2002年12月のレビュー

 


2002年12月28日(土)   ディアスポラ 3

   ウィングス文庫   前田栄:作   金ひかる:絵

小説ウィングスに掲載されている、精霊と魔法の世界を描いた作品の第3巻です。雑誌掲載された2編と、旅の途中での出来事を描いた書き下ろしが収録されています。前巻までで、炎、水、土の3精霊王が揃いました。さて、今回は、前作にてクワンが暴走し、ユリウスは大火傷を負ったままで旅を続け、今度は風の精霊王がいると思われる街を目指します。その街は反魔法をかかげていて、風の精霊王と合流するためには問題を大量に抱えていますが…。

前作でかなりクワンの精神的な打撃が強かったせいもあり、少々心配だった今回、風の精霊王を救うための冒険というかごたごたがまたありましたが、クワン自身の成長がかなり見られたこともあり、前回ほどは心が痛まずにすみました。…というか、新キャラの姫はワガママすぎてちょっと同情できなかったからなあ(^^; 書き下ろしは、旅の中でのちょっとしたエピソードが描かれていて、これも楽しかったです。やはり精霊たちが出てくると楽しいわ〜(笑)

私的評価 ☆☆☆☆
(精霊王が集まるととんでもなく面白くなるなあ、このシリーズ(笑)まだかなり続きそうです。途中からはSF調になってくるらしいですが、次も楽しみです。)


2002年12月28日(土)   三千世界の鴉を殺し 7

   ウィングス文庫   津守時生:作   古張乃莉:絵

掲示板で教えて頂いて、慌てて買いに走りました(笑)小説ウィングスに掲載されている人気シリーズの7巻め。雑誌掲載されたもの(一部加筆あり)と、番外編書き下ろしが収録されています。前巻ラストにてブラッディレスにケンカを売り、絶体絶命な場面を迎えていたルシファ。なんとかその窮地こそ脱しますが、またもやアクションにつぐアクションな展開が待ち構えていて…。

白熱して緊張感のあるアクション&バトルシーンと、あまりにも笑えるルシファたちの会話が絶妙な雰囲気をかもし出してくれています(笑)相変わらずな彼らが嬉しくて、とても楽しく読みました。また、番外編は、ルシファの部下にあたるアダン曹長のうちの子守りをなぜかルシファがやるという、これまた抱腹絶倒な内容で、お腹がよじれそうでした(笑)どうやら、CDについているミニ文庫と繋がっているようなので、またミニ文庫も読みなおさなきゃ♪

私的評価 ☆☆☆☆☆
(今回何が困ったって、思いっきりルシファの台詞が諏訪部さんで聞こえてきたことでした(笑) かなり好評だったらしくCDも第2弾が決定したそうです。これも楽しみです〜(^^))


2002年12月28日(土)   いつか(マ)のつく夕暮れに!

    ビーンズ文庫   喬林知:作   松本テマリ:絵

実は怒濤のように買い揃えてしまったのがこのシリーズ(笑)ちなみに原動力は全員プレゼントCDでした。ちらっとだけ読んだ中で秀逸なキャラクターのキャストが和彦さんだったので、是非聞いてみたいと思っちゃったんですねえ(^^; というわけでその時点での全巻読破して(笑)ちゃんと全プレも手元にございます。…まだ聞いてないけど(^^; 主人公は野球好きな普通の高校生…だったはずなのに、なぜか妙なルートを通り、ついた場所はなんと異世界。そこで主人公は魔王として即位し、数々の難題をクリアしていきますが…。

…このあらすじ、どっちかというとシリーズのあらすじだな(^^; 今回は、前回の続きで悲壮なところから始まったせいもあって、テンションが上がりきらなくて焦れったかったなあ(笑)基本的にこの作品はテンションの高さが面白いと思うんですね。…そして、今時の十代の子にはきっと判らないだろう機関銃のごとく連発される懐かしいネタ振りが魅力でもある(笑)ので、テンション低いとどうにもならない(^^; ただ、意外なところで意外な人物が意外なことになってそうで(笑)またもや次が気になっているのでした。これだから続き物は辛いわ…。

私的評価 ☆☆☆★
(コメディですが、時々、主人公の正直さ、真面目さにほろりとします。脱力なオヤジギャグも多いし、無駄なところもきっと多いけど、それを凌駕する勢いがあると思う。けっこう楽しめるシリーズです。)


2002年12月28日(土)   会長様とキケンな密約

    ルビー文庫   水壬楓子:作   せら:絵

前作「寮長様とヒミツの契約」の別キャラ編にあたります。前作の主人公の1人、寮長の従兄弟で生徒会長が主人公です。この生徒会長、品行方正を絵で書いたようなキャラですが、精神的にバランスがとれていないのか、夢遊病みたいな感じになって、寮の中では無気力に過ごしています。表と裏との表情が全く違う彼ですが、ある日昼寝の場所に行ってみると、そこにはタバコを吸っている見知らぬ少年がいて…。

