2002年6月のレビュー

 


2002年06月29日(土)   プリンセス・シールド

   ディアプラスコミックス   南野ましろ:絵

ましろ先生の久しぶりのコミックスです。雑誌ディアプラスに掲載されていたシリーズで、100カラットバンビーノに出てくるキャラがちょっと出てきたりして、微妙にリンクしているましろワールドです(笑)主人公は、犬屋という身も蓋もない名前のペットショップに勤めるバイトくん。かなりの天然タイプです。このバイトくん、従兄が凄く好きで、身体の関係も持っている(^^;のですが、どうも思い悩むことがあるらしくて…。

典型的なましろ先生のお花ちゃんタイプですな…(笑)今回は珍しく攻キャラが寡黙で(笑)独り芝居してくれないんで判りにくい恋愛だったかもしれない(^^; いつもは攻が目で会話する受の通訳してくれてたからなあ…(笑)まあでも、一旦口を開けばちゃんと独り芝居タイプでしたが(笑)個人的には出来上がっちゃってる主人公たちより、番外編になっている犬屋の店長がどう「お友達から」の付き合いをするのか見てみたいなあ(笑)

私的評価 ☆☆☆★
(そしてどうにも出てくるポメラニアンの姫が可愛い作品でした。こういう小動物系は可愛いよね〜。来月出る予定のエクリプスで描かれてた猫マンガのコミックス化も嬉しいのです。)


2002年06月28日(金)   アイドルの横顔

  エクリプスロマンス   鹿住槇:作   吉永煌:絵

小説エクリプスに掲載された作品と、その続編書き下ろしです。主人公は、幼い頃に両親を亡くし、アイドルをやっていた叔父(現在は俳優業)に養育されている普通の高校生。叔父の親友であり、同じくアイドルから俳優として名を知られている青年に片思いをしています。しかしその彼は、どうやら叔父の恋人のようで、叔父が流すさまざまな浮名にいらだちをかくせない主人公ですが…。

定番といえば定番かなあ…(^^; 雑誌掲載の時も多分読んでる(記憶はある)のですが、いまいち安直な感じがあるんですね…。それはその時にも感じてた気がします。多分、過去のネタが少々私には納得し難いものだったから違和感があるというか楽しめなかったんだと思うんですが、続編(というより叔父の話?)も同じく過去の話が絡んできてしまうので、ちょっと辛かったかな。ま、これは個人的に納得できるかできないかという部分なんで、私以外ならオッケーなのかもしれません(笑)

私的評価 ☆☆★
(そんなところが気になるのは私だけなのかもしれませんが(笑) やはり気になる部分があると全体が辛くなることもありますね。)


2002年06月27日(木)   FLESH&BLOOD 3

  キャラ文庫   松岡なつき:作   雪舟薫:絵

ふふふ(^^)待ち焦がれてました!タイムスリップ中世モノのお話の3冊目です。主人公海斗はイギリスを旅行中、タイムスリップをしてしまい、いきなり大航海時代に飛ばされてしまいます。想像を絶するようなその時代に生き残る術として、自身の歴史の記憶をもとにして占いができるということにし、イギリス側について航海を続けています。かなり旅にも慣れてきた海斗ですが…。

いやあ、もう焦れったいったら!(笑)その焦れったさがいいといえばいいんですが、限度というものがあるような(^^; ネタバレになりますが、海斗ってば無意識にジェフリーだけではなくナイジェルまでたらす(笑)とは思いませんでした。…私としては、ナイジェルとジェフリーとかでも良かったのですが(おい)まあでもそれは個人的趣味なので置いといて(笑) とりあえず、主要カップリングであろう海斗とジェフリーの進展を心より願っております。…というか、もうそろそろ色っぽい話も聞きたいかなあと思わないでもないのだ。まったくそんな雰囲気もないのならともかく、やはりそこかしこで匂わせてくれているので、焦らされまくっている気分です(^^;

私的評価 ☆☆☆☆
(ただ、そういう雰囲気なしでも十分読めるし楽しめるのも事実ですね。ビセンテのしつこさ加減もなにかある気がする…(笑))


2002年06月27日(木)   王朝春宵ロマンセ

  キャラ文庫   秋月こお:作   唯月一:絵

秋月先生の新作は、平安初期を舞台にした歴史物です。主人公は、見目麗しい稚児の少年。ある有名な寺の稚児ですが、その寺の再考責任者である阿闍梨の庇護のもと、大した貞操の危機もなく(笑)なんとか過ごしていました。しかし、ある時その阿闍梨が連れてきた客は、名声欲や物欲色欲などあらゆる欲を持ち合わせてそうな生臭坊主で、身の危険を感じた主人公は、阿闍梨の助けをかりて寺を逃げ出します。しかし追っ手の差し向けた犬に襲われてボロボロになってしまいますが、そこに貴族の青年が2人やってきて…。

いやあ、突拍子もないネタなのはネタなんですが(笑)意外と似合うなあという感じでした。秋月先生特有の表現が、「時代物である」というだけで随分緩和されてて違和感がなくなってて。…ちなみにこれは多分コメディとして書かれていると思うので、その突拍子のなさがかえって面白いんですな。展開はベタですが(苦笑) しかし、諸兄という名を見て思わず「橘諸兄か?」と思ってしまった少々日本史好きな私でございました(笑)架空のキャラなので、関係ないらしいです〜。

私的評価 ☆☆☆
(惜しいなと思うのは、あまりに攻キャラが朴訥すぎるあたりかな。脇キャラの業平が美味しいキャラなので、ぜひとも爪の垢を煎じて飲ませてやりたいです(笑))


2002年06月27日(木)   ただいま恋愛中!

