2002年10月のレビュー

 


2002年10月31日(木)   この魔法がすごい!

   あすかCL−DXコミックス  さいが氷子:絵

最初は手に取らなかったんですが、友人にすすめられたので読んでみました。魔法学校に通う、ちょっと出来の悪い少年と、その先輩たちのお話です。主人公は、あまり魔法が得意ではなくて、一生懸命取り組んでいますが上手くいきません。しかも、先輩にかけられた魔法のせいで、なぜかやたらと同級生に好かれまくっていて、大変な日々をすごしていますが…。

友人が勧めてくれた理由の1つが「出てくるモノの可愛さ」だったんですが、同じく私もハマりました…(笑)魔法失敗して出てくるイモムシや金魚の出来損ないがラブリー(笑) こういうギャグで笑えるモノが出てくるのは大好きです!(笑)勧めてくれてありがとうKくん。というわけで、ちょっと笑えて可愛いなあと和める作品でした。あ、ちゃんとボーイズラブテイストもあって、結構オススメ。絵も可愛かったし、ちょっとこれからチェックしようかなあと思っています。

私的評価 ☆☆☆☆
(あの「びちびち」が私をノックアウトしました(笑) 笑えますのでぜひ読んでみてね?)


2002年10月31日(木)   ダルリアッド 野望の果て

   ビーンズ文庫   駒崎優:作  小田切ほたる:絵

ダルリアッドシリーズの2作目は、前作とはまた違う部族の戦いを舞台にしたお話になります。主人公ダルリアッドは通称「トゥール」といい、闘神ルーグに寵愛されています。しかし、ルーグに迎合せず、自分のしたいようにするトゥール。ある日森の中で1人の少年を見つけ、子供のない家へ彼を連れて行き、育ててもらうように頼むと、その後もその子供を見守り続けますが…。

前作でも思ったんですが、主人公という感じがあんまりしないというか(笑)トゥール視点ではないので、誰が主人公言われたら強いて言えば彼かなという感じです。今回はルーグとの関係についてもかなり大きく変わって行くので、それもどきどきでした。ただ、前作の方がお話としては完成度が高かった気もするな(^^; 後半でルーグが人間的になってしまったからでしょうか。ファンタジーなのでなんでもありなんですが、もうちょっとルーグは神らしくあって欲しかった気もする。わがままですね(^^;

私的評価 ☆☆☆
(じゃあ「神らしくってどんなの」と言われたら答えられないんですが(笑)漠然としたイメージの問題なんです。すいません(^^;)


2002年10月31日(木)   この夏、突然に

   ルビー文庫   杉昌樹:作   後藤星:絵

後藤先生の絵に惹かれて手に取りました。これがデビュー作らしい、新人作家さんの初文庫は、大学生同士のお話で、今年の初夏から熱狂につつまれたワールドカップサッカーを下敷きに展開していきます。主人公は、神学系の寮に入ることにした大学生。自分の性癖を自覚していて、逆にストイックになれるかとその寮を選びました。しかし、その引っ越しの前に出会って一目惚れをしていた青年が、同室になってしまい…。

…いや、なんというか…これは小説なんだろうか(^^;というミもフタもない感想しかのこりませんでした。妙に描写や文章がボーイズラブではなく「さぶ」ちっくで(苦笑)即物的だしなんだか情緒に欠けるというか…(^^; せっかくワールドカップをからめている割には、「単に同時期にあっただけ」という感じで、特別なエピソードもなくて、却ってその描写が無駄になっていたりして、とてもバランスの悪い印象の作品でした。一部分の描写がよくても、やはり全体的な作品のカラーと言うのがあると思うんですが、これはギャグなのかシリアスなのか、それすらも説明できないですわ(^^; ストーリー以前の問題かな、これって。

私的評価 ☆
(酷評ですが(^^; あまりにびっくりしたので(^^; ごめんなさい。多分このバランスの悪さは、イラストとの落差も関係してると思います。こんなカラーの作品に、なぜ後藤先生のイラストだったのか、それが一番不思議だ(^^;)


2002年10月31日(木)   ご褒美はレースのあとで

   ルビー文庫   高尾理一:作  葛井美鳥:絵

高尾先生のひさしぶりの文庫です。今回もお得意の競馬の世界を題材にした書きおろしです。主人公は、高校を中退し、騎手になる夢を叶えるため競馬学校へと通う少年。寮で同室になったのは、有名な騎手であった調教師を父にもつエリートの少年で、主人公は彼に憧れの思いを抱き、だんだんとそれは恋に変化していきます。そしてその気持ちを相手に伝えた主人公。ひょんなことから、ルームメイトの範疇を超えてしまった二人ですが…。

