2005年6月のレビュー

 

 2005年06月30日(木)  キスは大事にさりげなく

   ルビー文庫  崎谷はるひ:作  高永ひなこ:絵
  
ルビー文庫での崎谷先生3ヶ月連続刊行のラストを飾るのは、新シリーズです。主人公は、世間知らずな青年。日本画の大家と呼ばれた祖父と2人きりで片田舎で暮していましたが、突然の祖父の死で遺産とともに莫大な相続税を払う羽目に陥ってしまいます。全てを失うかもしれないと途方に暮れる主人公のもとを訪れたのは、ある企業グループの後継者の青年。祖父の作品をきちんとした形で引き取り、さらに主人公の世話もしようと提案する青年に、主人公は…。

今後まだまだ謎が多そうな、いかにも導入部分な感じのする作品でした。とりあえず、ほんわかふんわりした、天然な主人公と、仕事ばかりだった攻が段々と生活の潤いを覚え惹かれあっていくのは、読んでいてとても和みました。あまりに天然なため、少々攻が罪悪感を感じさせられてる気もしますが(笑)いいコンビだなと思います。続編では、どんな事件が起きるのか、今から楽しみです。

私的評価 ☆☆☆☆
(崎谷先生ならではな、天然っぷりは読んでいて楽しいです(笑)周りが全員翻弄されてて(笑)思わずニヤリとしてしまいます。)

 

 2005年06月30日(木)  嘘から始まるロマンス

  リンクスロマンス  いおかいつき:作  有馬かつみ:絵
  
いおか先生の初リンクスロマンスは、全編書き下ろしです。主人公は運転代行会社に勤める、元気印の車大好きな青年。運転の難しい車でもなんでも乗るので可愛がられ、人気もあります。整った顔をしているものの、自分では全く頓着していません。そんな彼が偶然代行業で出会ったのは会社社長をしている青年。珍しい外車に乗っているその社長に気に入られ、「バイトをしてみないか」と誘われますが…。

車大好きオーラのかなり漂う(笑)お話でした。元気な主人公がほんとに車が大好きで、逆にそれ以外に対しての興味が薄いため、途中までは全然「ラブ」部分が薄くなっていましたが、半分以降はかなりラブ度も上がっていて、受攻ともにもどかしいような鈍感ぶりを発揮してくれるので、焦れったくてしょうがなかったです。最後はこれでもかというぐらいに攻が甘やかす展開になっているのは、もうしょうがないだろうな(^^; とりあえず、男前な受好きな方はぜひ。

私的評価 ☆☆☆★
(運転代行業の話なんて、初めて読みました(笑)某地方都市でしか私は聞いた事がない職業なのですが(^^;家の近くは私鉄が密集してて、車なしでも動けるからかなあ。なんだか懐かしい響きでした(笑)<代行)

 

 2005年06月30日(木)  花隠れ

  リンクスロマンス  華藤えれな:作  佐々木久美子:絵
  
雑誌小説リンクスに掲載された、京都を舞台にしたお話と、その続編書き下ろしが収録されています。主人公は、京都嵯峨野で京友禅の店を細々と営んでいる青年。妹二人の結婚という出費もあり、借金を抱えている彼は、地元で力をもつ不動産屋に借金の肩代わりに身を任せることが決まっています。ある日染めた友禅を納品しに、能楽の宗家へ向かった主人公は、なにやらインパクトのある青年と出会います。数日後、主人公の元にやってきたその青年は…。

つい最近の掲載と思ってたんですが、もう3年近く前の作品なんですね(^^; こないだ雑誌を読み返したから記憶に新しかったのかな。京友禅や能楽という独特の世界を描いていて、いわゆる「特殊技能(笑)」ネタ好きな私はとても楽しんで読む事ができました。書き下ろしも意外なキャラが出てきたりして、面白かったです。気になっている脇キャラは、ちゃんと今月の雑誌に番外が掲載されています(笑)これも健気受が好きな方はオススメです。

