2002年8月のレビュー

 


2002年08月30日(金)   唇で伝える微熱

    GENKIノベルズ  麻生玲子:作  山田D米蔵:絵

ムービックのサイト内にあるウェブマガジンにて連載されていた作品を加筆訂正し、続編を書き下ろしてノベルズになりました。主人公は、母校である学校へ新任教師として勤めることになった新米教師くん。初仕事に緊張しつつやってきた主人公を出迎えたのは、高校時代の先輩であり主人公が意識していた人で、実はその人も母校の教職についていて、自然と親しくなっていく彼らですが…。

一応ネット連載については、知ってはいたけど読んでませんでしたので、全く初めてなんですが、全体に割とまとまって読みやすい反面、ツッコミしたい所も幾つか(^^; 一番不思議なのは、教育実習でも母校に来てたくせに、なんで先輩の存在知らんのだ(^^;という些細なところなんですが(笑) ただ、キャラも意地っ張り受と犬系攻(笑)という感じで面白かったし、テンポも良かったので結果的にはまあまあオススメという感じですね。

私的評価 ☆☆☆★
(どちらかというとモデルのお話(コバルトのシリーズ)のほうがより読んでいても惹き付けられる作品だったかなあ。インパクトが弱いのかな(^^; )


2002年08月27日(火)   バージンロードで恋をする

   ダリアノベルズ   小笠原あやの:作  如月弘鷹:絵

小笠原先生のひさしぶりの新刊は、ブライダルプランナーである元モデルの美形の青年と、バイトとして働いている可愛い系の青年とのお話です。主人公は、元気が取り柄のブライダルサロンでバイトをしている青年。上司でもあり、憧れの相手でもあるブライダルプランナーの青年は、なにかとスキンシップをして来たり、ちょっかいを出されたりと微妙な関係を保っています。そんな中、主人公の元に無言電話がかかるようになり…。

うーん(^^; なんか中身の薄い話ですね(^^; きらびやかなキャラの描写が多いわりには、話の内容が伴ってないというか、やってることは大人気ないわ、どうにも共感できないわ、展開はベタだわでなんだかがっかりしちゃいました。…いや、もともと小笠原先生の話って、わりとそういう感じなのでわかってたんですが、やはりイラスト効果で買ってしまったんですね。イラストは麗しかったけど…ねえ…(^^;

私的評価 ☆☆
(「なんで?」って思ってしまう所が多くて、余計にダメだったのかもしれないなあ。…好みの問題とはいえ、もうちょっと内容があって欲しいと思うのは私だけ?)


2002年08月27日(火)   ダイアモンドの条件

   キャラ文庫    神奈木智:作   須賀邦彦:絵

小説キャラに掲載されたモデルとカメラマンのお話と、その続編書き下ろしです。主人公は、整った顔はしているものの、普通の高校生。町中で声をかけられ、意に添わず不機嫌になり立ち去ろうとした主人公は出合い頭にやってきた女性とぶつかってしまい、女性のもっていたカメラは落として壊れてしまいます。そのカメラの持ち主は、新鋭のカメラマン。弁償する代わりに雑用のバイトをして欲しいといわれ、スタジオへ通う主人公ですが…。

なんだかすごく密度の濃い作品でした。表題作はもちろん、続編も、テンションが落ちないんです。ずっと緊張感を保ったままで話が進むのと、とてもテンポがよく描写もリアルな感じで、すごく「読ませる」作品だったと思います。恋愛の部分と仕事の部分が上手く合わさっているので、恋愛部分は少ないけど、物足りない感じはないです。健気なキャラや一見強引そうにみえて実は実直なキャラも魅力的でいいです。ぜひぜひ、読んでみて下さい。

私的評価 ☆☆☆☆★
(神奈木先生ならではの作品ですね、ほんと。彼らが今後どういう風に成長していくのか、すごく気になる。続編でたら嬉しいんだけどなあ。)


