2004年12月のレビュー

 

 2004年12月25日(土)  コーセルテルの竜術士物語

   ゼロサムコミックス    石動あゆま:絵


掲載雑誌が変わって初めてのコミックスが登場しました。クリムゾンからゼロサムに変わり、タイトルも「コーセルテルの竜術士『物語』」となって、可愛い7人の子竜たちと竜術士マシェルのお話の続きを読む事ができて、すごく嬉しいです。ゼロサムは全くノーチェックだったので、掲載されているのは知っていても、いつ発売かは知らなくて、まるで自分でクリスマスプレゼントを貰った気分でした(笑)

相変わらずほのぼのしたマシェルや七人の子竜たち、そして今回は兄キャラ(笑)がとてもイイ味を出していて、ミリュウさんにめちゃめちゃ萌えてしまいました(笑) けっこうメガネをかけていたら厳しくキリっとしていそうなのに、メガネを外したらヘタレだなんてなんてツボな設定なんだ!(笑)久しぶりにほのぼのした竜たちを読んでとても和めて嬉しかったです。ぜひ、前のコミックスも含めて、お手にとってみて下さい。

私的評価 ☆☆☆☆
(やっぱりナータとミリュウさんが一押しキャラかも(笑)今回竜術士の紹介もあって、今までのコミックスを全部引っぱりだして読みたくなって大変でした(笑))

 

 2004年12月25日(土)  秘密のクラブへようこそ!

   パレット文庫   椹野道流:作   ひだかなみ:絵


一度一瞬だけ先月の予定に上がっていたのですが、延期になったようで、いよいよ今月からお目見えの新シリーズです。学園もののお話なんですが、そこは椹野先生、やはり普通の学園ものではなくて、ちょっと陰陽師的なお話になっています。昔から名士の子女のみが通っていた有名学校に、外部からの受験が許可され、大勢の受験者があつまりました。その中で難関を突破したのは様々な特技を持つものたちで…。

笑顔が武器(笑)の天然キャラと、生真面目を絵に描いたかのようなアーチェリ選手がいいコンビです。脇キャラも、ついでにヘビも(笑)なかなか個性的なキャラクターたちばかりで、とても勢いがあって楽しく読みました。ただ、続き物で今回は本当に導入編だったので、その辺りちょっと物足りないかなと思います。2月か3月にはすぐ続きが出るようなので、楽しみに待ちたいと思います。

私的評価 ☆☆☆★
(なかなか新鮮なお話でした。椹野先生らしいところと、意外にはっちゃけたところが混在していて、テンポのいい作品です。)

 

 2004年12月25日(土)  雨が過ぎても

   リンクスロマンス  可南さらさ:作  蔵王大志:絵


ずっと楽しみにしていました!雑誌小説リンクスに掲載された前後編と続編書き下ろしが収録されています。何度か予定が伸びたのですが、無事発売になってすごく嬉しいです。主人公は、義理の兄の元に居候している高校生。両親を事故で失い、しかも借金のせいで遺産もなく、義理の兄以外に頼れる相手もおらず、兄のおさんどんをしながら日々をすごしています。そんな彼のもとに遠い親戚の叔母がやってきては遺産目当てに一緒に住もうと持ちかけ、その度に義理の兄の機嫌が悪くなってきて…。

意地っ張りで素直になれない義兄と、それでも義兄を慕う弟の健気さというか下僕っぷり(笑)にまた別の意味でのツボを押された気がします。…はっ、これもヘタレ攻?(^^; でも、続編ではちょっと頑張ってていい感じですが(笑)とりあえず、意地っ張り毒舌な受とヘタレ攻というのはどうにも私の好みツボのどまんなかストライクなもので、その設定だけでも萌えです!(笑)その上可南先生ということで、楽しみにしていただけの満足度のある作品でした(^^)

私的評価 ☆☆☆☆
(兄の意地っ張りっぷりはなかなか年期が入ってそうですが、きっとこれからどんどん素直な一面が出てくるに違いないと思っています。続きを読んでみたいなあ…と思ったのは私だけじゃない…ですよね?)

