く読みました。

私的評価 ☆☆☆★
(そばにやおい萌えな女性がいることはいい時もあるし、悪い時もあるし。微妙ですよね。今回は、イヤというほどでもないですが、ちょっとやりすぎな感じもありました。)


2001年07月21日(土)   フォーチュン・フォーチュン

   ダリアコミックス   水城隼:絵

雑誌ダリアに掲載されたファンタジーちっくなお話。主人公は、持ち主を幸せにするのが使命という招き猫のタマ。プレゼントとして、あるやり手の青年実業家の元へ送られます。さっそくタマは、彼を幸せにしようと、「なにかして欲しいことはないか」と迫りますが…(笑)

なにが楽しいって、タマが純粋に猫チックなところでしょう!(笑)猫のおもちゃでたっぷり遊んでもらって満足してたりとか(笑)おこってるシーンではシッポをとったんとったん振ってみたりとか(笑)ぬれ場シーンはあるものの、その他は色気ゼロで(笑)やんちゃで楽しいです。ちょっと説明不足なシーンはあるんですが(^^; でも楽しく読めました。 

私的評価 ☆☆☆★
(そういえば、かなり昔にもファンタジーな作品描かれてますよね<水城先生>CDにもなってるはずです。あれは超シリアスだけど、これはギャグなので(笑)わははと笑いたい人へオススメ。)


2001年07月21日(土)   わりとよくある男子高的恋愛事情

   ダリアコミックス   富士山ひょうた:絵

雑誌(アンソロジー)ダリアにて掲載されていたものと、小説JUNEなどに掲載されたものが収録されています。表題作は、ダリアでのシリーズで、校内の98%がホモという日常の中で、カモフラージュを頼まれて付き合うはめになった、ストレートな少年と、付き合って欲しいと言ってきた後輩とのお話。とにかく、このストレートの少年が、天然ボケちっくなので、その反応が好きですねえ〜(笑)

どのお話も、反応が新鮮だったのと、心理描写が丁寧なのもあって、読んでいてもとても楽しくて、表情の移り変わりも楽しめます。激しいシーンはないけど、心の動きや気持ちのやりとりは、切なくもあり、可愛くもあり、とってもイイ作品だと思います。富士山ひょうた先生らしい作品なのではと思います。今後続編もあるようなので、楽しみです(^^) 

私的評価 ☆☆☆☆☆
(最近ツボなひょうた先生(^^) どんどんコミックス出て欲しいです〜。)


2001年07月21日(土)   君を抱くまなざし

   SHYノベルズ  たけうちりうと:作  石原理:絵

たけうちりうと先生の新作は、沖縄を舞台にしたお話です。海洋博の工事を受け持つ無骨だけど人情に溢れている現場監督と、工事現場に海底遺跡のある場所がかかると聞いて調査に訪れた大学院生とのお話です。主人公の現場監督は、自分の現場のメンバーも大切にし、仕事も大切にしています。調査に訪れた青年は美形で、心惹かれますが、しかし仕事の邪魔になるとあってはアプローチもかけられません。そのうち、海洋博のために、工事を中断させたくない中央のエリート官僚からの茶々も入って…。

イラストの石原先生が、プロフィールの所で「司馬(現場監督の方のキャラ)が正しくガテンであると各方面でバカウケ」と書かれてますが、ほんっとに正しくガテン系(笑) 石原先生のイラストならではの、男臭い感じでナイスです(笑)環境問題もすこし含んでいますし、恋愛という感じは薄いんですが、でも読んでいて引き込まれます。自分を大事にできない所のある受にはちょっともどかしい気になりますが、続きが読んでみたいお話でした。

私的評価 ☆☆☆☆
(脇キャラ兼敵キャラの中央官僚が、けっこうイイ味だしてます。やなやつですが(笑)最後で憎めなくなるのも、たけうち先生テイストですね。)


2001年07月19日(木)   熱情

   ビーボーイノベルズ  飛沢杏:作  かすみ涼和:絵

小説BEaSTに掲載された、監禁モノのお話です。いきなり優秀な生徒に拉致され、監禁されてしまった高校教師が主人公です。5月の連休になると同時に拉致され、段々と飼いならされるかのように、調教されていく主人公ですが…。

