2003年2月のレビュー

 


2003年02月28日(金)   アット・ハート

   リンクスロマンス  松永也槻:作  高久尚子:絵

エクリプスロマンスで出ていた俳優もののお話「アット・ハート」の続編で、全編書き下ろしです。主人公は、まだまだ新人のかけ出し俳優の青年。自分の所属する劇団の人気ナンバーワンで芸能界でも一押しと言われるほどの俳優と同棲しています。そんな彼らの日常に、いきなり子供がとびこんでくることになり、なんとそれは離婚歴のある恋人の子供で…。

うーん、まさか子供ネタで来るとは(^^; 前作がけっこう好みだったのですが、今回はちょっとネタ自体が私にはしんどいというか(^^; すんなり読める作品ではなくて、ちょい辛かったです。…いや、自分と重ね合わせてしまってるわけではないんですが…(笑) あ、子供が来ること自体が深刻な事態を招くとかそういう話ではないですし、基本的にはコメディなので誤解なきよう(^^; 私がこういうネタに弱いだけなのです。テンポがよくて、面白い作品なので、前作とあわせて読んでみてくださいね。

私的評価 ☆☆☆★
(本当は3冊予定だったそうなんですが、とりあえず3冊目は未定らしい…(^^; 1冊完結風なので、続き物としてではなく読めると思います。)


2003年02月28日(金)   契約不履行

   リンクスロマンス   義月粧子:作  雪舟薫:絵

元エクリプスロマンスレーベル(笑)リンクスロマンスの創刊です。元小説エクリプスに前後編で掲載されたサラリーマンもののお話と、その続編書きおろしが収録されています。主人公は有能なエンジニア。今は営業所属である、前に自分の元で働いていた部下と、今も信頼できる関係を築いています。お互いにノーマルで、結婚もしていた2人。しかし、営業が離婚した後のエンジニアの妻の突然の死により、2人の関係が変化してきて…。

義月先生ならではな作品でしたねえ。今まではいわゆる自覚しているゲイが多かったけど、今回はノーマルな2人がお互いを必要とし、パートナーとして認めあうという感じの話なので、とても新鮮ではありました。基本的に私はとても仕事ができるキャラが好きで(笑)その仕事にかける情熱だの意気込みだのが判る文章だとさらに楽しい度が上がるので、この作品はとくにツボでした。次はどんなことをやってのけるんだろうと、ワクワクしっぱなしだった感じ。ただ恋愛なだけではなくて、パートナーとしての2人がレベルアップしていくのはとても読みがいがありました。

私的評価 ☆☆☆☆★
(雑誌掲載時も好きでしたが、書き下ろしはよりパワーアップしてた感じで、ノベルズで読めて本当に嬉しい。)


2003年02月28日(金)   リボンの日をときどき

   シャレード文庫   花川戸菖蒲:作  角田緑:絵

雑誌シャレードに掲載されている尤書堂シリーズの4冊目の文庫です。チェーン書店につとめる主人公青山と恋人関谷望のラブラブで(笑)しっかり書店のお仕事も描かれている人気シリーズ。雑誌掲載2回分に書き下ろしが収録されています。今回は青山のお誕生日を盛大に祝うべく望が計画した箱根旅行で、青山は望のアニバーサリー男ぶりにびっくりさせられまくりますが…(笑)

相変わらずバカップルちっくだけど笑える、楽しい作品ですねえ〜。そして、2人のラブラブっぷりだけでなく、些細な言葉に動揺しちゃうあたりとか、相手を思いやるところとか、ほのぼのしてて愛しいです。ところどころ望や青山の言葉として書かれる恋愛論や仕事論に、非常にうなずけたりして、こういう考え方に憧れます。仕事を頑張る2人もしっかり書いてあって、本好きとしてはほんとに青山さんの本屋へ行ってみたい!と心から思ってます。今回もとても楽しんで読んだ1冊でした。

