2005年11月のレビュー

 

 2005年11月30日(水)  愛欲トラップ

   ルビー文庫   藤崎都:作   蓮川愛:絵

トラップシリーズ最新刊は、前作「束縛トラップ」にてちらりと顔をだした、前作の攻キャラ黒川の弟、高校生の彬が主人公です。彬は名門の男子校に通う美少年。兄の秘書に恋心を抱いていますが、その秘書は、どうやら自分の母親を好きだったらしいと聞き、失恋が確定してしまいます。どうしてもあきらめきれない彬は、最近は疎遠になっていた幼馴染みに「抱いてくれ」と頼みますが…。

かなり鈍感というか天然ボケ風味なところがある主人公ですが、一途なのは伝わってくるし、相手キャラの健気さが凄くわかるので、どちらかというと相手キャラの方が見どころなのかもしれません。そしてまたもや萌えツボの武道系(笑)攻キャラの弓道着姿のイラストにうっとりでした…。いや、学ラン姿もかっこよかったですが(笑) 一応は「トラップ」シリーズにはなるんでしょうけれども、シリーズといっても、キャラが微妙に被ってるだけで、最初の作品とは遠く離れてしまいましたが(笑) 私は今回のキャラ達が一番好きです。

私的評価 ☆☆☆★
(結局のところ、どれだけ攻キャラが健気だったかというのが、好みに反映してる気がします。今までけっこうわがままキャラが多かったもんなあ…。今回はワガママよりも健気なので(笑))

 

 2005年11月30日(水)  夢はきれいにしどけなく

   ルビー文庫   崎谷はるひ:作   高永ひなこ:絵

「キスは大事にさりげなく」の続編になります、志澤&藍シリーズの2作目です。主人公は有名日本画家の孫の少年藍。前作で祖父の急死をきっかけに志澤グループの後継者の青年知靖と暮しはじめ、心を通わせあった…はずでしたが、どうもすれ違う日々が続き、不安を抱いています。知靖の方も藍へ異常な関心を寄せている美術商に挑発をうけて警戒を強めますが…。

うわー、またえげつないキャラがでてきたなあ…と、美術商の描写に思わずため息。こういう偏執狂的なキャラを描かせるとたしかに素晴らしいとは思いますが、重すぎます…(^^; でも、そこからまるで浮上するかのようなエピソードもちゃんと書かれていて、そのシーンがなにより涙腺を刺激してくれました。本気でぼろぼろ泣いちゃいましたよ、主人公に感情移入して。とにかく息つく暇もなく怒濤のように読んでしまった作品でした。

私的評価 ☆☆☆☆
(一応3部作ということで次作でちゃんと完結するそうです。40年前の確執も含め、どういう結末を迎えるのか、とても気になります。)

 

 2005年11月29日(火)  水に眠る恋

   リンクスロマンス  可南さらさ:作   円陣闇丸:絵

可南先生の久しぶりの書き下ろし新刊です。主人公は、空調設備などのビルメンテナンスを主に行う会社に勤める青年。空調システムの変更の打ち合わせをするため、ある大学病院を訪れた主人公は、そこで意外な人物と出会います。それは、高校生の時に心を通わせあい、その後主人公の事情のせいで裏切ってしまった相手で…。

可南先生らしい切ない描写の溢れる作品でした。主人公の気持ちがとってもわかるし辛くて、思わず涙が浮かんでしまったぐらいです。家族と恋人の板挟みになって苦しむ主人公ですが、2度と後悔したくないと思う気持ちが、2人を幸せへと導いていくのかなと思います。かなり激しい妹の反対にあうのですが、ただ妹の気持ちもわからなくもないなあ。同じ家族の反対でも、これは許せる範囲だなと思いました。過去が過去だけにね(^^; 個人的には家族との別れのシーンが一番泣けるシーンでした。

私的評価 ☆☆☆☆
(…本当に泣いてしまったのはナイショです(笑) 久しぶりに本を読んで涙腺が緩みました…(笑))

 

 2005年11月29日(火)  ただいま定修中!