前作を知らなくても十分楽しめるとは思いますが、できれば読んでいた方がキャラがわかっていいかもしれません。ネタとしては、身体からの関係だし、なしくずしで少々強引だったりと、ひっかかりは覚えるんですが、それぞれのキャラクターの性格が上手くかかれているからでしょうか、意外と薄っぺらい印象はないんですよね。ぼんやりしている生徒会長にしても、相手キャラにしても、バックグラウンドも割としっかりしていて、やることや動きも自然なので、理解しやすかったかも。このシリーズはこれからも続くのかな?今後の彼らも見てみたい気がします。

私的評価 ☆☆☆★
(文庫だから短い気もするけど、でも読み終えた時の物足りなさはあまりないです。ちょうどいい感じですね。)


2002年12月28日(土)   恋愛トラップ

   ルビー文庫    藤崎都:作   蓮川愛:絵

蓮川先生のイラストに惹かれて手に取りました(^^; 学園もののお話です。主人公は美人さんな風紀委員。真面目な彼は風紀チェックを兼ねて、いろいろなところの見回りをしています。その彼が偶然見つけたのは、1学年下の風紀委員要チェックな少年。その日もだらしない服装のまま昼寝をしていました。起こそうとした主人公に、その少年はいきなり手をのばし、キスしてきて…。

いろいろつっこむ場所が沢山ありすぎて(笑)…というのが読了後の感想でした。もっと抵抗しろよ受キャラ(^^; ただ、強引ではあるけれども高校生らしい子供っぽい部分もあって、そこは好感が持てました。…しかし、どうにも受の乙女な発想だけは苦笑しちゃいましたねえ。少女マンガを見ているようでした。

私的評価 ☆☆☆
(前読んだのも「まるで少女マンガにありがちな展開」だったなあ…。ただ、今回の攻キャラはけっこう好きかな。)


2002年12月28日(土)   天国はどこにある

   ルビー文庫    春原いずみ:作  緒田涼歌:絵

春原先生の新作は、同じく病院ものではあるのですが、医者同士ではなく、医療の知識をもたない、一般人が片方の主役という、春原先生の病院ものとしてはとても珍しい(笑)作品です。主人公は、高校時代に交通事故にあい大ケガをしたものの、腕のいい整形外科医に「大丈夫」と言ってもらい、リハビリを頑張ったおかげで、ほとんど生活に支障のない程度に回復しています。そんな彼は、その整形外科医に憧れ、理学療法士…リハビリのための資格を取りたいと強く願っていますが…。

うーん、せっかくのキャラなのに、話の中身が薄いから、魅力が半減してるという気が凄くします。とくに春原先生らしからぬ展開というか「身体から先に篭絡」されている受と「強引に関係を持った」攻が納得いかない…(^^; ましてや主人公にとってはすごく重要だったはずの事柄に対するオチが「…それってあり?(^^;」という感じだったので納得いかない感じが倍増でした。ここのところ、ちょっと辛い展開の物が多いんですが、今回はとくにそうだったなあ(^^; 残念です〜。


私的評価 ☆☆★
(春原先生の魅力というのは、心理描写の細かさと丁寧さ、そして穏やかな作風にあると私は思っているんですが、今回それがあまりなかった気がします。期待してたから、余計に残念かな(^^;)


2002年12月28日(土)   ミルククラウンのゆううつ

   ルビー文庫    崎谷はるひ:作  高久尚子:絵

「ミルククラウンのためいき」の続編になります。元アイドルで家庭に事情があって叔父と同居している可愛い子ちゃんな(笑)高校生が主人公です。前作にてはれて恋人になったサックス吹きの青年は、主人公が所属していた曰くのあるグループのバックバンドとしてツアーに参加していて、せっかくの夏休みなのに全く会うことができず、イライラしています。そんな矢先、大衆ゴシップ誌で恋人のスキャンダルを見てしまい、ショックを受けますが…。

なんだか、2冊目のこれを読むことでやっと納得できた部分が沢山ありました。前作だけだと物足りないというか説明不足だったんですよね。それを上手くちゃんとフォローしていた気がします。是非前作と一緒に読んで欲しいなあ。殻に閉じこもってしまっていた受キャラの少しずつ自立していく様子は、なんだか母親な気分で見守ってしまいました(笑) これで濡れ場シーンの低年齢化がなければ最高なんだけどなあ(^^; 最近の崎谷先生の濡れ場シーンはちとネックです(^^;


私的評価 ☆☆☆☆
(今回の作品のキャラのほうが成長もしてるし人間味もあって魅力的になってた気がする。今後も続くようなので、楽しみにしています。)


2002年12月25日(水)   緑のアルダ 石占の娘

    コバルト文庫  榎木洋子:作  唯月一:絵

最初は買うつもりはなかったんですが、ふと気になり手にとりました。あとがきを読んでビックリ。「龍と魔法使い」「リダーロイス」の各シリーズに繋がる新しいお話でした。これは呼ばれたんだなと重いながら購入しました(笑) 主人公は、東の果ての半島にある、枯れた土地の貧しい村に住む占いのできる少女。良く当る石占いをする彼女を頼りいろんな所から依頼がやってきます。そんな彼女が占いに使う石を探して向かったのは、昔から「入ってはいけない」と強く戒められていた森。そこで驚くべき出会いが待っていて…。