 

 2004年12月25日(土)  水の化石

   コバルト文庫   麻生玲子:作   片岡ケイコ:絵


「一万年+3日」の続編にあたります。大学を舞台にしたほのぼの恋愛もののお話です。主人公は、大学生で実家を離れ下宿暮しをしています。前作で知り合った美人の同級生は男ですが、主人公は彼に惹かれ、いつしか仲良くなります。放浪癖のある彼を、まるで恋人に接するかのように大切にする主人公。ある日「水の化石を見に行く」と旅立った彼を、いつものように待つ主人公ですが、なぜか連絡が途絶えてしまい…。

まさに純情とはこういうもの、という感じの、焦れったさを感じるぐらいにほのぼのとしたお話です。天然美人キャラに振り回されつつも、だんだんと2人の距離が縮まってきて、とても続きが楽しみ。ちょっとずつ階段を登って行く2人を、母のような気持ちで(笑)見守りたいです。

私的評価 ☆☆☆★
(ほのぼのした雰囲気と、片岡先生の柔和な絵がぴったりマッチしていて、いい感じです(^^) 美人キャラもちゃんと美人だし、やっぱり好きだなあ〜。)

 

 2004年12月18日(土)  恋より甘く愛より熱く

   アルルノベルズ  真崎ひかる:作  笹生コーイチ:絵


初めてアルルノベルズを購入しました。創刊時の3冊はどれも見事に食指がわかず、これは買わないレーベルになりそうだなと思っていたんですが、あらすじが結構好みだったのでちょっと冒険を(笑)主人公はごく普通の高校生。幼い頃に両親が再婚し、年が離れた義兄がいます。そんな彼が、両親のとんでもない野望(笑)海外移住に伴い、一人暮らしをしている義兄のもとへ下宿することになります。カメラマンとして一人立ちしている義兄を慕う主人公ですが…。

これも、ある意味とってもヘタレ…いやいや弱いところのある攻かもしれません。主人公の健気さにもほろりとさせられつつ、兄のクールに見えて実はべた甘なところに兄ツボを刺激されたらしく、妙にハマってしまった作品でした。脇キャラもイイ味だしていて楽しいし、表題作と続編あわせて、2人の一途な恋愛っぷりは読みごたえがありました。

私的評価 ☆☆☆★
(あとがきを見ると、かなり楽しんで書かれたようです。やはりそういう作品は、読者側にも伝わるのかも。)

 

 2004年12月18日(土)  書きかけの私小説

   キャラ文庫   火崎勇:作   真生るいす:絵


雑誌小説キャラに掲載された表題作と、その続編書き下ろしが収録されています。主人公は、ある出版社で新米編集者として働く青年。彼の兄は有名なシナリオライターで、将来を有望視された水泳選手でもあった。その兄の親友であり、今は筆を折っている中堅作家の青年を思っている主人公は、また彼の作品を読みたいと願い、上司に原稿依頼の許可を貰うと、兄の親友の家へ日参しますが…。

なんだか蓋を開けてみたらとんでもなくヘタレ攻なお話だった気がします(笑)もうちょっと思い切りが良かったら、こんなに長くすれ違ったような時期がなくてすんだ気がして、結局最終的には受の決断がものを言った気がする…(笑)わりと火崎先生の作品は男前受が多いんですが、今回受が自分で言うぐらいには男前です(笑)続編ではけっこう強烈な脇キャラが出てきて、ほんとに攻の影が薄いかもしれない…(笑)攻の乙女っぷりと、主人公の男前っぷりをぜひ楽しんで下さい。

私的評価 ☆☆☆
(淡々としている作品だからこそ、さらっと読めるんですが、これがウエットな語り口の作品だったら、きっともっとウザかったかも…(笑)<攻)

 