   シャレード文庫  鳥城あきら:作  文月あつよ:絵

雑誌シャレードに掲載された「許可証をください!」シリーズの4冊目になります。化学工場が舞台の人気シリーズで、書き下ろしで雑誌掲載後のエピソードも収録されています。今回は「定修」…つまり「定期修理」中に起こったあれこれが描かれています。主人公で化学工場の品質管理課所属の弘は、定期修理期間を利用して、システムのテストにかかりきり。恋人の前原は営業から研修にやってきた徳永の世話をしたり、弘にちょっかいを出す定年退職した大先輩にやきもきしたりと定期修理中でも気の休まる暇がないが…。

前作であまりにも弘の天然ぼけっぷりがひどくて、正直「…ちょっとついていけないかな…」と思ってたんですが、今回はそこまでボケっぷりはひどくなかったのでまあ許せるかなと。それでも社長への言い訳とかとんでもないですが(^^; 弘がかなり思いきった行動に出たので、逆に前原が翻弄されて大変なことになっています(笑)これ、なにより続編が気になってしまうかも。いよいよ佳境に入ってきた…ということでしょうか。

私的評価 ☆☆☆☆
(今回はちゃんとお互い気持ちが前提としてあった気がする。なんとなく気持ちをすっ飛ばしてしまっている感じだったのが、前作までの気になる部分だったので…。今までで一番、満足度が高いです。)

 

 2005年11月26日(土)  うさしくん 2

   ウイングスコミックス・デラックス  南野ましろ:絵

雑誌ディアプラスに掲載されているショートコミックの2冊目のコミックスが発売になりました。巻頭にあるカラー部分と、あとがきが書き下ろしで、後はすべて雑誌掲載のもののようです。主人公は10匹の動物たち。ウサギのうさしくんをはじめ、個性的で可愛いキャラクター達が、今回も微笑ましくてちょこっとシュールな日常を過ごしています。

前のコミックスは、たしか子供に読ませて「可愛い!」とハマらせたような記憶が…(笑) もう中学生なので、読んでくれないかもしれません(笑) ほんの些細な日常が、このキャラ達にはとても凄いことで、日々楽しく(笑)幸せにほのぼの過ごしているのが、とてもとても和みます。なんとなく読むとホッとする、癒し系コミックスです。個人的にはこんなの早起きネタが一番笑えました。…てか寝てないじゃん…(笑)

私的評価 ☆☆☆☆
(二日酔いのかっぱくんも好きだなあ…(笑) ましろ先生ならではなちょっとシュールな発想のお話がたまりません。)

 

 2005年11月25日(金)  蒼天の覇者 〜風の系譜〜

   SHYノベルズ   高岡ミズミ:作   夢花李:絵

高岡先生の初SHYノベルズは、内モンゴルが舞台のお話です。主人公は、アジアの文化を研究している大学研究室の助手の青年。調査のためにウランバートルの大学へ赴いた主人公たち研究室の一行は、そこで大ハーンの秘宝を代々守っているという部族の話を聞きます。興味を覚え、そこへ向かうことにしますが、途中で教授が体調を崩し、また案内人も「そこへ行くと呪いを受ける」と嫌がって引き返そうとしてしまいます。なんとか辿り着きたいと1人砂漠の中を目的地へ進む主人公ですが…。

モンゴルが舞台というのは、ボーイズラブでは初めてかも。砂漠ネタだと大体中東あたりなので、なんだか不思議な感じです。でも、逆に新鮮で面白かったなあ。中東だと強引なキャラが多い気がするんですが、この作品の場合は、とても真摯なキャラだったので満足度も高いです。いろいろ壁があって大変な主人公たち2人ですが、情熱があれば幸せになれるのだなと思いつつ。思いきったエンディングにはびっくりしました。

私的評価 ☆☆☆★
(夢花先生の透明感のある絵が凄く似合います。受2人に見えちゃうのはしょうがないですが(笑)なんとなく攻キャラがけっこうガタイよさそうな描写だからなあ…(^^;)

 

 2005年11月25日(金)  秘書の条件

   キャラ文庫   佐々木禎子:作   史堂櫂:絵

全編書き下ろしのサラリーマンもののお話です。主人公は、建設会社の秘書室長を勤めるクールビューティなサラリーマン。実は過去に海外で3日間だけの忘れられない出会いがあり、その恋に今も囚われています。その過去はおくびにも出さず、仕事をこなす主人公ですが、鳴り物入りで入ってきた専務にいきなり専務秘書として引き抜かれることになります。実はその専務は、まさに引きずっている過去の相手に瓜二つで…。