うーん、しまった(^^;苦手なものでした…(^^; あ、でもBEaSTで、これの9年後だったかのお話が一番最初に載ってて(主人公だった狂しは小説家になってて、原稿取りにいった編集と3P(^^;という話)それで覚えがあったんでしょうね、雑誌掲載された分のも、「なんかどこかで知ってる、この人たち(^^;」とずっと思ってました。ノベルズで、後書きを見てやっと発覚。そうか〜あのキャラか〜(笑) ただ、どうしてもそういう形でしか相手を愛せない苦悩、というのが続編に描かれていて、その辺りは好感がもてます。…でもやっぱり無理矢理だの監禁だのっていうのは苦手(^^;

私的評価 ☆☆☆
(好みの問題なんですよねえ。苦手なものでも、小説としては読めるんです。だから、その辺りが苦手でない人なら、楽しめるのではと思います。)


2001年07月19日(木)   夜と踊ろう

   ビーボーイノベルズ  名倉和希:作  紺野けい子:絵

小説b-Boyに掲載された高校生と探偵のお話と、その続編の短編が2編収録されています。雑誌掲載時に割と好きだった作品なので、ノベルズ化で嬉しい♪ 主人公は、仕事の忙しい両親をもち、放任で育っている高校生。悪友と夜遊びをしまくっていますが、心の隙間は埋まりません。主人公が気になっているのは、探偵業を営む青年(?)で、アプローチをするものの、靡いてくれません。ある日、主人公は変な男とぶつかり、財布を拾いますが…。

雑誌掲載のお話は、ちょっと背筋がゾッとしてしまうような事件だったりもして(^^; なかなか読ませてくれる作品だったので、続編が楽しみだったのですが、雑誌掲載のものとくらべると、続編はどちらもどうにもインパクトの薄い(^^;印象でした。短編2編よりも、もうちょっとゆっくり長くして、1編だけにして欲しかったかなあと思います。

私的評価 ☆☆☆☆
(でも全体としては好きな作品なんですよ。健気でちょっとあやうい所も見せる受が好き〜♪)


2001年07月19日(木)   デキる男

   ビーボーイノベルズ  ふゆの仁子:作  海老原由里:絵

全編書き下ろしです。主人公は、20才になったら一人立ちしようと、頑張ってバイトにせいをだす、東大生。天涯孤独の身の上で、育ててくれた養父母に恩を感じつつも、甘えられない寂しさもあり、自分を援助してくれている足長おじさん的な存在の男性が、実は血縁がある人なのではないかと、期待ももちながら日々を過ごしていました。ある日、ホテルのドアボーイのバイトをしていて、超VIP待遇の男性を迎え、荷物を部屋へ運んだ主人公ですが…。

いやあ、すっげーバブリーな世界(笑) VIP待遇されてるのは、もちろんエリートで金持ちなんですが、あんまり凄さ加減が伝わってこなかったなあ(苦笑) かなり強引すぎるぐらいに強引なため、健気な受(主人公ですね)が不憫になってしまいました。時々見せるちょっと戸惑う気持ちなんかは良かったんですが、やっぱり言葉が足りないよなあと思います。同じ強引なものでも、ちょっと攻キャラが遠い存在だったかなあと、思わないでもないなあ。脇キャラのアクが強いから、余計に散漫になっちゃって勿体無かった気もします。

私的評価 ☆☆☆★
(今発売中の小説b-Boyで、脇キャラが顔を出してますね。最初、同じシリーズなのかと勘違いをしてました(笑))


2001年07月19日(木)   チョコレートのように

   ビーボーイノベルズ  ひちわゆか:作 金ひかる:絵

書き下ろしの表題作と、昔小説b-Boyに掲載され、角川ルビー文庫のアンソロジーものに掲載されたこともある「ギルティ」が収録された、ひちわ先生久々の新刊です。ギルティは、短編なため、ほとんどが表題作と思っていただいていいかと思います。主人公は、瓶底メガネをかけた、才能はあるものの外見はあまり魅力的でない青年。一生懸命作ったプログラムを、親友だと思っていた男に横取りされてしまい、うちひしがれて川に身投げをしようかと、橋の上に佇んでいます。そんな彼に、なんだか身なりもよく強引そうなタイプの男が声をかけてきて…。