2002年08月27日(火)   心の扉

   キャラ文庫    五百香ノエル:作  金ひかる:絵

GENEシリーズの最新巻は、いろいろなものが大きく動く「動」のイメージの強い作品になりました。タイトルの通り、今回は「心の扉」を開くというのが一番大きなテーマだったのだと思います。帝国へ対抗するべく、視察にでかけた王の側近サリアたちは、そこでとんでもないものを見つけ、さらに異常としか思えない体験をします。その情報と悲しい土産を手に戻って来たサリアを迎え、話を聞き、とうとう帝国へ刃を向ける決意をするチャンシャン国。その激動の時期の中、イリは自分の気持ちに正しく向き合う決意をしますが…。

いやあ、なんとも感慨深い1冊でした。多分あと1冊で完結なのかな〜という感じで、ちょっとネタバレですが、いろんな出来事が次々に起こっていく中で、ようやくお互いの気持ちを伝えあったイリとヤンアーチェが愛しくてしょうがなかったです。実際の行為はほとんど描かれていないにも関わらず、今まで数多くあった濡れ場シーンのどれよりも色っぽく感じたのは私だけでしょうか。次の巻では、ヤンアーチェの愛が試される気がします。早く読みたいような、終わって欲しくないような、微妙な気分です。

私的評価 ☆☆☆☆
(シリーズを最初からずっと読み続けているからかもしれませんが、ほんとに「ここまできて、よかった」と思う1冊でした。願わくば、最善の大団円が待っていますように…。)


2002年08月25日(日)   愛とはそこにあるもの

   SHYノベルズ   染井吉乃:作   河井英杞:絵

告知が出てから楽しみに待っていました(^^)染井先生の初SHYノベルズは、とっても懐かしい作品です。93年に出された同人誌「星に願いを」とその続編にあたる95年シャレード掲載の作品「あなたが、特別」の2編を大幅加筆訂正してのノベルズ化になります。主人公はあまり素行がよくない(両刀使いらしい(笑))大学教授の息子であり、幼馴染みの勝彦ことカッちゃんと一緒に暮らす高校生の誠(マコちゃん(笑))。ある日家に帰った誠は、勝彦が不肖の父親とキスを交わしているのを目撃してしまい、大騒ぎになります。父親の毒牙から守ろうとする誠に対し、勝彦は「自分の欲しいものをくれた人を好きになる」といい、誠はそれを必死に探しまわりますが…。

お話のベ−ス自体は、丸9年前のものですが、相当な加筆訂正をされたんだなあというあとが沢山。…だって、この作品、ちゃんと「今ならではの作品」になってるんですよね。彼らの言葉の端々にちりばめられたものが、ちゃんと今の彼らを作り上げていて、だから同人誌を読んで、雑誌も持っている私でも新鮮に読むことができました。懐かしい思いと、変わらない染井先生らしい優しさとが伺えて、とても心和む作品でした。懐かしい面々も沢山顔をだしていて、思わず喜んでしまった昔からのファンも多いはず。そして私は脇を固めている(笑)ミニチュアダックスフントの「てんち」にメロメロになりました。いろんな仕草を書かれているんですが、これがめちゃめちゃ可愛くて!想像するだけで顔が土砂崩れしそうです(笑)ぜひぜひ、お手に取ってみて下さいね。

私的評価 ☆☆☆☆☆
(これはやっぱりコメディなんだろうなあとは思うのですが、お腹を抱えて笑う…のではなく、ほんわかふんわり、笑みがこぼれる…という感じの作品ですね。)


2002年08月21日(水)   そりゃもう愛でしょう 3&4

   オヴィスノベルズ   相良友絵:作   如月弘鷹:絵

ずいぶん長い間出ないままでしたが、ようやく発売になってみたらなんと2冊同時発売になっていたという(^^; CDにもなった人気の警察を舞台にしたシリーズです。主人公は、どうやら男性に目をつけられやすい可愛い系の警察官。サドな先輩と血液フェチな先輩と猪突猛進な後輩に囲まれ、身の危険を感じまくる日々が続いています。そんな彼らが今追っているのは、少女をターゲットにした暴行殺人事件。なんの手がかりも見つからないこの事件を必死に捜査していますが…。

