2003年8月のレビュー

 

ハ2003年08月30日(土)  歓楽の都 手折られた青い百合

   ビーンズ文庫   駒崎優:作   雪舟薫:絵

駒崎先生のビーンズ文庫新シリーズです。十九世紀ごろのイングランドふうの(笑)架空の街を舞台にしたお話。その街とはいわゆる色街といわれるような、娼館の立ち並ぶところで、政府の干渉を全く受けない独自のシステムを持っています。そんな街レーンで起こる事件を描いた作品になります。主人公は、レーンで生まれそだった男娼であるショウ。新任の診療所の医師としてやってきたレイと共に、妙な作用のある、青い百合の柄の箱に入った媚薬について調べはじめますが…。

あとがきで「非ボーイズ」と連呼されていましたが(笑)下手をすると、具体的な記述のあった前作「ダルリアッド」よりもよりボーイズらしいというか(笑)結局「行為があるからボーイズ」なのではなく、「相手を思う気持ちがあるからボーイズ」と私が思っているからなのだろうなあと思いつつ。シリーズものということでやはりいろいろな伏線を張っているためか不透明な部分もありますが、なかなかミステリアスで面白かったです。足のない獅子シリーズに近いものを感じますね。これから、どういう謎ときがあるのか、彼らの関係がどうなっていくのか、とても楽しみです。

私的評価 ☆☆☆☆
(雪舟先生のイラストも雰囲気ぴったりで麗しいです。こういう少し歴史もの風の作品のイラストはほんとにぴったりですよねえ。)

 

ハ2003年08月30日(土)  ひそやかな微熱

   ルビー文庫   きたざわ尋子:作  陸裕千景子:絵

身勝手シリーズとは違って新しい作品(シリーズ?)です。主人公はやり手の弁護士の青年。ある日父の恩人である男性から頼みごとをされます。その頼みごととはある少年を預かって欲しいということ。男性の愛人を匿えと言われたと勘違いをした主人公は、はずみでその少年に無理強いをしてしまいます。しかし、どうやらそうではないらしいとわかり、だんだんと少年を理解しようとし、いろいろと調べはじめますが…。

うーん、キライじゃないんだけど、最初が強引なのと、大騒ぎするわりにはたいしたことない事件だったなあ…と言う感じがして(^^; どうにも物足りない気分です。因縁浅からぬ関係だったのは意外で面白かったんだけど、そんなに「身を隠す」ほどのことじゃなかったよなあと(苦笑)いっその事もっと大きな出来事の方が納得できた用に思います。ただ、やっと2人がお互いを思いあうことができた所で終わりなので、ぜひとも続きを出して欲しいなとは思います。どうにも消化不良で、べた甘なネタを読まない事にはすっきりしない(^^;

私的評価 ☆☆☆
(多分これがノベルズサイズで分厚かったら満足するあたりまでの作品になってたんだろうなあ。文庫だとやはり短いという感じが否めませんでした。)

 

ハ2003年08月29日(金)  イノセント・ブラッド

    リンクスロマンス  華藤えれな:作  藤崎寛之丞:絵

もとは小説エクリプスに掲載された吸血鬼モノのお話。ですがそれを大幅加筆訂正されているようです。リンクスには別キャラのお話も掲載されていました。主人公は、300年前に一族を生き延びさせるために吸血鬼と契約を交して吸血鬼になりますが、一族とはぐれてしまいます。1人で長い時間を生きて来た彼は、母に会えるかもしれないと訪れた先で、母をはじめ一族が襲った親子連れの生き残りの少年を助け、育てますが…。

随分出会いのシーンなどが変更されていて、雑誌掲載の時とは違っていて戸惑う部分もありましたが、作品としては今回の方がこなれているような印象を受けました。悲劇の吸血鬼という感じそのままの主人公が健気でしたねえ。…育ててもらった恩のあるはずの攻キャラにもかかわらず、なんだか最初が強引なのが不服なのですが(苦笑)でもちゃんと最後は助けに来たし、まあいいか。どうにも受の健気さのわりには攻が寡黙すぎて印象うすかった気のする1冊。ファンタジーもの
でシリアスが好きな方はぜひ。

私的評価 ☆☆☆★
(巻末に掲載されている四コマがシュールです(笑)たしか雑誌の特集ページに載ってたのと一緒の気がする…。リンクスに載った別キャラのお話もノベルズで読めるかな?)