もう、とにかく「なつかしい!」の一言につきます。読んでいても「あ、これはタキのことなんだろうな」とか、地狼ヨールの言葉の端々に浮かぶ懐かしい昔話のほうに反応しちゃいますね(^^; そのくらい大事で大好きな各シリーズなので、新しいシリーズとはいえ、この世界観のお話が読めるのがとても嬉しいです。ぜひとも懐かしいキャラもお目見えして欲しいものですね。

私的評価 ☆☆☆☆
(ものすごく、今リダーロイスと龍と魔法使いを読み返したくなってしまっています。…そのくらい、お気に入りなんです(^^; 早く続きでないかなあ〜。)


2002年12月25日(水)   凛!−RIN−

    キャラコミックス  穂波ゆきね:作画  神奈木智:絵

まってました!キャラセレクションにて連載されていた、原作付きマンガのコミックスです。弓道部を舞台に描いたお話で、主人公は、まだ2年生で弓道はキャリアの浅い少年。子供の頃のトラウマがあり、どうしても緊張すると物事が上手くいきません。そんな彼の安定剤は幼馴染みの腕の中。試合の前や大事な時に、必ず主人公は幼馴染みの元へ行き、ぎゅっと抱きしめてもらいますが…。

待ち焦がれていたコミックス化(^^)全部ちゃんと雑誌で読んでいたけど、こうして1冊になるとまた格別ですね。やはりうっとりなマンガに浸っていました。健気で一生懸命で、悩む主人公が可愛いです。そしてちゃんと自分なりの答えを出していて、それも可愛い。とてもキャラが魅力的で、みんな大好きです。今回、書き下ろしのショートストーリーが、めちゃめちゃラブラブなシーンで、どきどきしちゃいました。…これがあるというだけでも、十分コミックス買った価値がある気がする…(笑)ぜひぜひ、お手にとって下さい。

私的評価 ☆☆☆☆☆
(弓道をしてらしたんですね<穂波先生>だからでしょうか、とても弓道のシーンが印象的だったのは。もしも続編があったら、狂喜乱舞して喜んでしまいそうなぐらい、とてもお気に入りの1冊です。)


2002年12月21日(土)   ワガママなアナタ

    ダリアノベルズ   ふゆの仁子:作   みなみ遥:絵

「ミダラなアナタ」の続編にあたります、全編書き下ろしのノベルズです。主人公はカリスマモデルと言われるようになった20才の青年と、その恋人で年上のベテラン売れっ子デザイナー。モデルの青年が海外で仕事をするようになり、だんだんと一緒にいる時間が少なくなっている2人ですが、会えばラブラブな時間を過ごしています。そんな彼らに突然降り掛かってきた不安と難題とは…。

ふゆの先生には珍しいかなと思うんですが、めちゃめちゃ濡れ場度が高い…気がする(^^; 正確に言うなら、そういうシーンがしつこいというか(笑) 仕事のお話がかなりの部分を占めているにも関わらずあんまり印象が残らないです。前作を知らないと全然何のことか判らないかもしれませんが、とりあえず「働いているキャラたち」はかっこよかったかな。…ただしほんとに後半の間だけでしたが(^^; 

私的評価 ☆☆☆★
(大人なカップルの割に、相当初歩的なところでつまづいているので、少々焦れったい気もしますね。;)


2002年12月21日(土)   Baby Pink

    パレット文庫   池戸裕子:作   ほたか乱:絵

池戸先生の学園スポ根ラブラブなお話です。絶対私どこかでこれを読んでると思うのですが、どこで読んだのか思い出せません…。ひょっとしたら同人誌かなあ(^^; 主人公はバスケ部に在籍する元気な高校生。可愛い外見もありみんなに愛されるキャラクターです。そんな彼の恋人であり、主人公がベタ惚れなのがどちらかというと寡黙な同じバスケ部員。言葉は少なくても、ちゃんと愛しあっている彼らですが、なぜか恋人に「H禁止」を言い渡された主人公。その禁止令を撤回してもらうべく頑張りますが…。

なんだかもうバカップルを間近で見ている気分で(笑)「あんたらもう、勝手にやってなさい(^^;」という感じなんですが、それでも憎めないのは、主人公の受キャラが健気で天然で面白いからじゃないかなと。予測できない反応をしてくれたり、とんでもない発想をしたりして、飽きさせないです。こういうビックリ箱なキャラも面白いなあと思いつつ読みました。

私的評価 ☆☆☆★
(なにかで絶対読んでるのよう〜<この話>ぜひとも、前出がわかったら教えて下さいまし…。ちなみに同人誌はもう処分してるので、全然判らないです(^^;)


2002年12月21日(土)   王子様に気をつけろ!