私的評価 ☆☆☆☆★
(そういえば、いつから青山っていつから望を「のの」って呼んでるんだろう…(^^; さすがにそれはどうかなとも思わないでもない(苦笑)可愛いけど。)


2003年02月28日(金)   きみのとなりで眠りたい

   シャレードコミックス    角田緑:絵

予定は1月末でしたが、諸事情で1ヶ月発売が遅れました。角田先生の初コミックスになります。シャレードで掲載されていた「お隣さんシリーズ」といわれているアパートの隣同士を描いたお話と、それ以外に短編読みきりが1編収録されています。主人公は、一人暮らしの医大生。しかしなぜか毎日起きると布団の横には隣人がいて…。

角田先生のコミックスを!とファンの方が先導をして、HPで署名運動もされていたのを御存じの方もおられるかと思います。(リンクさせていただいていたし、宣伝も同じくさせていただきました)やはり、こうしてちゃんと形になるというのは感慨深いものです。今まで読むことがかなわなかった最初のお話も、今回のコミックス化で読むことが出来て感激。角田先生の魅力は勢いのあるギャグ絵(笑)と、シリアスな時の繊細な表情の落差だと思っているので、コミックスでそれを堪能できて幸せでした。ぜひ、JUNEに載っている本屋さんシリーズもコミックス化してほしいです。

私的評価 ☆☆☆☆
(くしくも尤書堂シリーズの文庫と同時発売でした。いろんな角田先生の絵の魅力が見れて、幸せかも(笑))


2003年02月27日(木)   シリウスの奇跡

    キャラ文庫   神奈木智:作   須賀邦彦:絵

発売予定をみてから楽しみにしていた「ダイアモンドの条件」の続きになります。主人公は、前作でモデルとしてスカウトされ、新人モデルとして日々をすごしている高校生。恋人である新気鋭のカメラマンと、忙しいながらも充実した日々をすごしています。そんな彼らに、デビューを飾った人造宝石「ジェット」の次のCMの仕事がやってきて…。

前作もどんどん高まって行く2人の仕事へのテンションにほれぼれしましたが、この作品はさらにその上をいったという感じです。ピンと張り詰めた見えない糸があるような、そんな緊張感が読んでいる間ずっとありました。いろんな葛藤と駆け引きがあって、だからこそラスト近くでのCM撮りシーンがとても引き立っている気がします。ほんとに夢中で読んだ作品でした。ぜひぜひ、前作ともどもじっくり読んで下さい。彼らのひたむきさは、とても心を打つものだと思います。

私的評価 ☆☆☆☆☆
(多分この作品も、リクエストの声が高く、続編が出たのだと思います。それだけ、この作品に魅了された人が多かったんだなあ。私もその1人ですが(笑))


2003年02月27日(木)   王朝秋夜ロマンセ

    キャラ文庫   秋月こお:作   唯月一:絵

平安時代を舞台にした作品の三冊目です。主人公は、実はやんごとなき血筋だけど事情があり寺で育った素直な少年。紆余曲折をへて、今の主人である青年公達と愛を育みつついろいろなことを学んでいます。今回は、主人公の素性に絡んでいろいろと事件がおこって…。

タイトルを見るたびに、「…違うよなあ…」(だって春があけぼので、夏が夜だし(笑)ちなみに秋は夕暮れです(笑))と思ってしまうあたり、古典好きといえば好きなんでしょうか(笑)冬はどうなるのか今から楽しみですが、…ということはこの本4冊完結なのかしら…(←考え過ぎ)だんだんとバカップルっぽくなってきた主人公たちと、それに翻弄されている感じがする業平が楽しそうだけど大変そうです。あんまり話の風呂敷を広げすぎず、日常の彼らが楽しければ私はそれでいいと思うのですが…。過去の歴史をからめてしまっているからこそ、あまり突飛なネタだと違和感があるのかなあ。

私的評価 ☆☆☆
(面白いのは面白いんですが、2冊目よりも受け入れにくい感じでした。2人の発想があまりに突飛すぎたんだろうなあ、これは(..;)


2003年02月25日(火)   俺にかまうな!