私的評価 ☆☆☆★
(気が弱そうに見えて、ちゃんと一本芯が通ったキャラなのが魅力ですね<受>攻キャラも天才肌なので、ちょっと天然チックなとこもありますが、基本的にかっこいいです。)

 

 2005年06月30日(木)  FLESH&BLOOD 8

   キャラ文庫   松岡なつき:作   雪舟薫:絵
  
大人気大航海時代シリーズFLESH&BLOODの8冊目です。前作の最後、ようやくジェフリーと結ばれるかと思われた海斗ですが、ナイジェルと一緒にいたところをビセンテに拉致されてしまいます。事情を知ったジェフリーは急いで助けに向かいますが、その道中でナイジェルの思っても見なかった裏切りとも思える言葉を聞き、ショックを受けます。それでも海斗を助けるという目的のため、共に行動しますが…。

ここまで寸止め状態でくるとは思ってもみませんでした(笑)お相手は海斗的にはジェフリーでしょうけれども、ビセンテも最初に比べたらかなりマシになったし、ナイジェルも微妙にあきらめてないし。これから一体どうなるのか、全く見当がつきません。あ、でも個人的にどうにもビセンテは好き度が低いので(笑)(自分の側仕えぐらい管理しろよ…と思ってしまう(^^;)できたらジェフリーかナイジェルでお願いしたいですが(笑) 次はスペイン王宮へということなので、さらに海斗に苦難が待ち受けてそうですが、頑張って欲しいです。

私的評価 ☆☆☆☆
(あとがきにも書かれてますが、このシリーズがCDになります。物凄くキャスティングが気になるなあ〜。ぜひとも、「安定感」のあるメンバーをお願いしたいと思いつつ。発売が愉しみです。)

 

 2005年06月30日(木)  やればできるさ

    ディアプラスコミックス  楢崎壮太:絵
  
本屋で気になってふと手にとり、裏を返して裏表紙の表情に一目惚れして(笑)初めて購入いたしました。楢崎先生の2冊目のディアプラスコミックスです。雑誌ディアプラスに連載された表題作と、続編の書き下ろし短編、drapに掲載された別の短編が収録されています。塾を舞台にしたお話で、主人公は塾の講師の青年。数学担当の彼は、教え方の上手さや人当たりの良さから、人気があり慕われています。しかしそんな彼にどうしても懐かない生徒がいて、しかもその生徒は国語担当の先生には屈託のない笑顔を見せたりして…。

なんだか、ほのぼの可愛い〜という印象のお話でした。一生懸命頑張る受験生くんも、彼に真面目にちゃんと向き合う主人公も素敵です。お話のストーリーも可愛いんですが、なによりお気に入りなのが、各話の間にちょこちょこと描かれているミニ1コママンガ。ミニキャラも可愛いし、塾の事務の女性のコマがギャグのオチになってて(笑)なかなか笑えます。とても楽しく読む事ができた作品でした。

私的評価 ☆☆☆☆
(こういう衝動買いはコミックスでは珍しいかも。久々に新規発掘、という感じです(笑))

 

 2005年06月25日(土)  夢のころ、夢の町で。

  キャラ文庫    菅野彰:作  二宮悦巳:絵
  
ずいぶん前に一度発売予定に上がったものの、延期になってしまい、ずっと発売を心待ちにしていました。コミックス「子供の言い分」の2巻と同時刊行で、すっかり「毎日晴天 秀と勇太クローズアップ期間」な感じ(笑) 今回は秀や勇太の回想の形で、前後に現在を描いた短編で挟まれる形で、二人の出会いと京都で暮らした時代が語られます。生活をするために「当たり屋」をしようとした少年勇太は、失敗して大怪我を負ってしまいます。入院している勇太の元を足しげく訪れるのは、事故の相手でもある線の細い青年秀。最初は「けったいな奴」と思っていた勇太もだんだん心を開きはじめますが…。

