2004年2月のレビュー

 

 2004年02月28日(土)  彩雲国物語 −黄金の約束−

  ビーンズ文庫   雪乃紗衣:作   由羅カイリ:絵

新人作家さんの中華風活劇(?)の続編が登場しました。前作が非常に私のツボにストライクな作品だったので続編予定を聞いてからずっと心待ちにしていました。前作で後宮に入り王をサポートする役目をし、報酬も貰った貧乏貴族のお嬢様秀麗。役目を終え、自分の家に戻ってからも王からの奇妙な(笑)贈り物などのアプローチに困惑しつつ、忙しく過ごしています。そんな彼女にまたもや朝廷での仕事が舞い込んできて…。

やはりツボにストライクな作品でした!可愛いだけじゃなくて、しっかりしているけど鈍感な秀麗とヘタレ道まっしぐら、まるで迷子の犬のような王のコンビが絶妙です(笑)…とはいえ今回はあまり一緒にいる機会がなかったですが(^^; 周りのキャラもさらに強烈なのが増えて、さらに面白くなっています。人物が増えた事でちょっと収拾がつかなくなりかけてはいますが、それは御愛嬌ということで。本当は秀麗と王がもっと進展してくれたら言う事なかったんですが、まあ出会う機会が少ないこの巻ではこれが限界なんだろうなと(笑)非常に楽しく読みました。ぜひとも続編では官吏になった秀麗と王との進展を希望!(笑)

私的評価 ☆☆☆☆☆
(中華風だけど、あまり言葉も難しくなく、気軽に読めます。テンポがいいのであっという間に読める感じです。ぜひぜひ、前作ともども一度お試し下さい。)

 

 2004年02月28日(土)  それもきっと恋のせい

  ルビー文庫   火崎勇:作   陸裕千景子:絵

サラリーマンもののお話です。主人公は文具メーカーに勤める二年目のまだまだ新米の社員。コーヒーを入れたりコピーを取ったり、今はまだ雑用ばかりですが、尊敬している上司に言われた言葉を心に、毎日めげずに頑張っています。そんな中、その上司に認められて仕事を手伝うことになって張り切る主人公。同じ頃、友人から男の恋人が出来たとカミングアウトされますが…。

サラリーマンがちゃんと仕事をしていて、好感が持てる作品でした(笑)ただ恋愛ネタについては、主人公の思い込みが強かったり、上司が強引だったりして、なんだかすっきりしない感じです。せっかく仕事シーンが生き生きしていてかっこいいのに、肝心の恋愛が浅い感じになってしまっているのは残念。まあ、文庫なので広げ過ぎると収拾がつかなくなるからというのもあったんでしょうけど、イマイチ物足りない気分でした。

私的評価 ☆☆☆
(火崎先生ならもっと深みのある作品がかける、と思うからこその物足りなさのような気はしますが(^^; 恋愛取引あたりの作品の方が好みかな?)

 

 2004年02月28日(土)  誘惑の緊急出動!

  ラピス文庫   ななおあきら:作  三島一彦:絵

ななお先生の新刊は全編書き下ろしのサラリーマン…というよりはガテン系なお話です。主人公は携帯電話会社で保有施設の保全を行う部署に配属された元気であかるい新入社員。もともと希望していた部署での仕事ということもあり、毎日生き生きと仕事をしています。が、親切で優しい教育係の先輩がなぜか苦手な主人公。どうやらその原因は小さい頃のトラウマのようで…。

素晴らしいぐらいに「ヘタレ攻めと男前受け」なお話でした(笑)トラウマにからむネタに始まって、初デートでも、カップルになってからもそんな感じで、かなりじれったいのですが、しっかりしてて男前な受けがきっと何とかしそうだという安心感がありました。あとがきで「この職種にしたのは山の中に2人だけになる機会があるから」とありましたが、そのシチュエーションも、それから仕事内容もとても生かされていて、テンポもよく楽しい作品でした。ぜひ読んでみて下さい。

私的評価 ☆☆☆☆
(クマみたいなキャラがヒゲをそったら美形というのは出来過ぎかもしれませんが(笑)キャラクターがとてもユニークで楽しめます。)

 