 2004年12月17日(金)  焦らされたい

   花丸文庫   きたざわ尋子:作   赤坂RAM:絵


だまされたいシリーズの8作目になります。前作で正式に片瀬の籍に入った深里は、派遣会社の社員として働きながら、恋人で異母兄の理人と共に暮らしています。元詐欺師の片瀬がその仕事ゆえに危険も多く、詐欺師をやめた今もトラブルに巻き込まれる事も多く、心配する深里。ちょうど自分の会社の社長の息子が、なにやら深里に挑戦的な態度をとり、しかもそれと時を同じくして、怪しいバイクの男につけまわされますが…。

とにかくトラブルメーカーというか、トラブル召喚体質というか(笑)深里の行くところトラブルありという感じですね。それでも今回はあまり無茶はし過ぎず、ほどほどだったので「深里も成長したのねえ…(笑)」と思いました。片瀬は相変わらず深里が絡むととんでもなくキレてしまうし、出来上がったカップルで展開は読めてしまうけど、予定調和な楽しさを感じた作品でした。まあ、水戸黄門的(笑)なパターンというと言い過ぎなんですが、変わらない良さもあるのかな、と思います。ちょっとずつでも成長していく深里が、微笑ましいです。

私的評価 ☆☆☆★
(しばらく前作と間があいたからでしょうか、かなりイラストの雰囲気が変わっていて、随分片瀬がワイルドになっててびっくりでした。あとがき代わりの信乃たちが可愛くて和む〜。)

 

 2004年12月15日(水)  この接吻(ぬくもり)さえもあなたのために

   リーフノベルズ   高崎ともや:作  夢花李:絵

久しぶりにこのシリーズが登場です。なんちゃって時代物で、1作目、2作目ともに大はまりしたシリーズの3巻目は、3編の短編からなり、海外へ留学して戻ってきた主人公新太郎と、恋人の伊織のラブラブな日常や事件に巻き込まれ総出で解決する様子が描かれています。新太郎が2年間の留学から帰ってきてはじめての年末、大掃除をしていた新太郎は、床の間の隅に転がっている花瓶に異変を感じます。この花瓶は伊織との約束事に関わっているもので…。

やっぱりこのシリーズ好みだなあ〜。濡れ場シーンは少々しつこい気もしますが、お互いがとてもとても思いあっていて、その雰囲気がとてもいいです。脇キャラも魅力的だし、久しぶりの新刊だけど、あまり落差がなくてちゃんと高崎先生の中ではお話が続いていたんだなと実感します。実は3年ぶりなんですよねえ、このシリーズ…(笑)明確にラストとは書かれてないので、また続きが出る可能性もあるかな?と期待しているんですが…。あとがきにちらりと書かれていた別のお話も、ぜひとも読んでみたいです。

私的評価 ☆☆☆☆
(今回新キャラで出てきた親分が、ちょっとツボ(笑)彼も「なかなか会う事ができない愛する人」がいるようなので、ぜひとも彼の話も読んでみたいです。絶対相手が男性だと思ってる辺りどうだろう(笑))

 

 2004年12月13日(月)  可愛いひと。 9

   ラキアノベルズ   高岡ミズミ:作  御園えりい:絵

今回やたら最終巻のシリーズが多いんですが、これも長いシリーズ、最終巻を迎えました。2組のカップル、千尋と絢一、各務と春のお話がそれぞれ収録されています。同棲生活をはじめた春と各務は、春の教育実習での様子などが描かれ、相変わらずとんでもなくラブラブな感じをかもし出しています(笑) 千尋と絢一は、親戚の子の子守とかのエピソードを交えつつ、絢一の義兄へのカミングアウトという大変な事態を迎えて大変ですが…。

とりあえず、後始末本、という感じが強いです。相変わらず所かまわずにラブラブな彼らが、微笑ましいです。これからもいろいろ紆余曲折はあるだろうけど、ちゃんと地に足をつけて、幸せに人生を謳歌するんだろうなあ〜と、しみじみとしてしまいました。…ところで私はどうしても各務を下の名前で呼び捨てで書けず、彼だけ苗字なんですが、これはなんでだろう…(笑)