…2冊同時発売なので感想もまとめて。…っつーか、これ、なんで2冊になってるの?という感じなんですが(^^; 普通ならこの内容、1冊で十分まとまるだろうに。一人称なんですが、モノローグが無駄に多すぎて、話が進まないわ状況は把握しにくいわ(^^; テンションは高いわすぐに襲われるわ…(苦笑)おまけにネタはバレバレ(最初に犯人キャラが出て来た段階ですぐわかったよ(^^;)すぎて、物足りないにもほどがあるという感じでした。…まだ、1冊目のほうがまとまりもあるしテンポもよくて面白かったと思う。残念な作品でした。

私的評価 ☆
(そういやこの1つ前にでた作品は、読むことも苦痛だったっけ。それにくらべればましなのかな…(^^; )


2002年08月19日(月)   だからおまえは嫌われる

   ビーボーイノベルズ  岩本薫:作   影木栄貴:絵

雑誌小説b-Boyに掲載された、大手会社の役員秘書と、カメラマンとのお話と、その続編書き下ろしです。主人公は、あるユニフォーム会社に会長秘書として勤め、懐刀ともいわれたやり手の秘書。今は、会長の死に伴い、跡取りと言われる専務の秘書をしています。しかし専務からはどうもけむたがられているらしく、無理難題を押し付けられます。その無理難題とは、あと1ヶ月弱しかない日程で、自社のユニフォームの写真集を作ろうというとんでもないもので、しかもカメラマンを指定されてしまい…。

雑誌掲載の時に読んでいた癖に、秘書のほうの仕事を他の職業と間違えて覚えていて、「あれ?秘書だったっけ?」って感じでした(笑)コメディちっくな作品ですが、勢いもあるし、笑えるネタもあって、けっこう一気に読んでしまった作品です。ただ、続編では、主人公は会社を辞めて既刊限定のカメラマンのマネージャーになっているんですが、その割には起こった事件がなんだか陳腐というか(^^; 全然関係ない部分から持ってこられてちょっと脱力(^^; そのネタ、もうちょっとグレードアップするか、カメラ関係よりにはできなかったものかと、物足りなさが残りました。

私的評価 ☆☆☆★
(面白かったのはとても面白かったです。テンポのよい作品でした。いじっぱり受と強引(時々情けない)攻が好きな人はどうぞ。(…ま、マニアックか?(^^;))


2002年08月19日(月)   ふしだらな脚本(シナリオ)

   ビーボーイノベルズ  鹿住槇:作  蓮川愛:絵

ビンスポットの向こう側シリーズの新作になります。雑誌掲載された「ミスキャスト」と表題作である書き下ろしのプロデューサーが主人公のお話、それと同じく書き下ろしで樹が代役をつとめることになったお話の3編が収録されています。世間から名前を消されたかのように隠遁生活を強いられる片平と、その片平を必死で守ろうとする樹ですが…。

わーい!久々のシリーズだ〜(^^) とほくほくしながら読みました。ミスキャストに関しては、すでに雑誌で読んでいましたが、やはりいいなあと思います。それから、あと2作の書き下ろしがさらにツボにはまりまくって(笑)めちゃめちゃ楽しく読めました。一番いいなあと思ったのは、普段冷静沈着でしれっとした顔しか見せないプロデューサーが自分を制御できないぐらいに「熱く」なっているあたりと、前作とくらべての片平の成長度合い。どっちも読みごたえがたっぷりで、堪能しました(^^)シリーズのファンの方だけでなく、ぜひともシリーズを通して読んでみて欲しいなと思います。

私的評価 ☆☆☆☆★
(同じことのくり返しではなくて、ちゃんと成長し、考え、動くキャラなのが嬉しい。どうやら終わりが見えて来ているみたいですが、どういうエンディングになるのか、すごく楽しみです。)


2002年08月09日(金)   ゆれるアイビーふるえる恋

   ラキアノベルズ  由比まき:作  南かずか:絵

最初はどうしようかなあと思ったんですが、前にシリーズ1冊目を読んでいたのを思い出し、じゃあ読もうかと手にとりました。主人公は、生徒会副会長を勤める美人な高校生。崇拝者も多く、まるで女王様のごとく学園に君臨しています。そんな彼が見つけた「面白いヤツ」は、体育会系の副部長をやっている1年下の後輩で…。

わはは(^^; ベタな作品だ〜(^^; 学園ものの定番というか(笑)話の展開が読めてしまうんですよねえ(^^; シリーズの前のお話でもそうだったんですが、どうにもこそばゆくなるわ、この展開(笑) とはいえ、こういうお約束ものも、たまには読んでも楽しいもので(笑) キマジメでとても誠実な後輩(攻です)が私は結構好きなので、非常に楽しんで読みました。私が許容できる年下攻は包容力もあり、年下なりの青さもあるキャラのようなので(贅沢な好みだな(^^;我ながら)そういうあたりがツボにはまったかな?