真面目でクールなのは表向き。実はとてもいろんな事を考えてぐるぐるしている主人公ですが、外見は全くそう見えないのが随分と周りのキャラを翻弄させている原因なのではと思います。一見無茶を言って翻弄しているように見える専務が実は翻弄されているという(笑)お互いにさっさと話し合って楽になったらいいのに…(笑)と思いつつ、この攻防が面白いという話もあります。結局のところはらぶらぶだったということで(笑)オチがついた感じでした。

私的評価 ☆☆☆
(こんなセクハラ三昧な専務はいやだなとは思うんですが、最初からお互いに気持ちがあることがわかってるから、まあいいか(^^; 無理矢理な感じもあまりなかったし…。)

 

 2005年11月25日(金)  プライベート・レッスン

   キャラ文庫   桜木知沙子:作   高星麻子:絵

桜木先生の書き下ろしの新刊は、大人しい高校生が主人公のお話です。引っ込み思案で大人しい主人公陸は、親友の対木へほのかな思いを抱いていました。が、一緒にいられたらそれでいい、と恋の成就までは望んでいません。ある日対木と共に合コンに参加した陸は、いざこざに巻き込まれ頭から飲み物を被ってしまいます。その店でバイトをしていた対木の先輩笹渕にシャツを借りますが、いきなり笹渕から「対木が好きなら、男と付き合うレッスンをしてみないか」と言われて…。

引っ込み思案な主人公は、桜木先生キャラらしい、一本芯が通ってる感じのする健気キャラで、対木も男らしいし笹渕も優しくてかっこいいし、流れは強引に見えてもそんな印象が少ないので、読んでいてもほのぼのした感じしか受けませんでした。完全無欠なキャラじゃなくて、とても人間的な笹渕は私のイチオシでございます(笑)久しぶりに和みながら読んだ作品でした。

私的評価 ☆☆☆★
(きちんと気持ちが伝わるあたりのエピソードが一番好きです。対木もイイ味出してて素敵で、なんだか絵で見てみたい気もします。)

 

 2005年11月25日(金)  てのひらの星座

  キャラコミックス  穂波ゆきね:作画  桜木知沙子:原作

雑誌キャラに連載された作品が、早くもコミックスで登場です。主人公は、普通の大学生の青年。大学進学を機に主人公の家に下宿することになった1つ年下の従弟は、主人公が昔とても可愛がった弟分でしたが、七年ぶりに再会してみたら、自分よりも背が高いイイ男に成長していました。しかしどうも他の家族と比べても自分に対してだけ態度が冷たく、釈然としない主人公ですが…。

雑誌で全部見ているとはいえ、やっぱりこうして一気に読むと読みごたえがあります。しかし、分厚いなあ、このコミックス…(笑)主人公たちの焦れったい恋愛だけでなく、個性的な脇キャラたちの助け舟や悪人チックな行動が(笑)なかなか面白かったです。お邪魔虫キャラ2人が意外といいコンビなのは気のせいだろうか。この2人がカップルになっても全然驚かないなあ…っていうかぜひ読みたいです(笑)

私的評価 ☆☆☆★
(穂波先生の柔らかな絵がぴったりで、可愛らしい感じのお話です。そーいえば、この口絵のテレカあたったんだったなあ〜。友人に譲ってますが。そう言う意味でも縁がある作品です(笑))

 

 2005年11月22日(火)  星影の城

   プリズム文庫   島田純子:作   氷栗優:絵

同じくプリズム文庫創刊のうちの1冊です。歴史物系というイメージの強い嶋田先生ですが、これもちょっと歴史系に近い…かな?主人公は、進学のため本家である従兄の家に居候することになった高校生。小さい頃から憧れていた従兄と一緒に過ごすことができて喜んでいました。実はその本家は昔武将が大蛇を退治したという伝説の残る街の、まさに武将の血を受け継ぐ家で、大蛇退治の奉納神楽を主人公と従兄が舞うことになってしまいますが…。

歴史物がベースになっているのですが、そう難しいわけでもなく、さらっと読めて意外な面白さがありました。武将の霊が出没したりもしますが(笑)ちょっと笑えるぐらいにドライで進んだ霊なので面白いです。最初は完全無欠に思えた従兄も、実は少々ヘタレだったりするので、余計にツボに近かったのかなとは思いますが、どうももう1つ読んだ作品といい、プリズム文庫って「意外と面白かった」系になりそうな気配が…(笑)