 2004年02月28日(土)  幸せで幸せでやさしい

  シャレード文庫  花川戸菖蒲:作  角田緑:絵

尤書堂シリーズの第五巻は小説シャレードに連載された二編と書き下ろしが収録されています。子供(アンズの苗木)を二人で育てることになり、相変わらずラブラブバカップル道を突き進む青山と望。今回は、結婚記念日をめぐって大げんかになってしまいます。アニバーサリー男の望は初エッチの記念日を「結婚記念日」にしたいと言い出しますが、青山はそんな恥ずかしいマネはできないと怒り心頭。ついには「結婚をもう一度考えさせて」と爆弾発言が飛び出しますが…。

もう五冊も出てるんですねえ、このシリーズ。なんだか感慨深いです。シリーズが長くなればなるほどマンネリ化して主人公の成長も感じられなくなっていく作品が多いなかで、このシリーズは毎回ちゃんと変化があって好きです。最初のころは青山成長記だったのですが、最近は望成長記になってるかも。望がいっぱいいっぱいになっててほほえましいです。最初はまるでサイボーグのようでしたが、最近やっと人間くさくなってきたなあと。時々やり過ぎ感もありますが、やはりちゃんと人間関係をお互い努力しながら築いていこうとしているのは読んでいても楽しいです。

私的評価 ☆☆☆☆
(書き下ろしの夢ネタは一瞬ぎょっとしましたが、ちゃんと青山がフォローできてよかったよかった(^^; びっくりしたよ〜。)

 

 2004年02月28日(土)  妖魔なオレ様と下僕な僕 3

  アズノベルズ   椹野道流:作  唯月一:絵

「妖魔なオレ様と下僕な僕」シリーズ第3弾は、主人公たちがなんと海外へ飛び出します。骨董屋を営む司野は実は妖魔。死にかけていた正路を拾い、下僕として共に暮らしはじめて5ヶ月。最初こそ「餌になる下僕」でしかなかった正路ですが、いろんな事件を通して2人がかかわり合ううちに、だんだんと司野と正路の関係も変化してきました。そんなある日、なんと外国人が客として現れ、仕事を依頼してきます。それはイギリスのロンドン郊外にある家を除霊するというもので…。

司野が段々人間くさくなってきましたねえ(笑) 嫉妬の感情も人間ならではのものだし、きっともっといろいろな感情を覚えていくんだろうなと思いつつ。でもとりあえず、偉そうなのだけはやはり読みにくい(^^; もともと下僕ネタはあまり好きではないから余計でしょうか。まあ、それでも一般的によく出てくるものよりも「下僕」らしからぬキャラですが(笑)<正路 まるで司野が「人間になりたい〜」ための成長記録を見ている気のする(笑)作品です。

私的評価 ☆☆☆
(ほとんど同時発売でCDも出ました。私は買ってないのですが、原作に忠実だということなので、音で楽しんでみたい方はいいかも?)

 

 2004年02月27日(金)  無口な情熱

  キャラ文庫   神奈木智:作  椎名咲月:絵

雑誌「キャラセレクション」に掲載された幼なじみもののお話とその続編書き下ろしが収録されています。主人公は明るく素直なタイプの高校生。無口で硬派な親友がいて、周りに不思議がられながらも仲良くつるんでいます。ある日偶然目にした雑誌で、家出をしてしまった親友の兄であり初恋の人の消息を知った主人公は、初恋の思い出を振り切るためにも、会いに行く事にしますが…。

神奈木先生ならではの切ない幼なじみ同士の恋愛が描かれていて、可愛い作品でした。雑誌掲載の時からチェックしていたので、文庫で読めて幸せです。天然ちゃんな受けだけど、大事なことはちゃんとわかってるし、無口な攻めも決めるところは決めてくれます。好みにかなり近くて、自分の中では安心して読める一冊でした。個人的にとてもお兄ちゃんと相棒のデザイナーさんが美味しいキャラだなと思っているので、ぜひともこの2人の話も読んでみたいのですが…(っていうかすでにカップル前提で考えているあたり、よっぽどツボだったらしい)

私的評価 ☆☆☆★
(続編での「イイところに邪魔が入る」ネタには思わず笑いました(笑)ナイスだ壱弥にーちゃん(笑)私の脇キャラ萌えツボど真ん中です(笑))

 

 2004年02月27日(金)  gift

  リンクスロマンス  櫻井ちはや:作  あさとえいり:絵

小説エクリプスに掲載されたアイドルとマネージャーのお話とその続編書き下ろしです。主人公は新人アイドルのマネージャーをしている青年。小柄で大人しそうな外見と仕事に厳しく真面目な内面を持った主人公は、最初こそアイドルの不真面目に手を焼きます。しかしだんだんと主人公の気持ちを汲み、アイドルも仕事に真面目に取り組むようになってきますが…。