私的評価 ☆☆☆★
(CDも沢山発売になり、高岡先生の代表作なこのシリーズ、最初はうじうじしていた絢一が、最後はこんなに立派になったというのがなにより感慨深いです。…すっかり母の気分です(自爆))

 

 2004年12月13日(月)  伯爵様は魅惑のハニーがお好き

   プラチナ文庫   高月まつり:作  蔵王大志:絵

個人的にとってもヒット(笑)だった人外モノシリーズの最終巻です。主人公は普通の人間ですが、妖怪たちが住むアパートの大家をしていてしかも由緒正しい(?)吸血鬼が恋人という、とんでもない環境に住む普通の青年(…普通じゃないか、すでに(笑))前作で恋人エディの故郷に一緒に行って、吸血鬼になるか人間のままでいるかという究極の選択に悩み続けていた主人公明ですが、とうとう決断をくだす日がやってきました。その決断とは…。

とりあえず、ちゃんと決断した明に拍手(笑)ほんっとに究極の選択だったなとしみじみ思いながら、こういう展開も幸せそうでいいなと思いました。詳しくはネタバレしてしまうと勿体ない気もするので伏せます。どっちになったのか、気になる方はぜひ読んでみてください(笑) 1巻からだんだんと濡れ場度が上がってきて、かなり今回はたけなわシーンだらけだったんですが、一部別の意味で萌えなシーンがあって、私はそこだけで大満足(大笑)すっかりコウモリ萌えになってしまって、ちょっと自分でもどうかなと思いつつ、楽しませて頂きました。

私的評価 ☆☆☆★
(そういえば、このシリーズ、CDになるらしいです。なんとなーくこの人ならいいなという声はあるんですが、まだキャストは未定のようです。とりあえず、コウモリ声がすごく気になるので、チェックしてみたいです(笑))

 

 2004年12月11日(土)  幸せという名の欲望

   アイスノベルズ   魔鬼砂夜花:作   奥田七緒:絵

魔鬼先生のアイスノベルズは初めてかな? 全編書き下ろしの社会人もののお話です。かなりシリアスなお話で、何となく手に取ったんですが、かなり読んでみるとしんどいお話でした(^^; 主人公は人形制作を営む小さな会社に勤める青年。元は大会社に勤めて高給取りでしたが、諸事情があって転職し、また自分の持つマンションにどうしても帰ることができず、ホテル暮しを余儀無くされています。ある日偶然に顔見知りの人形作家の青年とホテルのチェックアウト時に出会い、飲みに誘われますが…。

もちろんツッコミ所はあるんだけど、とりあえず、あまりのネタに圧倒されて読んでしまいました…。まあ、いわゆるストーカーに関わるようなネタなんですが、なんだかすごくインパクトが強くて、フィクションだと思っててもゾッとしてしまいました…。しかも解決方法が「それでいいんかい!」とつっこみたくなるようなもので、でもそれしかないんだろうなと納得できてしまうあたりおそろしいというか…(笑)ほんとに「どうなるんだろう…」と一気に読んでしまった、妙な引力のあるお話でした。

私的評価 ☆☆☆★
(どちらも心に傷を持つキャラで、でも決して傷の舐めあいにはなってない…ならないような努力をしているのが、いいなと思います。どうぞこの2人が幸せに暮らせますように…。)

 

 2004年12月11日(土)  きみと恋の途中

   ダリア文庫   葉澄梢子:作   ねこ田米蔵:絵

雑誌ダリアに掲載された、学園もののお話とその続編書き下ろしが2編収録されています。主人公は生徒会副会長をしている美人な3年生。穏やかなタイプに見られますが、実はけっこう天然な所もあり、回りがいろんな気を回してガードしていたりします(笑)そんな主人公が秘かに思いを寄せているのは、同じテニス部の後輩。秘かに見つめながらいい先輩を演じ続けていた主人公ですが…。

