2005年12月のレビュー

 

 2005年12月27日(火)  熱に溺れる

   アルルノベルズ  いおかいつき:作  桃山恵:絵

全編書き下ろしで歌舞伎の世界を舞台にしたお話です。主人公は壮年の歌舞伎役者に心酔し、口説き落として付き人にならせてもらったという曰く付きな経歴をもつ美しい青年。あまりの美貌に、口さがない人は実は愛人ではないかと囁いていたりもしますが、実際には関係はなく、主人公の片思い状態です。ある日、歌舞伎役者から、自分の息子の付き人が事故にあったため、代わりに付き人をつとめてくれないかと頼まれ、引き受ける主人公ですが…。

どうやら着物シリーズでもあるようです(笑)前作も着物を着ているキャラだったからかな。歌舞伎という特殊な世界を描いているのですが、なかなか華やかだし、でもキャラたちは真面目で地道で(笑)好感の持てるお話でした。まあ、少々無理矢理な部分はある気はしますが、それでも納得できるお話でした。着物も萌えです(笑)楽しく読むことができました。短編の書き下ろしでは、攻視点からのお話も読めてお得かも(笑)

私的評価 ☆☆☆★
(桃山先生のイラストが凄く雰囲気にあっていて素敵です。桃山先生は和風なイメージなのだなあと実感しました。)

 

 2005年12月27日(火)  暁 −SUNGLOW− 硝子の街にて

   X文庫WH    柏枝真郷:作  茶屋町勝呂:絵

硝子の街にてシリーズもとうとう佳境に入って来ました。9.11から半月が過ぎたNYを舞台に、今回もシドニーとノブが活躍します。旅行は全体に自粛傾向にあり、ノブの勤めるスカイトラベル社も閑古鳥がないていて、シドニーは忙しく走り回り、消防士のスティーブは様子がおかしくて誰にも逢おうとしません。いろいろな人々が必死にNYの街で生きていこうとしていますが…。

具体的にこれを含めあと2冊、と残り冊数が出ましたねえ。少しずつ少しずつシドニーとノブの距離が縮まり、いろいろな問題があって幸せを満喫…とまではできないまま9.11に突入してしまい、シドニーの湾岸戦争症候群的なネタや、これからの街の移り変わりなど、気になることはつきませんが、こうして並べて見るとなんだか感無量です。…とはいえかなり後からのファンなので偉そうなことは言えないのですが(^^; ともかく、あと1冊。どうぞ、誰もが笑えるような、そんな大団円であることを祈っています。

私的評価 ☆☆☆★
(本棚に並べた文庫を見て、すごいなあとしみじみ。完結したら、また読み直そうかな。)

 

 2005年12月27日(火)  リミット

   リンクスロマンス  水壬楓子:作  佐々木久美子:絵

人気の「エスコート」シリーズの一応最終巻になります。人材派遣会社「エスコート」のボディーガード部門のトップガードたちを描いていったこのシリーズですが、ラストを飾るのは、小説リンクスに掲載された、トップガードである青年と、調査部に属する同期の相棒のお話です。調査部に属する由惟は足が不自由で調査部にいるものの、実はもともとはトップガードになれるぐらいにレベルの高いガードでした。足の自由を失う原因となった事故には、相棒の現在トップガードになっている良太郎も関わっており、献身的に由惟を支える良太郎ですが…。

うーん、微妙にヘタレ攻めなのか…?(笑)書き下ろしなんかは、どうにも尻に敷かれているのでヘタレモード驀進しておりましたが、表題作はけっこう男前なんだよなあ。でも、ミステイクの次にツボにハマったカップルでもあったので、楽しく読む事ができました。一応このシリーズは一段落とのことですが、彼らのその後なんかもぜひ読んでみたいし、エンドマークと言わず、また書いて欲しいなあと思っています。

私的評価 ☆☆☆☆
(CDも順次発売になっていますが、フィフスまでちゃんとCDにするのかなあ(^^; 実は榎本のキャスティングが受というより攻声な方なのが気になってしょうがないのでした。)

 

 2005年12月27日(火)  タイトロープ・ダンサー STAGE3

   リンクスロマンス   久能千明:作  沖麻実也:絵

ようやく、青の軌跡のシリーズ最新刊が発売になりました!まだまだ佳境のまっただ中にいる三四郎とカイ。前作で三四郎が昔属していた組織の計画に巻き込まれ、しかも「カタルシススペル」でジュールベルヌから追い出し、宇宙をさまよっているはずのグイドやサーシャまでその計画に参加していると聞き驚く三四郎たち。しかし選択の余地はなく、その計画の一員として参加することになり打ち合わせを始める彼らですが…。