   キャラコミックス     橘皆無:絵

雑誌キャラに掲載された作品と、続編ミニ描きおろしが収録されています。昔神童とよばれ名声をほしいままにしていたはずの幼馴染みの高校生2人が主人公のお話です。美貌と才能を今でも持っているけれども、でも彼らの夢は田舎でのんびり暮らしたいという平凡きわまりないもので…。

前に出ていたのは原作付きだったから、これが橘先生の初キャラコミックスということでしょうか。「シャインズマン」をリアルタイムで読んで集めてた私ですから(笑)うれしさもひとしおでした。お話は良くあるネタではあるんですが、絵の綺麗さと、ギャグとシリアスの落差が楽しい作品でした。少女マンガでちょっぴりホモテイスト(笑)という感じなので、物足りない人もいるかもしれませんが、こういうのも私は好きだなあ。

私的評価 ☆☆☆★
(これもほのぼの路線というか(笑)カップルではないけどバカップルというか(笑)なんとも楽しいキャラクターたちです。)


2003年02月25日(火)   うさしくん

   ウィングスコミックスデラックス   南野ましろ:絵

ディアプラスで連載されているミニショートマンガです。先に「うさしくんのほん」や「うさしくんのいちにち」の絵本として出ていたのですが、今回は雑誌掲載分が一挙にコミックスに収録されてます。もともとはましろ先生の作品キャラが描いていた、という設定ではじまったショートマンガでしたので、最初の頃は作者が「中原ひなた」になっていた覚えが(笑)可愛いましろ先生ならではのデフォルメほのぼのマンガになっています。

これ、子供に読ませても全然オッケーだなあと思いつつ。…実は実際に読ませてしまいました(笑)だって可愛かったし、ちょっと心打たれる作品もあったんだもの…(言い訳)可愛くてちょっとシュールで(笑)ほのぼのしていて和みまくりの1冊。ましろ先生のファンはもちろん、日頃疲れた気持ちを和ませたい人にもオススメの1冊です。

私的評価 ☆☆☆☆☆
(読み終えると眉間のシワもとれて(笑)ほっとした気分になりました。うーん、癒し系マンガだ…(笑))


2003年02月25日(火)   名残の花

   ウィングスコミックス   十波妙子:絵

新刊が出るのを心待ちにしていました(^^)ファンタジックな作品「裁きの血」シリーズの最新刊は、雑誌で連載されていた灰色はがねにゃんこ(ほんとはにゃんこにあらず(笑))ナイトリーのお話です。ナイトリーは今回なぜか若い女性の魔法使いと一緒に暮らしています。その魔法使いにはある目的があって、どうやらナイトリーはその目的のために一緒にいるようですが…。

もう、最初は可愛くてしょうがなくて、中盤から後半にかけてはどうにも切なくて胸を打たれる、そういう作品でした。サウスからウィングスに変わってからは、雑誌も読んでなくて、ラストもどうなるか知らなかったんですが、こうくるとは思わなかった。輪廻はめぐるというか、これを読むことで、今までの3冊の意味が変わってくる気がして、思わずひっぱりだしてきて読み返してしまいました。ぜひぜひ、一度「ファンタジーだからなあ」と気後れしていた人も読んでみて下さい。ハマること請け合いです。

私的評価 ☆☆☆☆☆
(ファンシーフェチの人もオススメです(笑)とくにいろんなところに出てくる面白動物はオススメ!個人的には今回は出てこなかったダイダイが一番好きですが(笑))


2003年02月22日(土)   トラブル・タイフーン

   ジーンノベルズ  立花史野:作   夏賀久美子:絵

見事に買う本がなくて、予定外ですが手に取りました。多分初ノベルズのはずです。大阪の所轄警察署を舞台にした刑事物のお話です。主人公は、刑事に憧れている若き警察官。カリスマ的存在の警部とある事件の捜査本部で初めて会話を交わし、それが事件解決の糸口となったことをきっかけに、抜てきされて刑事になりますが…。

