2004年5月のレビュー

 

2004年05月29日(土)  譯詩曲の流れゆく

  ビーンズ文庫    駒崎優:作   雪舟薫:絵

歓楽の都シリーズの2冊目になります。ロンドンのある歓楽の街…いわゆる色街のような存在「レーン」で織りなす事件や人間模様を描いた作品の第2弾は、レーンで行われた殺人事件のお話です。ダドリーという純朴な大学生が、半分行き倒れ状態になっていたところをレーンの美しき宝石(レーンでの娼婦や男娼の名称)ショウに拾われます。ダドリーの話によると、友人とともに助けを求めてレーンにやってきたとのことですが、なんとその友人は物言わぬ姿となって発見されて…。

恋愛ネタよりも事件ネタと言う感じの作品です。まあ、このシリーズに関しては、あまり恋愛に発展しなくてもいいかなと思ってはいるのですが、それにしてもまるで兄と弟のような感じですねえ。ラブラブはラブラブなんでしょうけど、即肉体関係ということではないので、その辺を期待してはいけません(笑) ただ、事件のワクワク感や、健気なショウの隠れた面、そして純朴なダドリーの一途な思いは見どころかと思います。最後の解決方法がどうしても「国王」というのが禁じ手な気もするんですが(^^; まあ、そこはつっこまないでおきましょう。

私的評価 ☆☆☆★
(雪舟先生のイラストがとてもぴったりで麗しいです〜。途中のレイとショウの添い寝シーンなんか、もう、垂涎ものです!ショウの切なげな表情がたまらん…(笑))

 

2004年05月29日(土)  情熱の飛沫(しずく)

  GENKIノベルズ  遠野春日:作  円陣闇丸:絵

「ひそやかな情熱」のシリーズ3冊目が登場しました。ヤクザとも繋がりをもつ運送会社などの会社を経営する、青年実業家の遥とその秘書であり、恋人でもある佳人のお話です。今回は、佳人の高校時代の同級生が登場します。前作にて窮地を脱出する際クルーザーを借り出したことで、佳人の元主人の組長に恩のある遥と佳人は、断り切れずにクルージングに参加することになりました。その船の上で佳人は意外な人物とばったり出くわしますが…。

同級生という「過去を知る人物」が出てきたので、どう展開するのかなと思っていたのですが、意外な方向に転がっていった感じですね。前作よりもさらに2人の距離が縮まっていて、見ていてなんだか照れくさいぐらいです。前作ではまだ「言わなくてもわかる関係」にはなれていなかったようですが、今回では随分そんな関係に進んだというか落ち着いたというか。大人な2人の穏やかさと、相手を思う純粋さや真摯さがとても心地良い作品でした。まだもう1冊、シリーズとしては刊行予定とのことですが、脇キャラカップルも含めて、続きが楽しみです。

私的評価 ☆☆☆☆★
(CDも続編が決定したようです。今度は脇キャラの弁護士も出てくるし活躍するので、そのキャストも楽しみですね。)

 

2004年05月29日(土)  藤恋歌 〜スウィート・サレンダ−〜

  リンクスロマンス  十掛ありい:作  御園えりい:絵

雑誌小説エクリプスに掲載された「スウィート・サレンダー」がノベルズ化にあたって改題され、書き下ろしも収録されて登場です。江戸時代を舞台にした時代物のお話で、主人公は隠密として活躍する青年武士帯刀と、事件を通して出会ったある武家の次男坊の美少年縫之介。帯刀は辻切りのような事件から、縫之介の関与を知り、むりやり身体を奪うことで口を割らせようとします。しかし縫之介はなにも知らなくて…。

雑誌掲載時には「なんで時代物なのに英語のタイトル?」と違和感がありましたねえ。なによりもそれがインパクトつよかったなと思います(笑)強引なシーンがあったり、帯刀を助けるためとはいえ他の男に身体を差し出すシーンがあったりと、ちょっと辛い部分もあるんですが、まあ楽しんで読めたかなと思います。書き下ろしでは、とんでもない仕事の依頼をめぐってのどたばた劇で、ちょっとインパクトは弱いかなあ(^^; とりあえず、回を追うごとに可愛くなってくる受がポイントかと思います(笑)