雑誌掲載の時にかなり気になって読んだ作品でした。例によってまたタイトルと一致してなくて(笑)読んでから「ああ、これかあ!」って感じで、得したような気分です。かなりの年齢差のある年下攻なんですが、攻がとても一生懸命に一途に受を好きでいるので、非常に読んでいても好感のもてる作品でした。雑誌掲載のラストシーン以降「いったいどうなったんだ?」とつっこみたくなるところもあるんですが、全体にほんわかふんわりした穏やかなムードが漂っていて、とても和める作品です。ぜひ読んでみて下さいね。

私的評価 ☆☆☆☆
(あさと先生の絵がとっても素敵です。…そーいやこれももともとはかんべ先生のイラストだったのですが、これはイメージが変わってないのか、違和感はなかったです。)

 

 2004年02月27日(金)  ディール

  リンクスロマンス   水壬楓子:作  佐々木久美子:絵

「エスコート」シリーズの第2弾が発売になりました。人材派遣会社「エスコート」のボディガード部門に集う人々を描いた作品で、小説エクリプスに掲載されたものと続編の書き下ろしが収録されています。今回の主人公は、「エスコート」のオーナーの秘書として働いている律です。律は穏やかで大人しい青年ですが、「エスコート」で働くようになったのにはあるいきさつがあり、そのせいもあって律は延清というトップガードに「飼われて」いることになっていますが…。

雑誌掲載の時も、読んではいたのですが、実は真城という別キャラが一番好みだったこともあり、あまり印象に残っていなくて(^^; でもだからこそ今回新鮮に読めました。前作よりもかなりシリアス色が強く、まるでお互いの傷を舐めあっているかのような危ういバランスの彼らが心配で心配でしょうがなくて(^^; 続編ではその危ういバランスから、ちょっとずつしっかりした絆になっていく様子が描かれていて、読みごたえがありました。そのためには傷つく事も必要だったのだろうけど、ラストシーンの2人がとてもイイ感じだったなあ。また続きで顔を出してくれる事を楽しみにしています。

私的評価 ☆☆☆★
(どうにもイラスト変更にまだ慣れない…(^^; 佐々木先生の方がリアルな感じだから余計なのかな?ま、私の好みの問題なんですが。次は5月。いよいよ真城登場なので楽しみ〜♪)

 

 2004年02月24日(火)  食うか食われるか

  ダリアノベルズ  ふゆの仁子:作  円陣闇丸:絵

フランス料理のレストランを舞台にしたお話です。主人公は主にレストランの経営コンサルティングをやっているコンサルティング会社の社員の青年。父親も同じ会社の役員をしており、彼自身も環境に恵まれて美味しいものやいいものを選ぶ目が養われています。そんな彼が惚れ込んだレストランがあり、通い詰めた甲斐あって、初めてシェフに会う事ができました。主人公はシェフに自分の中で暖めていたプランを話しますが…。

なんだか美味しそうなお話でした(笑)シェフが寡黙で朴訥なんですが、このシェフが非常に好みで(笑)おまけに主人公キャラよりも脇キャラの美人ギャルソン&ソムリエの方が好みだったりしたので、カップリング的にちょっと物足りなかったかも。ある秘密が彼らを動かす元になるのですが、最初からなんとなくわかってしまうのがちょっと残念。まあ、王道なんですが…もうちょっと謎とき気分も味わいたかったなあ。

私的評価 ☆☆☆
(シェフコート姿やギャルソン姿のイラストが絶品でした…。かっこいいわ〜。)

 

 2004年02月18日(水)  White Letter

   アクア文庫   魔鬼砂夜花:作  一重夕子:絵

魔鬼先生の初エクリプスロマンスが文庫で発売になりました。ノベルズの方はたしか、水壬先生の「ディアレストジュエル」と同時発売だったのを良く覚えています。主人公は幼馴染みで恋人同士の大学生の2人。息のあったいいコンビで、一緒に暮らしています。そんな2人のもとにある依頼が舞い込んできます。それは探し物が得意な主人公たちに「自分の兄を探して欲しい」というもので…。