いやはや、覚悟はしていたものの、やはりしんどいお話でした…。それでもまだ秀の中にある深淵は理解し難い(きっと秀自身も分かっていない気がする…(^^;)でも勇太の気持ちは理解しやすくなったかなあ。この過去を真弓にちゃんと話せるようになったのが1番嬉しいです。回想シーンのドシリアスとは対照的であるコミカルな日常も楽しかった。なんだかいろんな壁を乗り越えた感じがする一冊でした。

私的評価 ☆☆☆☆★
(読み終えた後、本当に疲労感を感じました。書かれた菅野先生のしんどさはきっと読む以上のものだろうなと、思います。でも、この作品がなければ、今の勇太も秀も先へ進めない気がする。もうすぐ志麻姉も帰ってきそうだし(笑)まだまだこれからが楽しみです。)

 

 2005年06月25日(土)  子供の言い分 2

  キャラコミックス  二宮悦巳:作画  菅野彰:原作

久々の毎日晴天シリーズは年少カップル勇太と真弓のシリアスなお話「子供の言い分」の二冊目になります。進展がある部分でもあり、すれ違っていた二人の気持ちがゆっくり寄り添っていくシーンをどう描かれるのかなと楽しみにしていました。ささいな秀の勇太についてのエッセイが元で、一家上げての大喧嘩(?)に発展してしまった帯刀家。思っていた以上に勇太の絶望感は強くて…。

タイムリーなことに小説の新刊が京都時代の秀と勇太だったせいもあって、非常に引きずられました(^^; 私はどちらかといえばこの2人よりも龍兄のほうがよりシンクロ度高いんですが、それでもこの2人の抱えるとてもとてもしんどい思いは、些細なところで共感できてしまうんですよねえ。進展があるシーンは、毎日晴天シリーズ初の濡れ場で(笑)二宮先生のこの絵でそういうシーンというのが、ちょっと意外な感じもしました。個人的に、キャラコレクションに載った「日々是バース」が凄く好きです。バースも苦労してるなあ…(笑)

私的評価 ☆☆☆★
(子供の言い分はこれで一段落…かな?次は順番通り「いそがないで」になるようです(現在キャラで連載中ですね)が、私は「花屋の2階で」が待ち遠しいです(笑))

 

 2005年06月24日(金)  君に捧げるホームラン

  キルシェノベルズ   檜原まり子:作  ほづみ音衣:絵

檜原先生の初キルシェノベルズは、タイトルで一目瞭然(笑)野球ネタのお話です。主人公は大病院の御曹司。自身も整形外科医としてアメリカで最先端の技術を学んできました。主人公がこの道を進もうとした動機には、高校時代の同級生が関わっていて…。

檜原先生の作品を読むのは、花丸文庫の医者もの以来だったので、「主人公がやたら叫んでたらやだなあ(^-^;」と思いつつ、でもあらすじはかなり好みでとうとう購入してしまいました。読んでみて、思ったほどはキャラがわざとらしくなくてホッとしました(笑)まあ、それはどうだろうと思うシーンはいくつかありますが、主人公の健気で献身的なところや、相手役の微妙なヘタレ具合はツボにはまってて楽しんで読めました。

私的評価 ☆☆☆
(野球描写は少ないけど、読んでいてもそう無理は感じなかったし、けっこう楽しく読めた1冊でした。)

 

 2005年06月20日(月)  夢のある場所

    アクア文庫   春原いずみ:作  麻生海:絵

アクア文庫で再版されていた「吉永&内海」シリーズもとうとう4冊目になりました。一応ヴァリオノベルズで出た最終巻ですね。今回は設楽の姉御から押し付けられた女性の研修医がトラブルの元になります。実はこの彼女、前作で同じ病院に異動してきた春谷先生の年の離れた異母妹で、しかもなにやら真面目とは程遠いものがあって、すっかり巻き込まれてしまう吉永先生ですが…。