私的評価 ☆☆☆★
(多分雑誌掲載時とはイラストが変わっていると思うのですが、どうも雑誌掲載の方は思い出せません(^^; 御園先生のイラストだととても受が可憐で、倍可愛く見えます(笑))

 

2004年05月29日(土)  ミステイク

  リンクスロマンス  水壬楓子:作  佐々木久美子:絵

エスコートシリーズの3作目は、まってました!(笑)私の一番お気に入りの真城が主人公のお話です。小説エクリプスに掲載された表題作「ミステイク」とその続編書き下ろしが収録されています。主人公真城は人材派遣会社「エスコート」のボディーガード部門のトップガードとして忙しい日々を過ごしています。彼は元々警察のSP部門にいたのですが、紆余曲折あって警察をやめエスコートに入った過去をもっています。そのせいもあり、極力逢いたくない相手もいる真城。しかしオーナー榎本の画策もあり、逢いたくない相手…過去真城がこっぴどく振って捨てた元恋人の清家…と一緒に仕事をするはめになりますが…。

わーい、やっと真城のお話が読めた〜♪何が一番好きって、真城が毒舌誘い受女王様キャラだということでしょうか(笑)それに振り回されるワンコ系年下健気(笑)攻の清家もすげ−好みで、雑誌掲載の時すごくすごく楽しんで読んだのを今でも覚えています。…というわけで、同シリーズの中では私の一押しカップル。続編も読めて大満足の1冊でした。好みはいろいろあろうかとは思いますが、女王様系受やヘタレ攻が好きな方はぜひとも御一読ください。

私的評価 ☆☆☆☆☆
(今回でやっと佐々木先生のイラストにも慣れてきました。…というか、涙目の清家にやられたという話もある(^^; しばらく間はありますが、次はオーナー榎本のお話になるそうです。これも楽しみです。)

 

2004年05月28日(金)  慰安旅行に連れてって!

   シャレード文庫   鳥城あきら:作  文月あつよ:絵

早くも続編が文庫で登場です。ガテン系な化学工場を舞台にしたお話の続編で、雑誌シャレードに前後編で雑誌掲載されたものと、その後の攻視点からの書き下ろしが収録されています。主人公は化学工場の品質保証課に勤める青年。前作で工場の製造部の若手リーダーと身体の関係をもったものの、自分の気持ちの整理がつかず上手くコントロールできないままでいます。そんな彼が抱えているのは工業排水の水質悪化というとんでもない事態。対応に追われてパニック寸前の主人公ですが…。

雑誌掲載されたのはついこないだだったような気がするんですが、やはりけっこう人気があるのか、あっという間の文庫化でした。主に受キャラよりの視点のお話なので、書き下ろしが攻視点のお話で新鮮だったり「こんなこと考えてたのか(笑)」と笑えたり、倍楽しめる感じです。とりあえず段々主人公の気持ちも定まってきたようだし、ただただやられてばかりだった1巻よりもかなり成長していて、攻の方がおたおたしてます(笑)そのあたりも見どころでしょうか。今後の展開もとても気になる作品です。

私的評価 ☆☆☆☆
(前作よりもラブラブで(笑)…これでお互い好きだとあまり明確に意思表示してなかったとは思えません(笑)まあ、今回やっとそういう告白ぽいネタになりますが、言わなくても大丈夫な気もします。ただ恋愛だけという関係ではなく、仕事上の信頼関係もあるからかな?)