  キャラ文庫   鹿住槇:作   夏乃あゆみ:絵

「ただいま同居中!」の続編が登場しました。主人公はデザイン会社に勤める青年。前作にて同居人から同棲相手にシフトチェンジした大学生の恋人と暮らしつつ、仕事に勤しんでいます。しかし、恋人との生活の中で、いろいろと意志の疎通がとれないこともあったりして、思い悩む主人公ですが…。

うーむ、そうきたか(^^;という第一印象の続編。…いや、もうちょっと脇キャラがイイ人かと思ってたんですな(^^; 大きい意味ではイイ人だとは思うが、そんなこと考えてたんかい!とつっこんでしまいました。自分からちゃんと恋人に自分の言葉で気持ちを伝えられるようになった主人公は可愛いとは思うけど、なんかちょっと釈然としなかったなあ(^^; ちょっと御都合主義かなあ…。

私的評価 ☆☆★
(まあ、続編モノなので、「予測してた続編と違う」というのも大きいのかもしれません(^^;)


2002年06月27日(木)   愛情鎖縛

  キャラ文庫   吉原理恵子:作  円陣闇丸:絵

しばらく迷ったのですが、イラストも見たいしと思って買った、「二重螺旋」の続編にあたる作品です。前作の感想の際にも「これで終わるとは思えない」というようなことを書いてますが、案の定続いてましたねえ。…そしてまだ終わっていない…(笑) とりあえず、前作にて家庭崩壊した家族の中で、危ういバランスを保ちつつ同居を続ける長兄と次兄、末っ子の3兄弟ですが…。

…そうか、これも3兄弟でまん中受長男攻末っ子は横恋慕なのね…(苦笑)と某ルビ−文庫のシリーズを思い出して苦笑してしまいました。まあ、前作よりは話は進んだのかも知れませんが、なんか全体にやり過ぎ感の否めない作品でもあります。濡れ場シーンにしろ、それまでの話にしろ、なんというかひねりがない(しかも暗くて泥沼(^^;)ネタで、その割には安直なシーンや御都合主義なシーンも多くて、正直読むのが辛かった(^^; まだこれだったらルビーのシリーズで、濡れ場なしの方が気持ちとしては楽に読める気がします。それから…全然関係ないといえばないんですが(苦笑)文章中に「おもうさま」という単語が出てきます。最初私はそれを貴族階級の人が父親を呼ぶ時につかうという言葉と勘違いして(笑)一瞬間抜けな顔をしてしまいました(笑)「思うさま(様?)」というのが正しい意味なんですが(^^; せめて思うぐらいは漢字にしてください…。何度も出てくる度に笑いが込み上げて集中できませんでした(爆)

私的評価 ☆☆
(そしてこのシリーズ、CDにもなるそうですしまだシリーズも続くようです。…一体どうなるんだかねえ…)


2002年06月27日(木)   ちゃんと待ってる

  シャレード文庫   可南さらさ:作  にゃおんたつね:絵

雑誌「シャレード」に掲載された表題作と、続編の書き下ろしが収録されています。ちょっとオンボロな寮で共同生活をする大学生たちのお話です。主人公は、割と思ったことが顔に出るタイプの世話焼きで優しい青年。隣の部屋には見目麗しいくせに生活能力と会話能力が欠けているかのような無器用で無愛想な同級生がいます。いろいろないきさつがあり、最近ではずっと同じ部屋で寝泊まりしていますが…。

可南先生らしい穏やかさのある作品でした。ただ、まだまだ発展途上な感じのキャラなので、この1冊だけで考えるとやはり物足りない気持ちがありますね。きっとこれは攻キャラが成長するお話なのかなと思ったり。…そしてまた今回も攻が犬系キャラなんだよなあ〜(苦笑)いや、そんなあたりもツボなんですが、もうちょっと受キャラのことぐらいは判ってやって欲しいなあと気苦労の多い受キャラにひとしきり同情してしまったのでした。これが言葉が足りないとかなら解決方法あるんだろうけど、それ以前の問題って感じだもんなあ(笑)続編があるようなので、ぜひともその辺りの成長ぶりを見たいものです。

私的評価 ☆☆☆★
(ある意味これもヘタレ攻?(笑) 頑張って攻キャラを人間ぐらいまでに調教(笑)してやってくれい<受)