私的評価 ☆☆☆★
(従兄と先祖の霊の掛け合いシーンが一番面白かったです。物足りない部分もある気はするんですが、私は結構好きな感じでした。)

 

 2005年11月22日(火)  深紅のフェロモン

   プリズム文庫   真崎ひかる:作   桜城やや:絵

オークラ出版から、新しい文庫レーベルが誕生しました。括りとしては、どのレーベルと一緒なのかは謎なんですが(^^; アクア文庫はリバイバルものだから、新刊の系統ということでしょうか。主人公は、芸大の音楽学部に通う青年。憧れの女性とのデートの待ち合わせ場所へと急ぐ彼に、見知らぬ男が声をかけてきます。良くわからないことを言われて戸惑っている主人公に、いきなりキスをしてきたその男。呆然とした主人公は…。

なんだか、思っていたよりもコミカルで面白かったです。蓋を開けてみればちょっと人外チックなんですけど(笑)けっこう突飛な設定で、でもその設定が意外にイイ効果をかもし出している気がします。せっかくなので設定は読んでのお楽しみということで。…レビューがかなり中途半端なのはお許しを。私が一番ツボだったのは、攻キャラの兄弟たちでした。とくに末の弟最高〜。ちょっと欲しいかもしれん(笑)

私的評価 ☆☆☆★
(主人公や攻キャラがパイプオルガン奏者というのは、初めてです。パイプオルガンの音は重厚で好きなんですが、なんとなく教会のイメージが強いので、違和感が…(笑))

 

 2005年11月18日(金)  捨てていってくれ

   ビーボーイノベルズ  高遠琉加:作  金ひかる:絵

小説b-Boyに掲載された作品と、その続編書き下ろしが収録されています。前作「犬と小説家と妄想癖」の別キャラのお話になります。主人公は、弱小出版社のエロ雑誌の編集部で働いているバイトの青年。純朴で真面目な彼ですが、バイト先の上司である、前作でも登場していた美人で毒舌なやり手の編集長とセフレ関係にあります。…というよりもどうも下僕っぽく(笑)いろいろやり込められてばかりの主人公。就職活動期に入り、大学のゼミ仲間の女の子に、どうしてもといわれて編集部に見学に連れてきたすぐ後から、編集長の様子がおかしくなって…。

ちょうど、「犬と〜」の発売のすぐ後ぐらいだったかな、雑誌掲載の時期が。で、余計に萌えたのをよく覚えています。前作もツボだったんですが、今回はとくに自分の萌えツボである「毒舌美人意地っ張り受」及び「ヘタレわんこ攻」だったので、満足感もひとしおです。続編は、過去の男も出てくるし、心が休まる暇もない攻ですが、でも本当に愛されているのはちゃんと伝わってくるので、心配はいりません。最後のナイショ話が凄く気になってしょうがないので、ぜひ、続編を期待したいです。

私的評価 ☆☆☆☆
(最近は雑誌も読まなくなってきているのですが、この作品のショートストーリーは読んでみたいかもしれない…。買おうかなあ…)

 

 2005年11月15日(火)  マイ・ガーディアン

   ルチル文庫    李丘那岐:作  やしきゆかり:絵

李丘先生の初ルチル文庫は、幼馴染みもののお話です。主人公は、養護施設出身の小学校の先生。家庭には恵まれなかったものの、施設での仲間たちと、今もつながりを持って家族同然に付き合っています。そんな彼らの育った施設が、なんだか随分様変わりしているという話を耳にした主人公は、様子を伺いに行きますが、思っていたよりもその状況はひどく、なんとかしたいと仕事を辞めてまで、その施設へ戻る決意をしますが…。

自分の魅力には鈍感な主人公ですが、本人なりに一生懸命で(笑)そこが天然でツボです(笑) お話としては、虐待なんかも関わってきて、ちょっとハードなんですが、キャラクターの面白さでそこまでシリアスムードにはならないギリギリを保っている気がします。脇キャラも魅力があるし、お話のテンポも良くて、一気に読みました。悪徳弁護士なキャラが、主人公相手には全くもって余裕が無くなるのは笑えます(笑)

私的評価 ☆☆☆★
(やしき先生のイラストって久しぶりな気がします。以前からけっこうこの方のイラストの作品は当たりが多かったのですが、これもまあ結構好みかな。虐待だけは頂けないけど…(^^;)