    パレット文庫   真船るのあ:作   明神翼:絵

1月刊のパレット文庫が年末進行でもう発売になりました。真船先生の今回のお話は、学園もの&王子様もの(^^; 主人公は、奨学生として有名な学園に通う美少年。未婚で自分を産んでくれた母も生後間もなく亡くなって、祖母に育てられている彼はとても苦労人で真面目です。そんな彼の日常に、突然ある国の大会社の御曹子と言われる外国人の少年が留学生としてやってきます。その留学生はなぜかやたらと主人公をかまいたがって…。

うーむ…(^^; 昔の真船先生ファンにはちと辛い作品でしたねえ。もちろん面白いのは面白いですが、でも安直な展開と突飛すぎる設定がどうかなあと思ってしまいます。やはり一番すきなのはごはんシリーズの月島に代表される美人タカビー受なので(^^; こういう健気で元気な少年受もキライではないんですが、できたら昔の作風に戻って欲しいなあと思う。今回のお話はとくに、「どこでどう受が恋をしたのか」が理解できなかったです(^^;

私的評価 ☆☆★
(必ず買う作家さんなだけに、期待も高いんですよね。せめてもうちょっと大人が受なら大丈夫なんだろうけど(^^; 少年は無理…(^^;)


2002年12月19日(木)   お坊ちゃまは探偵志望

    キャラ文庫   朝月美姫:作   雁川せゆ:絵

全編書き下ろしの新刊は、探偵事務所が舞台のお話です。主人公は仕事をやる気があまりない(^^; 遊び人な探偵。事務員でもある少年は仕事を選びすぎる雇い主を心配しています。今日もない仕事の代わりにとホストまがいの小金稼ぎに出かけた主人公は、そのパーティの席で美人な令嬢に出会います。わがままな令嬢はそのパーティの主催の女性にねだって、主人公と一緒にパーティを抜け出しますが…。

ごーじゃすなお話でした(笑)イラストも雁川先生だし余計にそんな感じのする作品でした。ワガママな令嬢はもちろんワガママな御曹子の女装なんですが(笑)このワガママさ加減がもう「こいつ、人の話聞いてないだろう…(^^;」という感じで、少々酷い目にあったところでなんだか自業自得な気もする(^^; どちらかというと健気なキャラのほうがすきなのでしょうねえ。ただ、テンポもよかったし、お話としてはとても面白く読みました。

私的評価 ☆☆☆★
(朝月先生らしい作品だった気がします。私の好みの路線とは少し外れてしまうのですが(^^;)


2002年12月19日(木)   君が幸いと呼ぶ時間

   キャラ文庫    菅野彰:作   二宮悦巳:絵

楽しみにしていました(^^)毎日晴天!の9巻です。小説キャラに掲載された表題作と、明信&丈の兄弟愛を描いた書き下ろしが収録されています。今回の主役は大人組の大河と秀。ようやく一線を乗り越えた2人ですが、また相変わらず進展のないような(笑)そんな生活をしています。ある日、秀の表情が読みにくい…というただのお茶の間の話題だったはずのことが、気がつけば大河と秀との間の大きな問題にまで発展していて…。

雑誌掲載の時ももちろん読んでいたのですが、やはりこれは「しんどくても書かないといけなかった」作品なのかなと思いました。例えば勇太が過去を憂い、贖罪をしたいと心から願ったように、秀は自分を見つめて、ようやく自分自身を考えることができるようになったのだなと思ったんです。そしてもちろんそれは大河との関係もあるし、勇太も、帯刀家のみんなもいるからこそ、そう前向きに考えられるようになったのだなあ…と。すごく感慨深い作品でした。これからもっともっと前向きになって欲しいと思います。

私的評価 ☆☆☆☆★
(書き下ろしのブラコンな明信&丈も楽しかった。秘かにちゃんと龍兄とのシーンもあって、この2人が好きな私にはさらに嬉しかったです。)


2002年12月18日(水)   重ねる指先

   花丸文庫    きたざわ尋子:作   高嶋上総:絵

きたざわ先生の新刊は、不思議な縁で過去1週間だけ関係を持ったことのある2人が主人公です。早くに両親を亡くして、姉と2人苦労してきた主人公は、バイトで小学生向けの塾の講師をしています。その受け持ちの生徒を見るたびに、封印した過去を思い出しています。その過去とは、無理難題を従兄に押し付けられて関係を強要された主人公が、偶然知り合った男性に助けを求める結果になった事件で…。

ちょろっとネタバレですが、従兄がストーカーチックなんですよね(^^;その描写が気持ち悪い〜。具体的にどうというわけではないものの、実際に居たら絶対いや!(T_T) という感じなのですわ(^^;ああいうキャラは生理的に好かないです…。それと、過去の話と現在の話が上手く分離できてない感じで、一瞬時系列が判らなくなって焦りました。少々飛ばし読み気味だったからでしょうけど、もうちょっと明確だったらもっと読みやすかったかなあ。

私的評価 ☆☆☆
(シリアスな作品です。主人公たちも割と好感が持てるんですが、やはり生理的に受け入れられないキャラがいると辛いわ(^^;)


2002年12月18日(水)   接吻(ちゅー)してっ!