強引なタイプの攻に、どんどんペースを乱され、あたかも調教されていくかのような(笑)受がなかなか色っぽいですねえ。金先生のイラストも、すっごく色気満載でした。あとがきにひちわ先生が「お約束を守った感じの話」らしきことを書かれていて、確かに王道だよなあ〜と思ったり。王道ならではの展開を、じっくり楽しんで下さい。ギルティも、けっこう好きなので収録されて嬉しかったです(^^)

私的評価 ☆☆☆☆★
(表題作も、ギルティも、ぜひとも続編が読みたいですね。出ないかなあ、続き。)


2001年07月18日(水)   その気にさせたい

   花丸文庫   きたざわ尋子:作  赤坂RAM:絵

かなり長く続いてますね、「だまされたい」シリーズの4冊目になります。詐欺師の片瀬と、その異母弟で、かつ恋人でもある同居人田村とのお話です。今回は、またもや喧嘩をして家を飛び出した田村が、片瀬のいない間に荷物を取りに帰ってみると、留守番電話には、約束をしたという女性の声が入っていて、不安になった田村は、その約束の場所へ無意識に足を運んでしまいます。そんな彼が目にしたのは、約束通りにその場所にやってきた片瀬で…。

謎だらけの片瀬の、バックグラウンドがちょろちょろと顔を出し始めてますね。やっぱり田村に関係することには、どうにも冷静になれない(笑)片瀬がナイスです。クールな顔して、けっこうやること熱い人だよね(笑)田村も、毎回パターンと判っていながらも、ハマってて可愛いったらないです。このシリーズ、見た目そうはみえなくとも、片瀬と田村のラブラブさ加減が好きなのでした。

私的評価 ☆☆☆☆★
(きたざわ先生の作品の中では一押しで好きです(^^)赤坂先生のイラストも好みで好きだわ〜。)


2001年07月15日(日)   キスはダンスの後にして★

   リーフノベルズ   日向唯稀:作  桜城やや:絵

前作「今宵、恋のお相手を…★」に出てきました、ダンスの得意なナンバーワンホストの響が主役です。タイトル通りというか(笑)ダンス一辺倒なお話で、ホストな部分より、ソシアルダンス(競技ダンス?)についてのお話になっちゃってましたね(笑) 主人公響は、お客の要望に答えて、ダンスホールへ行き、そこで見事なダンスを繰り広げるカップルに一矢を報いようと、そのカップルの男性と見事なダンスを踊ってみせます。しばらくしてから、その男性は店に来て、ダンスを教えろと息巻きますが…。

まあ、時代設定自体、かなり古めならしいんですが(笑)今はこんなバブリーな感じじゃないですよね、風俗業界も(笑)まあ、古き良き(?)時代のものとして、割と楽しめました。恋愛ってよりもスポ根モノっぽいのはなんでだろうなあ(笑)思わぬ過去を背負っていたナンバーワンホストくん、奥が深くてなかなか読みごたえありでした。前作よりも、こっちの方が読みやすかったかなあ〜。また、続編があるらしいのですが、これは買ってしまいそう(笑)

私的評価 ☆☆☆★
(日向先生のシリーズの中では一番好きなシリーズのようですね(笑)前作を読んでいなくてもまあ読めるんですが、もし可能なら、両方読めばより楽しめるかと思います。)


2001年07月15日(日)   あんまり好きにさせないで

   リーフノベルズ   高尾理一:作  かんべあきら:絵

お気に入り作家さんの1人でもあります、高尾先生の新作は、同級生同士のお話です。わりと年令差がある作品が多い(幅は狭くても)ので、珍しいといえば珍しいかな? 自分に自信がなく、いつも下を向いていた主人公は、でも自分が得意だからと、友人の制服のボタン付けなどをしてあげていたりしました。そんな時、クラスの人気者が声をかけてきて、なんだかすっかり彼の専属みたいになって、段々と心惹かれていく主人公ですが、ある時些細なことがきっかけで、2人は身体を重ねるようになり…。

まあ、実際は上のあらすじ部分は回想として展開されるんですが(^^; 現実では、2人ともサラリーマンで、同居してます。ちょっと傲慢でワガママ王子な攻と、内助の功を地で行くようなタイプの健気な受とのお話です。攻が鈍感すぎて(笑)自分の気持ちが愛であるとは考えられなくて、受を悲しませてしまいますが、気付いてからのラブラブっぷりは笑えます(笑)個人的に、いいキャラだなーと思う脇キャラくんもいて、内容は苦手項目「強引に身体から」なんですが(苦笑)わりと楽しめました。