 

ハ2003年08月29日(金)  指先

    リンクスロマンス  可南さらさ:作  蓮見桃衣:絵

雑誌小説エクリプスに掲載された学園もののお話とその続編書きおろしです。ノベルズになると決まっていた状態でのエクリプス廃刊でどうなることかと思っていましたが、無事リンクスに移って発売になりました。主人公は母子家庭に育つ幸薄い高校生。優しく接してくれていた教師と一時期深い仲になり、その教師がいなくなったあとも陰口を言われ、投げやりな学校生活を送っています。そんな中、勉強を見てもらっていた同じクラスの委員長とあるきっかけで親しくなり、なぜか身体の関係も持つようになりますが…。

今までの作品にもよくあるものですが、どの受キャラもどこか「自分は幸せになってはいけないのかもしれない」と思っている気がして、その思い込みゆえの涙や辛い思いを沢山抱えてるんですよね。今回のキャラも例にもれず。雑誌掲載だけでも大概可哀想だったのに、書きおろしは輪をかけて辛くて、「早くなんとか幸せにしてやってくれ!」と祈ってしまいました。…というか、これだけ愛されてるのになあ…(^^; まあ、言葉の足りないところは多分にあるけどね(^^;<攻とりあえず、切ない作品が好きな方は絶対オススメ。可南先生らしい1冊でした。

私的評価 ☆☆☆☆★
(この2人も、凄く凄く続きが気になる。案外攻視点だととんでもなくバカップルになりそうで(笑)それも読んでみたいです。非常にツボに入った作品なので、ぜひ読んでみて欲しいですね。)

 

ハ2003年08月27日(水)  左手は彼の夢を見る

  キャラ文庫    神奈木智:作   小田切ほたる:絵

人気作品の続編が登場です。コミックス化もされ、話題にもなりましたが、雑誌掲載された表題作と、その中で出て来た「沖縄旅行」を題材にした書きおろしが収録されています。主人公の渉と裕壱は前作で恋人になり、1年先輩の裕壱は大学へ、渉も受験生となり、忙しい中も安定した付き合いを続けています。そんな中、裕壱が旅行を計画し、その軍資金のためにバイトをはじめますが…。

前作でも2人の強さや潔さが楽しく読めた作品でしたが、今回はさらに渉の男前度がアップしていて(笑)非常に安心して読めるという感じでした。「安定している」という言葉を使いましたが、まさにそんな感じで、どんなお邪魔キャラが出てこようがあんまり不安はなかったなあ。お邪魔キャラも、けっこういい味出してました。とくに書きおろしの方の裕壱兄が強烈。この兄にして…という感じ。…ところで、朝香先輩と裕壱兄は実はなにかあるのかしら…(笑)独特のラインが繋がってる気がするのは私だけなのでしょうか。

私的評価 ☆☆☆★
(同じ小説でも「ハラハラスリル感が楽しい」ものと、「安定して落ち着いて読めて楽しい」ものがあると思うんですが、これはまさに後者。ぜひともこの後の裕壱兄との攻防戦も読んでみたいです。)

 

ハ2003年08月27日(水)  ろくでなしとの恋愛

  キャラ文庫   菅野彰:作  やしきゆかり:絵

全編書きおろしで、「野蛮人との恋愛」の最終巻になります。1冊目の続きではなく、2冊目に出た1冊目の主人公の兄と、そのお相手キャラのお話の続きです。まさかこれの続きが出ると思っていなかったのでびっくりしました。主人公は来るもの拒まず去るもの追わずで手当りしだいにタラシまくっていた(笑)医者の青年。実は自分の中に昇華できないものを抱え続けていました。まるで傷痕を舐めあうかのごとく同じような「満たされない」後輩と抱き合った彼ら。その後2人は生活を共にしていますが…。