なんだか読んでいて凄く懐かしい雰囲気がしたんですが、どこかで読んだことあるのかもしれないなあ。(あったとしたら同人誌でしょうけど)大阪が舞台ということで、そこかしこに知ってる地名がちらほらとあって、より臨場感あふれて楽しく読めました。どちらかというと恋人同士の語らいは二の次で、事件とそれに伴う2人の焦れったい進展ぶりが主な内容なので、ラブラブを期待している人は物足りないと思いますが、読みごたえもあってけっこうオススメでした。難点をいうなら、少々展開が安直な感じがするのと、ルビの間違いや校正ミスと思われる誤植がいくつか目立ったことでしょうか。ちょっと気になったです。

私的評価 ☆☆☆★
(思ったよりも面白かったので、満足してます(^^)これ、続きが出たら絶対買うなあ。…というか、この後の2人も読んでみたいです。)


2003年02月15日(土)   いけないラッシュアワー

   ビーボーイノベルズ  ななおあきら:作 松本テマリ:絵

「危険なラッシュアワー」の続編になります。痴漢にあいやすい高校生の美少年(笑)と、その痴漢が元で知り合った恋人のエリート刑事とのお話で、雑誌掲載分と、同人誌の再録、それから書き下ろしの計3編が収録されています。前作にてどうにもバカップルになってしまった2人ですが、相変わらずすれ違いが多いこともあり、いつまでたってもラブラブ街道まっしぐらですが…。

前作もネタのわりには面白くて、けっこうオススメだったのですが、今回の続編の方がよりオススメしたい度が高いかも。雑誌掲載の分はどうかなと思う部分もあったけど、同人誌の再録や、今回の書き下ろしは、ちゃんと成長して考えてる2人が読めて、ちょっと幸せでした。ただただHしてるだけじゃなくて、ちゃんと考えて、夢も諦めなかったあたりが好みにジャストミートだったらしい(笑) 健気で可愛い受も、エリートだけどどうにもヘタレな攻も、好きだなあ。きっと彼らはいつまでもラブラブバカップル道をばく進してくれることでしょう。

私的評価 ☆☆☆☆
(2冊揃えてぜひどうぞ。松本テマリ先生のイラストもかっこよくてちょっとギャグで笑えて(笑)素敵です。)


2003年02月15日(土)   太陽の恋人

   ビーボーイノベルズ   岩本薫:作  杜山まこ:絵

岩本先生のデビュー作である雑誌掲載作品と、その続編書き下ろしが収録されています。このデビュー作も、雑誌で読んでいたので、続編が読めて嬉しいです。主人公は、一応芸術関係のプロデュースをする仕事をしている青年。家族を顧みなかったカメラマンを父にもち、それが原因で苦労した母に、頭が上がりません。主人公が 大切にしているのは幼馴染みで年下の青年。カメラマンを目指しているその青年は、主人公を慕っていますが…。

TOUGH!とかのコメディちっくなのもいいですが、私はこのシリアスなデビュー作がけっこう好きです。雑誌掲載の時に、思わずもらい泣きしそうになったシーンがあって、もちろんノベルズでも思いっきりヤバかったです(^^; 正直真正面から立ち向かうにはしんどい内容なのかもしれませんが、それでも一生懸命不器用であっても頑張って生きてる彼らがいいなと思う。続編では、もっと年齢を重ねて、変わらないところも変わった所も沢山ある(笑)お話が読めて嬉しかったです。

私的評価 ☆☆☆★
(ちょっとだけですが「だからおまえは嫌われる」とリンクしています。持っている方は読みなおすと楽しいかも。)


2003年02月15日(土)   スプーン・ポジション

   ビーボーイノベルズ   火崎勇:作   越智千文:絵

小説b-Boyに前後編で掲載された表題作と、その続編の書き下ろしが収録されています。主人公は、海外赴任から戻ってきたばかりのサラリーマン。学生時代の友人同士が結婚すると聞き、急いで帰国してすぐ式場へ向かいます。なんとか披露宴には間に合った主人公ですが、その場で親友と思っていたはずの相手からなんと告白されてしまい…。