私的評価 ☆☆☆★
(同じ時間軸の別キャラにスポットをあててどんどん書かれているようです。次の主人公たちはどっちのカップルなのかなあ…。(はっ、学園総ホモ化か?(^^;))


2002年08月09日(金)   Maybe Love

   ラキアノベルズ   高岡ミズミ:作  陸裕千景子:絵

高岡先生の新作は、コメディテイストなお話です。主人公は、急に異動が決まり、都会の小学校から田舎の小さな小学校へと転勤になった教師の青年。急に環境が変わってしまったことに順応できず、ぼんやりしてしまい、引っ越しの片づけもはかどりません。そんな彼の元に隣人と名乗る、派手な格好をした青年がやって来て、窓から隣の部屋に行かせてくれと言い出しますが…。

全体にコメディ色がかなり強いです。会話も内容もかなりコメディがかっていて,いままでの高岡先生の作品がどちらかというとシリアス系なので、新鮮でした。ただ、コメディであるがゆえの話の薄さ加減というか、ネタがシリアスではないことで、逆に掘り下げ方が浅いような気もして勿体ないかなあと(^^; コメディでもシリアスでも、ちゃんと主人公は色々考えて、悩むだろうと思うんです。でもこの話の主人公は、どうにも流されキャラだったためか、成りゆきでくっついちゃった感じ。そのあたりがどうにも物足りないです(^^; 

私的評価 ☆☆☆
(お話としては面白い部類とはおもうんですが…。好みからちょい外れてるんだろうなあ。…今月こればっかだな(^^;)


2002年08月09日(金)   猫にGOHAN

   ディアプラス文庫   松前侑里:作  あとり硅子:絵

松前先生の新作は、小説ディアプラスに掲載された表題作と、その続編書き下ろしです。主人公は、年の離れた兄弟と一緒に暮らす高校生。不思議なことに、どうしても問題のある相手を好きになったり、おまけに人が争うのが耐えられなくて、仲直りをさせたくなってしまう困った体質です。そんな彼が町中で偶然会ったのは、優しいサラリーマンで、どうやら主人公を口説いているらしいのですが…。

うーん、一応精神的に辛いことがあったから自己防衛として奇妙な行動をする…というのは判らないでもないんですが、それにしてもちょっとずれてるんだよなあ(^^; 「うんうん、気持ちが判る!」と言い切れない作品なんですよ。「…そこまでしないって(^^;」とか「そんな訳ないじゃん!」とか思ってしまうと楽しめなくて残念。攻キャラも、もうちょっと誠実であって欲しいなあ(^^; いつもちょっとの差で好みからずれてしまう作品ばかりなのですが、今回も同じくもどかしい作品でした。

私的評価 ☆☆☆
(ほんと好みの問題なんですけどね(^^; 今までの作品もほとんど全部そうだから、読まなきゃいいという話もあるんですが(^^;)


2002年08月09日(金)   微熱のシーズン

   クリスタル文庫   岩本薫:作   海老原由里:絵

小説b-Boyに掲載された表題作と、その続編書き下ろしです。主人公は、日本画の世界で将来を嘱望されていたにもかかわらず、急に筆を折って、美術教師の道を選び田舎の町に赴任してきた青年。田舎の典型ともいえる、閉鎖的な田舎で出会ったのは、決められた人生を歩むことを嫌い、反発をくり返す町の有力者の息子で、引き付けあうかのように、だんだんと2人で過ごす時間が増えて来ますが…。