前作ではどう見ても傷の舐めあいにしか見えず、却って痛々しいイメージだった2人ですが、そこからの葛藤やそれを乗り越えていく2人が描かれていて非常に読みごたえがありました。しかもなんと今回は主人公の子供までできてて、またこの子供が可愛くて健気でたまらん…(T_T)子はかすがいと言いますが、なんだかこの子がいるからこそ、「満たされない」2人がようやく満たされた思いを持てるようになったのかなと思います。いきさつはどうあれ、幸せになれた二人が読めて、満足な最終巻でした。

私的評価 ☆☆☆☆
(最初は出ると思っていなかった作品だけど、こうして読むと「ああ、これでちゃんと終わるんだな」と思えました。ある意味想像した中で一番ハッピーエンドだった気がするなあ…。)

 

ハ2003年08月27日(水)  恋愛小説家になれない

  キャラ文庫   水無月さらら:作  史堂櫂:絵

雑誌キャラセレクションに掲載された、建設会社の住宅販売部門に勤めるサラリーマンと人気小説家のお話と、その続編書きおろしです。主人公は、大手建設会社の住宅販売部門に勤めていますが、元は本社の設計部門にいたため、今の環境に納得しておらず、多少投げやりな気分で仕事をしていました。そんなある日、図書館で沢山のコピーを依頼して係員に怒られている青年と出くわし、あまりにも係員の言い様がひどかったのもあり、よこから手助けして知り合いになりますが…。

雑誌掲載のときも、割と好きだなあと思いながら読んでいたので、今回続編が楽しみでした。…が、うーむ、やっぱり続編になるとちょっと好み路線から外れるのはなんでだろう(^^; こちらがある程度期待している展開ではなく別方向に行っちゃうんですよねえ。まあ、今回は受キャラが想像以上にポジティブシンキングな性格だったから流れとしてはしょうがないのかなあ。それはそれでお話としてはとても良かったんだけど(笑) そういえば、シャープなイラストのわりに文章がくだけ過ぎてて、ちょっと絵が浮いていた気がしました。

私的評価 ☆☆☆
(文中の「タコ型星人」だの「イカ型星人」だのという記述を読んで思わず笑ってしまった私は初期からの読者だってことでしょうか(笑)知ってる人、どのくらいいるんだろうなあ。)

 

ハ2003年08月23日(土)  オールド・フレイム

   光風堂出版ハードカバー 柏枝真郷:作  如月七生:絵

久しぶりに出た「デスペラード」シリーズの最新刊がハードカバーで登場です。第2部からはハードカバーということで少々お財布が寒くなるシリーズですが(笑)硝子の街にてと同じく、これも途中からハマり、「新刊が出ればレビューを」と言っていた作品だったので、はれてレビューが書けて嬉しいです。しがない私立探偵とその恋人で弁護士を目指し勉強中の青年との恋愛と事件のからみ合うお話。どちらかといえばこっちのシリーズの方がより「ボーイズネタ」は明確かもしれません。

1部のラストで同居を解消してしまった2人ですが、なかなかイイ関係を築いている気がします。夫婦関係から恋愛関係に戻ったみたいな(笑)距離が少しあった方がお互いのためにも今はいいのかもしれないなあと思いつつ。事件自体は思っていたよりもちょっと結末が小さく、「あれ?これだけ?」という感じになってしまいましたが、まあ2人の絶妙なコンビネーションと、いい雰囲気を楽しめたのでいいかなと思います。なんだか和み系になってしまった1冊でした。

私的評価 ☆☆☆★
(ただ、やっぱりちょっとハードカバーは高いよなあ…(^^; せめてノベルズ程度にとどめて欲しかった気もする。あと置き場所にも秘かに困っていたりもします(^^; ほとんどがノベルズか文庫だしね。)

 

ハ2003年08月21日(木)  彼は二度嘘をつく

  SHYノベルズ  うえだ真由:作  石田育絵:絵

うえだ先生の新刊は、公認会計士を目指し勉強中の青年が主人公です。監査法人に勤めつつ公認会計士の二次試験の勉強をしています。しかし彼には、昔大学時代に付き合っていた男にいきなり別れを告げられた過去があり、いまもそれを引きずっています。ある日自宅の前にその別れた相手がやってきて、1週間置いて欲しいと言われ戸惑いつつ受け入れますが…。