   花丸文庫    嶋田まな海:作   こうじま奈月:絵

小説花丸に掲載された、学園もののお話です。主人公は天然ぽわぽわ少年の新入生。実にマイペースな彼は、大切にしていたペンダントを落としてしまい、必死になって探します。そこに通りかかった上級生に助けてもらい、無事手元に戻ってきたペンダント。上級生は、喜ぶ主人公をみて思わず可愛いと思ってしまい、キスをしてしまいます。そのまま去って行った上級生。名字しか判らないその恩人を見つけたいと願う主人公は、早速リサーチをはじめますが、なんとその名字の人は3人いて、しかも三つ子! なんとかして特定したいと頑張る主人公ですが…。

まさにノーテンキというか、なんだか緊張感もなにもない作品でしたな(笑)「高校生がそんなんでいいんかー!」的な(笑)ツッコミ所は満載な作品なのですが、けっこうこのポワポワ星人な主人公が面白くて、雑誌掲載のときもそこが楽しくて読んでいた作品でした。なにも考えずに読みたい時のお話かなあ。同じような話は世の中に沢山あるけどね(^^;

私的評価 ☆☆★
(なにかとベタな展開が多いので、そういうのが好みな人向けかな(笑))


2002年12月17日(火)   おヨメにいきます!

   ビーボーイノベルズ   夢乃咲実:作  七瀬かい:絵

多分、雑誌掲載された作品(^^;(雑誌名に自信がないので書きませんが)とその続編書き下ろしです。主人公は、アイドルになりたいと田舎から出てきて苦学生をしている少年。不幸はまとめてやってくるらしく、バイト先はクビになり、通っている養成所は理事長の横領夜逃げで閉鎖。明日のご飯も困るような状態に陥ってしまいます。そんな彼がなんとかバイトを見つけようと求人広告をみたところ、なんと「花嫁募集、『性別不問』」というのが見つかって、切羽詰まっていた主人公は応募して面接に向かいますが…。

まあ、よくあるお話といえばよくあるお話ですね。まるでギリシャ神話とか美女と野獣みたいに(笑)姿をあらわさないご主人様と結婚するという…(笑) まあ、蓋を開けてみれば「そんなオチかい」と思わないでもないんですが、受キャラの一生懸命さは好感が持てました。ただし、どうにも受け入れにくかったのは「ヨメ」という言葉。受がなにかと自分を指して言うんですよね。女々しいわけではないんだけど、もうちょっとしっかり「男の子」なキャラだったらもっとよかったんだけどなあ…。

私的評価 ☆☆★
(続編も、ちょっと納得行かないところもあったりしますが(^^; まあ、こんなもんかなと。)


2002年12月15日(日)   キャットウォークで奪いたい

   リーフノベルズ  水上ルイ:作  史堂櫂:絵

「奪いたい」シリーズ…になるんでしょうか。デザイナーとモデルの世界を描いたお話のシリーズです。「クローゼットで奪いたい」ではデザイナー同士、「バックステージで奪いたい」では双子のモデルの片割れと、有名なカメラマンがカップルで、今回の主役は双子のもう1人とデザイン会社の社長です。ちょっとしたトラウマ持ちの双子の片割れは、みんなが恋人を持って幸せになって行く中、憧れていたデザイナーである社長からアプローチを受けてしまいますが…。

一応、今までで一番好きなキャラが主役だったので、そういう意味ではまあ、読みごたえはあった…のかな(^^;どうにもトラウマと言われる内容が底が浅く、今までの作品よりも中身に乏しかったのは、キャラ萌え作品だっただけにちと残念な気がします。やはりテンプレート化の一途を辿っていると、展開自体に不満が出てきますなあ…(^^;

私的評価 ☆☆
(これだけ冊数を出しているのだからこそ、いい加減テンプレートを変えて欲しい気もします(苦笑) 受攻交互視点の作品にも飽きてきたよ…)


2002年12月11日(水)   可愛いひと。6

   ラキアノベルズ  高岡ミズミ:作  御園えりい:絵

可愛いひと。シリーズの第6巻です。前巻にてなんだか一段落したような感じのお話だったので、はてどう続くやらと思っていたんですが、今回は受キャラ絢一のトラウマが大きな主題になっています。主人公高根と絢一は、親にカミングアウトもして受け入れてもらうことができ、ラブラブな日々を送っています。そんな中、高根の恩師の奥さんから連絡があり、恩師が急病で亡くなったときかされます。過疎地での医療に携わっていた恩師の後釜が決まるまで手伝いに出かける高根。留守を守る絢一の前に、昔近所に住んでいたお兄さんが現れて…。

絢一の過去と、少しだけだけど高根の過去も判るお話で、ある意味今までで一番テーマが重かった気がします。でも、そういうものを乗り越えて、素直で純粋な絢一が幸せになったのだなあと思うと、感慨もありますね。どうしても巻を重ねると間延びしてしまうのですが、作品内容としては、まずまずかなと思います。どういう状況であれ濡れ場が多いのだけはこの作品の特徴ですけどね(^^;

私的評価 ☆☆☆
(まだまだ続きそうですが、だんだんネタがなくなってきてる気がする…(笑)次の巻も決まってるし、今度はどんな話になるんでしょうね?)