私的評価 ☆☆☆☆
(最初はね、「なんだこのワガママ(^^;」と思ってたんですが、「無器用で鈍感なのね」と思ったらなんだか平気になっちゃった(笑) まあでももうちょっとラブラブな方が好きですが。)


2001年07月13日(金)   だからお願いそばにいて

   ラキアノベルズ   由比まき:作  起家一子:絵

だからお願いシリーズの第3巻にあたります。前作、前々作にてカップルになった、昔遊び人(笑)だった高校生とそのお相手でカタブツ(と思い込んでいた)風紀委員長、そして遊び人だった高校生の従兄で生徒会長と、そのお相手の子の2組のカップルが繰り広げるいちゃいちゃバカップル(笑)話です。今回、大学に入学できた受ちゃんず(笑)ですが、悲喜こもごも、なかなか上手くいかないことばかりで…。

いやはや、バカップルくんたちですなあ(苦笑)でも、受ちゃんずの不安は判らないでもないですね。ちょっと展開が安直な気もしないでもないですが、でもまあ、王道な展開で、安心しては読めるかも。シリーズものなので、これだけ単独で読んでも判らないと思います。前2冊と合わせてどうぞ。

私的評価 ☆☆☆
(こう来るぞ!と思った通りに来られると、それはそれで安心(笑))


2001年07月13日(金)   華胥の幽夢

   講談社文庫  小野不由美:作

ふふふ、楽しみにしてました!十二国記の新刊…といっても内容は、今までにいろんな所で出ていた短編の焼き直しとか、加筆をしたものを収録した短編集です。メフィストに掲載されたものと、IN POCKETに掲載された戴国のお話、それからCDのブックレットに載った利広の話と、同人誌に載ったお話が2編。合計5編が収録されています。同人誌のものと、CDのブックレットのものについては、かなり加筆されている部分もあり、もし持っている人がいても、重ねて楽しめること請け合いです。

一応私も同人誌の方も見せていただいて(ありがとうN様!)全て目はとおしていましたが、改めて読んでけっこう感動。今までのシリーズの細かい隙間を埋めるかのような作品ばかりです。短くとも内容の濃い1冊でした。ぜひとも御一読下さい。

私的評価 ☆☆☆☆☆
(ふふふ(^^)やっぱり十二国記のこの絶妙な世界観、好きですねえ〜。次は秋に新刊予定のようで、今からわくわく楽しみです。)


2001年07月11日(水)   その唇にも光はやどる

   アイスノベルズ  麻生玲子:作  日下孝秋:絵

小説アンソロジー「大人の恋」に掲載された表題作に大幅に加筆してのノベルズ化です。アンソロジーを読んでいたので、どういう風に加筆されるのかが楽しみな作品でした。主人公は、商業カメラマンと高校生。ミーハーな所のある姉に連れられて写真展を見に出かけた高校生は、その写真を取った張本人であるカメラマンに会い、アプローチを受けてそれを受け入れ、身体を重ねるようになりますが…。

後半部分がかなり加筆されていました。ちょっとネタバレですが、一旦掲載分のあたりできちんと付き合うようになった2人が、低俗な雑誌に写真を載せられてしまい、淫行だからということで、付き合いを自粛するんですよね。その辺りのいきさつとかが「あれ?」という感じ。結構緻密な作品だった印象が強かったのに、えらく平凡な展開になっちゃってました。…あと、書き下ろし部分のイラストが全部濡れ場シーンだってのもなんだかなあ(苦笑)これは、短編の方が良かったかもしれないですね。間延びしてる感じで、ちょっと勿体無かったかも。

私的評価 ☆☆☆
(キャラクターはどっちも好きなんですけどね〜。ま、趣味はそれぞれということで(^^;)


2001年07月11日(水)   好きになった方が勝ち☆

   アイスノベルズ  猫柳りう:作 にゃおんたつね:絵

猫柳先生の2冊目のノベルズ、書き下ろしです。前作は大どんでん返しがあったので(^^;(思ってたカップリングと逆だった(^^;)今回はどうかなあとどきどきしながら、購入しました。主人公は、ちょっと天然ボケなタイプの少年。幼馴染みで1年先輩にあたる想い人を熱烈に慕っています。一方の想われ人な先輩は、堅物で有名な生徒会副会長。熱烈な幼馴染みのアタックに、最初は戸惑っていたものの、段々気持ちは変化していって…。