うえだ先生らしい、シリアスな作品でした。主人公の心のゆれ動きが細かく描写されていて、引き込まれていきそうになりました。主人公の周りを取り巻くキャラも魅力的で、読みごたえのある作品でした。この2人のその後も読んでみたいし、作中に出てくる別キャラのお話も読んでみたいなあ…。なんだかほんとに続きが読みたいと思わせる、そんな余韻のある作品でした。

私的評価 ☆☆☆☆
(一応経理部所属なので、監査法人という単語に別の意味で反応してしまいました(笑)…いかん、こんど監査が来たら笑ってしまいそうだ…(笑))

 

ハ2003年08月20日(水)  壊れるほど愛したい

   花丸文庫   きたざわ尋子:作  赤坂RAM:絵

「だまされたい」シリーズの最新刊です。相変わらずトラブルに巻き込まれやすい主人公の深里。恋人の片瀬は異母兄弟でもあり、そして詐欺師で、四方八方に敵を作っています(笑)ある日片瀬がケガをしているのに気づき、その後すぐに家から知り合いのところへしらないうちに移動させられ、しかも半分軟禁状態のように見張られて「勝手に動き回るな」と言われた深里。…ですがそんな一方的な言葉を素直に聞くタイプではない彼は、抜け出して情報拾集を試みますが…。

相変わらずですなあ…(笑)いや、それがこの作品の持ち味ということかしら(笑)ほのぼのしていて、あんまり緊迫感がないですが(笑)やはり「片瀬が深里関係にだけは余裕をなくす」のが一番ツボですなあ…(笑)相手のことは知っておきたい気持ちも、良く判るけど、危険もあるのでもうちょっと深里は考えてから行動してほしい…。ハラハラしてしまいます(苦笑)

私的評価 ☆☆☆☆
(もう7冊目なんですねえ〜。本来の主役キャラたちがけっこうほのぼのと幸せな家庭(笑)を築いておさまっているのが笑えます。たしかにこっちのカップルの方がいろいろ書くネタに困らなさそうだなあ。)

 

ハ2003年08月08日(金)  シンプル・イメージ

  アイスノベルズ  砂原糖子:作  円陣闇丸:絵

イラスト効果で思わず手にとりました(笑)砂原先生のデビュー作とその続編書きおろしのノベルズです。主人公はコピーライターをしている青年。前は大きい会社に勤め、親友のディレクターとコンビをくんで、そこそこイイ作品も作っていたのですが、ディレクターへの片思いを思いきるために、会社をやめて田舎の町へ引っ越し、独立します。その町はほんとうに何もない所で、無気力な生活を送っていた青年。でもコンビニの店員が彼に声をかけてきて…。

いわゆる年下攻ですね(笑)砂原先生といえばちょっとコメディ系のイメージがあったのですが、これは割とシリアス。最初円陣先生だということで「コメディ系だったらどうしよう」と思ってたんですが、まったく路線が違ったので、イラストのイメージぴったりでした(笑)こういう作品、凄く好きだなあと思います。一生懸命なお相手キャラも、それに影響されてだんだんと人間らしく(?)なっていく主人公も、自信過剰っぽいディレクターもけっこう好き。穏やかに読める作品でした。

私的評価 ☆☆☆★
(イラストのイメージというのも大事だなあと改めて思いました。この作品、円陣先生のイラストだからこそ、よりイメージが湧いた感じがします。)

 

ハ2003年08月08日(金)  伯爵様は不埒なキスがお好き

  プラチナ文庫   高月まつり:作  蔵王大志:絵

高月先生の人外モノコメディです(笑)といってもアイスの魂管理局シリーズとは全く関係なく、今回は吸血鬼と普通の青年とのお話。主人公は両親と祖父を事故で亡くし、祖父がやっていたアパートの管理人を継いだ青年。ある日彼の部屋へコウモリがふらふらと迷い込んで来ました。何度外へやっても戻って来るし、しょうがないからとなぜかスイカを与えてしばらく世話をすることにします。次の日ミミズを沢山とって食べさせようとしたとたん、そのコウモリが喋り出し、挙げ句の果てに人型をとって吸血鬼と名乗りますが…。