2002年12月11日(水)   3night/4days

   ラキアノベルズ  小塚佳哉:作  富士山ひょうた:絵

ラキア本誌に掲載された表題作と、その続編書き下ろしが収録されています。主人公は、天涯孤独な少年。自分の学費などを貯めるために、売りをして生活をしています。そんな彼に五十万の大金で「ある男を接待して、情報をとってこい」という仕事が舞い込んで来ます。指定された場所に向かうと、そこにいたのはなんと外国人で…。

雑誌掲載時にも、一生懸命で潔くて健気な主人公がけっこう気に入っていたので、続編が読めて嬉しいです。お相手も控えめで思いやりがあるキャラで、和みつつ読みました。続編では、けっこうラブラブな2人が台風のような攻の友人に振り回されてしまいますが、その友人も蓋を開けてみればいい人だったりもして、満足のいく続編になりました。健気なキャラが好きな人はぜひ、読んでみて欲しいです。

私的評価 ☆☆☆☆
(この作品、もしも続きがあったら絶対買ってしまうだろうなあ。かなりお気に入りな作品です。)


2002年12月11日(水)   ため息も渡せない

   ラキアノベルズ  今泉まさ子:作  蓮川愛:絵

私のお気に入りシリーズな「まだ恋は終わらない」のシリーズになります。今回の主役は、あやしくてゴージャスな会員制クラブの経営者である剛胆で余裕なたっぷりな青年と、その彼の幼馴染みで、高校生のころからずっと身体の関係を続けている美青年です。でもどうやら2人のスタンスは恋人同士というわけではないらしく、気持ちの食い違いを抱えたままでいますが…。

大好きなシリーズでしたので、発売ラインナップで蓮川先生のイラストだとわかった時に大喜び(笑)しました。今までの作品にもちょこっと顔を出しているキャラだったので、思わずニヤリ。ただ、作品の流れとしては、途中の盛り上がりの割にラストに拍子抜けではあったんですが、私はこのシリーズはキャラ萌えで読んでいる作品でもあるので(^^;あんまりそのへんは気になりませんでした。今までのシリーズのキャラももちろん登場しますし、どのカップルもラブラブっぷりが楽しくて(笑)大満足です。どうぞシリーズ3冊続けて、チェックしてみて下さいね。

私的評価 ☆☆☆☆
(けっこう飄々とした受キャラが自分の気持ちをさらけ出せたシーンはツボにハマりました。こういうプライドの高い美人受は好き〜♪)


2002年12月11日(水)   GET YOU! 〜悩める生徒会長に愛の手を〜

   アイスノベルズ  ふゆの仁子:作  高宮東:絵

小説アイスに連載されていた学園もののノベルズです。主人公は、エリートな生徒会長。人気もあり、抜群の統率力を誇っていた生徒会長ですが、あまりの出来のよさに次の候補者が出ず、困っています。そんな中、憂さ晴らしに出かけたクラブで出会ったのは、不思議な印象をもつ美少年(笑)一目で惹かれ、そのまま関係を持ってしまう2人ですが、なんとその美少年はカリスマ的な雰囲気をもつ転校生として学園に現れて…。

雑誌掲載の時にも読んでいたし、番外編(別キャラ本)が先にノベルズになっていたので、新鮮さはあんまりなかったんですが(笑)とりあえず続きものでもう1冊出るので、読もうかなと思っている人は次巻をまったほうがいいでしょう。あまりにも中途半端な所で終わっていて、かえって気になるし納得いかないです(苦笑)書き下ろしでショートストーリーが載っていて、主人公の相手キャラのお話なんですが、それを読んだら余計に混乱しちゃったよ…(^^;

私的評価 ☆☆★
(私は番外編のほうが好きだったなあ…。雑誌掲載の時にも思ってましたが(笑))


2002年12月07日(土)   MISTY BLUE

    クリスタル文庫  遠野春日:作  門地かおり:絵

遠野先生の文庫は、普通のサラリーマンをしている青年と、不思議なバーで知り合った美貌の青年との不思議な関係を描いたお話です。サラリーマンの主人公は、紹介されて不思議なバーに通うようになります。そこで知り合った美貌の青年と、関係を持つようになり、溺れるようにのめり込む主人公ですが…。

なんだか耽美系な作品でした(笑)いくつかのリンクしたお話が収録されているのですが、間に入っているバーテンダーのお話をどこかで読んだ気がします。多分どれも雑誌掲載なのだとは思うんですが、実際どれかといわれると判らないのだった(^^; 脈絡のない行動に疑問は感じるものの、耽美風な雰囲気が好きな人にはオススメかと思います。私は個人的にちょっと辛いかなあ…という感じでした。好きだから何をしてもいいという風には思わないし…(^^; ちなみに、ちょびっとだけですが、ゲストキャラで茅島氏がいます(笑)