やはり好きなだけはあるなというか(笑)テンポがいいです。競馬というのを別の視点から見せてもらってる感じで、私はこの競馬モノが結構好きなので、楽しませていただきました。展開は安直だったりもしますし、少々なし崩しっぽいんですが(^^; それでも納得できるストーリーが随所にあるので、まあ帳消しに…なるかな?(笑)主人公の一生懸命さは可愛いです。ぜひともかっこいい騎手になって大活躍して欲しいものです。

私的評価 ☆☆☆★
(元気で一生懸命、可愛いキャラが好きな方はオススメかな?私は葛井先生とのユニットなので、それも嬉しかったです。このお2人のコンビが好きなのです(笑))


2002年10月30日(水)   ダブル・トラブル・ラブ

   エクリプスロマンス  櫻井ちはや:作  かんべあきら:絵

小説エクリプスに掲載された表題作を加筆訂正し、続編の書きおろしと共に収録されています。主人公は、高校生になったばかりの少年。双子の弟と一緒に制服の採寸をするために進学した高校へ出かけ、そこでハンサムな男の子に出会います。最初は弟のほうに声をかけた彼は、そのあと主人公をじっと見つめ、それがとても気になった主人公ですが…。

なにやら雑誌掲載の時とはかなり変わっているらしく、気になってたんですが、すぐ手元に掲載誌がなかったため断念。主人公がぽわぽわ天然系の子なので、おかしいやらカワイイやら。弟も頑張っていますが、お相手キャラも一生懸命でけっこう和みます。続編では、弟にもお相手がいるのが発覚しますが、私はこの弟の恋人キャラがかなり好きで(笑)キャラですっかりお気に入りになってしまった感じの1冊(^^;お話のつっこみ所はけっこうあったんですが、可愛いからまあいいか〜(笑)

私的評価 ☆☆☆★
(かんべ先生のイラストが可愛さをさらに強調してました(笑)弟カップルの話も、読めたら読んでみたいかも。なれそめが気になるぞ(笑))


2002年10月30日(水)   敵は恋人

   アズノベルズ  火崎勇:作  角田緑:絵

先月創刊されたばかりのレーベルからの書きおろし新作です。主人公は、早くに両親を亡くし、叔父夫婦と一緒に住んでいたものの、また叔母を亡くしてしまい、叔父と2人で暮らしている高校生。自分が叔父の枷になってはいけないと、極力自立をしています。彼が気になっているのは、時々叔父の元を訪れる叔父の友人。ひょっとしてその男は叔父に惚れているのではないかと疑い、どうにも気に入らない主人公ですが、その男はなにかと主人公にちょっかいを出してきて…。

やっぱり健気な受キャラは可愛い〜。健気なだけでなく、ちゃんと物を考えているし頭もいいし、一生懸命なところがすごくいいです。すっと主人公の思考に同調できて、凄く読みやすかった。主人公が気にする叔父の友人にしても、後半まで一体どんなキャラなのかがつかめないのですが、それが自然なので不可解な感じもなく、すごく納得して読めました。ジャンル的にはけっこういつもならツッコミしまくる系統ではあったんですが(笑)これは大丈夫だったなあ。これ、今後の二人が凄く気になるので、できたら続編が読みたいなあと思います。

私的評価 ☆☆☆☆★
(恋愛中心ではないので、物足りない人もいるかもしれませんが、私はこういう作品が好き。イラストの角田先生の絵も綺麗で幸せ〜♪)


2002年10月28日(月)   優しく奪わないで

   エクリプスロマンス   きたざわ尋子:作  永瀬由成:絵

小説エクリプスに掲載された、「優しくせめないで」の続編と、その続きの書きおろしが収録されています。主人公は、高校時代は陸上部で人気者だったけれど確執があり、今は大人しい大学生で、前作でアプローチをかけて来た恋人と今は同居しています。恋人は、アメリカで有数の製薬会社の御曹子ですが、主人公との生活を選んで日本に国籍を決めてしまっています。今回は恋人の兄弟が、説得するためにやってきますが…。