 

2004年05月27日(木)  チエックインで幕はあがる

   キャラ文庫   秀香穂里:作   高久尚子:絵

秀先生の2冊目の文庫です。今回は有名外資系ホテルを舞台にしたお話です。主人公は大手外資系ホテルの秘書室に訳あって潜り込む事になったフリーライターの青年。待ち合わせのためにラウンジでお茶を飲む彼に隣の席の人物が声をかけてきました。その場はそこで名乗りもせずにわかれた2人ですが、その直後、総支配人として再会し、直属の秘書としてこき使われることになり…。

仕事をするキャラは基本的にすごく好きなんですが、これもかなりツボをついていて読んでいてとても楽しかったです。支配人の強引だけど的確な仕事ぶりとその姿勢の真摯さが気持ちいいというか(笑)とてもかっこよかったです。恋愛に関しては、関係こそいきなり無理矢理から始まっているというのもあってスタート部分だけは釈然としないんですが、でもただ一緒にいるのではなく、ある意味牽制しあい、そして支えあっていく2人の関係はとても好感が持てます。読んでいて全体にとても読みごたえを感じた作品でした。

私的評価 ☆☆☆☆
(とくにラスト近くでの経営会議に関してのお話が小気味良くてすごく好きです。良くやったみんな!って感じ?(笑)そしてそれだけ信頼されている支配人がやっぱりかっこいいですねえ。)

 

2004年05月27日(木)  緑の楽園の下で

   キャラ文庫   洸:作   宗真仁子:絵

祭り囃子のメンバー洸先生の初キャラ文庫は、書き下ろしでガーデナーの青年とそのクライアントでコンピューターシステムエンジニアの青年のお話です。主人公は海外で修行して力をつけ、自分で造園会社を作り経営している青年。元々父親も庭師で、今回は一緒に仕事をするということでクライアントの元を訪れました。大きな庭のリニューアルということで希望を聞いていると、そこにクライアントの孫にあたる青年が現れ、とんでもない事を言い出しますが…。

義月先生と共通だなと思ったのは、とても淡々とお話が進むところでしょうか。穏やかなイメージがとても強い作品でした。庭を通して見える様々な環境、そして2人の関係が段々と変わっていく過程がとても読みごたえがあって、楽しめました。主人公にとっての庭とは、ただの「庭」ではなくて住む人の心の安らぎを与える場なんだなとしみじみと思いつつ。恋愛部分がちょっとベタな気もしますが、最後には2人とも幸せそうだからいいのかな(苦笑) 最初こそ悲愴感が漂ってましたが、蓋を開けたらラブラブなカップルでした(笑)

私的評価 ☆☆☆☆
(ほのぼのゆったりした感じの作品で、大変好みでした(笑)ぜひ続編なんかも読んでみたいです。ひとまわり成長した彼らが読んでみたいなあ。)

 

2004年05月21日(金)  マジ惚れすんなよ!

   花丸文庫   真船るのあ:作   桜城やや:絵

真船先生のひさしぶりの文庫です。主人公はバイクが大好きで、好きなバイクを買うためにと校則違反のバイトに励む元気印の高校生。ある日バイトの途中でヘンな男に出会い、なんとファーストキスを奪われてしまいます。そして主人公の学校に人気アイドルが在籍していて、ようやく初登校を迎え騒然とする中、主人公のキスを奪ったあのヘンな男がアイドルとしてあらわれ、しかもなんだか主人公に懐いてきて…。

うっかり元気印キャラと天然わがまま王子キャラのカップルは、最近での真船先生の定番ですね。主人公の元気な姿は好感が持てますが、やはり物足りないと思うのは美人毒舌キャラの方が好みだからなんでしょうねえ(^^; こればっかりは好みの問題だからしょうがないかな。いろいろつっこみどころは多いんですが、とりあえずほのぼのしていて楽しい作品でした。

私的評価 ☆☆☆
(やっぱり一番好きなのは「ごはん〜」シリーズなんだろうなあ。あまりに初期に読んだ所為もあって、私の好みの原点なので(^^; 今花丸の雑誌で掲載されているのがちょっと気になるなあ…。)

 