2002年06月27日(木)   ナイショなオレたち

    ダリアノベルズ   神奈木智:作  桜城やや:絵

2年ほど前に発売された「NEWSなオレたち」の続編にあたります。主人公は、高校生ながら、生徒会に要請されて事件解決のために手助けをするという「なんでも屋」のメンバーである夏と、その恋人冬耶。前作にてカップルになり、なんでも屋だった夏を追いかけてきた冬耶はなんでも屋の一員になり、夏とコンビを組んでいます。夏は忙しいこともあり、無理強いもできず、冬耶ともう一歩踏み込んだ関係になりたがっていますがそれがかないません。そんな彼らにまたもや依頼が舞い込んできますが…。

事件の解決方法とか、出てくるネタはちょっと御都合主義っぽくて、納得いかない場所もあったんですが、前作で「どうなるのかなあ」と思っていたキャラたちのその後が読めたのがなにより嬉しいのと、ある意味後始末編、という感じで(笑)謎ときして欲しかったあたりはちゃんと書かれているから、まあいいかなと思います。ただ、ラストの展開は意外すぎるぐらいに御都合主義でした(苦笑)そんなんありかい(^^;ま、それ言ったら「なんでも屋」という存在自体が相当うさん臭いですね(^^;

私的評価 ☆☆☆★
(いわゆる勧善懲悪モノなんですが、今回ばかりは一概にそう言い切れない事件だったなあ。前作と合わせてよむと主人公たちがさらに健気で可愛いです。)


2002年06月19日(水)   恋愛コラボレーション

   花丸文庫    浅見茉莉:作  蓮川愛:絵

デザイン業界を舞台にしたお話です。主人公は、ヘアメイクを生業にしている青年。自分の思う仕事につくためなら、身体を投げ出すことも必要であればやるんだ、というドライな性格をしています。ある有名ブランドの社長とそういう仲になった主人公は、身体の関係を続けつつ、そのブランドの専属ヘアメイクとして仕事を頑張ってきました。そんな彼がふとした瞬間に気になるのは、ブランドを社長と2人で立ち上げたカジュアル部門のデザイナーですが…。

嫌いではないんですが、なんとなく中途半端な印象のつよい作品でした。主人公の気持ちの掘り下げや移り変わり、社長の執着度やお相手キャラの描写等、もうちょっと書いてくれたらと思う物足りなさがなにかとあって、それが残念。決してつまらないというわけではなく、「ここがもうちょっと深く読めたらもっと好みなのに〜」という感じかな。絶対にこうリアクションしなきゃいけない、と決まっているわけではもちろんないけれど、やはり期待するリアクションや流れから外されると物足りないです(苦笑)

私的評価 ☆☆☆
(…ということは定番が好きってことかしら(^^;<私>でも、人間的に「決まってくるリアクション」ってあると思うのですが(笑))


2002年06月15日(土)   豪華客船で恋は始まる

   ビーボーイノベルズ  水上ルイ:作  蓮川愛:絵

水上ルイ先生のお得意ゴ−ジャスネタです(笑)小説b-Boyに掲載された表題作と、その続編の書き下ろしが2編収録されています。主人公は、海運会社の御曹子の青年。世界的に有名な豪華客船に乗ることになっていますが、彼の気は鬱々としています。…というのも、この客船にのるのは、会社の危機を救うために海外の大企業の社長の息子の元へ愛人(?)として嫁いで(?)行かなければならないことが決まっていて、しかもこの客船の船長に花嫁修業(?)の指導を受けるらしいということですが…。

相変わらず突飛なネタですねえ…(笑) よくこういうネタ考え付くよね、次々と(笑)ちょっと強引すぎる感じだし、蓋を開けてみれば「それってどうだろう?」という感じだったし(苦笑)お話は「いつもの水上先生」という感じでした。ただ、蓮川先生のイラストが絶品!でこれだけでも購入した甲斐があります。エンツォの船長の制服姿がめちゃめちゃかっこよくて満足(笑) かなりイラスト買いになってしまった感じの1冊でした。

私的評価 ☆☆☆
(どうやらこの作品、CDにもなるようです。キャストもすでに分かっているんですが、ある意味面白いカップリング…(笑) 声で聞いてみたい気もしないでもないですね。)


2002年06月15日(土)   カンナギ様式

   ビーボーイノベルズ  花郎藤子:作  ひたきかなこ:絵

どうしようかと迷ったのですが、せっかくbkポイントもたまってることだし、ここらで使ってみようかと(笑)はじめてポイント使って購入した作品でした(笑)(日頃うちのサイトからbk1利用して下さってる方ありがとうございます〜)雑誌小説b-Boyで掲載された双子モノのお話です。主人公宮と密は双子ですが、実はいろいろと過去をもっていて、そのトラウマから宮はとんでもなく攻撃的に、密は被虐的に行動してしまう、ある意味対照的な2人ですが…。