前作にくらべると、今回のほうがより自分としては読みやすくはありました。妙に余裕ぶっている攻キャラですが、ライバル出現に焦ってみたり、オロオロしてみたり嫉妬してみたり、そういう人間的な部分が多ければ多いほど、やはり好みのようです。ただ、どうにも行為にしろ言動にしろ強引なのはつらいかな(^^;「人の話をちゃんと聞け!」と思ってしまうのだ(^^; 個人的に今回一押ししたかったキャラは、実は攻キャラの兄でした。研究畑ひとすじで朴訥なキャラなんですが、思いっきり受にほだされてて(笑)ナイスです。このキャラが攻だったらもっと好みだっただろうなあ…(笑)

私的評価 ☆☆☆
(主人公のトラウマな部分が少しだけ解決に向かったのはよかったなあと思います。また続きが出るのかな?(^^))


2002年10月26日(土)   王朝夏曙ロマンセ

   キャラ文庫   秋月こお:作  唯月一:絵

まさか続くとは思ってなかった(笑)平安ものシリーズ第二弾です。主人公は元気で気のつく少年。前作で貴族藤原諸兄の家人&恋人(笑)となった主人公ですが、やはり勉強よりも身体を動かす方が好きで、競い馬をやりたがり、それが元で諸兄と仲たがいのようになってしまいます。そんな微妙な時期に、次々といろんな事件がおこって…。

テンポがよくて面白いです。さすが秋月先生という感じ。…だけど、やはり「本来の相手」以外に手ほどきされて色っぽくなるっつーのだけは戴けなかったなあ(^^; どうやら私は業平は主人公をそういう目では見ていないと思い込んでたらしいです。別にそんなこと書いてないけど、業平びいきでもあり、諸兄びいきでもある私にしてみれば「反則」なネタでした(^^; だって、2人の連携にヒビが入りかねないし、純朴な諸兄を裏切ってるじゃん、それって(^^; 全体が面白かっただけに、どうも納得いかんかった…(笑)

私的評価 ☆☆☆★
(どうやら漫画化されるらしいこの作品。華やかなので、きっと映えるだろうなあと思います。楽しみですね。)


2002年10月26日(土)   お願いクッキー

   キャラ文庫  鹿住槙:作  北畠あけ乃:絵

雑誌キャラに掲載された表題作とその続編書き下ろしです。主人公は、大きな製薬会社の社長の庶子として生まれ、その後母親が後妻に入ったもののすぐにでていき、微妙な立場のもとにいる高校生。遠慮や控えめを地で行くような、そんな彼は父の会社のパーティで出会った青年をひそかにあこがれの気持ちで見ています。しかしその彼は、義理の姉の婚約者で…。

タイトルの可愛さのわりにはかなりシリアスな作品です。雑誌掲載の時も落差があるなーと思ったんですが(笑)続編もさらにシリアスです。…というか、やはりそうなったか…(^^;という展開で、少々読むのが辛かった。健気な主人公なだけに、もうこれ以上寄ってたかって傷つけるなよ〜(^^;と思う。ストーリーとしては少々苦手な部類に入るので、余計にしんどかったのかな。主人公たちの恋愛よりも、周りの人間のイタさが際立っていて、どうにも読みづらい作品でした。

私的評価 ☆☆★
(鹿住先生のシリアスって、時々どうしても私には辛いのがあるんですよねえ。「ポジション」もそうでした。読むし、好きな作家さんなんだけど、ダメなポイントというのはあるものです(^^;)


2002年10月26日(土)   白檀の甘い罠

   キャラ文庫  春原いずみ:作  明森びびか:絵

春原先生の久しぶりのキャラ文庫です。全編書き下ろしで、香道の家元の家系に生まれた大学生が主人公です。主人公は理学部を卒業した研究畑の青年。ギリギリで卒論を提出し、のほほんと卒業式を迎えた主人公は、すっかり携帯の充電を忘れていました。そんな彼にいきなり電報が送られてきて実家に呼び戻されてしまいます。彼の実家は香道の家元ですが、そこでは大変な騒ぎが持ち上がっていて…。

特殊な職業(?)シリーズですか(笑)今回は「香道」という、おけいこ事でもなかなかないような風流なものが題材ですが、めったにないだけに、やはり表現が時々判りにくかったり、想像するのに時間がかかったりして、もどかしい部分もちらほら。相当いろいろと調べられたようで、いい加減な書き方はなさっていないんですけどね。想像つかない部分はいくら言葉を尽くして書かれてもやっぱり分かりにくいなあ(^^; 主人公の一生懸命さや、周りの人間の思惑、辛さなんかはとても共感できたのですが、逆に最後まで攻キャラが何を考えてるのかつかみにくかったな(^^; もうちょっとその辺を深く読みたかった気もします。