なんとなーく読んだ覚えがあるような気もします(^^;(あんまり覚えてないんですが(^^;)主人公のもつ過去がどれだけ重いのかと思ったら、あんまりすごい過去でもなくて(苦笑)まあ、思い悩むのもわかるんですが、そこまでしなくても(^^;大袈裟だなあ…と思ってしまった。身も蓋もないですね(^^; 続編の方がまだこなれてる感じがするので、初期の作品なんだろうなあ。ただ、キャラの悩みとか、考え方とかはすごく判る…近いものを感じるからでしょうか。全体には面白く読みました。

私的評価 ☆☆☆
(…そーいやこれも年下攻か(^^; …ひょっとして私は年下攻があまり得意ではないのかしら…(^^;)


2002年08月09日(金)   ミッション

   クリスタル文庫   水壬楓子:作   道原かつみ:絵

3年ほど前に雑誌掲載されたシリーズの文庫化です。雑誌名は私が読んでいないことを思えばあのあたりかなーというのはあるのですが(笑)ちょっと未確認のため割愛(^^; 主人公は、なんらかの任務を負って、大親友が経営するリゾートホテルへ泊まりにいきます。しかし、3年前に「もう来ないでおこう」と誓った原因でもある親友の弟が、なぜか迎えに来ていて…。

全体にサスペンス調というか、事件を中心に動くお話なので、ネタバレはダメかなと思い、めちゃめちゃ中途半端なあらすじですが、まあお気になさらず(笑) サスペンス調はサスペンス調なんですが、主人公やその他のキャラの真剣さや必死さにくらべると、やはりというかこの弟くんのガキさ加減に情けない気持ちが禁じ得ません。…緊張感をそぐよ、このキャラ(^^; 年下攻なんですが、こういう甘えた…というか甘ちゃんな攻めは苦手なんですよねえ…。全体のお話はスリルもあって面白かっただけに、このキャラだけがネックでした。続きがあるのかな?と思えるエンディングなんですが、もし続編があるのならば、絶対もうちょっと攻は進化してて欲しいなあ(^^;

私的評価 ☆☆☆
(まあ、キャラの好みはそれぞれだと思うんですが、かなり重要なキャラなので(…お相手キャラだしねえ)余計に…ねえ(^^;)


2002年08月09日(金)   しっぽのきもち

    GUSTコミックス     南野ましろ:絵

なつかしくて大好きなましろ先生の猫マンガがやっとやっとコミックスになりました!古くは「小説FUDGE」に掲載されていたという非常に歴史があるショートコミックです。その後小説エクリプスにお引っ越しし、数年前までずっと連載されていました。小説エクリプスを買いはじめたのが、ちょうどこのマンガの中盤にあたるころだったのですが、その後古本屋やまんだらけを闊歩し(笑)必死になって集めまくったおかげで、最初の1本以外は読んでいたという、執念の作品でもあります(笑) 主人公は、子ネコのヤタカ。ホモカップルな飼い主に可愛がられています。そんなヤタカがある日見つけたのは傷を負った猫。なんとかして飼い主にそのことを伝えようとするヤタカですが…。

ましろ先生ならではの暖かい作品で、これで飼い主のいちゃいちゃとかがなければ、私は子供に見せてもイイと思う!というぐらいにほのぼの和やかです。そしてなにげなくヤタカを溺愛しちゃってるゴローちゃん(傷を負っていたにゃんこですな)がまたイイ味だしてて和むんですよねえ〜。寝る時いっつもヤタカを抱え込んでるし(笑)父性愛か、はたまた別の愛なのかはともかく(笑) ヤタカは最高に癒し系グッズ(グッズじゃないか(^^;)だと思うのでした。

私的評価 ☆☆☆☆☆
(一応、飼い主のお話もあるのはあるんですが、影が薄いですねえ(笑)やっぱり主役はほんとに可愛い可愛いにゃんこたちなのだなと思います。ぜひぜひ!お手にとってみて下さいね。)