 

 2005年11月15日(火)  不機嫌なエゴイスト

   ルチル文庫    高岡ミズミ:作   蓮川愛:絵

カフェ「エスターテ」を舞台にした、3兄弟のそれぞれの恋を描くシリーズの2作目は、次兄でカフェのマスターである冬海のお話です。お相手は、幼馴染みでもあり、カフェの常連として前作にも顔を出していた大学生洸。洸は小学生のころからの常連で、サーフィンを教えてくれた冬海にとても懐いていました。でも、8年前に起こった洸の兄の事故死から、冬海はすっかり変わってしまいます。それでもずっと思いを寄せ続けてきた洸。ある日末っ子の朋春が洸にサーフィンを教えて欲しいと持ちかけますが…。

実は前作で一番冬海が好みで(笑)すごく楽しみにしていたんですが、蓋を開けてみたら、あら?ちょっとイメージと違うところがある…かな?(^^; というお話でした。まさかここまで困ったキャラとは思いも寄らず、ちょっとびっくりです。でもまあ、洸が健気で可愛いのと、いずれは超ベタ甘カップルになりそうな気配なので(笑)それにラストあたりでのサーフィンシーンがめちゃめちゃかっこよくて(イラストではなく、冬海の描写が!)…すいません、そのシーンだけでも私はOKかもしれません…。

私的評価 ☆☆☆☆
(長兄よりも複雑なキャラだとは思っていましたが、なんだかほんとに難解なヒトでした…。次は末っ子朋春。…受だと思ってるんですけど、このキャラで攻だったらどうしよう(笑))

 

 2005年11月10日(木)  G1トライアングル

  ディアプラス文庫  いつき朔夜:作  ホームラン・拳:絵

いつき先生の初文庫になります。小説ディアプラスに掲載された表題作と続編書き下ろしが収録されています。タイトルでわかる通り(笑)競馬モノで三角関係です(笑)主人公は新気鋭の騎手の青年。まだG1には騎乗してはいませんが、めきめきと力をつけてきています。そんな彼が乗りたいと願っている馬が、「ラクシュミ」という馬。実は主人公の父も騎手で落馬事故により命を落としており、ラクシュミはその落馬事故を起こした馬の子供にあたります。走れる馬なのに他の騎手の騎乗で上手く勝てなかったことなどがあり、ラクシュミに乗るために、馬主の青年に直談判に赴いた主人公ですが…。

なんだか凄く呼んだことがあるなあ…という流れなのは、リーフで出ていた高尾先生の騎手と馬主のお話とどうしても被ってしまうからなのかな(^^; まあ、その辺りはしょうがないことだとは思いますが、それなりに楽しく読むことができたのでいいかなと思います。どちらかというと、雑誌掲載分よりも続編の方がよかったかも。走れなくなったラクシュミとの邂逅のシーンが一番ジンと来ました。

私的評価 ☆☆☆
(三角関係のあたりはちょっと唐突な感じでしたが、続編あってこその作品という感じでした。)

 

 2005年11月10日(木)  仁義ある密愛 〜究極の美髪を求めて〜

  プラチナ文庫   高月まつり:作  富士山ひょうた:絵

美背中シリーズ(笑)こと仁義シリーズの番外編にあたります、高月先生の全編書き下ろしのフェチコメディです(笑) 主人公は前作での主人公の兄のような存在で、氷の帝王の異名を持つ、元香野組の若頭で今も香野をひっぱっている正宗。実は彼には恋人と呼べるような相手がいます。出会いは十年前、あるパーティがきっかけでした。2人は同じような立場にいることで、十年前を思い出して回想をはじめますが…。

えー、正宗のお話です。しかも十年前なんていう昔のお話なわりには今もらぶらぶで笑えます(笑)相手は、今までにも出てきたキャラなんですが、私はすっかり受だとばかり思ってたのでびっくりしました〜。っていうか正宗も攻だと思ってた…(笑)根本からビジュアルが異なってたので、まあこの勘違いもしょうがないかとは思います。今までは背中フェチでしたが、今回は髪の毛フェチ(大笑)なかなか楽しませてもらいました(笑)次はどんなパターンで来るのか、楽しみです。

私的評価 ☆☆☆★
(とんでもなくすっとんでるお話でコメディだからこそ突き抜けてて楽しめるのかもしれません。期待と逆のカップリングでも全然オッケーでした。…ていうか正宗可愛すぎ(笑))

 

 2005年11月10日(木)  Cat&Dogs!