火崎先生らしい作品だなという感じです。雑誌掲載時にも読んでいましたが、主人公カップルの穏やかさが好きだなあと思います。ただ、いきなりストーカー被害にあう主人公のいきさつの脈絡のなさ加減はどうかなとは思いますが(^^; 恋愛の部分は文句ないんだけどなあ…。書き下ろしはラブラブでほのぼのしてます。本編のシリアスムードはそのままなんですが、なんとなく和み系という感じでした。

私的評価 ☆☆☆
(正直なところ、この作品の大人なイメージと、越智先生の可愛いイラストとに落差を感じました(^^; もっと大人っぽいイラストの方が似合うような気がするなあ…。)


2003年02月15日(土)   恋心

   アクアノベルズ   小川いら:作   今市子:絵

どうしようかなあと思いつつ、イラストで思わず手にとった作品。主人公は、古仏の研究をしている青年。今は京都で暮らしていますが、近いうちに東京の大学で教鞭を取る予定で引っ越しの準備をしています。そんな彼が偶然雨の中であったのは、美貌の青年。見兼ねて声をかけ、自分の家へ連れて行った主人公。語り合ううちに、身体を重ねる二人ですが…。

もともと、どうやら短編扱いとして出会いシーンを書かれていたようで、出会いシーンとその後の話は章がわかれていました。(良く見ればタイトルも違っていた(笑))久々にしっとりした読みごたえのある話を読んだ気がします。非常に穏やかな話で、ゆっくりゆっくり進んでいく2人の恋愛がとても心地よかったです。恋愛に積極的になれない受を愛情を持って待つ攻キャラが素敵でした〜。でも押す所はちゃんと押してるというか(笑)世の中「会話が足りなさ過ぎ」なキャラが氾濫している中で、きちんと安心できる言葉をやりとりしている作品として、ぜひともオススメしたいです。

私的評価 ☆☆☆☆
(今先生のイラストも素敵です。ソフトフォーカスがかかったかのような、そんな雰囲気がぴったり。相乗効果ですね。)


2003年02月15日(土)   ささやきはキケンな誘惑

   リーフノベルズ   池戸裕子:作  陸裕千景子:絵

「甘い罪のささやき」と表裏一体になっているらしい(笑)パラレルワールドという感じの作品です。「甘い罪のささやき」はファンタジーでしたが、今回の作品は現代の、しかも日本を舞台にした作品です。主人公は、有名デザイナーを父に持つ青年。父の会社への就職を目の前にして、羽をのばそうと友人と妖しげなクラブへいきます。そこで出会った不思議な男性と、なぜか一夜をともにしてしまいます。次の日、父の会社で自分の片腕となる相手に紹介された主人公は…。

うーん、前作のファンタジーがすごくプラトニックで良かったんですが、この作品はけっこう身体の関係とかが重視されてる感じで、前作よりも生々しくて(^^;どうかなと思ってしまいました。お話としては面白かったとは思うんですが、最初の期待していたものが前作並みだっただけに、期待外れな感じがどうにも拭えませんでした。なんか無理矢理にパラレルに仕立ててるから、すごく無理が生じてる気がする。やはり主従関係というのはファンタジーの方がいいですな(^^;

私的評価 ☆☆☆
(まあ、ある意味主従関係なんでしょうけどねえ…<会社の上司と部下)


2003年02月13日(木)   恋のためらい愛の罪

    ラキアS-EXノベルズ   高岡ミズミ:作  蓮川愛:絵

高岡先生の新刊は、ちょっと年の差ありのお話。主人公は、遊び慣れた少年。退屈だし、お金も入るしと軽い気持ちもあって最後まではやらない程度の身体を売っています。ある日いつもと同じように相手を見つけた主人公ですが、一線を越えようとしたため逃げ出します。追い掛けてきた相手から逃れるため、そばにいたホストまがいのやたらいい男に助けを求めますが…。