懐かしいですねえ。もちろん過去のレビューもあるんですが、また改めて(笑) えー、やっぱり文庫版でもどうにも許せないキャラでした…(^^;<春谷妹>分かってはいたんですが、やはり医療の世界でなくとも世間一般として、当たり前にするべきことや一般常識なんてのはあると思うんですね。で、さらに医者っていうのはいろんな守秘義務もあれば人の命を繋ぎ止める使命も持っている…。身近に医者がいるからこそ、彼女の動きにイライラしてしまいました(^^; まあ、それだけリアルだったと思えばいいのかな(笑)いろいろ考えさせられることの多い、作品です。またじっくり並べて読もうかな(笑)

私的評価 ☆☆☆★
(できたら、この後も続いて欲しいんですが、どうなのかなあ?同人誌も多く出てるし、絶対お話のストックはあると思うんですが(笑))

 

 2005年06月17日(金)  あなたにそばにいて欲しい

   花丸文庫   雪代鞠絵:作  櫻井しゅしゅしゅ:絵

ちょうど読む本がなく、うろうろ本屋を物色していた時に手にとりました。ひょっとしたら初めて読むのかな(^^;<雪代先生 愛人ネタっぼかったので、どうかなあと悩みつつ(笑)主人公は青年実業家の愛人をしている青年。わがままな猫のように愛人生活を謳歌しているように見える主人公は、実はとても感じやすく、孤独に耐えられない繊細さを持っていますが…。

えー、どうにも苦手ポイントの高そうなお話にもかかわらず買ったのは、お相手キャラがけっこう好みだなと内容確認した時に思ったからなんですね。愛人を囲っている青年実業家はどうでもよく(笑)バイトをしながら幼い弟と共に暮すマジメ君がいいなあと。いろんな事情があってなかなかうまくいかない2人なのですが、最後はちゃんと再会できてよかったなと思います。途中悲愴な覚悟で別れを切り出す主人公ですが、ちょっと自分に酔い過ぎててつらかったかな(^^; 健気なのは好みなんですが、後ろ向きすぎだなあと。だから逆に再会した後の前向きな方が好みで、くっついてからの彼らの方が読んでみたかったです。

私的評価 ☆☆☆
(再会のシーンは、もうちょっとマジメ君のままで居て欲しかったなあ〜。まあ、すぐに戻るんですが(笑)どっちかというと、まるで青年実業家みたいであのシーンだけはポイント低いです。)

 

 2005年06月15日(水)  夜に薫る純白の花

   リーフノベルズ  真崎ひかる:作  高久尚子:絵

ひょっとしたら新装丁になってから初めてのレビューかしら(^^; すっかり趣きの変わった感じのリーフノベルズ。表紙だけみると、今までと違うので他のレーベルかとおもいました(^^; 真崎先生の新刊は、ヤクザにかかわりをもつ医院を舞台にしたお話です。主人公は線の細い美少年の一葉。大きな日本家屋に町医者を営む寡黙な青年宏晃と共に暮らしています。実は一葉がこの家にやってきたのには様々な事情があって…。

これもまたかなりシリアスなお話でした。育ちの複雑さゆえに、自分の思いを押し殺してしまう主人公が切ないです。ある意味天然キャラともいえるんですが、やはりちゃんと「お互いに話をする」ことができないためにすれ違いもあって、読んでいても焦れったくてしょうがなかったです。ネタのわりには無理矢理な感じもあまりなくて、じっくり読む事ができました。


私的評価 ☆☆☆★
(高久先生のイラストが華やかで可愛くて、ぴったりです。個人的にはオヤジキャラが一番渋くて好きかも(笑))

 