あらためて読んでみて「あれ?こんな話だったかなあ?(^^;」と思いました。勢いこそあるものの、こんなに唐突な話だったかなあと。まあ、かなり初期に読んでいる所為もあるんでしょうね。ツッコミ所が多く、今の自分にはちと物足りない感じもしますが、とりあえず「魔鬼先生ならでは」な部分もちらほら感じられました。

私的評価 ☆☆★
(思っていたほどにはツボではなくて、人の好みというのは変わるものだなあと痛感いたしました(笑) 前に読んだ時はけっこういいなと思ってたんだけどなあ(^^;)

 

 2004年02月18日(水)  些細な出来事

   アクア文庫  杏野朝水:作  甲田イリヤ:絵

元ヴァリオノベルズから発売されていたサラリーマンもののお話が文庫になりました。主人公は社長秘書をつとめるエリートサラリーマン。ある日社長から一週間家に1人になってしまう息子の面倒を見てやって欲しいと頼まれます。報酬の額も大きい事から、引き受ける主人公。1週間の初日、初めて顔をあわせた御曹司はとんでもないわがままぶりを発揮しますが…

懐かしい作品で初めて読んだときを思い出して和みました。多分その時のレビューもログにあると思います。…今読みかえしたらかなり身も蓋もないレビューですが(苦笑) あとからじわじわ効いてくる感じで、しばらくしたらお気に入りになったんですよねえ。御曹司は最初の印象とはかなり異なるキャラですが、一生懸命で好感がもてます。一途なキャラが好きなのでツボに入ったという話も(笑)なんらかの形で、彼らのその後が読めたら嬉しいんだけどなあ…。

私的評価 ☆☆☆★
(イラスト変更は文庫化の常なんですが、甲田先生もいいんだけど、やはり最初のイメージが強いなあ。高久先生のほうが線が細くて、御曹子キャラのイメージそのままだったので…)

 

 2004年02月11日(水)  いつかじゃない明日のために

   ラキアノベルズ  高岡ミズミ:作  円陣闇丸:絵

小説ラキアに掲載されたお話とその続編書き下ろしが収録されています。 主人公は母子家庭に育った少年。今は母と死別し1人暮しです。彼はコンビニでバイトをしていますが、そのバイト先で偶然にも、幼いころに一緒に過ごしたことがある青年と、10年ぶりに再会します。そのまましばらく主人公のもとに滞在する青年。主人公は青年の事が気になりつつも、一緒にバイトをしている大学生から告白されて付き合う事になり…。

何となくおぼろげに、雑誌掲載の作品は覚えていました。過去が過去だっただけに、幸せになって欲しいという思いが強かった気がします。なので書き下ろしである意味バカップルになっている(笑)2人を見てホッとしたというか、安心したというか。あっさりトラウマが解決してしまうあたりは微妙だけど、言わば王道な感じの作品でした。

私的評価 ☆☆☆★
(円陣先生のイラストがとても素敵です。表紙の「青いシャツ」がすごく印象的で、目をひきました。)

 

 2004年02月11日(水)  恋愛仁義

   プラチナ文庫  高月まつり:作  富士山ひょうた:絵

高月先生の書き下ろし新刊は、ヤクザものです。主人公はある建設会社の外遊開発部の部長の青年。…外遊開発部というのはぶっちゃけていうと「ラブホテル建設」が主な仕事ですが(笑) 主人公は会社の運動会で偶然目にしたある青年の背中がどうにも気になってたまらず、なんとかして落としたいと思っています。その青年とは、元ヤクザの若頭をしていた、クールビューティーな青年で…。

いやはや、さすが高月先生(笑)「魔性の美背中」なんていうとんでもない呼び名から始まって、全員和服がユニフォームのレンタルビデオ屋だの、「美背中を愛でる会ホームページ」だのと勢いは留まるところを知らず、大笑いさせていただきました。非常にフェチな内容ですが、怒濤のようなコメディで面白いので、すんなり読めます。どこか抜けてるクールビューティーと、わがままだけどスマートな主人公の掛け合い漫才をどうぞ楽しんで下さい。

私的評価 ☆☆☆
(ひょうた先生のイラストが大人な男性イメージなので、よけいにギャップがあるかも(笑) ラストあたりで元若頭がブチ切れるところのイラストがかっこよかったです。)

 