     GUSHコミックス    葛井美鳥:絵

GUSH系のアンソロジー「Chips!」に掲載されていたシリーズがコミックスになりました。…といっても私はその存在を知らず(笑)全くの初見です。主人公は大学に入学したばかりの元気な青年。ずっと剣道を続けている彼は、憧れの先輩と一緒に剣道をするのを楽しみにしていましたが、当の先輩は剣道部には所属しておらず、しかも高校時代にその先輩のライバルとして活躍していたやつまで剣道部に所属していて…。

剣道萌え〜(おい) いや、マジで子供がやってて身近というのもあるんでしょうけども、剣道ってかっこいいんですよ。防具は臭いけど(笑)本当に強い人の所作は凄く綺麗だし、気迫もすごくて、子供のやっている会の先生(練士ですね)はもう初老のおじいさんなんだけど、そんな年齢感じさせないぐらいすごいので、なんだかもう別の意味で萌えてしまっておりました。元より葛井先生は好きな作家さんの1人なので、とても楽しんで読みました。これ、続編でたらいいのになあ。

私的評価 ☆☆☆☆
(先輩のお相手キャラ土佐が他のシリーズに出ているとあるんですが、それってどこなんだろう?(^^; あまり最近はコミックスや雑誌に手を出しておらず、気になっています。)

 

 2005年11月04日(金)  歳星天経 斎姫繚乱

  X文庫ホワイトハート  宮乃崎桜子:作  浅見侑:絵

後発ながらハマっております、斎姫繚乱シリーズ7巻目になります。平安時代を舞台にした、不思議な力をもち、「神の子」として降嫁した姫宮とその夫である末端貴族(笑)の義明とが活躍するシリーズですが、前シリーズ斎姫異聞の最後で記憶を失ってしまった義明。記憶がないまま、姫宮との婚姻関係は続いており、月の遣いである香久夜の陰謀にも巻き込まれ、不安定な状態が続いています。そんな矢先に、義明の記憶を共に封じてしまった龍の宝珠が再び動きだしたという知らせがまいこんできて…。

こちらもようやく物語が動きだした感じです。というかやっと記憶が戻った〜!(大喜び)遠慮がちな義明もツボでしたが、やっぱりあまりにも宮が可哀想で、早く記憶を取り戻して欲しいと思っていたので今回は満足(笑) しかし7冊もかかったあたり、やはりスローペースですなあ。記憶を取り戻した義明はちょっと強引になってて(笑)宮の戸惑いも含めて楽しいです。…っていうか、はやくちゃんと夫婦になれよ…(^^; 

私的評価 ☆☆☆★
(そういえば、いつのまにか貴子が出産などという話になっててびっくりです。…仕事が速いな、義時…(笑))

 

 2005年11月04日(金)  麦とぶどうの恵みより 黄金の拍車

  X文庫ホワイトハート  駒崎優:作  岩崎美奈子:絵

「黄金の拍車」シリーズの5冊目になります。今回はいつもの舞台シェフィールドから抜け出し、ヨークにある大聖堂で事件の解決に飛び回るリチャードとギルフォード。いろいろな思惑渦巻く大聖堂での彼らの活躍が描かれています。主人公リチャードたちは、いつものように酒場に顔を出したところ、執行長官であるヒューバートから呼び出しを受けていると知らされ、彼の元へ赴きます。すると天敵(笑)ジョナサンからヨークへ来て欲しいという依頼があったと聞かされて…。

いよいよ物語も佳境になってきた感じですねえ。基本的にはリチャードの生い立ちがかなり鍵を握るのですが、今回は事件よりもその辺りの動きについ目がいってしまった感じでした。事件も結果的にはあまりすごい内容でもなかったしなあ…(^^; どちらかというと、今回は次以降に大きく動くお話の伏線、という感じが強かったです。ジョナサンも今回は場所が場所だけに大人しかったしなあ。次はいよいよ叔父さん(笑)である国王との対面が待っています。頑張れリチャード〜。

私的評価 ☆☆☆★
(裏表紙のあらすじに「クライマックスへ」とあるんですが、やはし次で終わりなんでしょうか。気になるぞ(^^;)