2004年05月15日(土)  YEBISUセレブリティーズ

   ビーボーイノベルズ   岩本薫:作  不破慎理:絵

コミックスと同月発売になったコラボレ−ション企画「エビリティ」シリーズのノベルズです。小説b-Boyで掲載されたデザイナー同士のお話と、短編のマンガが収録されています。主人公和実は有名なデザインオフィスのデザイナー。人嫌いで引っ込み思案な彼は、わがまま傍若無人な天才肌の同僚久家が苦手です。しかしなにかと突っかかってくる久家と、共同で作業をするはめになり…。

小説b-Boyの方は読んでいたので、新鮮さはないですが、じっくり読めて楽しかったです。マンガを読んだ事で、さらに世界が深まった感じですね。ちょうど同時期の裏表っぽい描き方なので、それも楽しむポイントかもしれません。最初こそイメージ悪い(笑)久家ですが、段々ヘタレになってきて(書き下ろしではとんでもなくアホまるだしなことをやってますし(笑))それも私の好みポイントに近く(笑)いい感じです。今セカンドステージでデザインオフィスだけでなくそのオフィスのあるビルに勤める人が主人公になってしまってますが、これからも世界をどんどん広げていって、楽しいシリーズにしてほしいなと思います。

私的評価 ☆☆☆★
(元々岩本先生の作品も好きなんですが、今回のこの企画は、多分かなり編集さんの意見も入ってるんだろうなと思います。いつもと違う感じもする作品です。コミックスとあわせてどうぞ。)

 

2004年05月15日(土)  君に捧げる求愛(プロポーズ)

   ビーボーイノベルズ   高岡ミズミ:作  東野裕:絵

小説b-Boyに掲載された作品と、その続編書き下ろしが収録されています。元々同人誌で書かれていたメジャーリーグのシリーズで、花屋のバイトをしている青年と、日本での招待試合のため来日していた人気メジャーリーガーとの恋愛が描かれています。主人公の啓は花屋でバイトをしている青年。ある日配達のためホテルの部屋を訪れますが、いきなり部屋へ引きずり込まれ、乱暴されそうになります。絶体絶命のピンチを救ってくれたのは、もともとその部屋に泊まっているはずのメジャーリーガーのウォーランドで…。

同人誌掲載時にけっこう好みで楽しんで読んでいたので、まさかこれが雑誌掲載されノベルズになるとは思ってもいなくてびっくりしました。雑誌の方では別キャラのお話も掲載されていますが、最初に同人誌で読んだ時と比べて、どうもイメージが違う感じがするのは、イラストがついたからかもしれません。東野先生の絵はけっこうごついので…。まあ、ウォーランドのキャラはそれでいいんでしょうけど、ちょっと啓は可憐とは言い難いかな(^^;もうちょっと線の細いイメージだったので…。とりあえず、かなりファンタジー設定ではありますが(笑)楽しんで読みました。

私的評価 ☆☆☆
(同人誌再録と書かれていなかったのが少々気になりますが、まあ、同人誌再録を雑誌でして、その後ノベルズだからな(^^; 続きが読めるのは嬉しいので、楽しみにしています。)

 

2004年05月13日(木)  エゴイスト・ハザード

   ラキアノベルズ  今泉まさ子:作  雪舟薫:絵

本当は先月発売予定だったはずなんですが、予定がずれたようで、1ヶ月遅れで発売になりました。今泉先生の書き下ろしノベルズです。主人公は、ある会社の秘書室に勤めるエリート秘書。本社から長期出張でしばらく離れている予定だったのですが、不慮の事態になって本社に帰ってきます。その不慮の事態とは、社長が病気で入院してしまい、その代役としてアメリカからやってきた甥の副社長があまりにも傍若無人で、だれも秘書を勤めきれないというもので、主人公は秘書室の最後の砦として副社長につき、仕事をはじめますが…。

クールビューティーな主人公ですが、意外な過去ももち、また我が道をゆく副社長に振り回されて大変そうです(^^; この過去に関わる部分が少々えげつないといえばえげつないかもしれませんし、身体の関係になるいきさつもちょっと辛い感じですが、とりあえず結果的に笑えるくらいのバカップルになってるので(笑)まあ、いいかなと。かっこいい副社長と段々可愛くなる主人公がいいコンビです。でもちゃんと仕事はしようね(^^;

私的評価 ☆☆☆★
(仕事をするキャラは好きなので、仕事シーンは楽しく読めました。雪舟先生のスーツ姿のイラストがストイックでかっこいい〜!)