展開としては、非常に定番な感じで、どんでん返しはなくて、ホッとしました(笑)鈍感な先輩の反応が笑えます。一途な主人公も、ちょっと方向性が間違ってるあたりは笑えます。主人公は昔こそぱっとしない風貌と体型だったものの、今はモデルとして活躍していて、その仕事場を見に行ったことが、先輩の意識改革に繋がったんですね。飛び抜けて面白いシーンや印象的なシーンがあったわけではないんですが、流れも自然で、楽しめました。

私的評価 ☆☆☆★
(ほんとに、「定番」な作品。学園ものの王道っぽいですね。)


2001年07月10日(火)   生徒の主張☆教師の本分

   ビーボーイコミックス   高座朗:絵

ここのところ気になっている高座朗先生のビブロス初コミックス。染井先生が原作をして、キャラセレで現在連載中ですが、その絵がけっこう好みだったので手に取ってみたら、小説b-Boyに掲載されていた生徒×先生モノが表題作でした〜(笑)これ、けっこう好きだったんですよ。また気付かず引き寄せられたようです。その続編で、マガビーに掲載されたものや、アンソロジーに掲載されたものなど、いろいろつまった短編集です。

美人な受と、ガタイのいい攻がかっこいいし、ギャグシーンのデフォルメ具合も好きです(^^) 濡れ場シーンはかなりエロい気もしますが(^^; 私はデフォルメシーンが好きで買ってるからいいんです(笑)(おい) 割と王道かつお約束な展開ですが、だからこそ楽しんで読んだ感じです。

私的評価 ☆☆☆★
(思わぬ拾い物、という感じでした。今度はキャラで原作付きの分のコミックス出ないかなあ…と期待中。)


2001年07月10日(火)   三千世界の鴉を殺し 4

   ウィングス文庫   津守時生:作  古張乃莉:絵

大人気シリーズ「三千世界の鴉を殺し」の4巻目です。今回は「働くルーシーちゃん(笑)」のお話です。大事な証人を取りかえすべく、都市警察や犯人グループと肉弾戦&電脳戦を繰り広げるルシファとライラですが…。

すっかりSFな話が中心なもので、苦手な人もいるかなあ?でも、相変わらずで楽しいったらないです(笑) 電脳戦を繰り広げる彼らが、なにかににていると思ったら、昔ディズニーで作られてた映画「トロン」がイメージに近いんだ、と思い付きました(笑) 同時発売のリアルゲームシリーズといい、これといい、似てるわ〜(笑) いや、好きなんですよ、あの映画、出来は悪かったけど(笑)


私的評価 ☆☆☆☆☆
(いちいち言動も楽しいルシファも楽しいし、ニコラルーンも出てきてわくわく倍増。次の巻が楽しみです〜(^^))


2001年07月08日(日)   シュミレーション・ゲーム

   ウィングス文庫    前田栄:作  麻々原絵里依:絵

SFもので、ウィングスノベルズにて発売されていたものの文庫化です。前作「リアル・ゲーム」にて、体感RPGゲーム「ファンタジア」にアクセスし、事件解決に一役買った少年(ゲーム名ルーク)と、一緒に戦った青年(ゲーム名ヴァルダー)とのお話。今回は、いろいろ弊害があったファンタジアから、なぜかルークとヴァルダーに招待状が届き、強制的に、またもや体感RPGゲーム「ファンタジア」を訪れて、こんどは「シュミレーションゲーム」にて、ファンタジア統一という使命を果たさなければならなくなった主人公ですが…。

ほとんどが、ゲームの中の記述なんで、ゲーム好きにはぬるい所もあるかもしれませんが、私は好きです(笑) 非常に、キャラクターが人間臭くて、笑えます。まあ、ゲームキャラクターが実は意識をファンタジアに乗っ取られたキャラだった…というのが、前回のオチだったんで、今回もはらはらしつつ楽しませてもらいました。どちらかというと、前作よりもこちらの方が好きで、文庫化を楽しみにしていたんです。ノベルズの時も読んでいるので新鮮さはありませんでしたが(^^;でもまた続いてくれたらなあと思うのですが。

私的評価 ☆☆☆☆
(前田先生の作品は、どちらかというと、ちょっとギャグテイストに近いこの作品が、一番好きなんですよ。シリアスよりも好きなんだと思います。)