2002年08月09日(金)   秘めごと

  ショコラノベルズ・ハイパー  真崎ひかる:作  すがはら竜:絵

主にアイスノベルズで書かれていた真崎先生の初他社ノベルズ…のはず(笑) 雑誌ショコラに掲載された、イギリスの古城がそのままホテルになっているという、そんなゴージャスな(笑)舞台のお話があるのですが、その別キャラ本のようです。…いや、キャラの名前だけじゃしっかり覚えてないのだ(^^; 主人公は、良家のお坊っちゃんで、絵を描くのがとても好きな高校生。仲良しの同級生と一緒に、バカンスをすごすためにイギリスまで来た主人公は、そこでとんでもない体験をして…。

…いや、なんといっていいのか…(笑)ツッコミしたい部分は沢山あるんですが、とりあえず「なし崩しはやめよう!」が一番言いたいことかしら…(笑)どこでどうやって好きになったのか、疑問です。身体から引きずられてるのかな、やっぱり(笑)さすがハイパーだけあって、かなりな濡れ場の描写で(^^; これ半分ぐらいでもいいからもうちょっと気持ちの部分を書いてくれたらなあと思います。…いや、人の好みはそれぞれですけども。ただ、全体にハード路線ではなくほのぼのしているのは、真崎先生の作風の為せるわざかもしれないと思います。

私的評価 ☆☆☆
(…いや、キャラクターも大概ほのぼのしてるか(苦笑)とりあえず、こんなおぼっちゃまたち、野放しにしてちゃいけないと思います、ええ。)


2002年08月09日(金)   運命がくれたプレゼント

   ショコラノベルズ   夜月桔梗:作  椎名咲月:絵

以前ノベルズになった「わがままな恋の勝利」の別キャラのお話です。これが、雑誌掲載された作品で、「わがままな恋の勝利」のお話と表裏一体になっているという作品。主人公は、なぜか笑うことができない…表情が動かないという青年。ぼんやりしていて、事故にあってしまいます。最初は「大丈夫だろう」とのんきに構えていた主人公ですが、翌日病院へ行ってみるとなんと骨折で、しかも手術が必要といわれ、戸惑いますが…。

順番としては、こちらを読んでからでないとやっぱり判りにくいかもしれないなあ…<「わがままな〜」 雑誌掲載の時にも読んでいたんですが、こちらの方がキャラが固まっているというか、ちゃんと主役としての存在感があるので、読みやすいかと思います。逆にこれを読んでから、「わがままな〜」を読めば、妙に存在感のある脇キャラとかの意味も判るかと。これは発売順がどう考えても逆だろうなあ(^^;

私的評価 ☆☆☆
(まあ、雑誌掲載自体は、こちらの方が先でしたが、やはり雑誌は読まないという方もいらっしゃるでしょうし(^^; 逆にした方がよかった気がするなあ(^^;)


2002年08月05日(月)   スウィート・レッスン

  X文庫ホワイトハート   和泉桂:作  松本テマリ:絵

長いキスシリーズを完結させてすぐですが、和泉先生が早速の新シリーズをスタートしました。今回は高級ホテルが舞台のお話です。主人公はホテルマンを夢見て、就職浪人してまで、希望のホテルの募集待ちをし、ようやくそのホテルの試験を受けることになった、純朴な青年。あるきっかけでホテルのコンシェルジェである青年と知り合います。そしてホテルのVIPである人にも気に入られ、そのVIPのたっての希望もあり、そのホテルに就職できることになった主人公ですが…。

前シリーズとはうってかわって、なんだか明るいイメージが(笑)というかキスシリーズが後半かなり沈んでたから、余計に落差があるのかもしれませんが…。主人公の一生懸命さが可愛いですね。だから逆に大人達の姑息さとか汚れっぷり(苦笑)も際立つというか…。まだまだ方向性がちょっと違っている気がする主人公の一生懸命さがいつかちゃんと報われるといいよなーと思いつつ読みました。どっちかというとこういうライトな方が楽に読めていいかも(笑)

私的評価 ☆☆☆☆
(松本テマリ先生のイラストも素敵です。これからどうシリーズがうごいていくのか、とっても楽しみ♪)