私的評価 ☆☆☆★
(「香り」というところにポイントがおかれていて、思わずどんな香りなのかちょっときになってしまいます(笑) でも香水ネタの時ほど鼻がムズムズしないのは、やはり和風だからかしら(笑))


2002年10月25日(金)   子供は止まらない 2

   キャラコミックス  二宮悦巳:作画  菅野彰:原作

毎日晴天!のコミックス4冊目、子供シリーズでは2冊目になります。帯刀家の末っ子真弓と居候である勇太の恋愛のお話…のはず(笑)原作ではかなりシリアスな感じの2人になっていますが、まだ若気のいたりというか(笑)可愛い時期なので、読んでいても和むしさわやかですねえ。真弓が気になって仕方ない勇太は、やがて自分の気持ちを自覚して、その上で真弓を支える決心をしますが…。

原作は原作ですごく好きなんですが、このコミックスに関しては、その原作から読みとって想像するだけだった「行間」を絵にしてもらっているかのような、そういうぴったり自分の想像通りの表情や姿を見せてもらっている気がします。前にも書いた気がするんですが、とても理想的な「コミックス化」という感じ。だからぜひ原作と合わせて読んで欲しいなと思います。私は早く龍兄&明信が見たい!(笑)そういえば、来年春には第二弾として真弓たちのシリーズがCDになりますが、CDも、ぜひこういうコミックスのような「原作に寄り添い原作をよりよくする材料」であって欲しいなあと思います。

私的評価 ☆☆☆☆★
(原作至上主義…というほどではないにしろ、やはり原作あってこそのさまざまなアプローチだと思うんですよね。原作を損なわないというのは、私にとって大事なポイントのようです。)


2002年10月24日(木)   いとこ同士

    ダリアコミックス     今市子:絵

こんなのムービックで掲載してたっけな〜(^^;と思いながら手にとった1冊。…思いっきり昔の作品の再録でした〜。ああびっくりした。内容としては、昔雑誌に掲載されたものや、同人誌に描かれたものの再録中心で、同じネタで描きおろしもされています。言わば短編集みたいな感じですね。一番数が多いのが、タイトルにもなっているいとこ同士のお話を描いたもので、だからこれが表題作なのかなーと。

全体に、「ああ、こういう作品があってこそ、今の今市子先生の作品があるんだなあ」という、感慨に浸りつつ読みました。相当古い絵なので、最初はびっくりしますが、やはりちょっとシュールだったり、ちょっとシリアスだったりちょっとコメディっぽかったりと、いろんな要素がある、とても今先生らしい作品ばかりでした。けっこうしっかり濡れ場シーンも描いてあるんだけど、あんまり肉欲くさくないんだよね、透明感があるというか。昔からこういうのが今先生のカラーだったんだろうなあと、ほのぼの思いつつ読んでいました。

私的評価 ☆☆☆
(今の作品ではないので、今の絵が好きだとびっくりするかも(笑)変わらないといえば変わらないけど、それでも絵がすごく古い感じ。貴重と言えば貴重な1冊でしょうか?)


2002年10月17日(木)   負けてたまるか! 〜白薔薇のキス〜

    ビーボーイノベルズ  綺月陣:作  青海信濃:絵

小説b-Boyか、BEaST(すいません、今ちょっと未確認(^^;)に掲載された、サラリーマンもののお話と、その続編の書き下ろしが掲載されています。主人公は、大手の電機メーカーに勤め、やり手としてバリバリ仕事をこなしている青年。ゲイであり、夜な夜な浮名も流しています。そんな彼が夜の町で可愛い少年を落とそうとしていたところ、妙なひげ面の男に邪魔をされてしまいます。会社で大きな仕事をまかされた青年は、その仕事相手に会うことになり、顔をあわせてみると、それはなんと例のひげ面男で…。

一応雑誌掲載の時にも読んでて、作品自体は嫌いではなかったんですが、ひげ面オヤジがエセ関西弁を喋るのに辟易してて(^^; 少々辛い作品でした。そんな喋り方しないよ、ヤクザじゃないんだからさあ(^^;…と思うのは、私に関西ならではのこだわりがあるからだとは思いますが…。ワイルドさを出そうと思っているのだったら、私には逆効果でした。もうちょっと「聞ける関西弁」にして欲しかったなあ。私はけっこう頭の中で音声に変換しているらしく(笑)余計に違和感があったみたい。作品のネタや勢いはあっただけにちと残念。

私的評価 ☆☆★
(もともとは、今回の作品で脇キャラとして出て来たサラリーマンの上司&部下カップルがこのシリーズの主人公だったんですが、すっかり主役の座を明け渡してますね(笑) まあ、キャラとしてはこっちのほうが好きですが(^^;)


2002年10月17日(木)   お気に召さないまま!?