まあ、展開的にはよくある話という感じでした(^^; ホストまがいのイイ男は実は弁護士で、でも強引に抱かれてしまいすっかり懐いてしまう(笑)主人公が「おいおい(^^;」と思いつつも可愛い。まさにインプリンティングって感じです。最初こそ身体売ってたり、いきさつとしてはけっこう強引にコトに及んだりしてしまいますが、中盤あたりでは主人公の健気さが緩和してくれて好み路線にシフトした…かな。…ただ、あまりにもオバカなキャラだなあとは思いますが(^^; 他の登場キャラもけっこう面白くて楽しませてくれたので、満足です。…例のごとく濡れ場シーンはやたら多いししかも濃いのですが、まあこれはレーベル上しょうがないかな(^^;

私的評価 ☆☆☆★
(蓮川先生のイラストがめちゃめちゃかっこいいです(^^)カタギじゃなさそうな弁護士なキャラがとくにぴったり。イラスト効果でうっとりでした。)


2003年02月08日(土)   月夜に恋する盗賊さん

  アイスノベルズ  加納邑:作  松本テマリ:絵

加納先生のひさしぶりの新刊は、ファンタジーな砂漠もののお話です。主人公は、もともと盗賊の息子として盗賊団にいたものの、両親と死に別れ、助けられてある王宮に勤めるようになったちょっと天然ボケの入った少年。王子に可愛がられて一生懸命勤めています。そんな彼が、同僚だった少年が盗賊団へ入ると王宮を抜け出してしまったことを聞き、つれて帰るため、王子のペットである人語を話すオウムと一緒に盗賊団のいる場所まで行きますが、天然ボケキャラゆえに山ほどトラブルに見舞われてしまい…。

最初こそ、「あれ?マトモに人間?」と思ったのですが、人語を理解するオウムといい、途中で出てくる黒いヒョウといい(笑)やっぱりこう人外モノネタはこの人だなあとしみじみ(笑)なちゅらるに天然ボケな主人公も和みます。個人的に、どうにもウケたのがオウム。かなりネタバレなんですが、じつはこのオウム人間に変身できるんですな。しかも美形でハデハデ。…口は悪いし、どうにも某ゲームの夢様に変換されてしまう私でした。…お仲間求む(^^;

私的評価 ☆☆☆☆
(コメディで、人外モノといえばこの人、という感じに毎回けっこう楽しめるものを書いて下さるので、楽しみです。次はどんなネタかなあ〜。)


2003年02月08日(土)   やさしさは罪の香り

  ショコラノベルズ・ハイパー  いとう由貴:作  緒田涼歌:絵

ショコラノベルズハイパーということで、けっこうハード系で、最初は迷ったんですが、なんとなく気が向いて購入しました。多分雑誌掲載とかはしてない、書き下ろしだと思います。…あんまり自信ないですが(^^; 主人公は、大手企業の社長の庶子である高校生。実はただの庶子ではなく、いろいろと事情を持って生まれたため、産みの母も、育ての父もみんなに愛されないまま育った主人公、可愛がってくれる義理の兄だけがこころの拠り所です。そんな彼の誕生日のパーティが開かれ、来賓として今を時めく若手代議士の青年が招かれますが…。

前半は、それこそ苦手項目オンパレードだったんですよね(^^; 無理矢理だわ身体を差し出してそのかわりに〜って感じで(^^; ただ、中盤ぐらいから主人公の高校生の不安定さと、思いやりの有る代議士の青年の思いが強くなってきて、その辺りからはけっこう好みなお話になってきて、ラストはただのバカップルかもしれんところまで(笑)こうまで変化するのも面白いです。どうかなとは思いつつも、たまにはこういうレーベルも買ってみてもいいのかなと思った1冊でした(笑)

私的評価 ☆☆☆★
(けっこう読ませる作品だった気がする。たしかに濡れ場度は高いけど、読み終えた後にも「それだけじゃなかったな」と思える、作品でした。)