 2005年06月10日(金)  やさしい告白

   クリスタル文庫  うえだ真由:作  青樹糸總:絵

うえだ先生の初クリスタル文庫は、大学生向けの家庭的な下宿を舞台にした、幼馴染みもの…に近い感じの作品です。主人公は下宿を営む家のひとり息子。もともと父親が大学教授で、自分の大学の生徒を下宿人を受け入れていたのですが、父親が亡くなったあとも母と子でそのまま下宿屋として続けています。居心地がよいことから、大学を卒業してもまだ下宿しているものもいて、主人公はある物静かで優しい下宿人の青年に思いを寄せています。しかしその青年の弟は、同じ下宿人ながら主人公をからかってばかりで…。

最初は普通に恋愛ものと思っていたんですが、(いや、恋愛ネタなのはもちろん間違いないんですが(^^;)随分思っていたところと違うところに着地したなという感じで、びっくりしました…。かなりシリアスだし、展開が予想もしていないことだったので、感情移入しまくった私は思わず涙が浮かんでしまいました(^^; でも、つらいことを乗り越えた2人の絆は確かに深くなった気がします。思っていた以上の読みごたえを感じた作品でした。


私的評価 ☆☆☆★
(途中、イラストのところでどうにも不自然なところがあって、「…なんかヘンな感じ…」と思ってしまったら、シリアスシーンなのに笑えてしょうがありませんでした。ごめんなさい(^^;)

 

 2005年06月10日(金)  芸能界は恋のステージ

    クロスノベルズ  渡海奈穂:作  やまかみ梨由:絵

渡海先生の久々の新刊は、読んで字の如く(笑)芸能界が舞台のお話です。主人公は、アイドル二人組の片割れ。最初は歌手としてのデビューでしたが、最近は相方とはばらばらに仕事をしています。タカビーで気の強い主人公…ですが、実はその性格は意識して作っていたもので…。

主人公の不自然な「演技」もその原因も、割と早くに見抜くことは出来たのですが、やはりわかっていても主人公にとって信じていたものが失われたというのはすごくつらい体験だったのだろうなと思います。つい彼に感情移入してしまい非常に引きずられました。お相手キャラは年下なのですが、年下ならではの強引さと役者としてのキャリアの長さゆえの度量の深さを合わせ持っていて、個人的にはとても好みで、魅力あるキャラでした。好きな演劇ネタということもあって、とても楽しんで読むことができました。


私的評価 ☆☆☆★
(渡海先生の作品は、わりと物事の見方や取り組み方に共感を覚えることが多く、読み終えたあとの満足感が違う気がします。これもそんな感じでした。)

 

 2005年06月10日(金)  熱愛コンプレックス

   GUSHコミックス    葛井美鳥:絵

雑誌GUSHに掲載された「失恋マニア」シリーズの3冊目になります。雑誌掲載分に少し加筆もされているようです。すっかりラブラブなカップルになった主人公のバーのオーナーである青年と、常連客の医師の2人。モテモテな割に恋愛に疎いオーナー敦也は、恋人の医師山崎とはれてカップルになったはいいものの、自分の気持ちをどう扱っていいかわからず、妙に不安になったりしますが…。

もっときつくてタカビーなイメージだった敦也が、なんだか可愛くなってしまって(笑)意外でした。だんだんと悩みごとがシリアスになっていってますが、相変わらず一生懸命だけどちょっと鈍い(笑)敦也と彼を守るためならなんでもやってしまえそうな行動力をもつ山崎がナイスコンビです。いろいろあったから余計にそうおもうのでしょうけども、ラストシーンの主人公の表情がとても柔和で、「ああ、幸せなんだなあ〜」と実感できて、嬉しくなりました。これからも続くのかな?楽しみにしています。

私的評価 ☆☆☆★
(個人的に、バーテンダーのクールビューティーと、山崎の後輩の外科医が気になるんですが(笑) …この2人でカップルって面白そうだなあと思うのは私だけでしょうか?)