 

2004年05月13日(木)  したたかに甘い感傷

   ラキアノベルズ  坂井朱生:作  ほり恵利織:絵

坂井先生の久しぶりのラキアノベルズです。主人公は大学生になったばかりの青年。実家をでて兄と二人暮しをしていますが、兄はバイト等にも厳しく、門限を12時に決めて酒場でのバイトは厳禁になっています。しかしできれば稼ぎたい主人公、こっそりとお酒も出すタイプのお店でバイトをはじめますが、あっという間にそれが兄にばれてしまい、交換条件付きでなんとか許してもらいます。その交換条件とは、主人公にとって天敵にも等しい知り合いを頼れというもので…。

こういう「世間知らずでがんばりやな主人公を周りが放っとけない」というのは、坂井先生の定番な気がしますが、今回も同じく。とくに天敵なはずの青年が至れり尽せり(笑)めちゃめちゃ気を配って優しくて見ていても面白いぐらいです。主人公の兄と天敵の父の関係もピンと来てはいたんですが、実際に描写が少しでもあるとは思ってなくて、ちらりとだけ出てきたシーンで、めちゃめちゃこの2人の話が読みたくなってしまいました(^^; 大人なキャラの方が好みだからなあ、私(^^; 少々駆け足な展開な気もしますが、楽しませて頂きました。

私的評価 ☆☆☆★
(イラストの効果もあるんでしょうけど、大学生とは思えない幼いキャラに見えてしまっています。もうちょっと年齢高めだともっと好みかも(笑))

 

2004年05月13日(木)  Pink Piggy

   ラキアノベルズ  七地寧:作  蓮川愛:絵

七地先生と蓮川先生のタッグなので、「ひょっとしてインテグラ関係?」と期待して(笑)手にとりました。残念ながら同シリーズではなかったのですが(^^; 主人公は幼い頃心臓の持病をもち、アトピーも患っていて、その所為でちょっと太り気味だったという少年。やはり彼を取り巻く環境は非常に厳しく、イジメの対象になってしまっていました。そんな彼を守ってくれたのが幼馴染みの少年。いつもまっすぐに自分を見てくれた彼を大切に思い、成長して痩せ、健康にもなり容姿端麗になったにも関わらず、まるでインプリンティングされたかのように後を追おうと必死になる主人公ですが…。

口絵のイラストがちょっと小太りだった時代の主人公とその幼馴染みが並んで昼寝しているのを、成長した彼らが見守る、という構図なんですが、一瞬「親子ネタ?(^^;」と思ってしまいました。作品は七地先生らしい作品、という感じなんですが、どうしても後半は広げ過ぎた風呂敷っぽくなってしまうんですよねえ。2人の恋愛がどうして「研究」だのなんだのというネタにすりかわるんだろう(^^; 辛い思いをする主人公が報われるのは嬉しいんですが、なんだか最後は主人公たちそっちのけで話が進んでて、いいのかな?と首をかしげてしまいました。

私的評価 ☆☆☆★
(まあ、ある意味とても七地節健在という感じで、楽しませてはもらったんですが。この淡々とした語り口が特徴ですよね。私は好きなんですが、人によるかもしれないです。)

 

2004年05月11日(火)  青い蜜月

   SHYノベルズ  うえだ真由:作  如月弘鷹:絵

うえだ先生の新刊は、ある私立病院を舞台にしたお話です。…とはいっても、実際に病院のシーンは少ないですが(^^; 主人公は、私立病院の院長の息子として、将来を嘱望されている大学生。元々ひ弱な体質で、両親からの期待がストレスとなり、偏頭痛を持病として持っていました。今は同居している家庭教師だった青年医師の存在もあり、ほとんど偏頭痛は気にならなくなっています。そんな彼の日常が一転してしまったのは、皮肉にもその青年医師のせいで…。