一応雑誌掲載時にも読んでたんですが、その時もどうしても散漫な印象を拭えなかったんですね。今回ノベルズでも同じで、なんでだろうと思ってたら、いきなり回想シーンとかが入って流れが飛んでしまうのと、ネタの重さの割に人間関係の説明が少なくてどうも分かりにくいんだなと(^^; 密に焦点をあわせるのか、宮に焦点をあわせるのかで、ずいぶんと内容も変わってくると思うのですが、どちらかというと人物を掘り下げるよりも「ネタ」を掘り下げたかったのかなと(苦笑)思いました。ネタが重いだけに逆にうすっぺらく感じたのかも。難しい題材ではありますね。

私的評価 ☆☆★
(これも、苦手と言えば苦手なネタですので、余計に厳しい目で見てるかもしれません。こういうネタは生半可な話ではやはり読めないですな…。難しい(^^;)


2002年06月15日(土)   疵 スキャンダル 〜籠の中には青い鳥〜

   ビーボーイノベルズ  かわいゆみこ:作  杜山まこ:絵

疵(スキャンダル)シリーズ最終巻になります。雑誌で最終話として掲載されたものを大幅加筆訂正されたようです。大蔵省…現在は財務省ですが…を舞台にしたエリートたちのお話です。…が、しかし最終巻はどちらかというと仕事面よりも彼らの家庭面でのお話中心になっています。前作で離婚した元妻と再度同居をはじめた主人公の1人司馬は、やはり子供のためとはいえ上手くいかない家庭にいら立ちを覚えつつ仕事をこなしていますが、やはりどうしても上手くいかなくて…。

前作まではわりと桐原側のお話という印象だったのですが、今回はかなりの部分が司馬側のお話で、なんといっていいのか…(苦笑)子供が絡んでくるだけに、どうにも心情的に許せないエピソードもあって、読んでいてとてもしんどい作品でもありました。ただ、前作あたりとくらべると非常に視点が女性よりになっていた気もしますね。雑誌掲載時にも読んでいたので違和感はなかったのですが、なんとなくそんな感じがしました。それと、あと一歩、桐原と司馬の関係に突っ込んで話が続いたら…とも思いますが、でもこういう穏やかになった関係というのもいいのかもなあ。

私的評価 ☆☆☆★
(お互いにしがらみがなくなった状態でのいい関係を、番外編とかで読めないかなあとおもってみたり。それから、かわい先生がどうやら来月ごろ御結婚されるとのこと。おめでとうございます〜。)


2002年06月15日(土)   TOUGH! 6 アンラッキー刑事

   ビーボーイノベルズ  岩本薫:作  赤坂RAM:絵

TOUGH!シリーズ最新刊は、ネット上でアップされた作品や、雑誌でショートショートに掲載されたものなどの短編を集めた番外編集です。どれも主人公たちの後日談などで、今までのノベルズの隙間を埋めるような感じの作品ばかりです。表題作「アンラッキー刑事」はビブロスのHPにオンラインノベルとして掲載されたもので、響視点のお話です。その他、脇キャラ視点の話などいろいろ楽しめます。

何が一番よかったかというと、やはり5巻の後の部分を描いた響の誕生日を題材にしたお話でしょう。シンゴの行き当たりばったりな行動も笑えますが、ベタな展開と言えど「ナイスだシンゴ!」と思ったのはきっと私だけではない…と思いたい…(笑)イラストも可愛くて最高。次の巻が出るまでの小休止として、楽しんで読みました。そしてますます続きが読みたい熱も上昇中。次出るのはいつなのかなあ。読んですぐに気になってしまうぐらい、楽しみにしています。

私的評価 ☆☆☆☆★
(シンゴの的外れな努力も好きですが(笑)耐える男響がかなりツボらしいという私は、ひょっとしてヘタレっぽい攻が好きなのだろうか(笑))


2002年06月15日(土)   犬とペントハウス

   アクアノベルズ  たけうちりうと:作  金ひかる:絵

たけうち先生の新シリーズ(?)は、犬ネタなお話です。主人公は、ある事件がきっかけで自分の父が理事長の学校の先生を辞めてしまった、穏やかでちょっと天然ボケタイプの青年。飄々としてそうに見えますが、内にいろいろなものを抱えています。気晴らしを兼ねて友人(兼元同僚)が参加するフリスビードッグの大会に運転手として同行し、そこで存在感のある男性と、その愛犬2匹に出会い、なんだか心惹かれるものを感じますが…。

犬好きにはなんだかもうたまらん描写だらけな1冊でした(笑) やはり相変わらずというか、視点が「愛」に満ちてます。これがたけうち先生だなと思う。私も犬を飼ってましたので、愛犬たちの描写がとてもリアルに思えて、仕種が想像できてしまうもので(笑)描写だけでメロメロになってしまいそうです。主人公たちそっちのけで犬萌え(笑) いや、主人公たちも、どちらも人と違う、枠から外れたものを持っていて、だからこそ惹かれあい、支えあっているのかなと思うのですが、どうにも導入部分っぽくて(^^; 発展途上なカップルです。今後続いてくれることを祈りつつ。で、ぜひとも子犬誕生も見てみたい〜!