なんだかほのぼのしてて、すごく可愛いお話でした。雑誌掲載で読んでいたので、続編が読めて嬉しいです。年下攻めなんですが、とっても「年下らしい年下」という感じで、年齢差や周りの人物にイライラしてみたり嫉妬してみたりする若さがいい感じ(笑)お邪魔虫な脇キャラも個人的には飄々としてて好きです。最近けっこう精神的に大人な作品ばかりに目が行っていたけど、たまにはこういうほのぼの可愛い系もいいかも。一生懸命に恋をしている、という感じの作品でした。

私的評価 ☆☆☆★
(雑誌掲載時のタイトルは「Ding Dong」で、タイムリーにクリスマスネタです。聖歌隊で歌うシーンは、ついついメロディが頭に浮かんでしまうのは、職業病(?)的ですな(笑))

 

 2004年12月11日(土)  雨がやんだら

   ダリア文庫    小川いら:作   紺野けい子:絵

全編書き下ろしの社会人もの(?)のお話です。主人公は、在宅で翻訳をしている青年。実はある仕事がきっかけで妻子ある男性と付き合っていましたが、なかなか頻繁には会えずにいます。そんな彼が祖母のお供で最近評判という漢方薬の店を訪れました。そこには店に似合わないほどの若くハンサムな店主がいて、付き添いなだけの主人公にも薬をくれて、体調管理をするように言ってきますが…。

主人公を含め全員とても大人なキャラなので、とても安心して読める作品でした。妻子ある男性は当然ながら最後までは続いておらず、主人公は振られてしまうのですが、その最後の別れのシーンのが最低(^^; だからこそ主人公の健気さや漢方薬の店の店主の誠実さが際立つのかも。優しさと度量の広さをもつ店主はとてもとても好みでございました(笑) あ、でも作中の冬虫夏草のアメにはちょっと引きました(^^;(どんなものか知ってるから余計にね(^^;)一時期流行った虫入りアメみたいな感じかしら。身体にいいとわかっててもちょっと…(笑)

私的評価 ☆☆☆★
(痛い思いをしたことがあるからこそ、痛みがわかる…というのも良くある話ですが、だから優しくなれるのかな。とても優しい攻キャラにすっかりノックアウトされてしまいました(笑))

 

 2004年12月11日(土)  琥珀の誘い

   ショコラノベルズ   春原いずみ:作  汞りょう:絵

全編書き下ろしの作品は、ウイスキーの醸造会社に勤めるブレンドウイスキーの配合などを担当する、ブレンダーの青年が主人公のお話です。目を引く美人な彼ですが性格は勝ち気で喧嘩っぱやく、後輩いじめをする会社の先輩や上司と諍いを起こしてしまいます。原因は相手にあるものの、彼を心配した社長はスコットランドにある有名な老舗の醸造所へ研修に行かせることにします。そこで待っていたのはブレンドウィスキーを認めない…つまり主人公自身の仕事を認めない、という若き社長で…。

春原先生らしい作品だなと思います。ハリネズミみたいに刺をいっぱいだしたままの主人公が痛々しいですが、だんだんと心を開いて可愛くなって行く様子が微笑ましくて、だからこそ後半でまるで裏切ったかのような社長の一連の行動が気に喰わなくて(^^; 主人公もなぜそこでうやむやのうちに許すんだ!と怒りが…(笑)まあ、そこまで感情移入しなくても(笑)と思いつつも、イマイチそこのエピソードだけが納得いかなかったのでした。やっぱり無理矢理はいかんよ、うん。

私的評価 ☆☆☆★
(汞先生のイラストがとっても美人で素敵です〜。社長もまさに「金髪の王子様」チックで素敵♪)

 

 2004年12月11日(土)  こいきな男ら 6 (上・下)

   ショコラノベルズ   御木宏美:作  如月弘鷹:絵

過去かなりハマった(笑)こいきシリーズの最終巻が上下巻同時刊行で発売になりました。約2年前に雑誌小説ショコラに3回連載されたものに、書き下ろしが収録されています。さすがに2年もノベルズ化されないと、もうノベルズにはならないのかと思っていたんですが…(笑)ひょっとしたら如月先生の予定待ちだったのかもしれないですね。主人公進は才能あるデザイナーの親友&恋人たちの中で、自分の得意なものはなにかと模索を続けており、ある日目に止まった絵本の挿し絵コンクールに出品することにしましたが…。