 2004年02月10日(火)  きみは天使ではなく。

   ディアプラス文庫   真瀬もと:作  あとり硅子:絵

小説ディアプラスに掲載された、20世紀初め頃のイギリスを舞台にした貴族もののお話と、その続編書き下ろしが収録されています。主人公は傾きかけた由緒ある貴族の当主。かなり財政状態は苦しく、領地を手放さなければならないかもしれません。ある日当主の前にいきなり現れた青年は、自分を雇って欲しいと言い出します。執事が反対するのを押し切って、彼を雇うことにした主人公ですが…。

主人公の貴族の御曹子が天然ちゃんで、ほのぼのします(笑)ただ貴族ものというだけではなくて、詐欺もテーマの1つになっていて、それも読みごたえがあって面白いポイントです。天然キャラだけど、過去に恋人もいて、純真無垢なだけではない主人公と、主人公のためならなんでもしてしまえそうな一途なところをもつお相手はいいコンビです。時々キャラが大人気ないですが(笑)それも味ってところでしょうか。書き下ろしのラブラブっぷりも楽しめました。

私的評価 ☆☆☆★
(元カレキャラが嫌なやつではあるんですが、でも憎めないキャラになってます。秘かに気になる…(笑))

 

 2004年02月10日(火)  エッグ・スタンド

  ディアプラス文庫  月村奎:作  二宮悦巳:絵

花丸ノベルズで出ていた「エッグ・スタンド」がディアプラス文庫で新しく新装版として発売になりました。ノベルズ収録の3編と、続編の書き下ろし短編が収録されています。主人公は雇われ歯科医の青年。無愛想で人に優しくするのが苦手な主人公ですが、隣の部屋に住む学生は屈託なくいろいろと話しかけてきて、ついでに迷惑もかけてきます。最初こそ嫌だと思っていた主人公ですが、学生がもつ悩みを知ってからはだんだんとその気持ちも変わってきて…。

そういやこういう話だったなあ〜(笑) 自分では覚えていたつもりでも、細部は脳内補完していたようで、改めて読む事でいろいろと思い出して月日の流れを(笑)しみじみ感じておりました。最初に読んだ時とはボーイズラブの読んだ冊数も違うし、もちろん年齢も違うし(笑)だからこそ感じられる部分の違いもかなりあって。時間が経ってからの新装版も改めてしっかり読めていいのかもしれないですね。

私的評価 ☆☆☆★
(二宮先生の絵が可愛くてほのぼの度倍増(笑)エッグスタンドで卵を切るシーンのイラストが一番好きです。)

 

 2004年02月10日(火)  手のひらの秘密

  アイスノベルズ   うえだ真由:作  こいでみえこ:絵

小説アイスに掲載された表題作と、その続編書き下ろしが収録されています。主人公は公立高校に通う寡黙でポーカーフェイスの高校生。大切な親友に好きな女子がいると聞かされて動揺した彼は、親友を想う自分の気持ちに気がつきます。どうせ叶わない思いならと、やけになった彼は…。

雑誌掲載時に多分読んでいた…はずなんですが、うっすらとしか覚えていないのは、3年近く前だからかな?雑誌掲載分だけ読むと見事にアンハッピーエンドなんですが、一応続編がついてちゃんとハッピーエンドになっています。…というか、雑誌掲載時にこれだときっとかなりの欲求不満になってた気がする…(^^;あんまりはっきり覚えてはいませんが。大人になってからの続編の方がより重要な作品と言う感じで、こうしてしっかり最後まで読めてよかったなと思います。

私的評価 ☆☆☆★
(強引な関係というのは苦手なのですが、それのフォローが続編でされていることもあり、そんなに嫌な感じではなかったです。シリアスが好きな人はオススメかな?)

 

 2004年02月10日(火)  楽園は甘くささやく

  ショコラノベルズ   神奈木智:作  高峰顕:絵

全編書き下ろしの年の差カップルのお話です。主人公は大きなお屋敷に住む少年。事情があり母親と2人暮しで、しかもほとんど屋敷から外に出ることなく過ごしてきました。母親が亡くなったため遠い親戚のもとに引き取られる事になった主人公。そこには4人の兄弟たちが一緒に暮らしていました。翻訳家の長男、有名美容師の次男、そしてバツイチで出戻りの長女と大学で部活動三昧の三男の双子。個性溢れる彼らに最初は戸惑った主人公ですがだんだんと心を開いていって…。