 

 2005年06月10日(金)  悪態は吐息とまざりあう

   ビーボーイコミックス   富士山ひょうた:絵

ひょうた先生の初ビブロスコミックスです。雑誌BE-BOY GOLDに掲載されたリーマンものの「悪態」シリーズと、ミニ短編書き下ろしが収録されています。GOLDは全く購入していなかったため、初めて読む作品になります。主人公は普通のサラリーマン。転職と同時に引っ越したものの、仕事に手をとられ、部屋がとんでもなく腐海と化してしまっており、便利屋を頼んで綺麗にしてもらいました。その数日後、便利屋の1人が「携帯を忘れたらしい」と彼の元を訪れますが…。

最初こそ、「えええ!?」とびっくりしてしまうインパクトのある始まり方だったんですが、段々と「ひょうた先生ならでは」な表情や話の流れになっていったので安心。最初のネタのまま突き進んでたら危うく好みから外れるとこでした(^^; ネタ的には少々無理矢理だったりもするし、苦手傾向のものではあるんですが、それを凌駕する「何か」を感じるので、気にはなりませんでした。とりあえず、冬時の背景になにがあるのか、気になるところです。

私的評価 ☆☆☆★
(書き下ろしのミニ短編や四コマが面白くて(笑)思わず笑ってしまいました。本編自体も少々コミカルな部分があるから余計ですね。)

 

 2005年06月03日(金)  銀の手のバルドス

  X文庫WH  たけうちりうと:作  雪舟薫:絵

新刊予定に入ってて大喜びしました(笑)「ウスカバルドの末裔」シリーズです。前作の前後編で終わりかと思っていたので、すごく嬉しいです〜。主人公カノンは、ナ・ノーグという剣を扱うことのできる少年。共に旅をし思いを寄せあうようになった黒髪の楽師バルと、自分の生まれ育った村で細々と暮しています。しかし、ある日王宮に妙な申し出をしに地方の豪族がやってきて、再び運命の輪が回り出しますが…。

今回はバルの過去編なのかな?(笑)意外な彼の過去が明らかになって、びっくりしました。まあ、言わば過去の精算のためのストーリーだった感じでしょうか。相変わらず一生懸命なカノンと、飄々としてるくせにことカノンにかかわるととんでもなく歯止めがきかない(笑)バルがいいコンビです。王や側近たちも相変わらずで、とても和む作品でした。

私的評価 ☆☆☆★
(悪い事はできない、という教訓のような感じでしたね<ラスト>ちょっと急ぎぎみなストーリーでしたが、また続きを楽しみにしたいと思います。)

 

 2005年06月03日(金)  華燭恋唄 斎姫撩乱

  X文庫WH   宮乃崎桜子:作   浅見侑:絵

全然今まで購入してなかったシリーズだったのですが。CDになると聞き、ちらっと内容を確認してみたところ、意外に好みなことが発覚しまして(笑)前シリーズ(斎姫異聞)から根性で全て集めて読みました(笑)(さすがに前シリーズは中古でないとなかった…)そしてタイムリーに新刊が出て初レビューとあいなりました。時は平安、藤原道長が権勢を誇る時代のお話で、主人公は皇族の血をもつ姫宮を妻に迎えた若き青年貴族源義明。実はその姫宮は、元斎宮を母にもち、不思議な力を兼ね備えている「神の子」で、その力を失う不安から、いまだ清い関係のまま夫婦として過ごしています。紆余曲折があり、現在記憶を失っている夫義明と素直になれない宮ですが…。

タイトルからして、いよいよか!と少々期待したんですが、別のキャラだった…(^^; いい加減、記憶を取り戻してくれないかなーとか思いつつ、この焦れったさもコミでこの作品があるのかなとは思いますが、早くラブラブもーどを復活させて欲しいです。…そして香久夜があまりにも邪魔だ!(^^; 長屋王の記憶はぜひとも源頼政に差し上げてください(大笑)次巻ではぜひぜひ、なんらかの進歩がありますように…(笑)

私的評価 ☆☆☆★
(そう、めちゃめちゃ焦れったいんですよ、ほんと(^^; でもそれも楽しいうちかも。個人的には「うたかた」という別キャラのお話がめちゃめちゃ印象に残っています。)