なんだかもう、ラブ部分がすっとんでますねえ(笑)三四郎はすっかり昔の三四郎になっちゃってるし、ジュールベルヌにいる時の、カイのバディとしての三四郎が好きな私にとっては、少々物足りない…というかよそ見すんじゃねえよ三四郎!と思ってしまったりしますが(笑)まあ、それも御愛嬌。ラスト近くでは戦闘がとんでもない流れになり、しかも三四郎とカイが離ればなれになってしまっています。…これでまた1年待つのは辛いなあ…。早めにお話が進むことを切に祈っています。

私的評価 ☆☆☆★
(もう3冊もドンパチやってるんだなあ(^^; 早く決着をつけて、ジュールベルヌに戻って欲しいと思うのですが、…いつになることやら。)

 

 2005年12月27日(火)  予言の獣 1

      ウィングスコミックス   十波妙子:絵

わーい!再開したよ〜ってなわけで、私のお気に入りシリーズの1つだった、「裁きの血」シリーズが再始動。またウィングスで連載されるようになり、新刊も無事発売になりました。そういえば今は亡きサウスに掲載されてたんだよねえ、このシリーズの最初って。今回のお話は灰色はがねのナイトリーと新しく出会った緑の精霊との新たな旅を描いています。ナイトリーは魔法使いと共に旅を続けていましたが、ある日いきなり魔法使いとの別れが来てしまい…。

個人的にはナイトリーよりビスキュークランの方が好きなんですが、ビスキュークランの剣の師匠がナイトリーだから、これは随分時代が前になってしまうんだろうな。いろいろ事情がありそうな魔法使いといい、離ればなれになってしまい、思った以上に弱っているナイトリーといい、ほんとに続きが気になってしまいます。次の巻は初夏頃には出るようですが、楽しみですね。

私的評価 ☆☆☆☆
(いつも可愛い面白動物や面白植物(笑)に楽しんでいたのですが、今回はあまり作中にはないなあと思っていたら、カバー裏がいろいろナイトリーな柄で楽しかったです。四コマも大笑いでした。)

 

 2005年12月24日(土)  絶対に負けない恋愛

   GUSH文庫   鳩村衣杏:作  金ひかる:絵

雑誌GUSHに連載されたサラリーマンもののお話と、その続編書き下ろしが収録されています。主人公は、広告代理店に勤めるプランナーの青年。引っ込み思案で自分で立てた企画でも上手く話すことができないため、コンプレックスになっています。ある日尊敬するプランナーが講師をするセミナーに参加し、終わってから思いきってそのプランナーに弟子入りさせて欲しいとアタックする主人公。ちょうど本になる題材を探していたプランナーは、弟子入りの話を受け入れますが…。

わりと、前から仕事ネタが絡むと好みだなあと思っていた方だったのもあって、ほぼ迷わず手にとりました。プレゼンというのは、確かにテクニックもあるだろうけれど、やはり大きいのはクライアントとのやり取りなんだろうなあ…というのは、前の会社がデザイン事務所だったから思えることなのかも。畑は違えど、そのあたりは良くわかるネタだったせいもあって、とても楽しく読めました。書き下ろしはちょっと攻キャラがヘタレ化してて、それも面白かったです。

私的評価 ☆☆☆☆
(金先生のゴージャスな感じのイラストがぴったりでした。そういえば最近やたら続けざまに金先生のイラストの本が出てるなあ。)

 

 2005年12月22日(木)  風の色を映す

   コバルト文庫   麻生玲子:作  小山田あみ:絵

大地&碧シリーズの2冊目になります。前作「いちばん外側の色」の直後の、揺れ動く主人公たちが描かれています。主人公大地は高校受験を間近に控えて部活も引退してしまい、受験一色になっています。久しぶりに再会して以降、随分仲良くなっていた碧ですが、前作ラストで強引にキスをしたことで、すっかり碧が怒ってしまって、全く寄り付こうとしてくれません。思い悩む大地は勉強が手につかず、碧自身も仲違いが原因でどうにも不安定な日々がつづきますが…。