神奈木先生ならではの穏やかでシリアス色の強い作品でした。主人公の抱えていた心の中の重みが思っていたよりも強く、読んでいてたまらない気持ちになりましたが、暖かい4人に囲まれてきっと幸せに過ごせるだろうと、読み終えてみると随分救われた気持ちになりました。どのキャラも第一印象とかなり違うキャラで(笑)それがとてもいいアクセントになっています。彼らのその後も、(報われなかった次男も含めて(笑))読んでみたいなあ。

私的評価 ☆☆☆★
(イラストもほんわかしていてぴったりでした。シリアスだけど、なんだか和める作品です。)

 

 2004年02月10日(火)  ウカツなハリネズミ

  ショコラノベルズ・ハイパー  松幸かほ:作  麻生海:絵

松幸先生のデビュー作がノベルズになりました。雑誌掲載された表題作と続編書き下ろしが収録されています。主人公は、フランス語が堪能な青年。商社に勤めています。ある仕事で通訳を勤めたことから、若手ながら有能な部長に気に入られて、それ以来会う度に口説かれる主人公。ついつい流されそうになってしまう主人公ですが…。

雑誌掲載の時は、多分新人作家さんが競作する形での掲載だったんだと思うんですよね。…覚えてないんですが(^^; というわけでほとんど初めて読むような感覚でした。ハイパーなだけに、濡れ場シーンも多いけど、割とテンポがよくて面白い方かなと思います。ただ、雑誌掲載作品にくらべると、続編の方はなんだか勢いが落ちるというか、ありがちな展開な気がしてちょっと残念。当て馬キャラが出てくるのはまあ別にいいんですが、ウカツキャラとはいえ、もうちょっとかしこいキャラで居て欲しかったなと思います(笑) 

私的評価 ☆☆☆★
(麻生先生のサラリーマンキャラがかっこいいですねえ〜。大人キャラはやはり魅力的で素敵です。部長が好みだわ〜。)

 

 2004年02月10日(火)  なりふりかまっちゃいられない

    クリスタル文庫   飛田もえ:作  こいでみえこ:絵

飛田先生の初クリスタル文庫は、幼馴染み同士のお話です。ヤクザの家と警察一家という歴史ある犬猿の仲を地で行く家に産まれた息子同士で、ずっと一緒の学校で過ごしてきた主人公たちは、家の事情とは無関係に昔から仲良くしていました。しかしそんな友情の絆も大人になるにつれてだんだんと変化してきて、生徒会長の椿本が副会長の櫻川に熱烈にラブコールするようになります。しかもそれをネタに1ヶ月限定のゲームまでやる羽目になって…。

迷ったのですが、クリスタル文庫のスタンスがかなり私の好みに近いこともあり、手に取ってみました。まさに王道の「生徒会長&副会長」「家同士が仲が悪い(ロミオとジュリエット系)」「毒舌美人受と強引傍若無人攻(笑)」という3拍子揃った作品で、なんだか懐かしい感じでした。ハマった初期によく読んだなあ、こういう作品。攻めのことを「傍若無人」と書きましたが、ほんとはそれほどひどくはなく、どちらかというとヘタレ気味なのでそれも好みに近く、思っていたよりも良かったという印象です。まあ、ラストシーンだけは納得行かないというか…一気にネタがギャグに落ちた感じはしますが(笑) でも主人公たち2人の絆の深さはけっこうツボで、楽しんで読めました。

私的評価 ☆☆☆★
(懐かしいなあと思ったのは、多分こいで先生のイラストの所為もあるかな。テンポもよくて、結構オススメです。)

 

 2004年02月10日(火)  トラブルラブCandy

   GUSHコミックス    かんべあきら:絵

雑誌GUSTと現在のGUSHの両方に掲載された、ほのぼのラブコメディがコミックスになりました。主人公は、ぼんやりほわーんとしたキャラの大学生。みんなのマスコット状態になっていて、可愛がられています。そんな彼に、どうやらストーカーがいるらしく、心配した先輩が自分の従兄を連れてきます。その従兄、警察に勤めていますが、どうやら可愛い主人公がすっかり気に入ったようで…。