2002年08月01日(木)   混線もようはまだ続く

    パレット文庫   真船るのあ:作  明神翼:絵

「混線もようの恋だから」の続編書き下ろしです。主人公は人気者の兄を持つカワイイけれどとくに特徴を持つわけではない普通の高校生。前作にて生徒会長をしている眉目秀麗成績優秀な先輩と恋人同士になりますが、いそがしい生徒会長の彼となかなか時間も作れず、また生徒会の中で彼を慕う後輩に睨まれたりもして、複雑な気持ちを持て余しています。そんな中、偶然電車の中で出会った人と仲良くなりますが、実は恋人と因縁浅からぬ関係だったようで…。

うーん、前作に引き続き、なんだかベタな展開のお話ですなあ…(^^;ライバルが出てきたりとか、主人公を賭けの対象にして争ってみたりとか、定番中の定番な気が…(笑)ちょっと食傷ぎみなネタが多くて、残念だったかなと思います。ちなみに、前回めちゃめちゃツボにはまった兄カップルは、なぜかせっかくのクール美形受なはずなのにバカップルになっててちょっとショック…(笑)短編で兄の話がありますが、これはけっこうオイシイというか、好みでした。

私的評価 ☆☆☆★
(真船先生のクール美形受は、人前でいちゃいちゃしたらダメ!というのは思い込みだろうか…(笑)(←基本的にごはんシリーズの月島をイメージしております(笑)))


2002年08月01日(木)   ハートフル・ガーデン

    パレット文庫    池戸裕子:作  麻々原絵里依:絵

池戸先生のほのぼのラブストーリーです。主人公は、優等生で生徒会長もしている穏やかなタイプの高校生。いきつけの喫茶店があり、実はそこのウエイターであり、オーナーの弟である青年に恋をしています。その喫茶店で過ごす時間をとても大切にしている主人公ですが、ある日とうとう想い人に告白します。しかし色好い返事はもらえず、それでもその店に通う主人公は…。

池戸先生らしい、とても穏やかなカラーのお話です。出てくるキャラクターも優しくて柔らかい印象の作品。読んでいてとてもほのぼの和みます。ただ、キャラがどうにも内向きなのが、もどかしいといえばもどかしいかなあ。大袈裟にいえばネガティブ同士の恋なので、どうにも話が進まないという(笑)やはり外部からの要因がないとストーリーが展開しないのは、焦れったいですねえ。まあ、最後はやっと自分達で動き出すので、やれやれですが(笑)やっとのことでくっついたらエンドマークだったのがちょっと残念。続きが読みたくなってしまいます。

私的評価 ☆☆☆★
(イラストの麻々原先生の絵も素敵です。ほのぼの和みたい方にオススメ。ちなみに1冊読みきりのようです。)


2002年08月01日(木)   ないしょのステディ

   パレット文庫   鹿住槇:作   金ひかる:絵

鹿住先生の新シリーズは、学園モノのお話です。主人公は、可愛い容姿のわりに、けっこう遊んでいて来るもの拒まずなタラシの高校生。実は、彼の高校には「ステディな間柄になった人と、ネクタイを交換する」というのが秘かに流行っている。主人公も彼女に押し切られ、ネクタイを交換しようとして良く見ると、なぜかそれは自分のものではなくて…。

なんかにてる作品を知ってる…としばらく悩んでたんですが、思い出しました。これ、ネタ的にキャラ文庫で出てた神奈木先生の「その指だけが知っている」ににてるんだわ(笑) 全体の印象もとても似ているのは、やはり作風が被る部分があるからだろうか。いや、問題があるほどにてるんじゃないので、誤解なきよう(^^; とりあえず姑息でも行動力のある攻キャラに拍手。…押しは弱すぎるかもしれないけど(笑)なんだかほのぼのした作品でした。

私的評価 ☆☆☆★
(気持ちが通じ合ってからの方がどちらかと言うと可愛い(笑)後半がとくにオススメな1冊です。多分これ1冊で完結なので、続き物苦手な人でも大丈夫かも?)