私的評価 ☆☆☆
(…実は大きい声では言えないんだけど、どうにもこのイラストの人が苦手で(^^; だから余計にあまり萌えられなかったらしいです。イラスト効果はマイナスもあるのかもね(^^;)


2002年12月07日(土)   君の棲む場所

    クリスタル文庫  神奈木智:作  円陣闇丸:絵

神奈木先生の初クリスタル文庫は、昔雑誌掲載されたお話と、同人誌で書かれていた作品の2編が収録されています。もちろんリライトされているようです。実はどちらも私は初めて読むので、非常に新鮮な気持ちで読めました。主人公は割と寡黙でマイペースな高校生。同級生と話をしていた時に知り合った少年が、やけに気になりますが…。

雰囲気のある、とてもしっとりした感じのお話でした。2編収録なので、ちょっと物足りない感じもないではないんですが、まあ、こういう控えめなのもいいかなと。とくに雑誌掲載の作品がとても切なくて、「どうなっちゃうの?」という終わり方だったので、次のお話の中でちょっとだけ話がリンクしてその後が判ったりして、「もっと読みたいぃ〜」とじたばたしてしまいました(^^; これがもし1冊全部このお話だったらなあ…とか(笑)ちょっともう1つの作品が影薄くなっちゃってるかもしれません(^^;

私的評価 ☆☆☆☆
(それだけ雑誌掲載作品の印象がつよかったということで。もちろんもう1つの作品も切なくていいんですけどね。なんだか爽やかな感じの1冊でした。)


2002年12月07日(土)   キスの温度

    ディアプラス文庫  久我有加:作  蔵王大志:絵

雑誌ディアプラスに掲載された表題作と、その続編書き下ろしが収録されています。大学生同士のお話です。主人公はごく普通の大学生。酔っ払ったはずみで人気者の同級生と一夜を共にしてしまいます。そのあともお互い妙な緊張感を保ちつつ、キスだけはする関係になっていますが…。

お話自体はけっこう面白かったかなあ…とは思うんですが、なにより自分でダメだったのが「関西弁」でした。基本的に、「読む関西弁」と「話す関西弁」は違うと思うんですよ、関西に住む人間としてこだわってる部分でもあるんですが(^^; この作品の関西弁、喋る分にはちゃんとしたものだったと思いますが、どうにも文字で読むには読みづらかった。それがネックで、どうにも話に集中できなかった感じです。あとは、女性キャラで元気な子が出てくるんですが、これがまた美味しいとこ持って行っちゃってて、彼女のおかげですっかり主人公カップルの影が薄く…(笑)魅力的なキャラなんだけど、美味しいところ持って行き過ぎかなという感じでした。

私的評価 ☆☆★
(とにもかくにも関西弁が一番のネックでしたねえ…(^^; そういや雑誌掲載の時もそう思ってたくせに、なぜ文庫になると手にとってしまうのだろう、私(^^;)


2002年12月07日(土)   エンドレス・ゲーム

    ディアプラス文庫  月村奎:作  金ひかる:絵

もともと花丸ノベルズで出ていた月村先生のデビュー作にあたる作品が、リライトされ、書き下ろしを含めて新たにディアプラス文庫から発売になりました。主人公は、母子家庭に育ち、母親を病気でうしなった高校生。親の病気の告知を受け、遺産相続等の相談のために頼んだ弁護士の男性に、今は養ってもらっています。実は主人公はその弁護士の男性に思いを寄せていて、でもそれを悟られてはいけないと必死に自制をしながら日々を過ごしていますが…。

月村先生の原点というか、とっても月村先生らしい作品ですよね。もちろんノベルズの時も読んでいたし、すごく好きな作品だったので、こうしてリライトされて、書き下ろしのラブラブなお話も読めて、こんなに嬉しいことはないです。こうやって文庫になることで、より沢山の人が読めるようになったのが一番嬉しいなあ。冷静に考えたらなんてことをやってのけるんだという感じもしますが(笑)<弁護士>でもあまりそういうあたりが気にならないのは、ひとえにキャラの魅力と話の流れが自然に動いているからだと思うのです。ぜひぜひ、御一読を。

私的評価 ☆☆☆☆★
(金先生のイラストも素敵でした。書き下ろしだけでなく、もっともっとたくさん続きが読みたかったかも。1冊分あっても足りないぐらい(笑)2人のその後が気になります。)


2002年12月07日(土)   あさがお -morning glory− 2

    ディアプラス文庫  桜木知沙子:作  門地かおり:絵

「あさがお」のシリーズ完結編になります。小説ディアプラスに掲載された「十七歳はお年頃」とその続編書き下ろしが収録されています。主人公は、母子家庭に育った少年。母親の再婚をなかなか上手く受け入れられなくて、反抗してみたりパニックになったりしていました。義理の兄に支えられ、ようやく落ち着いた主人公ですが、今度は義兄のことが無性に気になって…。