どちらかというと攻(従兄)視点なんですが、あらすじは受キャラの方が書きやすくてついつい、そちらからにしてしまいました。基本的にかんべ先生の描くキャラがとても好きというのもあって、いろんなところにツッコミ所はあるけど、キャラの可愛さ&かっこ良さだけで読んでしまった感じです(笑)セーラー服で女装とかコスプレとか、ちょっとやり過ぎ感は否めませんが(っていうか大学生でセーラー服って…(^^;)けっして頭が悪いわけではない天然キャラが可愛いです。セーラー服に鼻の下を伸ばす従兄も、やるときはやるからかっこいいし(笑)なかなかほのぼの楽しい作品でした。

私的評価 ☆☆☆★
(可愛いキャラをかんべ先生が描かれるとほんとに可愛いんだよなあ(笑)時々出現するわんこ耳も含めて(笑)ツボです〜。)

 

 2004年02月07日(土)  放課後は秘密のふたり

   クロスノベルズ  渡海奈穂:作  三池ろむこ:絵

渡海先生の久しぶりの新刊は、先生と生徒のお話です。どうやら同人誌で書かれていたものの再録と、続編の書き下ろしのようです。同人誌からは、続編以降の日常を描いた短編も再録されています。主人公は寡黙で不器用な、サッカー部に所属する高校1年生。担任の若い教師が気がつくと自分を見ているのに気づき、ある時先生に尋ねます。しかし先生はその質問を無視し、その事で却って先生を意識しはじめる主人公ですが…。

渡海先生らしい不思議な距離感が面白い作品でした。不器用で自分の感情をあまり出さない主人公と、それを見守りつつ、できるだけ「先生と生徒」の関係であろうとする先生との距離が、段々縮まっていくのが、とても穏やかに語られていて、とても読了感のいい作品だったなと思います。元気なキャラの出てくる作品も好きですが、これもいいなあ。ある意味渡海先生の原点らしきこの作品、ちょっと同人誌の方でもチェックしてみようかなと思いました。

私的評価 ☆☆☆☆
(年の差ものですが、時々大人気ない先生も、落ち着き過ぎな主人公も年相応に見えないのであまりそういうイメージはないかな。)

 

 2004年02月04日(水)  コーセルテルの竜術士 4

   クリムゾンコミックス    石動あゆま:絵

本当は1月に発売になっていたのですがうっかり忘れていたので、購入日付でレビュー。可愛いもの大好きな私のオススメのファンタジーマンガです。主人公は7人(匹?)の幼竜を預かる竜術士のマシェル。子育てのごとく竜達を育てながら、自分も成長していきます。そんな彼らの今回の試練は「お泊まり」で…。

お泊まり保育ネタ、まるで初めてお泊まりさせた母親みたいで(笑)なんだか共感してしまいました〜(笑)チビ竜ちゃんたちも可愛いですねえ。心和む作品で、ほんわかしてしまいます。やっぱり大好きだなあ〜。どうやら掲載誌だったクリムゾン休刊にともない、このマンガも一旦完結と言う形を取らざるを得なかったようで、今回は書き下ろしをかなりして、完結編としてのコミックスになりました。…とはいえこの作品はまだまだ謎も多く、これからも読みたい作品だったので、いきなりの完結が本当に残念でなりません。ぜひとも掲載誌を変えて、続いて欲しいと切に願っています。

私的評価 ☆☆☆☆★
(今回、ナータの笑顔がちょろっとだけ出てきました(笑)秘かにナ−タファンな私は嬉しいような微妙な感じ(笑))

 

 2004年02月03日(火)  内緒のキスのプライス

  X文庫WH   和泉桂:作   高久尚子:絵

プライスシリーズ(というシリーズ名になったらしい(笑))の第2弾。老舗デパートを舞台にしたお話です。主人公はデパート以外にもいろいろな系列会社を持っているオーナーの末っ子。デパートの新入社員として、今はワインの売り場で働いています。前作で恋人になったのは、てこ入れのために外部から経営改善のためにやって来た会計士の青年。主人公が初めて企画をまかされることになり、相談にのる恋人ですが…。

うーむ、御曹子がやっぱり考え方の甘いキャラだなあとしみじみ。大分しっかりはしてきたんですが、兄へのコンプレックスがきつすぎてどうにも後ろ向きな思考になってしまって、焦れったいです。とりあえず今回兄とのコンプレックス解消の第一歩を踏み出せたのは快挙なんだろうなと思いつつ、…でもやっぱり余りの後ろ向きなキャラに、「…いっそのこと兄と会計士でもおっけーかも」とか不穏な事を考えてしまいました。健気と後ろ向きは紙一重(^^; 健気は好きですが、後ろ向きなキャラはどうにも…(^^;