2003年02月07日(金)   ロマンティックな7日間

    クリスタル文庫   剛しいら:作  須賀邦彦:絵

剛先生の新刊ですが、私はちゃんと覚えてないんだけど、どうやら雑誌掲載されたものらしいです。…毎回買ってる雑誌のはずなんだけどなあ(^^; 未確認なので雑誌名は書きません。主人公は、脚本家志望の映画館につとめる青年。ゲイで、惚れっぽい性格をしています。ある日友人であり、若いながら新鋭の映画監督として頭角をあらわしはじめている青年のパーティに参加し、そこで天啓を受けるがごとく見愡れてしまった好みの男性と出会いますが…。

最初の1週間を、ちゃんと曜日毎に章を分けてかかれてるんですよね。だから、表題に結びついてるらしいですが(^^;全体にわりとロマンチックで甘々なストーリーです。ただ、難点をいえば主人公の思考回路が妙に乙女なのが気になるかな。それと、これは個人的にダメだったのが脇キャラの女の子の喋り方。今どき風にしたかったのかもしれませんが、「●●なの〜ぅ」といちいち語尾をのばした、しかも小さい母音がつくんです。…読んでてイライラしてしまいました(^^; こういうあたりが、かえって古臭く感じてしまうのは、私だけなんでしょうか(^^;

私的評価 ☆☆
(お話や、キャラはわりと面白かっただけに、気になるったら(^^; 残念です。)


2003年02月07日(金)   さよならはいわない

    クリスタル文庫   奈波はるか:作  紋南晴:絵

アパレル業界を描いたお話です。主人公は、国内のアパレルメーカーでトラブルに見舞われたためNYへ行くことになり、海外で成功したデザイナー。久しぶりに長期の休暇をとって日本に帰ってきます。その帰りを待ちかねたかのように、昔の恋人から連絡が入り、なんと自分の名前でブランドを立ち上げないかと持ちかけられます。もう今は縁をきっている相手ですが、なんと「ブランドを立ち上げてやるから愛人になれ」と契約をもちかけられて…。

最初こそ「なんだこれ(^^; 身体をたてにしてブランド?」と思ったんですが…最初は元恋人との話かと思ったので…でも中盤ぐらいからはきちんとお相手キャラが出てきて、そのキャラが健気だったのと、思ったよりも主人公がしっかり男前に仕事していて(笑)その辺りで挽回した感じでした。どうにも「頑張って仕事する姿」が描写されてると点数が甘いなと思う今日この頃。でも、仕事すらしてなさそうなキャラがこの世界の作品には多いからなあ(笑)

私的評価 ☆☆☆
(作品自体は少々地味かも。あと、どうにも文中にわざわざ名刺とか企画書を入れ込む(文章で表現せずに枠でかこんであるのだ(^^;)のはどうかなと思ったですが(^^; まこれはレイアウトの問題か。)


2003年02月05日(水)   ラヴァーズ・レッスン

   X文庫ホワイトハート  和泉桂:作  松本テマリ:絵

「スウィート・レッスン」の第3巻で、有名ホテルを舞台にしたお話です。主人公はその有名ホテルに就職したくて、就職浪人までして研修生になった頑張り屋さん。ひょんなことからそのホテルのコンシェルジェとして有名である青年と知り合いになり、指導を受けることになります。紆余曲折があり恋人同士になった2人ですが、なかなか甘い時間というわけにもいかず、どんどん魅力的になっていく頑張り屋な恋人に、ひそかに心配する恋人は…。

なんかこれであってるような間違ってるような(笑)<あらすじ
なんと今回で最終巻らしいです。また長く続くシリーズなのかなと思っていたので意外といえば意外。甘くてほのぼのちっくなところもあって、まさに「スウィート」を地で行く感じの作品でした。トラブル体質な主人公ですが、有能な恋人のおかげで、きっとレベルアップしていくことでしょう。

私的評価 ☆☆☆★
(松本テマリ先生のイラストも可愛いです。3冊まとめてじっくり楽しんで下さい。)