私的評価 ☆☆☆☆
(…うーむ、自分で自分の感想読んで「こいつ犬フェチか(^^;」と思ってしまうぐらい偏ってるなと反省(苦笑)でも、可愛いんだもん〜。ついでに、あとがきで書かれているたけうち先生の愛犬「黒華」ちゃんの様子もめちゃめちゃラブリーです〜。写真が見たい!)


2002年06月13日(木)   王子様のお勉強

  GUSTmaniaコミックス   松本テマリ:絵

主にイラストで今人気の松本テマリ先生の初コミックスです。アンソロジーGUSTmaniaに掲載された短編が収録されています。どの作品もパターンにハマっているというか(笑)余裕な大人攻が純真無垢なオコサマ受をいいようにいぢる(笑)というイメージが強い作品ですね。表題作は、王子が房術(ベッドマナー?(笑))の勉強のためにやってきた家庭教師にだんだんと惹かれていきますが…。

どれもかなりの短編なので、物足りないかもしれないですね。ただ、とても松本先生らしい作品だと思います。私は実は某ゲームパロが、出会いだったため、そのカップリングを彷佛とさせる作品ばかりで思わずニヤリとしてしまいましたが(笑)まあ、そういう楽しみ方もアリかなあと(笑)今後もイラストだけでなく、マンガでも活躍してほしい作家さんの1人です。

私的評価 ☆☆☆★
(けっこう華があるというか、映える絵ですよね。でも、maniaというだけあって、H度も高めです(苦笑))


2002年06月13日(木)   溺れる体温

  ラキアSE-Xノベルズ   菱沢九月:作   桃山恵:絵

菱沢先生の初ノベルズになります。今までは角川のルビー文庫だけでしたので、とても楽しみにしていました。主人公は、兄の遺志をついで記者になり忙しい日々を送っている青年。恋人は、いきつけの居酒屋の店員の青年で、けっこうラブラブな関係です。しかし、主人公は、兄が命尽きるまで探し続けた真実を、なんとしてでも追求したいと思っていて、だんだんとタイムリミットが近付いてくる中、必死で模索を続けますが…。

読み終えて、こんな充足感を覚えたのはひさしぶりでした。謎ときみたいな感じの内容を含んでいるんですが、だんだんと真実に近付いていくにつれ、読んでいる側のドキドキも倍増。そして、私が単純なのかもしれませんが、エンディングはほんとに思ってもみなかった結果で、思わず「うわ!」と叫んでしまったです。最初は意外に思ったその結末も、2度3度と読めば、しっかり真実がちりばめてあって、納得の結末。黒ラキだけあって濡れ場もかなりハードですが、それが「意味もなくハード」な感じではなく、想いのあらわれみたいに感じられるのも私には好み。続編も決定しているそうなので、それも楽しみなのでした。

私的評価 ☆☆☆☆☆
(どうやら菱沢先生の作品はもれなく私のツボに入っている模様(笑)オススメな作品です。読んでみてね。)


2002年06月13日(木)   ためらいの結末

  ラキアノベルズ   坂井朱生:作  高嶋上総:絵

発売が延期になっていましたが、ようやく無事発売になりました、雑誌「小説ラキア」にて掲載された、学園寮もののお話です。その寮は非常に厳しい規則があり、外からの食物一般の持ち込みは不可で、取り締まるための委員もいて、厳しい罰則があります。そんな寮に暮らしているはずの主人公ですが、やはりお腹の虫には勝てずに、持ち込みを試みては玉砕しています。同室なのは、恋人でもあり、こまったことに取り締まりをしている風紀委員でもある、生真面目くんで、いろいろと板挟みになりますが…。

雑誌掲載の時に、「そんな寮っていったい…(笑)」とネタに大笑いしました。今回その雑誌掲載分と、続編書き下ろしで別キャラのカップルが描かれていて、どちらもほのぼの和み系で楽しんで読めました。ただ、やはり短いことでの物足りなさもあって、どちらのカップルも可愛いし好きだなと思うので、1冊で2つ詰め込みではなくて、それぞれのカップルがじっくり読みたかった気もします。世界がリンクしていて楽しめる反面、やはりもっと1つのカップルに焦点を置いてもらえたらなあとも思います。だって気になるし読みたいんだもの…(笑)

私的評価 ☆☆☆☆
(これもシリーズになるのかな?まだ気になるキャラがいるんだけどなあ…(笑) それと、実はこれが1500冊めのレビューです(笑)我ながら長く続いてるもんだ(笑))