私的評価 ☆☆☆
(あとがきによると、兄はアダルト担当でそのうち…とのことなので、今からそれが楽しみな兄ファンです(笑))

 

 2004年02月03日(火)  黄金の拍車 花嫁の立つ場所

  X文庫WH   駒崎優:作   岩崎美奈子:絵

当初の予定よりも1ヶ月遅れですが、無事発売になりました、中世イングランドを舞台にした騎士たちのシリーズ最新刊です。今回のタイトルは「花嫁!?」と思わずリチャードかギルフォードに花嫁がくるというネタかと思ってしまいましたが、そうではなかったようです(笑)シェフィールドの町へ所用でやってきたリチャードとギルフォード。いつもと変わらぬ風景の町ですが、なじみの酒場「赤い鹿亭」へ一歩入った彼らはびっくりします。そこには無愛想な店主ピートではなく、若い女がいて…。

事件がいろいろと複合的に入り組んでいて、どうなることかとハラハラしながら読みました。途中までは全く違う2つの事件がどんどん集結していくので、どう人間関係が繋がっていくのかと目がはなせなかったです。「花嫁」ネタも、なかなか意表をついていたのではないでしょうか(笑)今回も楽しませていただきました。…そういえば、トビーがナタリ−の店にいくとかいかないとかいう話が出てきてましたが、…そんなに早いものだったんだろうかと少々びっくりしました。

私的評価 ☆☆☆☆
(レビューに入れなかったけど、中央公論新社のノベルズで、傭兵もののファンタジーも出ています。このシリーズと同じく、なかなかハラハラどきどき、楽しい作品でした。)

 

 2004年02月03日(火)  ペット心理療法士事件ファイル No.5

  パレット文庫   新田一実:作  富士山ひょうた:絵

ペットの言葉を理解できてしまう主人公が織りなす事件解決の数々を描いたシリーズの最新刊です。割とペースが早いですねえ。もう5冊目とは(^^; 大体2〜3ヶ月に1冊ですねえ。今回は、家の近所ではなく、知り合いの家で起こった事件です。主人公たちは、祖母に言われてしょうがなく祖母の知り合いの家へ行き、成りゆき上そこでしばらく泊まらせてもらうことになります。犬の言葉が判る主人公は、もちろんそこの飼い犬ともすぐに打ち解け、散歩に連れていったところ、なんととんでもないものを見つけてしまい…。

だんだん、事件解決以外には犬や猫の言葉を理解することに意味を見出せなくなってきたのが辛いところです(^^; トラブル召喚体質というか、危ない事に頭をつっこみたがるのはわかっているんだけど、ちょっと強引すぎたかな、今回は。たしかにタマがなにかと邪魔をしてるという気はしますが(笑)なんとかその厳しい目をかいくぐって、2人でラブラブになって欲しいと思うのですが、さて、いつになることやら…(^^;

私的評価 ☆☆☆
(時々犬の言葉が判ればなあと思う時もあるけど、判らないほうがいいこともあるのかもしれない(笑)とりあえず、ラスト近くのタマと犬の師弟コンビはちと恐いです(^^;)

 

 2004年02月01日(日)  天使×密造 1

  あすかCL-DXコミックス    佐久間智代:絵

雑誌CIELに掲載されているアイドルものがコミックスになりました。シリーズ化前に読みきりで描かれたものと、その後連載になって雑誌掲載された作品が収録されています。主人公たちは、デビューして8年になるアイドルデュオ。小柄で可愛い凛はバラエティ担当、かっこいい八雲は映画などにひっぱりだこで、今もトップアイドルとして人気を誇っている。しかし彼らにある転機がやってきて…。

雑誌は全くノーチェックだったので、新鮮に読みました。ところどころナゾな部分が垣間見えていて、これからどうなるのかが気になるところですが、お話としてはこれからで、やっとスタートラインなので、今後が楽しみです。個人的に、これボーイズラブな雰囲気なくても十分楽しめるよなあと思いつつ。一応主人公たちは恋人なんだろうけど、そうじゃなくても読めそう…というか、恋愛の部分は添え物っぽくなってます。まあ、それが佐久間先生カラーと言う話もありますが(笑)

私的評価 ☆☆☆★
(そして外見では判らないけど秘かに年下攻めで、そのあたりもちょっとツボです(笑))