久しぶりに全巻さらっと見直ししたんですが(笑)…最初のころと京平が全然違う〜(T_T) 私は3巻ぐらいまでの京平がすごくすごく好きだったので、今のただのスケベオヤジな京平が悲しくてしょうがないです。前の巻はシリアスだったのでそうでもなかったんですが、今回シリアスよりギャグよりになってるので、余計に落差がある気がする。…そしてなにげにワンパターンになっているHもやだ…(笑)まあ、一応ちゃんとエンドマークをつけて貰えたのは嬉しいんですが、やはり10年近い歳月の違いというのは大きいんだなと思いました。

私的評価 ☆☆☆
(瑞紀や進があまり変わらないところを見ると、きっとこれは作者の愛の差なんだろうなあ…。ちょっと複雑です(^^;)

 

 2004年12月10日(金)  酒とYシャツとキス

   ビーボーイコミックス    桑原祐子:絵

小説b-Boyに掲載されていた「喜多ナル」シリーズがコミックスになりました。新米刑事のナルこと鳴瀬は、先輩である喜多とコンビを組んで仕事をしています。ある日失恋してしまったナルはその痛みを癒そうと喜多を巻き込んで飲んだくれた挙げ句、なぜか喜多の布団の中で目がさめ、しかもそれは3日も続き、最後にはなぜか2人とも裸になっていて…。

短かめのお話が沢山入っている形なのですが、だんだんとナルと喜多の距離が縮まって行くのがすごく微笑ましいです。ナルが振り回されているだけじゃなくて、時には喜多も不安を覚えてナルに慰められてみたり、ほのぼのしててすごく和みます。書き下ろしでは2人のはじめての夜が描かれていて、ずっと雑誌で読んできた私はとても感慨深かったです。コミックスでも段々と順を追って読めるので、楽しめると思います。ぜひ読んでみて下さいね。

私的評価 ☆☆☆☆
(ちまっとしたイラストも可愛くて好みです〜。初BL系コミックスということですが、主に今までの作品はファンタジーなのかな?最近では王子様Lv.1とかも桑原先生ですよね。)

 

 2004年12月10日(金)  教えてよ

   ディアプラス文庫   桜木知沙子:作  金ひかる:絵

小説ディアプラスに掲載された大学生と大学の講師のお話2編とその続編書き下ろしが収録されています。実は1作目の雑誌掲載時はあとり先生がイラストを担当されていました。2作目の掲載時にはもうあとり先生が描くことは叶わず、イラスト交代となりましたが…(T_T)ちょうど2作目の掲載のころだったのかな?訃報が入ったのは。そういういきさつもあり、やはり特別な思いで手にとったような気がします。あらすじも一応書いておこうかな。主人公は国立大の歯学部で学ぶ大学生。厳しいと評判の口腔外科の再試を見事に落としてしまい、なんとかして受かりたいと、ゲイの噂のある講師に補講をお願いしに行きますが…。

雑誌掲載の分は、もう雑誌自体を購入しておらず、残念ながら見ていないのですが、逆にだからこそ違和感もなく金先生のイラストで読めたのかなと思います。お話はいつもの桜木先生らしい作品で、少々クールで意地っ張りな講師が好みでした。年下ワンコ系攻めと気まぐれニャンコ系年上受という感じの作品。意地っ張りだけど健気な受が可愛いです。

私的評価 ☆☆☆★
(今回あとがきで、あとりさんへの追悼の言葉なども綴られていて、読んでまた改めて涙が浮かんでしまいました(T_T) みんな思いは一緒なのだなあと…(T_T))

 

 2004年12月07日(火)  少年花嫁(ブライド)