前作よりほのぼの度倍増という感じでしたねえ(笑)前はお子様ゆえのイタさもあって、気恥ずかしい雰囲気のお話だったんですが、今回かなり主人公が成長しているからでしょうか、落ち着いてたなあ…と思います。まるでひよこが卵から出て来てすぐ見たものをおかあさんだと思うがごとく(笑)インプリンティングで主人公の気持ちを持って行っちゃった感じの義兄ですが、これからもラブラブで穏やかに過ごして欲しいなあ…とすっかり母な気持ちになってしまいました(^^;

私的評価 ☆☆☆★
(どうにもこれは主人公視点で読みにくかったんですよね…、ついつい母になってしまう(笑)2冊そろえてどうぞ〜。)


2002年12月05日(木)   楽園奇談

  X文庫ホワイトハート  椹野道流:作  あかま日砂紀:絵

ひさしぶりの奇談シリーズです。相変わらずラブラブな(笑)日々を過ごしている天本と敏生は、龍村先生を迎えてクリスマスを堪能するべく、ディナー作りに余念がありません。そんな忙しい彼らのもとに、これまた相変わらずの客が訪れます。組織の早川氏と師匠の河合さん。美味しいクリスマスディナーを食べたあとで、仕事の話を聞きますが…。

とってもとっても美味しそうで幸せそうなお話でした(^^)もちろん、どきどきなシーンもあるんですが、それを補ってあまりある2人の信頼関係とらぶらぶっぷりに大満足。…っつーか天本父のほうがよっぽど俗な考え方やなあ…とちょっと思ったです(笑)なんとなく助走をつけて、今後の展開への準備をしているという、そんな感じのまったりした1冊でした。なんとなく懐かしくて、前の巻も読み返したくなります。久しぶりにひも解いてみましょうか。

私的評価 ☆☆☆☆★
(そういえば、こんどまた奇談のCDが出るそうです。前も出来が良かったし、今度も楽しみですね。)


2002年12月05日(木)   白い矢

  X文庫ホワイトハート   駒崎優:作  岩崎美奈子:絵

足のない獅子の第二部のシリーズ2冊目になります。一国一城の主となったリチャードですが、久しぶりに生まれ育った城へと里帰りをします。久しぶりの再会を楽しむ彼らですが、そんな彼らに招待状が届きます。それはリチャードの兄であるエドマンドからで、国王が臨席するという馬上槍試合に誘われますが…。

いやあ、さすがに面白い〜。ちゃんと騎士になった2人ですが、相変わらずで楽しいです。あと、女性キャラがかっこいい(笑)男前ですわ。そういうキャラがいるからこそ面白くなってる感じです。女性を扱うと難しいとは思うんですが、こういう元気で面白いキャラならどんどん出て来て欲しいですねえ。というわけで、次巻も楽しみにしています。

私的評価 ☆☆☆☆
(従者でなくなったからこその話の広がりがあってすごく楽しみました。ぜひぜひ、読んでみて下さいね。)


2002年12月01日(日)   月と媚薬

   アイノベルズ    高岡ミズミ:作   九条えみり:絵

高岡先生の新刊は、普通のサラリーマンと、ちょっと強引な探偵業を営むおやぢ(笑)とのお話です。サラリーマンの主人公は、付き合っていた彼女に振られてしまいます。ヤケになり、酔っ払った勢いでなだれこんでしまって、ある男性と一夜を共にしてしまいます。その男性、最初の印象こそ、かっこよかったものの…。

面白かったんですが、他の高岡先生の作品にくらべたら話が薄いというか、もうちょっとじっくり話が進めばもっと嬉しかったかも。事件が平行して出て来ますが、それもちょっとベタな展開でしたねえ。レーベルがレーベルなだけに、かなり濡れ場度も高くて、だから余計に物足りなかったのかなと思います。

私的評価 ☆☆☆
(面白いんだけど、もうちょっと物足りない部分もあるということで。高岡先生好きだから余計かな(^^;)


2002年12月01日(日)   ホテルで逢いましょう

    アイノベルズ   剛しいら:作   西村しゅうこ:絵

なんとなく、あらすじで惹かれて手に取りました。主人公は、旅行代理店に勤める普通の青年。同じビル内に勤めているちょっと派手なお姉さんに「このホテルのスイートって素敵なのよね〜」と誘い水を向けられ、ついついその気になってしまいます。しかし、思ったスイートではない部屋に案内された彼女は御立腹。見兼ねたのかある男性が自分の部屋と交換しようかと持ちかけてくれますが…。

けっこう面白かったです。テンポが良かったのと、キャラクターが結構面白くて勢いがあったからでしょうか。でも、気になる点もちょこちょことありました。こまかいと言われればそれまでなんですが、どうにも喋り方が口語すぎて馴染めないんですよねえ…。喋る分にはいいのかもしれないんですが、字で読むとちょっと違和感が(^^; あとは演出かな。ホテルのコンシェルジェが喋っているという感じで、章の初めに必ずホテルの案内の文章があるんですよね。最初は新鮮でしたが、最後の方になると、かえって邪魔になってた気がする。ホテルに思い入れがあるのは良く判るけど、ラスト付近はできれば話に集中させて欲しかったですね。

私的評価 ☆☆☆
(お話としては、わりと楽しめますので、ぜひお手にとってみて下さい。)