2002年06月10日(月)   keep out

  GUSTコミックス    かんべあきら:絵

雑誌「GUST」に掲載された作品がコミックスになりました。市役所につとめる美形でクール系の青年と、それに懐く(笑)犬系な青年のお話です。主人公は、市役所の市民課(住民票とか扱う所ですね)に勤める美形の青年。クールで物静かで、じつは世間知らず。ある日受け付け時間を過ぎてから飛び込んできたのは、やたら元気で楽しげな(笑)青年で、驚くことに主人公のアパートの隣の部屋に引っ越してきて…。

わはは(^^; なんだかモデルにした俳優さんたちがいるそうですが、多分これなんだろうなーというのが判っているだけに、複雑というか(^^;楽しんで描かれたのは判るんだけど、べつにキャラ萌えもしてない私にとっては内容が薄く感じました(^^; その俳優さん(もしくはキャラクター)が好きな人がそれを前提に読めばもっと楽しめたのかもしれませんが…。同人でやるのならともかく、商業誌でモデルキャラがいることを公言しちゃうのもどうかなあと思わないでもないです(苦笑)

私的評価 ☆☆☆
(ちなみに、某特撮だと思います<モデルにしたもの 判らない人には却って「モデルがある」って言われても困るよね。)


2002年06月09日(日)   働く大人の恋愛事情

  ショコラノベルズ  葉澄梢子:作  櫻井しゅしゅしゅ:絵

デパートを舞台にした、働くお兄さんたちのお話です(笑)主人公は、ハンサムないわゆる王子様顔の青年。さぞかし売上もあげているだろうと思いきや、あまり顔が良すぎるのか、女性洋品売り場では、全くといっていいほど売上に貢献できず、そのせいもあって非常に顔にコンプレックスを抱いています。そんな彼がいきなり花形部署である企画部に異動になります。異動の理由もまた顔にまつわるものらしくて、気が晴れないまま前部署の送別会に参加した主人公は、酔っ払って意気投合した初対面の男性と、なんとベッドを共にしてしまいますが…。

ううむ(^^; お仕事を頑張るお兄さんたち、と言うにはどうにもキャラがやってることとかが大人気ないというか(苦笑) 社会人として読んでいると「そんなことしないよ、『仕事』だったら」とツッコミしまくりでした。そこまで公私混同したらいかん(苦笑) 全体にそういう傾向があって、その非現実的さが残念だった作品。もうちょっと、リアリティがあってもいい気がする(^^; こだわり過ぎかもとは思いますが、御都合主義すぎてちょっと違和感がありました。

私的評価 ☆☆★
(デパートものは、前に出ていた文庫でめちゃめちゃお気に入りになった他作品がイメージにあるから、余計に違和感を持ったのかもしれません(^^;)


2002年06月09日(日)   ワイルド・ローズ

  ショコラノベルズ・ハイパー  藤原万璃子:作 逢阪みや:絵

レーベルがハード系なので「どうかなあ」と思いつつ、藤原先生なら(シャルル&ハルキが好きだし)と手に取った作品。…うーむ、想像に違わずしっかりハードな話でしたねえ…。主人公は、ゲームデザインをしている青年。自分の欲求不満を解消するために、出かけた夜の街で出会った男性と、いきなり愛人契約を結ぶことになりますが…。

「…こ、これはいったいなに?」というのが読了後の第一感想(笑)言い過ぎかとは思うけど、これは小説なのだろうか?と思ってしまった。主人公の一人称で話が進むのだけど、レ−ベルを見れば判るとおりに、大半は濡れ場シーンなわけで、主人公は喘ぎつついろいろ思考するわけですよ(^^; ページのほとんどが主人公の喘ぎ入り独白(苦笑) そんな実況中継Hやだよ…(^^; 話も御都合主義っぽいし、全然説明不足で良く判らなかった(^^; じっくりよめば分かったのかもしれないですが、私はこれ以上実況中継はいらないです(苦笑)

私的評価 ☆★
(私はきっと、「濡れ場よりそこに至るまでの軌跡」が好きなんだろうなあと思います。だから余計に引いてしまうんだろうなあ。)


2002年06月08日(土)   現在治療中 3

   ディアプラス文庫   桜木知沙子:作  あとり硅子:絵

歯医者さんが主人公な「現在治療中」のシリーズ最終巻になります。元々の主人公は、ハンサムな歯医者さんと、その恋人だったはずなのに、いつのまにか元の主人公のそばにいたカップル(…っつーか前巻までは見事にカップル未満(笑))のお話になってましたが、今回は、その先が気になるカップルのその後が描かれています。付き合っているような、付き合っていないような…、微妙な関係の彼らですが、そんな彼らの関係を変化させてしまう出会いがいくつも訪れて…。

まず、これが最終巻ということがただただ残念。読み終えて、最終巻だと知って、もっともっと読みたいのに!と思ってしまいました。すっごくこれからなのに〜。元の主人公たちはほんわかとラブラブしていて、今回の主役キャラたちも、飄々としてそうなのに煮詰まってて(笑)とくに相手の気持ちが判らずぐるぐる回ってる攻キャラがなんとも楽しく…いえ、可哀想で(笑)ようやく相手の気持ちも判ってホッとしたらエンドマークだったので、物足りない気持ちがついつい起こります。ただ、余韻があるといえばたしかにそうなので、彼らがいろんな「これから」を自分の中で生き続けていくのもいいかなと思ったりもします。