2002年08月01日(木)   許せないのはアイのせい

   ルビー文庫   高岡ミズミ:作   みなみ遥:絵

高岡先生の初文庫になります。書き下ろし新作です。主人公は、家庭の事情もあり、幼い頃から叔父にあたる青年に育てられてきた可愛い系の高校生。実は叔父を慕っていますが、表に出すことができず、思い悩む日々を送っています。叔父の方も憎からず思っているものの、まるでわが子のように慈しみ育ててきたということもあり、2人ともが今の関係を壊すことができずにいます。そんな中、イギリスへ研究のため半永住状態になっている主人公の実の父が帰ってきて、主人公をイギリスへ連れて行くと言い出して…。

高岡先生の作品の中では非常に珍しい、という印象が(笑)キャラクターがわりとあっけらかんとしててあけっぴろげなところがあるからかな。わりとぐるぐる回って悩んでしまうキャラが多い印象を持っていたので、とても新鮮でした。ただ、その分薄っぺらいというイメージもないではない(^^; とくに実のお父さん、君は一体なにしに来たんだ(^^; 話の中で出てくる事件と関連があまりない気がして、存在感薄かったです(^^;全体にそんな感じのお話。シリアスな方が好みなのかなあ(^^; あ、ラストに掲載されてる続編というかバカップルラブラブ編は大笑いしました(笑)

私的評価 ☆☆☆★
(そしてほんと脇キャラなんだけど、気になるキャラ…っつーかカップルがいる…。この2人の話が読んでみたい…。)


2002年08月01日(木)   そのくちびるで惑わせて

   ルビー文庫    水城薫:作   日下孝秋:絵

水城先生の2冊目のルビー文庫です。前作「虜にさせるキスをしよう」の続編にあたります。主人公であるタカビーでわがままなモデルの青年と、ひょんなことから彼と関係を持ってしまった純朴で一生懸命なタイプの普通の大学生との複雑な関係を描いています。前作にて肉体関係を持ったためか、モデルは妙に相手の所有権を主張し、その独占欲に困る大学生ですが…。

うーん、前作よりもなんだか間延びしてる気がする…のはどうしてだろう。前作はある程度事件性もあったりもして、恋愛関係の部分とは別のところでも読める要素はあったんだけど、今回は2人の関係が中心なうえに、全く言っていいほど話が進展してない(…いや、してるのかもしれないけど1冊かかってこれだけ?という感じが(^^;)のが、もどかしいのかなと思う。…とりあえず、自分の気持ちを相手につたえもせずに、所有権ばかり主張するオコサマな思考回路だけは納得いかん…と思ったのが読了後の第一感想でした(笑)

私的評価 ☆☆★
(出てくるキャラの魅力の問題もあるのかな(^^; あ、それから、段々イラストの見分けがつかなくなってきたです(^^; 他の作品とかでも、ロンゲキャラ全部同じ顔に見えてきた…(苦笑))


2002年08月01日(木)   そして、永遠に

   エクリプスロマンス   魔鬼砂夜花:作  橘茶茶:絵

本当は7月の新刊なのですが、手に入ったのが8月だったので、8月のレビューに回しました(^^; かなり昔にアンソロジー系の書籍「ジャコウ」に掲載された、ファンタジーものの作品のシリーズにあたり、掲載された2作品のちょうど間にあたる部分の書き下ろしノベルズです。残念ながら掲載されたアンソロジーは現在は見かけませんので、どうしても気になるという方は古本屋さんへどうぞ。主人公は、妖魔の庇護のもと、妖魔の住む森で年を取らぬまま生きる騎士。彼のもとに、ある日若い娘が訪れ、願いを口にします。その願いを聞き入れる主人公ですが…。

うーん、魔法とファンタジーの世界ですなあ(笑)私、実はこういうのけっこう好きで(笑)(なんせナルニアだのはてしない物語だのが原点だから(^^;)ワクワクして読んでました。正直カップリングとかは二の次だったりして。実際そんな雰囲気ほとんどないしなあ(^^; ただ、上記にも説明をしていますが、非常に「物足りない部分」というのが多いです。やはり前後にある話というのが判らないからでしょうかねえ。ついつい、「じゃあ頑張ってアンソロジー探そう」と思ってしまうあたり、もうこの世界観にハマってしまっているのかもしれないです。

私的評価 ☆☆☆☆
(今年の夏コミで、このシリーズの家系図やキャラクター紹介などが入った新刊が出ました。まだ読めてないんですが、どうしても理解できなかった人は、補完にいいかもしれないですね(笑))