    ビーボーイノベルズ   夢乃咲実:作  松本テマリ:絵

夢乃先生の新刊は、学園ものの書き下ろしです。主人公は、けっこう可愛い容姿をしてはいるものの、普通のどこにでもいる高校生。彼の在学している高校の生徒会長は、公明正大を絵に描いたような完全無欠タイプの人で、主人公は秘かに憧れの気持ちを抱いています。しかし、出る杭は打たれるという言葉通り、反発の気持ちを持つものもいて、そんな言葉に憤り腹を立てた主人公に対し「好きなのか?」とからかいの言葉をかけられ、主人公は否定するために「嫌いだ!」と言い切ってしまいます。しかしその場に生徒会長が居合わせてしまい…。

意外と面白かったなあというのが第一感想でした(笑) 無理矢理だったり、突飛な設定だったりと、苦手意識もあったんですが、今回は主人公がもともと生徒会長を好きだったことや、生徒会長が妙にヘンなところがあっておかしかったこと、主人公の墓穴の掘り具合(笑)がいい感じにツボにハマったのかなと(笑)コメディとしてはけっこう楽しめるかな?熱血なんだかクールなんだか良く判らないこういうヘンな人、好きなんですよねえ…(笑)…我ながら変なツボだわ。

私的評価 ☆☆☆★
(イラストの松本先生の攻キャラも、いぢわるそうでいい感じ(笑)かなりイラスト効果もあるかもしれません。)


2002年10月11日(金)   王子もキスで目を覚ます

   アイスノベルズ   高月まつり:作   宮沢ゆら:絵

こっそりシリーズな(笑)魂管理局シリーズの1つになります。小説アイスに掲載された表題作と、その続編書き下ろしが収録されています。主人公は、幼馴染みが大好きな普通の高校生。可愛い幼馴染みに起こされて、今日こそ告白を!と思いながら階段を降りようとして、墜落してしまいます。…ハッと気がついた時には、なぜか自分の視点はとても低く、しかもここは幼馴染みの部屋で…。

雑誌掲載の時もめちゃめちゃ楽しかった作品ですね(笑)この発想がたまらん(笑)魂管理局がネタになると、どうにも「なんでもあり」状態になるので、どういう変化球が投げられてくるのかこちらも予測がつかなくて、余計に楽しいというか(笑)今回も笑わせて頂きました。もちろん今までの関連作品を知らなくてもなんら問題ないですし、知ってると思わずニヤリとしちゃうぐらいですが、やはり私はタキ局長が好きならしい(笑)彼が出てくるだけでツボを押しまくられております。タキの事を知りたい人は、せめて「いつのまにやらプリンスメーカー」だけでもちらっと読むとより楽しいです。

私的評価 ☆☆☆☆
(「魂管理局は動かしやすい」と先生のあとがきにもありましたが、ほんとにそんな感じ。一番生き生きしてる気がする(笑))


2002年10月09日(水)   逃走経路〜夢のあとに〜

   クリスタル文庫  ふゆの仁子:作  山田ユギ:絵

多分、どこかの雑誌で掲載されていた…ような気がするんですが、正確に覚えていなくて判らないです(^^; 義兄弟もののお話です。主人公は、父子家庭で育ち、父の再婚により弟が出来ました。最初はどう接すればいいのかと迷っていたものの、可愛い弟に心をほだされて、守ってやろうと思えるようになり、やがてそれは自分でも押さえられないほどの思いに変わっていきますが…。

うーん…、いかにも一昔前のJUNEっぽい、救いようのないような感じの展開で(^^; 読んでてけっこうしんどい作品でした。が、これが兄弟2人の間だけの話なら、まだなんとか納得できたんだと思うんですが、別のキャラが存在していて、それがまたかなりの存在感を持ってるんですよねえ…(^^; 最初の作品の印象と、結果的に終わってみた時との作品内における恋愛のカップリングが全く違うし、正確な意味では恋愛すらまだ始まってない(これから始まるという感じ(^^;)…という終わり方で、一体どうしたらいいんだこの不完全燃焼な気持ちは(T_T)

私的評価 ☆★
(やっぱり作品を読みはじめる時、ある程度「この2人がカップルかな」と想定して読むということが多いと思うのです。…それが根底から覆るだけで、やはり読みにくいものですね(^^;)