私的評価 ☆☆☆☆
(個人的には、らぶらぶな番外編をもう少し読みたかったんですよね〜。ちょっとだけでもいいから、続かないかなあ…(切望))


2002年06月08日(土)   ストロベリーハウスフォーエバー

   クリスタル文庫   桜木知沙子:作  山田ユギ:絵

桜木先生の初クリスタル文庫です。大学生になった主人公は、本当は兄と同居する予定でしたが、なぜか嫌がった主人公は一人暮らしをします。従姉に見つけてもらった下宿屋は、綺麗なマンションかとおもいきや、なんと普通の一軒家。しぶしぶながら下宿生活をはじめた主人公ですが、変わったキャラクターの同居人たちに振り回されて…。

ちょっと、月村先生のディアプラスでのシリーズと似通った感じですね(苦笑) 作風が似てるから余計にそう思ってしまうのかなあ(^^; ただ、主人公の健気な可愛さと素直さは好感が持てましたし、いろんな経験をもつキャラクターたちも面白く、また魅力的でした。まだまだ「うまくいったばっかり」のスタート地点なカップルだし、他にも気になるキャラがいるので(笑)ぜひとも続きが読みたいなあと思います。とっても和める1冊でした。

私的評価 ☆☆☆★
(ほんわかアットホームな感じの作品です。逆にユギ先生のイラストが似合わないぐらい(苦笑) もっと線の細いキャラがイメージかも?)


2002年06月04日(火)   エゴイスティック・ラブ

   クロスノベルズ  朝月美姫:作  緒田涼歌:絵

朝月先生のハードアダルト系(笑)な書き下ろしノベルズです。主人公は、有能な内科医。わりと大きい病院で勤務しています。ある日病院のオーナーが主催するパーティに出席するということで、しぶしぶ顔をだした主人公ですが、そこで昔短い間恋人同士だった少年と、運命の再会をします。少年はなんと病院のオーナーで大会社の会長。しかし、ふらふらとひかれあうように近付き、席を外した2人は熱烈なキスを交わしますが…。

うーむ…。なんとなく「やりすぎ」感が否めない作品。登場人物がなんだか大人気なさすぎて、ちょっとイヤな感じでした(苦笑) 一応最後にその理由は判るんだけど、でもそれは人としてどうだろうと真剣に思ってしまったよ。主人公カップルどっちもがなんだか自分のことしか考えてなくて、思いやりに欠けるというか…、まあ確かにタイトルは「エゴイスティック」とあるからそれでいいのかもしれないけど、読んでいてそのへんの違和感がつらい作品でした。

私的評価 ☆☆★
(下手したら主人公カップルより、主人公の周りにいるカップル予備軍の2人の方がよっぽど魅力的かも。主人公に感情移入できないと辛いですね。)


2002年06月01日(土)   冷たい灼熱 −ラスト・メッセージー

   コバルト文庫   藤堂夏央:作   氷栗優:絵

ラスト・メッセージシリーズの最新刊は、雑誌掲載された「夏の災厄」と表題作「冷たい灼熱」の2編が収録されています。今までの文庫は大学生編でしたが、この文庫は2人とも社会人になってしばらくたってからの、アダルト編(笑)です。暑い真夏の盛り、2人が久しぶりにデートを楽しもうとしていたところに、邪魔をするかのごとくかかってきた電話は、甘い時間をふきとばす召集の知らせで…。

今までの作品の中では一番楽しんで読めた気がします。どうもキャラクターが大人になったのと、一緒に過ごした時間が長い分甘えというか判りあった部分を読み取れたからかなと思うんですが(笑)大学編ではただつっぱってイジメていたようにしか見えなかった毒舌も、いやな感じは全然せず、恋人同士のじゃれあいという感じ。こういう雰囲気の作品は好きだなと思います。事件のネタはどちらも「なーんだ」という感じでしたが、まあ今回の文庫は2人のラブラブもーどを楽しむという位置付けなのかな(笑)

私的評価 ☆☆☆★
(最初に雑誌掲載された時からずっと読んでいる分、ちゃんと成長した姿を読めるのも、より嬉しいです。)

(勘違いで、表題作を雑誌掲載ではなく書き下ろしと表記しておりました。申し訳ございませんでした。)


2002年06月01日(土)   香港貴族に愛されて

  SHYノベルズ   遠野春日:作    高橋悠:絵

タイトルがとってもインパクトのある(笑)遠野先生の貴族モノシリーズ第2弾…といっても前の作品と「貴族」というネタが共通なだけで、お話自体は単独です。主人公は日本人ですが、ロンドンに留学したことがあり、その時同室だった香港の貴族階級の青年と、恋に落ちましたが、恋人の幼馴染みの女性からの迫害もあり、逃げるように日本に帰った苦い過去を持っています。その主人公が、世界各地を回る旅の途中で香港に滞在することになり、そこで運命の糸が結びあわされたかのように、再び元恋人と出会いますが…。