やっぱり高月先生のコメディは私の好み路線にばっちりあってるらしい(笑)久々に笑えて楽しい作品でした。もちろん笑えるだけではなく、そこかしこに和むシーンや切ないシーンもあって、大満足。なにがってコウモリな描写が一番可愛くて好きかも(笑)蔵王先生のイラストもすごく素敵でした。人型の時だけでなく、コウモリがめちゃめちゃラブリー(笑)途中、コウモリになって涙を流して要求するシーンのイラストがあって、主人公ではなくとも落ちるよな、これは…という感じでした(笑)

私的評価 ☆☆☆☆★
(なんだかほのぼの楽しくて、何度も読みかえしました。久々にツボにハマった作品でした。コメディ好きの方はぜひどうぞ〜。)

 

ハ2003年08月08日(金)  甘い融点

  ラキアS-EXノベルズ  崎谷はるひ:作  西村しゅうこ:絵

崎谷先生の20冊目になる作品だそうです。書きおろしで、ラブホテルなどの風俗関連の会社をもつ青年実業家のお話です。主人公は多くの風俗関連の店やラブホテルを経営する社長。しかしけっこうゴ−イングマイウェイタイプで、自分が経営するホテルには必ず自分で視察に行き、秘書に怒られています。そんな彼がホテルのモニターで諍いをしている男性カップルを見つけ、明らかにおかしいと助けに入ります。そしてその助けたことが縁で、天然ボケキャラの青年と関係を持つはめになりますが…。

いや…なんというか、さすが黒ラキって感じでした(笑)もう、たけなわシーンだらけで(笑)でも、こういう頭のネジが一本抜けてる感じの受キャラなのがちょっと苦手なせいもあって、読んでいてちょっと辛かったなあ…。ただ、作品としてはかなり面白いので、あとは好みの問題でしょうか。秘書の人が美人で毒舌でしかも受っぽい(イメージが)ため、めちゃめちゃ気になっているのですが、どうやら崎谷先生も気になっているらしい(笑)ぜひとも読んでみたいなあ〜。

私的評価 ☆☆☆★
(けっこうハードな展開だけど、あまり悲愴感はないですね。基本的にコメディ路線なのかなあ?受が幼児的な思考回路なので、精神的ロリコンを読んでいる気分でした(笑))

 

ハ2003年08月08日(金)  可愛いひと 2

  ビーボーイコミックス    紺野けい子:絵

主に小説b-Boyに掲載されている高校生モノのマンガのコミックス第2巻。いつも買っている雑誌に掲載されているせいもあって、もうすでに2巻が出ているつもりでおりました(笑)小説b-Boy掲載作品の他に、MAGAGINE BE×BOYに2回連載された作品なども収録されています。おまけの描きおろしも4ページ程度かな?相変わらずのバカップルぶり炸裂な作品です。

紺野先生の作品って妙に生々しい感じがあるのですが、これも例にもれず生々しい。でもシリアスではなくかなりコメディちっくなので意識しないで読めるんだろうなあ。ほのぼの可愛い作品の方がどちらかと言うと好みの私ですが、これは大丈夫なんですよね。いつまでもラブラブ炸裂なバカップルでいて欲しいです(笑)

私的評価 ☆☆☆★
(1巻とあわせてどうぞ。1巻ではけっこう切ない感じなんだけど、2巻はほんとバカップルって感じで笑えます。)

 

ハ2003年08月05日(火)  海月奇談(上)

  X文庫ホワイトハート  椹野道流:作  あかま日砂紀:絵

奇談シリーズ最新刊はなんと上下巻(^^;しかも下巻発売まで2ヶ月空くらしい(^^; でもやっぱり好きな作品なので、迷わず買って読みました。前作にて大変な目にあった天本&敏生ですが、ようやく平和な日常を取り戻していました。そんな矢先にとんでもない事件がぼっ発し、2人は否応なくそれに巻き込まれて行ってしまいますが…。

もう、ちょっとでもネタバレすると面白くなくなりそうで、触れられません…(笑)ものすごい所で終わっていて、このあとどうなるのかとジタバタしてしまいました。10月が待ち遠しいです〜(^^; なにか凄く大きな事が起きているのは判るし、とりあえずそれに「あの人」が絡むのかなあ〜とか予想はできるんだけど(笑)でもやっぱりこの続きを早く読んで安心させて欲しいというのが一番の感想(…感想?(^^;)かもしれません。続き物ニガテな方はぜひ2ヶ月待つことをオススメします。これは次の巻への引きが強すぎ(^^;