2002年10月09日(水)   唇はワザワイのもと

   GENKIノベルズ    遠野春日:作    山田ユギ:絵

書き下ろしのサラリーマンもののお話です。主人公は、派遣サービス業で営業をしている青年。ライバル会社の営業としのぎを削りつつ、自社の派遣の契約をしようと一生懸命に仕事をしています。しかし、ライバル会社に契約を取られ悔しい思いをした主人公。憂さ晴らしにと飲みに入った店でライバル会社の営業が彼女に振られた場面を目撃してしまいます。気まずい雰囲気の中2人で取り残され、思わず「慰めてやろうか?」と言ってしまって…。

最初あまり集中して読めなかったのもあるかとは思うんですが、とにかくとっつきにくかったです。一瞬どっちがどっちなんだか判らなくなったりもしたので(^^; 多分三人称ではあるものの、視点が主人公よりだったり相手よりだったりとかなり頻繁に移動したせいなんじゃないかなと。テンポがいいし、面白いとは思うんですが、最初がしんどかったなあ…。ラストにショートストーリーで面白い勝負(笑)をやっていて、これはかなり面白かったです。バカなやつらだ…(笑)

私的評価 ☆☆☆
(仕事のシーンがけっこうツボにハマったあたり、やはり働くおにーさんが好きな私です(笑))


2002年10月09日(水)   熱くなるまでまって

   ラキアノベルズ  葉月宮子:作  あさとえいり:絵

全編書き下ろしの温泉地モノのお話です(笑)(←こういう括りがあるのかどうかはツッコミなしで(笑))主人公は老舗の旅館の跡取り息子。女将である母はすでに亡く、父もまた病気でこの世を去ってしまい、独り息子として旅館を経営するべく、仕事を辞めて戻って来た主人公ですが、やはりどうにも未熟な部分が多く、旅館にも閑古鳥が鳴いていてつらい試行錯誤の日々が続いています。そんな中、主人公が旅館近くで偶然出会った不思議な青年は、正体不明ですが博識でいろいろと相談相手になってくれて…。

ほのぼのした作品です。前々作のサラリーマンものは、その時はまっているキャラ丸出しでちょっと引いたんですが、今回はそういうのがなかったので安心して読みました(笑)旅館の主人として頑張る主人公が健気で可愛いです。お相手キャラの青年は、かなり後の方まで正体が判りません。判らない癖にやたら主人公が信用しているあたり、少々不自然な気もしないでもないんですが(笑)全体に可愛い雰囲気なので、まあいいかな。

私的評価 ☆☆☆
(あさと先生のイラストが綺麗でうっとりでした(^^))


2002年10月09日(水)   むくちなウサギ

   ラキアノベルズ  新城真:作  神葉理世:絵

新人作家さんの初ノベルズです。どうかなーと思いながら、サラリーマンものだったのでちょっと買ってみました。主人公は、無口で真面目で厳しい課長。いつも表情が固いのもあり、なれ合うようなキャラではありません。…しかし実は彼にはとてもとてもすごい秘密があって、それをひた隠しにしているため、余計に壁を作ってしまうのです。ある日、中途採用で新しい部下が入ってきます。その部下に秘密を知られてしまい慌てた主人公は…。

ネタとしては面白いと思うんですが、なんだか文章がすっきりしないというか、読んでいてもすんなり入ってこないんですよね(^^; 説明が妙に多い印象もあるし、必要なことよりあんまり関係ない部分に文章が沢山書かれていたりしてどうにもアンバランスな感じの1冊でした。あとカップルも出来上がってからのほうが魅力がないんだよなあ…。描写次第だと思うんだけどまだまだこれからな感じでした。

私的評価 ☆★
(期待してはいなかったんですが、でもやっぱりある程度のレベルは望みたいと思うんですね。面白いネタなだけに、もうちょっとなにか光るものがあったら良かったのになあと思います。)


2002年10月09日(水)   不器用な唇 2

   ラキアノベルズ  高岡ミズミ:作  石田育絵:絵

雑誌ラキアに掲載された「不器用な唇」の続編と、その後を描いた書き下ろしが収録されています。主人公は大人しい高校生ですが、前作にて恋仲になった同級生(年は上だけど(笑))に支えられ、強い一面も覗かせるようになります。進路のことと、恋人とのこれからのことで思い悩む主人公ですが…。