もうちょっと焦らすかと思ってたんですが、意外と速かったなあ…(笑)というわけで、一応関係が一歩先に進みました。大地の純情さ加減が可愛いです。碧も大人ぶっているもののまだまだ青いし、可愛いので、ほのぼのしていて、微笑ましいお話です。まだ今は碧の副業もあまり大きいネタになってないし、これからの部分がたぶん多いんだと思いますが、大地が男前に成長してくれたら嬉しいなと思いつつ。でも、このままだとヘタレ攻街道突っ走ってそうな気がしますが(笑)

私的評価 ☆☆☆★
(中学三年生という設定だけが少々ひっかかりつつ…っていうか、ほぼ子供と同年代だと思うとちょっと…。そのうち高校生ネタも辛くなってくるのかしら。)

 

 2005年12月17日(土)  甘い夜に呼ばれて

   キャラ文庫   神奈木智:作  不破慎理:絵

小説キャラに掲載された表題作と、続編書き下ろしが収録されています。イタリア語の通訳をしている青年と、映画の配給会社の宣伝プロデューサーの青年のお話です。主人公の麻績は新人通訳。ある事情があって芸能通訳はできないと断ってきましたが、名指しでの通訳依頼があり、しょうがなく受けることになります。打ち合わせに向かった麻績に配給会社のプロデューサーの青年櫂は、意味ありげな言葉をかけてきます。実は3年前行きずりで関係をもった相手だとわかって…。

雑誌掲載の時にもチェックしていた作品でした。どうしても親子関係のあるイタリアのちびっ子女優たちが気になってしょうがなかったのは内緒(笑) お話のキーポイントにもなっているので、余計に気になりました。麻績の過去も壮絶なものですが、それでも乗り越えて強く生きる彼がいいなと思います。櫂もかっこよくて好きですが、やはり男前で仕事もデキる受キャラが一番好みのポイントかも(笑)

私的評価 ☆☆☆☆
(続編もけっこう長いお話なので、読みごたえもばっちりでした。神奈木先生の思い入れもひとしおのようです。)

 

 2005年12月17日(土)  小説家は束縛する

   キャラ文庫   菱沢九月:作  高久尚子:絵

全編書き下ろしで「小説家は懺悔する」の続編になります。前作でようやく解りあえてラブラブな日々を過ごすかに見えた二人ですが、それでも律はどこか不安を抱いたままでいます。そんな中、偶然立ち寄ったレストランでなんと昔の恋人に遭遇してしまった律。本当はこういう店で働きたいと思ってはいたものの、本当の事を言えば佐々原に反対されると思い悩む日々が続きますが…。

最初のいきさつがいきさつだっただけに、どうしても離れることに不安を感じてしまう律たちの気持ちがとても良くわかります。不安や疑心暗鬼はどんどん膨らんでいってしまうんですよねえ。そのあたりの悩み加減も含めて、読み終えて「ああ、2人ともなんだか殻を1枚剥がせたかなあ」と思いました。前作でもその印象はあったけど、まだ殻にじっと閉じこもっているイメージだったから、この続編が読めてようやく納得できた気分です。

私的評価 ☆☆☆★
(きちんと問題を乗り越えて、2人だけでいる状態ではなく、離れている時間があっても大丈夫、と思えるところまできたのが素敵だなと思います。)

 

 2005年12月17日(土)  オレンジニアな日々

     drapコミックス     日下孝秋:絵

国東兄弟シリーズの3冊目は、姫路、宮路と同じ3つ子の山路と、その幼馴染みの皐月のお話です。表題作以外にも、drapに掲載された短編がいくつか収録されています。主人公の皐月は元気で走り回っているオレンジ色の髪をした少年。彼にはまるで番犬のように(笑)ぴったりと張り付いて離れない恋人…というか下僕な山路がいます。国東兄弟達を始めとした、執行部は、文化祭で大忙しですが…。

多分このキャラたちは同人誌のほうで知ってる…はず(^^; ここでようやくキャラがつながりました。一応国東兄弟も全員顔が出たのかな?と思いますが、キャラ的ツボには一番今回の山路がハマっているはずなんですが、なぜか山路は好みではなかった…。なんでだろう。微妙にヘタレではなくてマニアだからかしら…(大笑)皐月が男前でいい感じです。ほかの短編もどれも楽しんで読みました。やっぱりコミカルなミニマム絵が好きだなあ〜。