2001年07月08日(日)   くちびるに散弾銃

    ショコラノベルズ  海賀卓子:作  金ひかる:絵

小説ショコラに掲載された、「くちびるに機関銃」の脇キャラ編と、その続編書き下ろしです。雑誌掲載の時に好きだなあと思って読んでいたくせに、タイトル見てもピンとこなかった(またか)ですが、読んでみてさらに続編もあるのに大喜びです(^^) 主人公は、前作の受キャラの同僚で、税務署勤務の青年。ある日車で移動中に事故を起こしてしまい、その被害者の少年(といっても実年齢は二十歳超えてますが(笑))は手と足を負傷してしまいます。放っておくことができず、様子を訪ねた主人公は…。

ちょっと関係に入る部分は唐突なんですが、その後からどんどんと惹かれあっていくので、気にならなくなります。とにかく控えめで、健気な受と、どうしたらよいかと悩む非常に「人間くさい」主人公は、でもナイスコンビだと思う(笑)書き下ろしでは、定番ですが、見合い騒ぎも起きます。でも見合い相手が大食いってのは意表をついてて笑えました(笑)あ、あと続編のタイトルも大笑い。確かに読みは一緒だけどさ…(笑) 個人的に、現在の通勤圏内の話なので(笑)<作品の舞台>より想像しやすくて面白かったです(^^)

私的評価 ☆☆☆☆★
(金先生のイラストが、色っぽくもあり、可愛くもありで、この作品のキャラたちをより魅力的にしてます。前作も合わせてぜひどうぞ。)


2001年07月05日(木)   雨衣奇談

  X文庫ホワイトハート  椹野道流:作  あかま日砂紀:絵

ふふふ、楽しみにしておりました、奇談シリーズの第2部スタートです。なんと今回は、天本&敏生コンビは海外脱出しちゃいます。ベトナムで調査に乗り出す彼らですが、お馴染みの人の偶然の出会いと協力もあり、また天本さんの過去や古傷も出てきて…。

かなり盛り沢山な内容…なんだと思うんですが、読後感はなんだかのんびりゆったりな感じでした。後書きで椹野先生が「なんだか『たう〜ん』とした作品になった」とおっしゃってて、なんとぴったりな表現だろうと思わず笑ってしまったぐらい。やっぱりベトナムは暑くて、天本さんの動きがニブかったのが原因でしょうか(笑) 天本さんの過去&トラウマがどんどん表面化してきて、今後これがどう動くのかが一番気になるところですね。次巻を心待ちにしています。しかし、天本父が天本さん本人に呼び掛ける時「マイ ルシファ」だなんて、なんか意味深で気になる〜。

私的評価 ☆☆☆☆☆
(この本は(数日ずれましたが)ドラマCD(こちらは脚本原作を書き下ろし)と同時発売でした。CD聞いてから読むと、よりイメージができて、楽しく読めるかと思います(^^))


2001年07月03日(火)   ちょー秋の祭典

     コバルト文庫  野梨原花南:作  宮城とおこ:絵

コバルトでのお気に入りのファンタジーなシリーズ最新刊。主人公たちの子供編になり、主役は子供たちでなく、獣の耳を持つ少女です。魔王に目をつけられてしまい、魔族とやりあいつつ、トードリアを目指す主人公達の子供の1人オニキスと、獣の耳を持つ少女ですが…。

やっぱり好きだなあ。めげない頑張る子供達も、それをフォローする周りの大人たちも。絶妙なんですよ、そのチームワークが(笑)コメディちっくで楽しくてワハハと笑って、そしてその気持ちの根底にある、なんともいえない切ない感情に、ちょっとほろっとしたりもして。一喜一憂しちゃいました。いつも和んで楽しませてもらっているシリーズです。

私的評価 ☆☆☆☆
(個人的に、早くスマート再登場してほしいなあ〜(笑)…誰と結婚したんだろう、彼は。)


2001年07月03日(火)   壬生狼伝 2 池田屋騒動

   パレット文庫  秋月こお:作  ほたか乱:絵

新撰組を題材にした壬生狼伝シリーズ第2巻。前作でほのぼのした愛情を育てた主人公朔次郎とお相手の沖田総司ですが、2巻ではいよいよかの有名な池田屋襲撃が行われます。同時に沖田が病魔に倒れる有名なシーンでもありますよね。そんな落ち着かない中、それでも2人は寄り添いあいますが…。