前作よりもラブラブ度が増し、主人公の強気度も増しているため、かなり好みな1冊になりました(笑)健気な主人公と、けっこうそれにメロメロになってしまっててらしくない(笑)恋人とがほほえましかったりして。続編書き下ろしでは、嫉妬でどうにかなりそうな(笑)2人が楽しめます。展開は定番という感じもしますが、2冊合わせてぜひ。すっかり事の起こり(最初は無理矢理でした(^^;)なんか気にならなくなります。

私的評価 ☆☆☆★
(車屋のオヤジもいいキャラなんだよねえ〜。ぜひ彼のお話も読んでみたい。)


2002年10月09日(水)   晴れの日にも会おう

   ディアプラス文庫  篠野碧:作   みずき健:絵

なんと10月はじめての文庫買い(笑)我ながら珍しいです。小説ディアプラスに掲載された表題作とその続編、そしてショートストーリーが書き下ろしで収録されています。幼馴染み同士の可愛い恋愛のお話です。主人公は、プレイボーイを気取る高校生。でも、実は小さい頃に「お嫁さんにするんだ!」と決めていたお隣の幼馴染みに恋をしています。…しかし、その幼馴染みは、小さい頃こそ可愛くて頼り無かったはずなのに今は野球部のヒーローになっている、正真正銘の「男」で…。

雑誌掲載の時にも思ったんですが、どうにも主人公が「乙女チック」で、なんだかちょっとむずがゆいような居心地の悪さが(笑) その発想をもうちょっと男らしくできんのか!と説教したくなります。割と篠野先生のキャラはぐるぐる思い込みで悩むキャラ多いんですが、これはその中でもトップクラスかもしれん…。自分が女の子なら…と思うのまではまだいいとして、女装はやめようよ…(^^; その展開だけで早くも腰砕けになってしまった。可愛いといえば可愛いんだけどね(^^; 「男同士である必然性」がちょっと感じられないかな(^^;

私的評価 ☆☆★
(まあ、篠野先生の作品は大体同じような感じなんですが…。みずき先生のイラストが見たくて買っちゃうんだよね(^^;)


2002年10月09日(水)   熱病の花

   ラキアSE-Xノベルズ  菱沢九月:作  桃山恵:絵

黒ラキで発売されていた「溺れる体温」の続編になります。主人公は新聞記者の七飯と恋人のリョウで、前作にて紆余曲折を経ていろいろな過去がクリアになり、幸せな日々を過ごしている2人に、またもや事件が降りかかってきます。近所で起きた失踪事件と、リョウの友人のストーカー被害との両方に巻き込まれて…。

前作で凄くツボにハマったので、続編を楽しみにしていました。相変わらずひょうひょうとした感じのリョウと、なんだか可愛くなっちゃってる七飯が楽しかったです。が、前作の重いネタとは違って2人の関係中心になっていたからでしょうか、少々展開が安易な感じもしました。…というか前作なみのものを自分で勝手に想像してたからギャップがあったのかなーと(^^; それから、さすが黒ラキというか、濡れ場シーンも沢山で(笑)「うーん、この半分でも十分だぞ(^^;」という感じも個人的にしてます。ただ、無意味に「やってるだけ」でないのは菱沢先生らしいかな。

私的評価 ☆☆☆☆
(作品全体の雰囲気の良さは保証します(^^) 読んでいて心地いいお話でした。)


2002年10月09日(水)   きみと手をつないで

   ラキアノベルズ  崎谷はるひ:作  富士山ひょうた:絵

崎谷先生のひさしぶりのラキアノベルズは、社会不適合な(笑)作家の青年と、その家に雇われてやってきた家政夫の青年のお話です。寡作でマスコミに対して全ての情報をシャットアウトしているホラー作家は、全く容姿すら判らないまま、作品を書き続けています。その作家の家に住み込みで働いていた家政婦が高齢であるということで辞めることになり、後任がやってきます。その後任はなんと若い男性で…。

わはは(笑)けっこうツボなお話でした。なにがツボって、家政夫の青年の世話焼き加減と、主人公の作家のダメダメさ加減が(笑) 家政夫くんの魂の叫びが聞こえて来そうで(笑)楽しく読みました。恋愛というよりもなんだか刷り込みではないかと言う話も(笑)噛み合わない会話が可笑しいし、楽しく読みました。…ただ、ラスト近くでの濡れ場シーンは、「…あれ?やっぱり低年齢化しちゃうのね…(^^;」とちょっと残念なところも。黒ラキじゃないんだし、全くなしとはいかなくても、そういうシーンはあっさりでも良かったのでは(^^; キャラが精神的に幼いというのは判るけど、そんなに無意識にさそってどーする(^^;