私的評価 ☆☆☆☆
(国東3つ子学年差ネタって、そんなことだったんだ…(カバー裏参照)…でも、普通はそれ一緒の日にすると思うんですが。私はてっきり留年だと思ってました。皐月にあわせて(笑))

 

 2005年12月13日(火)  いつか、あふれる

   クロスノベルズ   麻生玲子:作   宮本佳野:絵

麻生先生のサラリーマンものの書き下ろしのお話です。主人公は、大手テクノロジー企業のシステム会社に勤める青年。同僚と付き合っていましたが、ある日デートでホテルに向かい、シャワーを浴びている間になぜか上司が部屋に現れ、恋人はほとんど何も言わずに部屋を後にしてしまいます。呆然とする主人公に上司は「お前は俺に譲られたんだ」と言い、そのままベッドを共にします。すぐに辞令がおりてその上司のチームへ入ることになった主人公は…。

あらすじだけだと、随分無理矢理っぽいんですが、上司が強引そうに見えてやさしかったりするので、あまりその辺の不快感はなく、楽しむことができました。昔の恋人がひどすぎますが、まあ引き立て役だしね(笑)だんだん苦しんで思い悩む主人公ですが、きっとこれからは上司が大切にしてくれることでしょう。彼らのその後も気になります。

私的評価 ☆☆☆★
(淡々としたイメージのお話でした。イラストが宮本先生だから余計にクールな雰囲気になってるのかな。)

 

 2005年12月10日(土)  スキャンダラスな君の夜

   プラチナ文庫   河野葵:作   小山田あみ:絵

河野先生の初プラチナ文庫は、芸能界モノのお話です。主人公は企業の秘書課に勤め社長の懐刀といわれている青年。社長の命を受け、秘書であることを隠して、女性問題でスキャンダルばかり起こしている俳優のマネージャーとして働くことになります。最初こそあまりの軽薄ぶりを持て余す主人公ですが、段々と彼の演技の良さや優しさに気がついてきて…。

河野先生の作品は、ショコラで何冊か読んでますが、結構どれもしっかり読めて好きな作品ばかりなんですよね。今回プラチナ文庫ということで濡れ場シーンはわりと多かったけど、それでも読みごたえがあったしテンポもよくて、楽しく読みました。演技力ネタも、そういえば私は好きなネタなのかもしれないです。芸能界モノでも鳥肌ものの演技が…なんて話は、大概お気に入りになってる気がします。単純かな(^^;

私的評価 ☆☆☆★
(レーベルのイメージもありますが、それでもやっぱりお気に入りが多い作家さんはどこの出版社で書かれていても好きなようです(笑))

 

 2005年12月10日(土)  そばにおいてね

    ビーボーイコミックス    桜城やや:絵

小説b-Boyに掲載されていた学園ものの表題作のお話とJUNK!BOYに掲載された同級生もののお話が収録されています。主人公は、関西弁でほんのり天然ボケ風味な(笑)高校生ユズ。小さい頃から自分のヒーローだった幼馴染みいっちゃんに今も一途に思いを寄せていますが、でも実はユズはかなりいっちゃんよりも背が高くなってしまい、秘か(?)に悩んでいて…。

まだかろうじて小説b-Boyを買ってたころに1度読んだことががあって、コミカルなストーリーに大笑いしてたので、今回楽しみにしていました。体だけ大きいけどオトメな(笑)ユズが笑えます。あの天然ボケテイストはなかなかのものだと思うのですがどうでしょう。小さくてもめちゃめちゃ男前ないっちゃんもいい感じです。さらに弓道着にちょっと萌えてみたり(笑)どうも袴系に弱いよなあ…。

私的評価 ☆☆☆★
(わりと桜城先生の作品は好きな方なんですが、その中でもイチオシです。先生の作品の中で私はこれが一番ツボにハマりました。)

 

 2005年12月02日(金)  うつむく視線

   drapコミックス    高久尚子:絵

「フロムイエスタディ」に出て来た脇キャラたちのお話がコミックスになりました。雑誌「drap」に掲載された作品と書き下ろしのショートストーリーが収録されています。主人公は中学の美術教師の青年と、家具デザイナーの青年。接点がないように見える2人ですが、きっかけは病院での出会いでした。母親の入院の見舞いに訪れた美術教師の美雪に声をかけてきたのは、明るい馨と言う青年で…。