  X文庫ホワイトハート  岡野麻里安:作  穂波ゆきね:絵

欲しかった本が見当たらず、どうしようかと思っていた時にふと穂波先生の絵に気を取られ(笑)つい手にとりました。今までの作品は全く読んでいないのですが、これがシリーズの最初の巻ということだったので、それも追い風かな?(笑) 主人公は可愛い系で元気な高校生。自分はマッチョな男に憧れて自分もそうなりたいと思っているにも関わらず、とても女性に間違えられやすい彼。ある日学校帰りに妖怪を目撃してしまい、危ういところを助けられます。助けてくれたのは、陰陽師である香道の宗家の少年で…。

タイトルからして「けっこん?(^^;」と少々引き気味だったんですが、とりあえずカモフラージュなだけという設定(一応は(笑))でよかった…。ヘンな呪いをかけられている主人公とすごい世界で頑張る香道の当主の少年とが、なかなかいいコンビでした。ただ、主人公はちょっと考えなしな感じで(^^; 自分でトラブル招きまくってて落ち着きがないなあ…。元気なのはいいんですが、もうちょっと落ち着いたキャラならもっと好みなのになあと思いつつ。全4巻予定とのことですので、今後がどうなるのか、楽しみです。

私的評価 ☆☆☆★
(…とりあえず、前作とかに繋がらないことを切に祈るです。だって、前作(鬼の風水シリーズ)は番外以外絶版だもんなあ(^^;)

 

 2004年12月07日(火)  翳 −SHADOW−

  X文庫ホワイトハート  柏枝真郷:作  茶屋町勝呂:絵

硝子の街にてシリーズ最新巻は、タイトルが示す通り、少々暗い…というか予兆を感じさせる巻になっています。前作の1年後で、とうとう次の巻はあの同時多発テロが題材となるようで、今回はどうにもそのネタがらみの話、という印象になってしまいました(^^; 主人公ノブは恋人シドニーと共に穏やかな日々を過ごしています。そんな中、勤めている旅行代理店でツアー客が行方不明になったと連絡を受け捜しまわります。そしてその晩、近くで起こった火事の現場に、他殺と思われる焼死体とともに、ツアー客の鞄がみつかって…。

今回はとにかく「ワールドトレードセンター」が舞台の中心で、だからこそ次にくるものをついつい考えてしまい、どうにも事件に集中できなかったなあと(^^; たとえば今回捜査の途中で出てきたキャラたちも、あの瞬間を同じように迎えるのかと思うと、なんだか冷静では読めなくて…。ここまで過剰反応するのもどうかとは思いますが、それだけこの作品がまるで実際に起こったかのように自分に馴染んでいるのだということかもしれません。事件よりもなによりも、次に来るものに怯え、気を取られてしまった感じの巻になりました。

私的評価 ☆☆☆★
(決して面白くなかったわけではないのですが、やはり…なんというか気の重い感じがしました。多分それは書かれている柏枝先生ご自身も思われていることなのではないかしら。次の巻が、早く読みたいような読みたくないような、本当に複雑な気分です。)

 

 2004年12月01日(水)  キスのはじまりはウエスタン!

   パレット文庫   真船るのあ:作  明神翼:絵

真船先生の久しぶりのパレット文庫は、西部開拓時代のお話です。主人公は日本の血を引くカウボーイの少年。両親を殺されてその復讐のためにとカード賭博でイカサマをしながら旅を続けています。そんな彼がある町で出会った青年は、超美形の賞金稼ぎ。女装していた主人公が男である事や、イカサマの手口を見抜いて、自分と一緒に敵を追い掛けようと持ちかけてきますが…。

こういう時代背景のボーイズラブってあんまりないですよね(笑)日本が舞台ならけっこうあるんでしょうけど。明神先生の絵がけっこう派手な感じなので、華やかで楽しく読めました。歴史モノというよりもある意味コスプレものっぽく気軽に読んでOKという感じです。賞金稼ぎの青年の正体にはちとびっくりでしたが。…っていうか若すぎるだろう…(笑)まあ、そういうのもありということで(笑)

私的評価 ☆☆☆★
(主人公たちがとてもいいコンビです(笑) ぜひぜひ彼らが少し成長してからのお話も読んでみたいなと思いました。)