私的評価 ☆☆☆☆
(ひょうた先生のイラストもめちゃかっこよくて、堪能いたしました。キャラクター自体はすごく好きなので、ぜひ続編も読んでみたいなあ。)


2002年10月08日(火)   水の記憶

   クロスノベルズ  剛しいら:作  雪舟薫:絵

どうしようかなと思いつつ、イラスト効果で手にとった作品。発売が延期になっていたものだと思います。主人公は、子供を対象にしたカウンセリングを行っている心理学者の青年。昔自分が関わった事件で知り合った少年は、今では熱帯魚店で働きながら、今も慕ってくれています。ある日少年にすすめられてアロワナを飼うことになり、その水槽を設置しに来た少年は、なんだかなし崩しに一緒に住むことになりますが…。

…ほんとに導入部分だけだな(^^;<あらすじ カウンセラーということで、カウンセリングのクライアントである少年のことと、カウンセラーである主人公自身のことの2つの内容が同時進行している形になります。どちらかというとクライアントの話に重点が置かれているせいもあって、恋愛と言う意味ではちょっと焦れったいかも(^^;…というか主人公自体が精神的に未発達っぽくて(笑) まだまだという感じです。今後も続刊予定だそうなので、その辺りはまた続編でということかな。

私的評価 ☆☆☆
(残念なのは、テーマの割にやはり薄いイメージ…そして安直なイメージがあることと、カウンセラーに対しての描写の問題に個人的なひっかかりがあったことでしょうか。…カウンセラーは、もっともっと深い職業だと思います(^^; )


2002年10月05日(土)   yy−ダブル・ワイ−

   エクリプスロマンス  高崎ともや:作  桜城やや:絵

最初は8月発売予定だったんですが、1ヶ月延びて、さらに数日(笑)発売が遅れました。雑誌小説エクリプスに掲載された、便利屋を営む矢蔵と相棒(というか唯一の従業員)であり、人に言えない過去を持つ青年門柳(通称柳)とのお話と、その続編書き下ろしです。田舎町で動物の迷子探しなどなんでも扱う便利屋をやっていて、都会に引っ越し営業を再開した矢蔵と門柳は、いきなり初仕事からトラブルに巻き込まれてしまいますが…。

まあ、「そんな状況ありかい(^^;」とか「そんな組織なんかないだろう!」とか色々つっこみどころは沢山あるんですが、でもやっぱりテンポがよくて私は好きなんですよね〜。思いっきり自己ツッコミしまくりで墓穴掘りまくりな矢蔵が可笑しくて(笑)かっこよさそうに見えて(実際かっこいいんだろうけど)ちょっと間抜けなところもある柳も楽しい。いいコンビだなと思います。やはり相棒モノでは高崎先生のお話は好きだなと思いました。

私的評価 ☆☆☆☆
(まあ、最近こういうパターンが増えて来た気もしますが(苦笑)でもワンパターンなんだけど飽きないんですよね。キャラがけっこう個性的だからかな?)


2002年10月05日(土)   海とボディーガード

   SHYノベルズ   たけうちりうと:作  ひびき玲音:絵

本編だけでも4冊目、番外をあわせると6冊目になるボディーガードシリーズの新作です。今回の舞台は海の上。豪華客船のアトラクションである、アイススケートショーに参加している「奇跡の4回転ジャンプをする男」が何ものかに狙われているということで、P3Sへ依頼が来ます。可愛いけれど仕事はできる、主人公のジュンは、同僚であり恋人でもあるグレイや他のスタッフと一緒に船に乗り込み、警護にあたりますが…。

相変わらずな彼らが愛しいです(^^) テンポよく進むお話ももちろんですが、やはりキャラクターがいいというか、ギャグなのか本気なのか判らない言動とかも楽しいし、絶妙なコンビネーションも楽しい。たけうち先生ならではのキャラクターが今回も大活躍です。もちろん事件に深く関わる今回のキャラクターたちも、第一印象だけでは語れないいろいろな奥深さを持っていて、楽しく読みました。シリーズものですが、お話自体は単独でちゃんと終わっているので、シリーズものが苦手な人も、一度試してみてくださいね(^^)

私的評価 ☆☆☆☆★
(最初にくらべると、かなりグレイの印象が変わって来ました(笑) すっかりジュンにベタ惚れなグレイが、可愛いです(笑))