最初想像していたよりもかなりシリアスで、しかもあまり救いようのない感じの(^^;お話でした。まさかこんなお話とは思いもよらず、読んでビックリです。うえだ先生の初期作品にこんな感じのがあったなあと思いつつ。思いは通じたのだろうけど、それでも「幸せ」とは全く思えない状況の主人公も相手も、読めば読む程辛くてちょっとへこんでしまいました…。強引な行為も、主人公の意志のないところで行われる様々な出来事も、ちょっと自分の趣味からは程遠かったので、ラブラブを期待した私にはつらかったです。

私的評価 ☆☆★
(如月先生のイラストだし、うえだ先生の作品も好きなので期待していたんですが、その期待とは全く逆の作品だった感じですね。私には「蜜月」とは思えないです…(T_T))

 

2004年05月10日(月)  YEBISUセレブリティーズ

  ビーボーイコミックス  不破慎理:作画  岩本薫:原作

小説とコミックの連動コラボレート企画として、雑誌で展開されてきた「エビリティ」こと「YEBISUセレブリティーズ」シリーズがようやくコミックスになりました。今月中旬にはBBNの方でも発売予定で、恵比須にあるデザイン事務所を舞台にしたお話です。コミックスの方は、デザイン事務所のボスと新人のバイトくんのお話、引っ込み思案なデザイナーとパリコレモデルのお話の2カップル分が収録されていて、その他にも四コママンガや原作岩本先生のショートストーリーも収録されています。

小説の方は雑誌で読んでいたのですが、マンガの方は初めて読むというアンバランスな状態で(笑)一応デザイン事務所の知識はある状態で読んだので、より楽しめた感じがします。 オレ様なボスに振り回されつつ成長していく元気印のバイトくんが可愛かったです。どうしても短いストーリーの中なので「どこで惚れたんだ(^^;」という疑問は残るものの(笑)これからもチェックしたい作品です。現在雑誌ではセカンドステージということで、別キャラのお話が掲載されているようです。

私的評価 ☆☆☆☆
(ついつい「このビルはホモだらけ(^^;」と思ってしまうのはイカンと思いつつ(笑) 小説とマンガの共演だからこそ面白い部分がある気がします。ノベルズの方も楽しみです。)

 

2004年05月08日(土)  武装の麗人 −プリティ・ガーディアン−

    ガイノベルズ   小塚佳哉:作   宝井理人:絵

今まで何冊かは読んでたんですが、初ガイノベルズレビューかも(笑)ボディーガードもののお話です。主人公は、要人警護のスペシャリストである青年。クールビューティーな彼は、アメリカから帰国してすぐ、人気のあるロックシンガーのボディーガードを依頼される。ファンのストーカー行為から守るために24時間体制で警護にあたる主人公。しかし守られる側のはずのロックシンガーは堅苦しい事が大嫌い。縛られることにうんざりして「オレの相手をしろ」と言い出しますが…。

ボディーガードものの定番のような(笑)お話でした。傍若無人な守られる側に翻弄されてしまうクールビューティーキャラのボディガードがけっこう好みです。ただ、カップルとしては、強引な関係から始まったというのがネックだったかなあと。ボディーガードネタのわりにはあんまり事件にインパクトがなかったのも残念でした。まあ、事件に焦点を当てればもっと恋愛部分が薄くなるんだろうなとは思うので、どちらに重点を置くか、ということなんでしょうけど。基本的に「仕事をするキャラが好き」なので、そういう意味で物足りなかったかな。

私的評価 ☆☆☆
(なんだかイラストを見てると受2人みたいな感じで(笑)男っぽさはあまり感じません。受はともかく、けっこう傍若無人キャラの攻はもっと骨太な絵でもよかったのかもなあ。)