私的評価 ☆☆☆☆
(ハラハラどきどき、面白かったです〜。他のシリーズから出張中の司野もイイ味出してますね。)

 

ハ2003年08月01日(金)  ペット心理療法士事件ファイル 2

  パレット文庫   新田一実:作  富士山ひょうた:絵

新田先生のシリーズ2作目。動物の言葉が判るようになってしまった純朴な青年と、その幼馴染みが織りなすお話です。主人公はあるきっかけから動物の言葉が理解できるようになってしまった青年。今度は拾い猫をしてしまい、その飼い主を探すため東奔西走しますが…。

前作で微妙にボーイズラブテイストが感じられたので、きっとなにか進展が!と思っていたのですが、こちらの期待したような感じの展開ではなく(笑)でもこういう展開も面白いなあと思いつつ、楽しんで読みました。どっちかというと事件の方に焦点があっているので、幼馴染みとのやりとりがもどかしいというか(笑)でも相変わらず動物たちの「言葉」が楽しくて、和める作品です。

私的評価 ☆☆☆★
(今ちょうど我が家のペットと離れているので(笑)余計にこういうペット描写に弱いという話も…(笑))

 

ハ2003年08月01日(金)  冷たいシーツの上で

  SHYノベルズ  たけうちりうと:作  蓮川愛:絵

たけうち先生の新作は、医療の世界のお話です。主人公は可愛い末っ子体質の検査技師の青年。ある当直の夜、救急車で運び込まれて来た警察官を、前から気になっていた研修医の青年は、「他の病院へ再搬送してください」と治療を拒みました。最初こそ苦手意識を持っていたその研修医に別の意味の興味を抱いた主人公は、なぜそんなことをしたのか、どうしても聞きたくてアプローチを始めますが…。

ネタとしてはけっこう微妙かなあ(^^; 医師としては私怨などの私的状況に関係なく、きちんと医療の提供をして欲しいなあと個人的に思っているせいですが(苦笑)ただ、わがままな理由ではなく、納得できるだけの理由はあるので、不快感はなかったです。たけうち先生ならではという感じの飄々としたキャラクターがとても楽しめました。寡黙で頑な研修医ですが実は内にはいろんなものを秘めてるんだなと(笑)ショートストーリーで攻視点のものがあるんですが、これがまた笑えました(笑)

私的評価 ☆☆☆★
(いろいろな「愛」をふんだんにもっているたけうちワールドの住人ならではなお話でした。個人的にぜひ今後の彼らも見てみたいですねえ。)

 

ハ2003年08月01日(金)  世界は恋で満ちている

   ルビー文庫   火崎勇:作   桜城やや:絵

火崎先生の新刊は、リゾラバ(ふ、古い(^^;)じゃないですが、旅先で意気投合して恋人になったサラリーマン同士のお話です。主人公は海外へ買い付けに行く事が多い商社のサラリーマン。久しぶりに日本に戻って来たことから、羽をのばそうと落ち着いた田舎の温泉へ出かけます。そこで同じように男の一人旅を楽しむ青年と知り合い、すっかり意気投合してしまいます。あまりに気があうことから、ついついあやしい雰囲気になってしまい、身体の関係も(最後までではないけど)持って、恋人として旅を終え、日常にもどりますが…。

なんかお手軽な恋愛っぽく見えそうで、実はそうじゃないのがいいですね。思考回路がちょっと乙女すぎるだろう(^^;とか、いくらなんでも単純すぎるだろう(^^;と思う部分もあるけど、主人公とお相手の信念と一生懸命さがなんだかほのぼのさせてくれます。「好き」という気持ちだけじゃなくて、お互いがお互いを思うための「努力」も大事なんだよなあ…と思った作品でした。…密かにヘタレ攻好きな私にはツボだったのかも(笑)

私的評価 ☆☆☆★
(ヘタレ攻…というと言い過ぎなのかもですが、でも、途中からラストちかくまでの大ボケっぷりは笑えますね。…思い込み激し過ぎ(笑))