うーん、うーん…(^^; やっぱり私にとって沖田は受だなあー(というか読んでても受ちっく(笑))と思ってしまいました。…まあ、関係自体がはっきりどちらがどっちの役(苦笑)というものがないんで、余計にそう読めるんですな。飄々とした沖田と健気な主人公は見どころですが、やっぱりどこかで土方氏がお相手に成り変わりそうな気がするのでした。(そういう記述はこの巻にはありませんが(笑))

私的評価 ☆☆☆★
(良くあるネタなだけに、難しいと思いますが、とっても「秋月先生テイスト」な作品で、楽しめました(^^))


2001年07月03日(火)   りぼん記念日

   パレット文庫  五百香ノエル:作  穂波ゆきね:絵

五百香先生のちょっと異色でHなコメディです。主人公は、性が定まらないという不思議な運命を背負った少女りぼん。…そう、少女なんですよ(^^;で、ニンフォマニアでもあって、とにかくHで(^^; 高校に入学して以降、いろんな人とやりまくっている(^^;りぼんですが、彼女には婚約者がいて…。

うーん、表現するならGENEのイリが快楽的かつ楽観的になったらこういう感じかなあ。性が定まらないとはいえ、普段は完璧に女の子です。奔放であけっぴろげなので、罪悪感はなくて。そういうのが苦手な人は辛いかもなーと思いつつ。最後までこれかな?と思ったらラストの章で婚約者が出てきて、謎の一部がとけ、さらに別の顔が見られます。この章が一番面白かったなあ〜。カテゴリで言えばこれは全然ボーイズラブじゃない(どっちかというとポルノだよな(^^;)ですが、ラストの章があるからこその話になってた気がしますね。

私的評価 ☆☆☆
(好みはあると思いますが、チャレンジャーを自負する方はぜひ読んでみて下さい。勢いとHと(笑)コメディテイストは、五百香先生ならではです。)


2001年07月01日(日)   花を揺らす風

   リーフノベルズ   春原いずみ:作  小路龍流:絵

春原先生の初リーフノベルズは、香水の調香師と、薔薇園で薔薇の交配をしつつ経営している物静かな青年とのお話です。才能溢れる調香師ながらも、少々スランプになっていて、それをなんとかしようと薔薇園を訪ね、懐かしい香りに出会い、そして青年と運命の出会いをしますが…。

いやあ、もう薔薇の香りの描写満載で、くしゃみでそうでした(笑)ふゆの先生の「ボディスペシャル〜」でも同じことを思いましたが、鼻にアレルギーを持っていて、なおかつ想像力豊かな私には、ちょっと過剰な描写で辛かったなあ(^^; 話の筋や流れはいかにも春原さんテイストなので、満足。というか、これがリーフで出たこと自体ちょっとびっくり(笑)出版者がリーフなだけに、もっとHくさいかと覚悟していたので(笑)

私的評価 ☆☆☆★
(香水ネタは、興味がないから余計にあんまり好きじゃないんですが、お好きな方や春原先生特有の流れるようなお話が好きな方はぜひ。)


2001年07月01日(日)   バックステージで奪いたい

    リーフノベルズ   水上ルイ:作   史堂櫂:絵

服飾デザイナーを描いた「クローゼットで奪いたい」の別視点別キャラのお話になります。主人公は双子のファッションモデル。妥協せず、我慢せず(笑)大らかでいるため、まだ売れないままでいます。そんないつでも一緒の彼らの支えになっているのは、隣の家の美人のデザイナーの卵。貧しくても楽しい日々を送る彼らに、今度は運が向いてきて…。

ほんとは双子の片割れが主人公なんですが、まあ、先入観なしに読んだ方が楽しいと思うので上のような粗筋になりました(笑)隣の家の服飾デザイナーが前作「クローゼット〜」の主人公で、ちょうどこの主人公が恋人と出会った辺りからの脇視点なので、意外と楽しめました。パターンにはまった感じもさほどしなかったのは、職種の違いとか、あと出会いシーンや再会シーンも突飛で良かったです。

私的評価 ☆☆☆☆
(前作と合わせて読むと倍楽しめるんじゃないかなと思います。おまけ短編みたいな感じで前作のカップルや、他の脇キャラカップルの話も読めます。)