「フロムイエスタディ」ではかなりのバカップルだった2人ですが、実はこんな過去が…という(笑)少々シリアスモードのお話になっています。過去の辛い経験があるだけに、今のラブラブっぷりがコミカルで笑えます。前作の主人公たちももちろん出て来ますが、相変わらずなバカップルぶりです。ほのぼのしてて楽しく読みました。ひょっとしたら前作よりも私は好きかも。メガネキャラが好み…というわけではないですが(笑)なんだか馨さんはツボにはまりました。

私的評価 ☆☆☆★
(少しずつ人間味の出て来た美雪も可愛くて好きですねえ。あ、あと個人的にカバーを剥がした2人の絵がかっこよくて好き〜。)

 

 2005年12月02日(金)  鳳挙の花嫁

  X文庫ホワイトハート  森崎朝香:作  由羅カイリ:絵

「雄飛の花嫁」シリーズの3作目になります。前作「翔佯の花嫁」の少し過去の時期を描いたお話です。1作目の主人公たちの孫にあたる青年が主人公になります。ちなみに2作目の主人公はこの青年の従弟ですね。綏の後宮に仕える舞姫である少女朱桃は、王の命をうけて同盟国である閃の次期国王となる巴翔鳳の器を見極めるため、閃へと赴きますが…。

これ、順番としては前作より前に読みたかったなあ…。これを読んでから前作を読んだら、きっと全く印象が変わっていたと思います。ハッピーエンドとは言い難いとあとがきにも書かれていますが、それでもかなりこちらのほうが前作よりも緩和されてるなと。前作の主人公たちは理解しにくかったけど、この主人公たちはまだわかる気がする。でもできればこの作品は、しっかり続きがあって欲しいと思います。次の作品もこのシリーズとのことなので、読めるのを楽しみにしています。

私的評価 ☆☆☆★
(オススメ作品なのですが、微妙にハッピーエンドではないあたりで、私は好きだけど勧めにくいなあ(^^; これの続編でハッピーエンドになれば、大手を振ってオススメしまくるんですが(笑))

 

 2005年12月01日(木)  ご主人さまは天使な悪魔

   パレット文庫   真船るのあ:作  蔵王大志:絵

真船先生の学園ものの新刊です。主人公は可愛い小動物的なキャラの少年。従兄を慕って進学校へ入学した主人公ですが、その敬愛する従兄にはどうやら目の上のたんこぶとも言えるような嫌味なライバルがいて、従兄が生徒会長になるには彼を何とかしなくてはいけないようです。張り切ってそのライバルの弱味を握るべく後をつける主人公ですが…。

二重人格強引攻と小動物オバカ受キャラなお話は、少々ツボからは外れていましたが、それなりに楽しく読めました。二重人格な攻がどんどん受に巻き込まれて人間的になっていく様子は、わりと楽しかったです。強引な展開はどうかなとは思うんですが、最後には2人してバカなキャラになっているので(笑)まあいいか、バカップルで…と言う感じでしょうか。

私的評価 ☆☆☆
(真船先生のキャラは、コミカルでオバカな所もツボなんですが、やっぱり美人で毒舌の「受」が一番好みなんだよなあ…。今回の攻が受キャラだったら大好物だと思うんですが…(笑))

 

 2005年12月01日(木)  キャットテールレポート No.5

   パレット文庫   新田一実:作  富士山ひょうた:絵

3シリーズ目になる「キャットテールレポート」もはや5冊目を数えます。…いつになったら進展するのか、もはや設定のみになってる気がする恋愛部分(^^; 今回もまたもや事件に巻き込まれてしまう将と悠次。今回の事件の発端は将が就職することになった会社の社長である伯父で、しかもこの伯父さん、実はゲイで恋人と一緒に暮しているらしくて…。

…おぢさんのカップルは正直どうでもいい感じ…(^^; いや、伯父さんはおやぢ好きとしては美味しいキャラだと思うんですが、それなりに歳をとってそうな伯父さんの恋人が頭悪そうでちょっとなあ…(^^; こんな伯父さんたちのラブラブを見るよりは、もうちょっと「将の恋愛」部分を深めて欲しいと切に願いつつ。…っていうか、そのネタほんとにどっかに消えちゃった気がします。もう15冊なのに、相手にさえ伝わってないってどうよ…(T_T)

私的評価 ☆☆★
(わかってはいるんですが、なんだか期待するだけ間違ってるのかなあ…(^^;と寂しくなります。その関係の結末を知りたいがためだけに読んでいるシリーズと言っても過言ではないので(^^;)