お話の舞台のダイナミックさのわりに、ネタがパッとしないというか、物足りないというか(苦笑)1冊かかってこれだけ?という感じもします。あと、上にもちょっと書いてますが、幼馴染みの女性がめちゃめちゃ嫌なタイプで(^^; 読んでいてどうにも不快感が拭えませんでした。こういうキャラが出てくると、気持ちよく読めないのはしょうがないですよね…(^^; これがなかったらもっと楽しめただろうなと思うと、かなり残念です。

私的評価 ☆☆☆
(あと、絵がどうにもイメージと違ってて辛かったなあ(^^; あの絵で「女装して美人の女性にしか見られない」のは辛すぎるっつーの(^^;)


2002年06月01日(土)   恋の微熱

   リーフノベルズ   高岡ミズミ:作  史堂櫂:絵

高岡先生の2冊目のリーフです。主人公は、平凡な生活を送るレンタルビデオ屋に勤める青年。ある日、店に妙な客が現れ、その後家に帰ろうとした主人公に、声をかけてきます。あまり深く考えずに話を聞き、レンタルしたビデオがおかしいということで、家にあげてしまった主人公ですが、いきなり襲われてしまい、なんとか逃げ出した所で偶然通りかかったのは、昔…高校生のころにいろいろとあった相手で、思わぬ形で再会を果たしますが…。

なんだかもうめちゃめちゃもどかしい、そんな作品でした(^^; なんとなく「こうなるのかな〜」という流れは判っているのに、どっちも素直になれない、言葉が足りないという…。強引すぎて受け入れられない主人公の気持ちが判るし、かといって10年間も思い続けた健気な(笑)攻キャラも判ってやりたい(このあたり私の入れこみ度バレバレ)というジレンマに悩まされつつ読んだ作品。短編で続編もかかれているんですが、それが一番ラブラブで好きかも(笑)

私的評価 ☆☆☆★
(最初こそ、あまりの強引さに引いたのですが(^^; 2度3度読めばそれなりに判って楽しめました。)


2002年06月01日(土)   焦がれるジュエリーデザイナー

   リーフノベルズ   水上ルイ:作   円陣闇丸:絵

黒川&晶也単独シリーズとしては7冊目、ジュエリーデザイナーシリーズ全体では12冊目になる作品です。毎度のことながら、いちゃいちゃしつつ壁にぶつかりつつ解決する(笑)という印象のこのシリーズ、今回は2人が有名なジュエリーのデザインコンテストに入賞し、さらに上のランクのコンテストに出場が決定してしまって…。

うーん、だんだんキャラが増えすぎて、収集がつかなくなってきたなあ(^^; 今までに出てきたキャラでもカップルになってるし、それ以外にも、また今回新たなキャラが出てきてしかもカップルなので、まさに「ジュエリ−ワ−ルド総ホモ状態」という感じで苦笑してしまいました。あと、今回はネタがちょっと共感しにくかったなあ…。2人とも自信があるんだかないんだか、なんだか納得の行かない作品で、ちょっと残念な感じもします。長く続いている作品だけに、なんだか物足りないのかも。

私的評価 ☆☆★
(私は悠太郎とアントニオがいたら、それでいいのかもしれませんが(苦笑)かえって主人公2人の方が読んでいてもなんだか物足りないんですよね…)


2002年06月01日(土)   KAIRI

   アイノベルズ    高崎ともや:作  高久尚子:絵

高崎先生の、初アイノベルズです。一応このレーベルはリーフよりもさらにアダルトちっくなのが売り(…と思っている)なので、高崎先生ならではのアダルトな作品を期待しつつ、手にとりました。主人公は、「KAIRI」というホテルを経営する若きオーナー。普通のホテルのように見えますが、実は裏の世界では有名で、いろんな人間が泊まりにやってきます。ある日やってきた宿泊者は、研究所から逃げてきたという青年で…。

最初にタイトルを見て「乖離」という文字をとっさに思い浮かべたんですが、どうやら大当たりだったみたいで(笑)大筋で、この「乖離」という単語のもつイメージぴったりのお話でした。主人公の思わぬ過去や、それによる性格形成。そしてその頑な気持ちを和らげるようなお相手キャラの前向き度がけっこう私にはツボで面白かったです。まあ、レーベルがレーベルだけに、どうにも濡れ場シーンが多く、違和感はないものの「もうちょっとケダモノ度低くてもいいような…(^^;」とは思いましたが(笑)それでもテンポよく読みました。高崎先生の今までの作品が好きな方はぜひ。

私的評価 ☆☆☆☆
(高崎先生言うところの「青造」(青二才の若造?)が私も結構好きなんだろうなあ(^^; コメディちっくなのも、会話のテンポの良さも、私のツボなのです。)